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【2025最新】水稲の防除暦は? 病害虫対策&農薬散布時期まとめ
水稲栽培で病害虫を防ぐには、防除暦に沿った対策が重要です。本記事では、生育期に応じた防除の方法や有効な農薬を紹介します。さらに、水稲農家が特に注意したい病害虫についても、画像付きで解説します。

この記事は、アドバイザーの十和田アグリ株式会社 代表 竹ケ原直大さんによる解説とともにご覧ください。
【水稲の防除暦】生育期に合わせた農薬散布時期の目安

吉野秀宏/ PIXTA(ピクスタ)
水稲の防除は、対策する病害虫が発生する時期に応じて実施します。
例えば、播種〜移植期にかけては、ばか苗病や苗立枯病などを防除する目的で、種子消毒や床土消毒、苗箱施薬を実施します。また、幼穂形成期以降は、いもち病や紋枯病、ウンカ類などの防除対策として、生育期に合わせた農薬散布を行います。
具体的な防除暦の例は次の通りです。
時期 | 主な対象病害 | 主な対象害虫 | |
---|---|---|---|
播種~移植期 ポイント解説 | 種子消毒 |
ばか苗病 もみ枯細菌病 褐条病 苗立枯病 苗立枯細菌病 など | |
床土消毒 |
苗立枯病 など | ||
苗箱施薬 |
もみ枯細菌病 いもち病 白葉枯病 内穎褐変病 など |
ウンカ類 ツマグロヨコバイ など | |
幼穂形成期~穂ばらみ期 ポイント解説 |
いもち病ポイント解説 紋枯病ポイント解説 穂枯れ(ごま葉枯病菌) など |
ウンカ類ポイント解説 カメムシ類ポイント解説 ニカメイチュウ コブノメイガ など | |
出穂期~成熟期 ポイント解説 |
いもち病ポイント解説 紋枯病ポイント解説 穂枯れ(ごま葉枯病菌) など |
ウンカ類ポイント解説 カメムシ類ポイント解説 ツマグロヨコバイ など | |
発生時 | スクミリンゴガイ |
出典:以下資料を参考にminorasu編集部作成
JAえちご中越「営農情報|越後さんとう地区」所収「R6五百万石栽培暦」
JA尾張中央「農と食|農のこと|稲作・果樹病害虫防除こよみ」所収「令和7年産 JA尾張中央 水稲こよみ」
大分県「各地域の令和3年度水稲栽培暦」所収「中部平坦地令和3年度 水稲栽培暦(平坦地)JAおおいた中西部事業部」
ただし、防除暦はあくまで目安の1つです。防除暦を参考にしながら、自身のほ場や作物の状況、前年の被害の有無、周囲の病害虫被害などを考慮して年間計画を立て、適期に必要な分量の農薬を使うことが大切です。
特に近年、農林水産省は持続的な農業生産の技術体系の確立を進めています。水稲栽培では適切
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この記事のアドバイザー紹介

十和田アグリ株式会社 代表 竹ケ原直大 さん
青森県十和田市出身。大学卒業後、十和田信用金庫(現:青い森信用金庫)に入行。東日本大震災をきっかけに食の重要性を再認識し、同行退職と同時に十和田アグリ(株)を設立する。農業経営者として、スマート農業技術の導入にも積極的で、大豆栽培でのスマート農業技術実証やドローンを活用した農薬散布サービスの展開など、先進的な取り組みを実施。また、2015年には「あおもりの旨い米グランプリ」まっしぐらの部で生産米がグランプリを受賞するなど、高品質な米作りにも定評がある。十和田アグリ株式会社の代表取締役を務めるとともに、先代の父から引き継いだ有限会社竹ヶ原農産の経営も行っており、地域農業の発展に貢献している。
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