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【2022最新】水稲育苗マニュアル完全版! 失敗を防ぐコツ&省力化が叶う新栽培技術とは?

【2022最新】水稲育苗マニュアル完全版! 失敗を防ぐコツ&省力化が叶う新栽培技術とは?
出典 : Princess Anmitsu / PIXTA(ピクスタ)

水稲の育苗には、1ヵ月足らずの間に種子の塩水選、消毒、浸種、催芽、播種、緑化、硬化といった多くの手順があります。ここでは各ステップにおいて重要になる病害虫の防除や温度・湿度管理などの注意点とともに、従来の方法に比べて省力化が期待できる「密苗」について説明します。

水稲栽培において、育苗は株の成長と収穫量を左右するとても重要な工程です。

適切な培土の準備から種子の処理、播種、緑化、硬化まで、育苗の大切なポイントに触れながら、健苗育成の秘訣を解説します。それに加えて新しい「密苗」技術も紹介します。

水稲栽培は育苗が鍵! 健苗育成のために押さえておきたいポイント

ビニールハウスでの水稲育苗

kikisorasido/ PIXTA(ピクスタ)

昔から「苗半作」と言われるように、育苗はわずか1ヵ月足らずで稲作の半分に相当するほど重要性が高く、その後の株の生育や収量に大きな影響を与えます。

まずは健苗育成の2つのポイントを押さえましょう。

ただし、育苗は気候・気象条件や作期、土壌の特徴、品種によって適した方法が変わります。記事の内容は1つの目安ととらえ、それぞれの地域特性や品種の特徴を加味してください。

播種時期は「育苗日数」と「田植えのタイミング」を考慮して決める

1つ目のポイントは、最適な葉齢で苗を定植できるように、播種のタイミングを見極めることです。葉齢が進んだ苗を定植すると、胚乳が十分に残っていないため活着が遅れ、品質の低下を招いてしまいます。

苗は葉齢によって、乳苗(葉齢1.4〜1.5)、稚苗(葉齢2.0〜2.5)、中苗(葉齢3.5〜4.0)、成苗に分けられます。定植後の活着をよくするためには、田植えのときに胚乳がまだ8%ほど残っている「2.2葉期」頃となるように播種時期を決めましょう。

育苗の日数は、時期や地域によって変わります。春先は気候の変動が大きく、日を追って平均気温も上がっていきます。暖かくなればそれだけ育苗に要する日数も短くなります。育苗中は病害などの発生リスクも高いため、いずれの場合も育苗期間は1ヵ月以内に納めましょう。

早期異常出穂を防ぐには、温度管理・水管理を徹底しよう

2つ目のポイントは、育苗期間を通して適切な温度や水量・水質を保つことです。まずは基本の温度・湿度管理方法やその目的を理解し、そこから地域や品種の特性に合わせて最良の環境に調整します。

例えば、催芽では水温を約30℃で保ちます。播種の際は土に十分な量の水を撒き、出芽段階では保温シートで適温に保つなどの処置を施します。緑化では気温を20~25℃に保ち、硬化のステージでは節水管理をして根の伸長を促します。

【水稲育苗マニュアル】基本の育苗方法・手順

現在、広く取り組まれている基本的な育苗方法について、手順を追って説明します。

1.育苗箱の洗浄・消毒と育苗土の準備

苗が病原に触れないよう、使用する用具は洗浄・消毒を行いましょう。特に育苗箱の清浄度は影響が大きいため慎重に洗浄・消毒をしてください。

育苗土も同様に、病害虫の予防が重要です。特に消毒や施肥もされている市販の育苗用培土が便利です。

まず、土を4~5mmのふるいにかけます。通気性が悪い場合は、燻炭を入れて調整したあと、pHを4.5~5.5に調整します。育苗箱1箱当たり4~5Lの土を使用します。

水田や山の土を使う場合は殺菌やpH調整などの事前準備が必要です。

2.種子消毒

温湯種子処理機による種子消毒

温湯種子処理機による種子消毒
写真提供:HP埼玉の農作物病害虫写真集

ばか苗病、もみ枯細菌病、いもち病などは種子を介して感染します。そのため、罹病種子を取り除く「塩水選」と、病原菌を防除する「種子消毒」は重要な作業の1つです。

なお、消毒済みの種子を使う場合は、塩水選や消毒を行うと農薬が流れて消毒効果が低くなるので、この工程は省略します。

塩水選は、食塩または硫安で比重液を作り、そこに水洗いした籾を投入して浮いた籾を取り除く工程です。うるち米は比重1.13、もち米は比重1.08の比重液を使用します。液に長く漬けると生育不良になるため、処理後は速やかに真水で洗い、よく水を切りましょう。

続いて行う種子消毒は、一般的に農薬を使って行います。総合種子消毒剤、もしくは防ぎたい病害虫に適した農薬をラベルの記載に沿って希釈し、種籾と同量の希釈液を作ります。水温が10℃を下回ると効果が低くなるものなどがあるため、温度にも配慮しましょう。

種籾を希釈液に浸し、ムラのないように時々かき混ぜながら24時間浸漬したら、そのまま乾かします。消毒に用いた液は河川や用水路に廃棄せず、産業廃棄物処理業者に処分を委託しましょう。

農薬を用いない場合は、60℃のお湯に10分ほど漬け、すぐに冷水にさらす温湯消毒も有効です。

▼種子消毒についてはこちらの記事もご覧ください。

3.浸種~催芽

浸種では水温の管理が重要です。浸種しはじめの水温が低すぎると発芽率が低下する恐れがあり、反対に20℃を超えると細菌性病害のリスクが高まります。

10℃以上の水温を維持し、10℃なら10日間、15℃なら7日間浸漬します。積算温度で100℃を目安としましょう。

次に催芽器などを利用して水温を25~30℃に加温し、12~20時間ほどかけて催芽します。ムラがないよう籾を均一に広げるのがコツです。

籾が鳩胸状態(鳩胸のよう均一にふくらみ幼芽が0.5~1mm出たところ)になったら催芽したと判断して脱水します。それ以上に芽を伸ばすと芽や根を傷つけてしまい、播種機が使えなくなるので注意が必要です。

種籾の催芽

大地爽風 / PIXTA(ピクスタ)

4.播種~育苗箱の殺菌

水稲の播種機

hiroki-bigtree / PIXTA(ピクスタ)

播種量は、育苗箱当たり乾籾で120g、催芽籾で150gほどの播種量を目安とし、播種機などを用いて均一にまきます。播種前後に床土の下まで湿った状態となるよう灌水をしたあと、種籾が隠れる程度に覆土します。覆土後は灌水をしません。

灌水の際、必要に応じて育苗箱殺虫殺菌剤を入れます。播種と同時に行うことで殺虫殺菌剤を正確な分量でムラなく施用できるため、田植え後に散布するより省力化できます。播種前に、育苗土に粉剤型の殺菌剤を混和してもよいでしょう。

5.出芽~緑化・硬化

緑化前の苗

otamoto17 / PIXTA(ピクスタ)

出芽

出芽は温度を30℃とし、2~3日かけて芽の長さを8~10mmにします。それ以上に伸ばすと病害に弱くなり、短すぎると生長後の苗丈不足に陥る可能性が高くなります。また、30℃を超えると細菌性病害が発生しやすくなるので温度管理も徹底しましょう。

緑化

全ての苗から芽が出たら、育苗箱をハウス内に平置きして3~4日を目安に緑化を行います。この間はハウス内温度を日中20~25℃、夜間15~20℃に保ち、被覆して遮光をします。

発根を促すため、表面が乾いたら少し灌水する程度に抑えます。苗の高さが約3cmに達し、第1葉の先端が見え、なおかつ葉が緑色になったら緑化が終わったと判断して被覆を取り外します。

育苗箱をハウスに平置きし被覆

dr30 / PIXTA(ピクスタ)

硬化

被覆を除去するとステージは硬化期へと移行します。硬化期は20日以内とし、換気や被覆を調節しながら日中は20℃前後、夜間は10~15℃の範囲で温度を管理します。

灌水は土の状況を見て毎朝1回程度とし、過湿状態にならないようにしてください。土が乾くようなら午後3時を目安にもう一度灌水します。硬化期後半はできるだけ夜間も換気するとよいでしょう。

硬化期の灌水

たろたろ / PIXTA(ピクスタ)

6.育苗中の栽培管理

育苗中の管理で最も重要なポイントは温度と水の管理です。低温や高温を繰り返すとムレ苗や苗立枯れ病などの病害が発生しやすくなり、高温、多湿、多肥は徒長苗の発生を増やします。

葉齢の進行や葉色の緑化が悪い場合は、活着を促進するために適宜液肥を追肥します。ラベルを確認し、時期や希釈を守って施肥してください。追肥は遅くとも田植えの4~5日前までに終わらせましょう。

根張りをよくして病害を防ぐ育苗管理のコツ

根張りのよい丈夫な苗を育成するコツは3つです。

1.育苗培土の選び方
2.育苗培土の量
3.苗立枯病の防除

それぞれについて解説します。

育苗培土の選び方

水稲の育苗培土

まさ / PIXTA(ピクスタ)

育苗に適した培土のポイントは、肥料成分が適正であることと、透水性・保水性・通気性に優れていることです。

肥料成分が少なければ生育が悪くなり、多すぎると茎葉の色や伸びはよくなるものの、根張りが悪くなってしまいます。適切な肥料成分や量は、地域の環境や気候、播種時期によって異なります。そのため、地域で発信される情報をよく確認して調整しましょう。

透水性・保水性・通気性は、いずれも育苗土には欠かせない性質です。例えば、粉状の土質では透水性・通気性が悪いため、根が十分に生育しなかったり、酸欠となって生育障害を起こしたりします。苗床には粒状培土を用いるか、水稲育苗専用の培土を使用してください。

培土のpH調整も重要なポイントです。水稲の育苗に適した培土のpHは4.5~5.0とされ、これよりもpHが高いと「苗立枯病」や「ムレ苗」などの病害が発生しやすくなります。


しかし、水稲の育苗に適した培土に対して、一般的なほ場の土壌は、pHが5.5~6.0程度の場合が多くあります。そのため、ほ場の土を利用する場合は、あらかじめpHの値を低下させる必要があります。

また、富山県農林水産総合技術センターの試験によると、有機物を多く含む軽量培土を用いると、育苗期のもみ枯細菌病(苗腐敗症)の病原菌の菌密度を低減させ、発病を抑制することがわかりました。培土を選ぶ際には、有機物の量にも着目してみましょう。

出典::富山県農林水産総合技術センター「農研ニュースvol.27(2020年1月)~有機物含量の高い軽量育苗培土を用いたもみ枯細菌病(苗腐敗症)の抑制」

育苗培土の量

育苗培土の量も重要なポイントです。培土の量が多いと、土が乾きにくいことが原因で水分過多になりやすく、根の生育を阻害するといわれています。特に雨天など、湿度の高い状態が続くと、根張りが悪くなり、徒長しやすくなるので要注意です。

一般的な育苗箱では、床土18mm、覆土8mm程度とします。箱のすり切りの高さよりも1cm程度低く収まるように入れましょう。プール育苗の場合は、床土をこの半量、目安として1.2kg程度にします。ただし、覆土の量は減らしません。

苗立枯病の防除

水稲 苗立枯病(リゾープス属菌)

写真提供:HP埼玉の農作物病害虫写真集

水稲の育苗期間中、特に注意したい病害は苗立枯病(イネ苗立枯病)です。苗立枯病は、幼苗が立枯症状を示す病害の総称で、さまざまな原因によって起こります。その中でも重要な病原菌は、土壌中の糸状菌(かび)のうち、ピシウム菌、フザリウム菌、リゾープス菌、トリコデルマ菌の4つです。


それぞれの病原菌について解説します。

ピシウム菌

緑化期以降の低温時に発生しやすく、罹病苗の周辺にかびは見られません。

フザリウム菌

培土のpHが5.5以上と高い条件で、緑化期に低温や過乾燥・過湿といった条件に合うと発生しやすく、罹病苗の周囲に白色~淡紅色のかびが見られます。

リゾープス菌

出芽時に高温・多湿にあうと発生しやすく、罹病苗のある苗箱の表面に、白や灰色のかびが見られます。

トリコデルマ菌

培土のpHが低い条件で、出芽時に高温・乾燥にあうと発生しやすく、罹病苗周辺にはじめは白く、のちに青緑色のかびが見られます。

病原菌の種類によって登録農薬が異なるため、防除には病原菌を正しく特定し、それぞれに適用する農薬を施用する必要があります。有効な農薬の例として、フザリウム菌とピシウム菌には「タチガレエースM液剤」、リゾープス菌には「ダコニール1000」、フザリウム菌とトリコデルマ菌には「ベンレート水和剤」などがあります。

なお、ここで紹介する農薬は、各菌と水稲(箱育苗)に対し登録のあるものです(2022年3月時点)。施用にあたってはラベルをよく読み、定められた用法・用量を守りましょう。また、地域によって農薬の施用について決まりが定められている場合があります。確認の上で施用しましょう。

▼水稲の苗立枯病についてはこちらの記事もご覧ください。

育苗中のよくある失敗とその対策について

注意深く管理していても、育苗に失敗することがあります。よくある失敗を紹介するので、原因を作らないように対策をしましょう。

発芽不良

塩水選

発芽が揃わない場合は、塩水選の不徹底や浸種不足が考えられます。まず、塩水選が不十分だと不良な種子が混じるため、発芽不良や欠株が発生します。選別後の洗浄不足も発芽に影響します。

浸種~催芽

また、浸種の工程でも積算温度を100℃にし、さらに注意深く観察して催芽の不足や過剰がないようにするなど、適切な浸種管理を心がけてください。

生育ムラ

播種量と育苗期間

育苗をどの時期まで行うか(稚苗、中苗、成苗)によって適した播種量と育苗期間が異なります。これらの条件が一致しない場合も生育ムラが発生します。

稚苗なら1箱当たり乾籾で150~180g播種し20日前後の育苗、中苗なら1箱当たり乾籾で80~100g播種し30日前後の育苗が必要です。適切な播種量と育苗期間を守りましょう。

育苗場所の均平不足

育苗箱が均平ではない状態も生育ムラの原因の1つです。高低差があると、高い部分は不十分な灌水による生長阻害、低い部分は過湿となって根腐れが発生して生育不良を引き起こします。見た目にはわずかな違いでも生育に深刻な差を生むことがあります。

緑化期の生育不良・病害

水稲育苗 緑化期の灌水

masy / PIXTA(ピクスタ)

緑化期に徒長苗、ムレ苗、病害苗が発生する場合は、温度管理・水管理が不適切である可能性が考えられます。

適温を外れる低温や高温の状態が続いたり、灌水過剰の状態になると、徒長や生育不良、病害のリスクが高くなります。

育苗中は、育苗箱の被覆やハウスの換気・加温の調節をきめ細かに行い、温度管理を徹底してください。

灌水は毎日朝に1度、決まった時間に行い、夜間には水が切れるよう午後3時以降は灌水しないなどメリハリをつけましょう。

プール育苗の場合は、苗が徒長しやすいので特に注意深い管理が必要です。適切な水深と入水タイミングを守り、慣行育苗よりやや低めの温度で管理します。

苗焼け

水稲 育苗シートをかけて温度管理

masy / PIXTA(ピクスタ)masy / PIXTA(ピクスタ)

温暖化が進む昨今、育苗期に高温にさらされると発生する「苗焼け」の被害が拡大しています。その対策として、一般的に苗の上に育苗シートをかけて温度管理を行います。


育苗シートには、発泡シートやアルミ蒸着型、アルミとポリエチレンの三層構造型など、さまざまな種類が登場しています。しかし、重くてかさばるために取り扱いが大変だったり、耐久性が悪かったりします。こうしたデメリットが農家を悩ませています。


さらに近年は、夏場の気温がこれまでになく高温になり、従来品ではシートをかけても50℃程度まで上がってしまうこともあります。一方、これらの猛暑に対応した、性能のよい製品も開発されています。


例えば、アルミとポリエチレンによる三層構造型では、岩谷マテリアル株式会社の「ハイホワイトシルバー」、アルミ蒸着されたPOフィルム製では、旭洋株式会社の「本州太陽(R)シート」などの製品は、猛暑に負けない成果を期待できます。

岩谷マテリアル株式会社「ハイホワイトシルバー」
旭洋株式会社「本州太陽(R)シート」

省力化をめざす水稲の新しい栽培技術、「密苗」とは?

高密度で催芽籾を播種する「密苗(みつなえ)」という栽培技術が注目されています。

「密苗」のメリット

これまで水稲栽培の省力化は、機械化・大規模化と栽培技術の開発によって進展してきましたが「育苗・田植え」にかかる作業時間は、栽培面積が大規模になってもあまり削減できていません。

そこで考えられたのが「管理する育苗箱の数を減らす」ことです。育苗箱の数が減れば、その後の育苗管理・苗の運びだし~田植えにかかる時間を大幅に削減できます。育苗箱や培土などの資材費、育苗ハウスの面積も抑えられます。

育苗箱の数を減らすためには、高密度で播種し1箱当たりの苗数を増やすことになりますが、これが「密苗」(※)です。

高密度育苗(※)・栽培管理・移植も含めた栽培技術体系「密苗移植栽培システム」は、生産者(注)・石川県農林総合研究センター・ヤンマー株式会社の共同研究により開発されました。

(注)生産者:事組合法人アグリスターオナガ、株式会社ぶった農産
(※)「密苗」および「高密度育苗」はヤンマーホールディングス株式会社の登録商標です

密苗の導入によって、育苗箱数・ビニールハウス棟数・播種及び苗運搬時間が慣行栽培の3分の1、育苗資材費が約1/2になったという試算が報告されています。(水稲30ha経営で、播種量を慣行1箱当たり100g、密苗1箱当たり300gとした場合)


出典:石川県農林総合研究センター農業試験場「密苗の無加温出芽育苗法」
農林水産省ホームページ「最新農業技術・品種2016」所収の「水稲の「密苗」移植栽培技術」

「密苗」の手順

密苗では、育苗箱1箱当たり乾籾で通常100~150g(催芽籾125~187g)播種するところを、250~300g(催芽籾312~375g)と、2倍以上の高密度で播種します。

密苗には特別な技術や用具は必要なく、基本的に慣行栽培と同じ方法で行えます。ただし、育苗箱から小苗を正確にかきとれる専用の田植え機が必要です。

育苗箱から小苗を正確にかきとることができる密苗専用田植え機

育苗箱から小苗を正確にかきとることができる密苗専用田植え機
出典:株式会社PR TIMES(ヤンマーホールディングス株式会社 ニュースリリース 2019年11月20日)

「密苗」の注意点

育苗期間が短いので、慣行の稚苗に比べて苗丈や根が小さく、葉の展開も控えめです。種子や育苗箱の消毒、温度・湿度管理をより確実に実行する丁寧さが求められます。

また、過密なため徒長しやすく、病害虫の被害が甚大になりやすい点にも注意が必要です。

その後の出穂期や収量、品質にも遜色がないことが報告されています。

出典:
一般社団法人北海道農産協会「平成31年 水稲育苗管理のチェックポイント(北海道・道総研農業研究本部・ホクレン・北集・北海道米麦改良協会)」
ヤンマーホールディングス株式会社「密苗のススメ>ヤンマーの密苗> 「密苗」とは?」

育苗は1ヵ月足らずの工程ですが、温度・湿度管理や病害虫の防除など作業量は多いといえます。しかし、この時期に手をかけて健苗を生育することで、本田での良好な生長が期待できます。

密苗栽培の導入による省力化も視野に入れ、より安定した収穫をめざしましょう。

大曾根三緒

大曾根三緒

ビジネス、ペット、美術関連など多分野の雑誌で編集者として携わる。 全国の農業協同組合の月刊誌で企画から取材執筆、校正まで携わり、農業経営にかかわるあらゆる記事を扱かった経験から、農業分野に詳しい。2019年からWebライターとして活動。経済、農業、教育分野からDIY、子育て情報など、さまざまなジャンルの記事を毎月10本以上執筆中。編集者として対象読者の異なるジャンルの記事を扱った経験を活かし、硬軟取り混ぜさまざまなタイプの記事を書き分けるのが得意。

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