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農業法人が採用活動をする際の求人募集の出し方

農業法人が採用活動をする際の求人募集の出し方
出典 : Fast&Slow/ PIXTA(ピクスタ)

農業法人が採用活動をするときのポイントを解説します。一般企業と比べて、農業法人は農業分野と相性のよい媒体で採用活動をしたほうが効果的な場合もあります。農業法人が押さえておくべき媒体を紹介しつつ、掲載すべき内容などについても紹介します。

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農家が売上増加を目指して法人化した場合、従業員を雇い、事業規模を拡大していくことが大切です。しかし、農業分野の採用活動に慣れていない担当者も多く、思うように求職者を集められないと悩む法人もあります。
そこで、効率のよい採用活動を望む農業法人向けに、求人を出す媒体や掲載すべき情報などについて解説します。

農業法人の求人募集手段

求人 採用活動

Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)

農業全体で担い手不足が深刻化する中、農業法人では通常の民間企業に比べると、採用活動が難航することは珍しくありません。より優秀な人材を確保するためには求人の掲載先と掲載する内容が重要です。まずは採用活動の第一歩である求人の募集媒体について解説します。

ハローワーク

ハローワークは求職者に仕事を紹介する公的機関で、「新卒応援ハローワーク」や「わかものハローワーク」、「ふるさとハローワーク」などの窓口があります。令和2年にこれら3つの窓口を利用した人は約65万人にのぼり、約28万件の就職実績があります。。性別や年代を問わずさまざまな人が集まってくるため、農業に関心を持つ求職者と出会える可能性も決して低くはありません。

また、常駐しているキャリアカウンセラーが面談で求職者の希望を聞き、適性があると判断されれば仲介してもらうことができます。農業に興味がある求職者に求人を斡旋してもらえる点は魅力でしょう。

ハローワークの利用は広告掲載方式です。就労場所、労働条件などを記載した広告を用意し、インターネットや施設内で求職者にアプローチします。求人掲載料は無料で、採用に至った場合は助成金を利用できることもあるため、法人であれば真っ先に利用したい求人媒体です。

一般の求人媒体

一般的に就活サイトや転職サイトなどと呼ばれる求人媒体です。広告を掲載してエントリーをする従来の形式に加えて、近年はコンサルタントが法人と求職者を仲介するエージェント形式のサイトも増えてきました。

エントリー形式では、「リクナビ」や「マイナビ」といった業種を問わずに利用できる就職サイトが有名です。求職者が地域や給料、職種などで検索をして、自分に合った仕事を見つけ出します。農業法人であっても大量採用を目指しているのであれば、利用してみるのもよいでしょう。

一方、エージェント形式では、「ビズリーチ」や「リクルートエージェント」が有名です。エージェントが求職者と面談を行い、求職者にとって理想の企業を見極めたうえで紹介を行うシステムで、有能な人材を紹介してもらいやすい点が魅力です。

ただし、「リクナビ」や「マイナビ」には、農林水産関連の項目がありますが件数が非常に少なく、また「ビズリーチ」には農業の項目がありません(2020年8月15日現在)。農業に興味がある求職者がいても求人を見つけられない可能性が高く、また農業に興味がある求職者自体も少ないといえます。

農業に特化した求人媒体

農業関連の求人を中心に扱っている求人媒体です。当然、登録者も農業に関心がある層に限られるため、農業に対して熱意のある求職者を採用できる可能性が高いといえます。

有名な求人サイトを紹介します。「農家のお仕事ナビ」「あぐりナビ」は、農業専門求人サイトの中では登録者数も多く、ぜひ求人を掲載したい媒体です。一般社団法人全国農業会議所が運営する「新規就農センター」は、新規就農者を中心的なターゲットとしています。

農業に特化した求人媒体のメリットは、媒体から大きく支援してもらえる点です。取材やインタビュー記事を掲載するオプションを用意している求人媒体もあり、自社の詳細を多くの求職者に知ってもらうことができます。

また、作物の栽培や酪農など、自社の事業内容についても詳しく掲載できます。法人の細かい仕事を掲載することで、ミスマッチを避けられます。

農業に特化した媒体への掲載は、自社に合った人材と巡り合う手段としてとても効果的です。基本的なシステムは、一般企業の求職サイトと大きく変わりません。農業法人は自社の情報を載せ、求職者からアプローチされるのを待ちます。

参照サイト:
株式会社あぐりーん「農家のおしごとナビ」
株式会社アグリメディア「あぐりナビ」
一般社団法人全国農業会議所「全国新規就農相談センター」

農業法人の求人募集に掲載する情報

履歴書

CORA / PIXTA(ピクスタ)

いざ媒体に求人情報を載せるとき、「これだけは押さえておくべき」といわれるポイントがいくつかあります。媒体によって微妙な違いはありますが、共通する部分は変わりません。そこで、求人に掲載する情報の参考事例を紹介します。

法人の基本情報

法人の基本情報は必須です。法人の名称や所在地、従業員数、農地の面積など、求職者が検索しやすい情報は掲載しておきましょう。その中でも、事業内容はかなり重要なポイントです。農業法人の仕事内容は一般企業よりも多岐にわたるので、できるだけ具体的に説明する必要があります。

例えば、端的に「大規模稲作」と書くよりも、「自社農場50haにおける稲の作付けから出荷、生産管理」などと記載したほうが求職者も仕事内容を想像できます。

なお、求職者は職場の雰囲気も重視しており、業務の流れを写真で伝える方法も効果的です。従業員の集合写真などは、アットホームな雰囲気を伝えるのに役立ちます。

業務に関する情報

求職者が気になる情報の掲載も大切です。正社員やアルバイト、パートといった雇用形態によって応募者の層はかなり変わってきます。また、アルバイトやパートであれば雇用期間も記しておきましょう。

収穫など一時的な雇用を求めるのであれば、「2020年7月〜9月のうち2ヵ月」「採用日より3ヵ月」などと、具体的な期間を指定しておくと求職者側が安心できます。

業務内容も具体的に記しておけば、求職者がどの程度の心構えで応募すればよいのか見極めやすくなります。そのほか、1日の労働時間や休日も記載しておくべきポイントです。「学生歓迎」「主婦歓迎」などの文言があると、さらに応募のハードルを下げられます。

求める人物に関する情報

求める資格や経験は、優秀な求職者にエントリーしてもらう鍵となります。農作業経験のほか、自動車免許の有無も重要なポイントです。

法人によっては大型特殊免許がないと仕事にならないケースも考えられるでしょう。軽トラックもミッション車を使用している場合は、「軽トラ(ミッション車)の運転経験」などと記載しておくとミスマッチを避けられます。

そのほか、責任の大きい仕事を任せたい場合は、求人情報の時点で示しておきましょう。「農業に興味がある人」「熱意のある人」といった文言で理想像を掲げれば、モチベーションの高い求職者と出会いやすくなります。「幹部候補」と記載するのも一手です。作業内容によっては「手先が器用」などスキルにも言及しておくと、求職者側が判断をしやすくなります。

採用に関する情報

担当者の指名のほか、メールや電話で質問を受け付けているのかといった事務的な情報を記しておきます。さらに、履歴書や職務経歴書など郵送書類の詳細、採用の流れ(面接の有無)なども必要です。

書類については形式も細かく指定しましょう。履歴書の送付先はもちろん、書類選考の合否を連絡するか、履歴書を返却するかなども載せておけば不要な問い合わせを避けられます。

求職者にとって親切な情報掲載は、法人側の採用にかける負担の軽減にもつながります。

農家 若手 トラック

IYO / PIXTA(ピクスタ)

効果的な求人募集を掲載し、優秀な人材を確保することは、農業法人が規模拡大を目指すにあたり欠かせない要素です。充実した採用活動ができるよう、ぜひ今回紹介した方法を活用してみてください。

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石塚就一

石塚就一

1984年京都府生まれ。会社員を経て、フリーライターに。京都府内でイベント運営や執筆活動する一方で、実家の農業にも従事している。主な生産物は米、ナス、京野菜。実践をともなった見地から、リアルな農業事情を伝えている。なお、京都市の町興しにも参加。目標は「全国区の知名度を誇るイベントを立ち上げて、京都の新しい魅力を広めること」。

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