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【農業における資金計画のキホン】運転資金の把握と金融機関との付き合い方
この記事で紹介するのは、制度融資の申し込み時に提出する「経営改善資金計画書の重要ポイント」です。資金計画は、その時の融資の審査を左右するだけでなく、金融機関との長いお付き合いのベースとなり、自身の経営を振り返り事業計画を立案する基本となるのです。

この記事は、アドバイザーの株式会社 米シスト庄内 佐藤優人さんによる解説とともにご覧ください。
投資資金だけでなく、運転資金を把握して初めて「必要な資金」がわかる
金融機関から融資を受ける理由は、「農機を買い替えたい」「農地を取得することになった」「肥料や種苗の支払い時期に資金が足りなくなりそう」など、資金手当てが必要なときです。
必要な資金を農機の代金全部、肥料の代金全部と考えてしまいがちですが、そうではありません。
営農活動によって変動する「運転資金」を把握して初めて、足りない資金の実相がわかり、過不足ない資金手当て額を導きだせます。
肥料や種苗の仕入れ金については、JAとの「営農貸越契約」などによって、収穫した農産物の売上金が入るまで貸越できるので、運転資金の変動を意識していない方が多いようです。
しかし、日頃から運転資金を正しく見積もってお
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この記事のアドバイザー紹介

株式会社 米シスト庄内 佐藤優人 さん
1988年山形県東田川郡庄内町(旧・余目町)生まれ。早稲田大学進学後、2011年の東日本大震災を契機に故郷へ戻り、家業である農業生産法人「米シスト庄内」に入社。米の生産・加工・販売を手がけるほか、米加工品のプロデュースや、田んぼのオーナー制度「MY PADDY YAMAGATA」、水稲に特化した栽培管理アプリ「Rice Log」の企画など、先進的な取り組みを行う。また、音楽イベントの企画・運営にも携わり、地元の活性化にも貢献。創業社長の父・彰一さんから事業を引き継ぎ、2024年3月、株式会社米シスト庄内・代表取締役に就任した。米シスト庄内でつくる米は「つや姫」「雪若丸」「はえぬき」「ササニシキ」などすべてが特別栽培米であり、直売中心の独自の販売ルートを確立している。
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