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農業法人の成長戦略:人材育成の成功への道
大規模化の進む農業法人では、経営者がすべての作業を指示することはできません。現場リーダーとして責任を持ち、やがて右腕となってくれる正社員の雇用が必要になります。では、正社員を雇い、人材の定着・育成を図るためにはどうしたらよいのでしょうか。成功のポイントや事例を紹介します。

この記事は、アドバイザーの株式会社 米シスト庄内 佐藤優人さんによる解説とともにご覧ください。

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これから正社員を雇うことを考えてる方にとって気になるのが、どのくらいの規模でどのくらいの人数を雇っているのか? ではないでしょうか。
そこでまずは、法人化の推移と規模別の正社員数を見ていきます。
農業法人の正社員雇用は増えている?
農業法人の正社員雇用は増えているのかを把握するために、大規模経営数、法人化率、農業法人における販売規模と正社員採用数の関係を解説します。また、経営者が社員に期待する役割も紹介します。
大規模経営が増えている
まず押さえておきたいのが、農業において大規模経営が増えていることです。
10ha未満 | 10〜100ha | 100ha以上 | 全体 | |
---|---|---|---|---|
2005 | 196.6万 | 4.2万 | 0.1万 | 200.9万 |
2010 | 163.0万 | 4.8万 | 0.1万 | 167.9万 |
2015 | 132.4万 | 5.1万 | 0.2万 | 137.7万 |
2020 | 102.1万 | 5.3万 | 0.2万 | 107.6万 |
2005と2020の差 | ▲94.6万 | 1.1万 | 0.1万 | ▲93.4万 |
出典:農林水産省「農林業センサス累年統計‐農業編‐(明治37年~令和2年)|農業経営体|経営耕地面積規模別経営体数」 よりminorasu編集部まとめ
2005年と2020年を比べると、農業経営体数は93.4万も減っています。その内訳を見ると、10ha未満で94.6万の減少に対して、10ha以上では
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この記事のアドバイザー紹介

株式会社 米シスト庄内 佐藤優人 さん
1988年山形県東田川郡庄内町(旧・余目町)生まれ。早稲田大学進学後、2011年の東日本大震災を契機に故郷へ戻り、家業である農業生産法人「米シスト庄内」に入社。米の生産・加工・販売を手がけるほか、米加工品のプロデュースや、田んぼのオーナー制度「MY PADDY YAMAGATA」、水稲に特化した栽培管理アプリ「Rice Log」の企画など、先進的な取り組みを行う。また、音楽イベントの企画・運営にも携わり、地元の活性化にも貢献。創業社長の父・彰一さんから事業を引き継ぎ、2024年3月、株式会社米シスト庄内・代表取締役に就任した。米シスト庄内でつくる米は「つや姫」「雪若丸」「はえぬき」「ササニシキ」などすべてが特別栽培米であり、直売中心の独自の販売ルートを確立している。
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