takagix / PIXTA(ピクスタ)
田起こしの深さは何センチ? ロータリやプラウ、サブソイラによる違い
田起こしは、水稲栽培において重要な作業です。特に春の田起こしは、作付けが始まる前の土作りとして、その年の産米の品質や収量に大きく影響します。田起こしによって土壌にどのような効果があるのかを理解し実施することで、より効率的に収量を増やすことができるでしょう。
この記事は、アドバイザーの十和田アグリ株式会社 代表取締役 竹ケ原直大さんによる解説とともにご覧ください。
明治以降に推進されてきた「乾田」による水稲栽培は、米の品質向上や安定的・効率的な収量増加を実現する農法として定着してきました。乾田では秋や春に田起こしを行い、水を張る前に土壌を整えます。本記事では、その田起こしの効果や効率的な方法について解説します。
「秋起こし」と「春起こし」
Photo753/PIXTA(ピクスタ)
田起こしには「秋起こし」と「春起こし」があり、いずれも地力の向上、収量の増加を大きな目的としています。土壌の質や環境によって必要な田起こしの回数が異なり、秋起こしを省略したほうがよい地域もあります。
秋起こしの主な目的は、収穫後にすき込んだ稲わら・稲株の腐熟を促進して、地力を上げることにあります。また、田植え前後の窒素飢餓や「ワキ(ガス)」の発生
この記事のアドバイザー紹介
十和田アグリ株式会社 代表取締役 竹ケ原直大 さん
青森県十和田市出身。大学卒業後、十和田信用金庫(現:青い森信用金庫)に入行。東日本大震災をきっかけに食の重要性を再認識し、同行退職と同時に十和田アグリ(株)を設立する。農業経営者として、スマート農業技術の導入にも積極的で、大豆栽培でのスマート農業技術実証やドローンを活用した農薬散布サービスの展開など、先進的な取り組みを実施。また、2015年には「あおもりの旨い米グランプリ」まっしぐらの部で生産米がグランプリを受賞するなど、高品質な米作りにも定評がある。十和田アグリ株式会社の代表取締役を務めるとともに、先代の父から引き継いだ有限会社竹ヶ原農産の経営も行っており、地域農業の発展に貢献している。
このコンテンツをお気に入り登録する