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プロ農家必見!「米の販路開拓」を深考する
米の価格低迷が続く中、水稲農家が収益を上げるためには、経営の見直しや販路の拡大が欠かせません。販路の選択に当たっては、米の需要動向を考慮し、安定的な売り先を見つけることが重要です。

この記事は、アドバイザーの株式会社 米シスト庄内 佐藤優人さんによる解説とともにご覧ください。
新たな販路を開拓するには、市場のニーズを把握してそれに合わせた栽培計画や経営戦略を立てる必要があります。そこで本記事では、米の主な販路とその変化、新しい販路を開拓する際のメリットやデメリットについて解説します。
進む「米の販路」の多様化

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近年、食の欧米化や生活スタイルの変化に伴って、消費者の米離れが進み、米余りの状況が続いています。一方、中食・外食産業では米の消費が増えており、需要が変化しています。
販路拡大を考えるに当たっては、こうした流通の現状を把握することが大切です。
米の販路全体像
2020年産米のデータをもとに米の流通経路の全体像を見ると、次のようになります。

出典: 農林水産省「農林水産省審議会|食料・農業・農村政策審議会|食糧部会|食料・農業・農村政策審議会食糧部会(令和5年3月1日開催)」 所収「参考資料7 米をめぐる関係資料 令和5年3月」よりminorasu編集部作成
主食用米の半分近くは、JAなどの集出荷業者から卸や小売りまたは消費者
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この記事のアドバイザー紹介

株式会社 米シスト庄内 佐藤優人 さん
1988年山形県東田川郡庄内町(旧・余目町)生まれ。早稲田大学進学後、2011年の東日本大震災を契機に故郷へ戻り、家業である農業生産法人「米シスト庄内」に入社。米の生産・加工・販売を手がけるほか、米加工品のプロデュースや、田んぼのオーナー制度「MY PADDY YAMAGATA」、水稲に特化した栽培管理アプリ「Rice Log」の企画など、先進的な取り組みを行う。また、音楽イベントの企画・運営にも携わり、地元の活性化にも貢献。創業社長の父・彰一さんから事業を引き継ぎ、2024年3月、株式会社米シスト庄内・代表取締役に就任した。米シスト庄内でつくる米は「つや姫」「雪若丸」「はえぬき」「ササニシキ」などすべてが特別栽培米であり、直売中心の独自の販売ルートを確立している。
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