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農家・農業法人のための人員計画の立て方
農業経営者が「人員計画を立てる」というと、作目ごとの月別作業時間に目を向けがちです。しかし、人員計画は作業時間だけで考えず、財務の視点、将来的な経営の視点も入れ、その一致点を見つけていくことが重要です。

この記事は、アドバイザーの有限会社 たけもと農場 代表 竹本彰吾さんによる解説とともにご覧ください。
人員計画の3つの視点
人員計画を立てるには、3つの視点があります。
- ①業務の視点:発生する業務量をきちんとこなしていけるための人員数を計算する
- ②財務の視点:目標利益がきちんとでるように人員数を計算する
- ③人材投資の視点:中長期の経営計画から考えて、経営者自身が「こういう人材がほしい」「こういう人材と仕事がしたい」と判断する
農業経営の場合、①の業務の視点が重要視されます。仕事がこなせなければ、栽培のレベルが落ち、出荷量が減り、経営を直撃するからです。
しかし、これから経営拡大していくときには、②の財務の視点「業務量が増えた分だけ雇用人件費を増やして大丈夫か? 」。さらには③の人材育成の視点「経営の右腕となる人や、部門責任者をおきたい」という視点も重要になってきます。
①業務から考える人員計画
農業の場合、必要な作業量から考えるのが基本でしょう。実際には、作目ごとの月別作業時間から、家族や現在の正社員でまかなえる時間を引き、季節雇用の必要人員を割り出すというのが一般的でしょう。

出典:熊本県農業情報サイト「AFRIくまもと」の経営シミュレーションを参考にmiorasu編集部作成
稲作ならば、田
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この記事のアドバイザー紹介

有限会社 たけもと農場 代表 竹本彰吾 さん
昭和58年生まれ、石川県能美市出身。青いTシャツがトレードマーク。先代の父親から提示された「事業継承10年計画」に基づき、33歳で「たけもと農場」の代表に就任。国産イタリア米・スペイン米の栽培やトヨタ自動車との米づくり改善事業、井関農機・鳥取大学との可変施肥田植え機開発に参加するなど、農家として多方面でのチャレンジを継続。有限会社たけもと農場の代表取締役を務めるほか、アグリファンド石川の会長、全国農業青年クラブ連絡協議会の顧問も務める。また、2020年からは音声配信『青いTシャツ24時〜農業系ラジオ〜』をスタートさせ、新規就農希望者や若手生産者のロールモデルとして注目を集めている。
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