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農業経営をブログで改善!? 人気農家から学ぶ、賢いブログの運用術

農業経営をブログで改善!? 人気農家から学ぶ、賢いブログの運用術

ブログを活用する農家が増えています。なぜなら、販売促進や収益の改善につながるからです。すでにブログ運用が成功している農家では、ファンの獲得や農産物のブランド化、販路拡大を実現しています。本記事では、農業ブログの成功例と発信すべき内容を紹介します。参考にしてください。

農業ブログを始めるにしても、本当に販売促進や収益改善につながるのか、どのような内容を発信したらよいのかは、気になるところではないでしょうか。そこで、成功している農業ブログと、賢いブログ運用、注意点について見ていきましょう。

やったほうがいい? ブログが農業経営にもたらす効果

作物の花をブログに掲載

vvoevale / PIXTA(ピクスタ)

自発的に農業のブログを運営する農家は少なくありません。ブログを始めることで、販売促進や収益の改善につながるからです。

すでに農業ブログを始めている農家では、以下のような効果を出しているケースもあります。

ファンの獲得
農産物のブランド化
販路拡大
ネットショップとの連携
認知度の向上
※メディアに取り上げられれば、さらに認知度の向上につながります。

健康や食べ物への関心が高まるにつれ、農産物に対してもこだわりを持つ方が増えてきました。例えばイチゴを選ぶ場合でも、品種や産地、どんな農家が栽培しているかを大切にしています。このように、選び抜いた農産物だけを購入したいと考える方は少なくありません。

こうしたことからも、農家がブログを運営し、以下のような情報を継続的に発信するのは有益な手段といえるでしょう。

作物の生育状況
栽培時のこだわり
農業活性化のために行っている取り組み
農家の人柄が伝わってくる農業以外の投稿
など

また、メディアへ取り上げられた場合、さらなるPRにつながります。レストランなどから農産物の購入依頼が届いたり、販路が拡大したりなど、収益の向上も見込めます。

さらに、ネットショップを運営している農家であれば、ブログとネットショップをリンクさせることで、販売数の増加も見込めるでしょう。

農家のネットショップ

モンキチ / PIXTA(ピクスタ)

「農業×インターネット」の好事例! 今人気の農業ブログ5選

人気の農業ブログから、5つの事例と発信内容について解説します。

日本一のアスパラガス農家になる (北海道 うちやま農園)

北海道美唄市「うちやま農園」

北海道美唄市「うちやま農園」
出典:株式会社PR TIMES(株式会社 大丸松坂屋百貨店 ニュースリリース 2021年5月10日)

「日本一のアスパラガス農家になる」は、北海道にあるアスパラガス農家、うちやま農園の内山裕史さんが運営しているブログです。おいしいアスパラガスを栽培するために行っている工夫や、ほかの農家を見学して得た気づきなどを丁寧に紹介しています。

また、ブログからうちやま農園のホームページや注文ページへの移動が可能です。ホームページではアスパラガスを使ったレシピも公開しているので、何度もアクセスしたくなります。ファンづくりと販路拡大を実現している好事例といえるでしょう。

うちやま農園 ブログ「日本一のアスパラガス農家になる」
うちやま農園 公式ホームぺージ

からちゃん | 島旅農園「ほとり」 (香川県 島旅農園「ほとり」)

「からちゃん|島旅農園『ほとり』」は、香川県の唐辛子農家である島旅農園の唐崎翔太さんが運営しているブログです。唐辛子の「香川本鷹」の栽培や販売の様子、唐崎さんが運営する宿での出来事なども紹介しています。

農業に関する話題のほか、農家への親しみが感じられる日常的な投稿も多く、思わず「行きたい」という気持ちにつながる点が魅力です。ファンづくりだけでなく、集客にもつながる好事例といえます。

島旅農園「ほとり」のブログ「からちゃん|島旅農園『ほとり』」
島旅農園「ほとり」公式ホームぺージ

島旅農園「ほとり」で栽培している「香川本鷹」。一般的な「鷹の爪」と比べて約2~3倍の大きさ(7~8cm)で、うま味のある強い辛味が特徴

島旅農園「ほとり」でも栽培している「香川本鷹」。一般的な「鷹の爪」と比べて約2~3倍の大きさ(7~8cm)で、うま味のある強い辛味が特徴
出典:株式会社PR TIMES(公益社団法人香川県観光協会 ニュースリリース 2019年9月27日)

農家の嫁 修行日記@和歌山 (和歌山県 藏光農園)

「農家の嫁 修行日記@和歌山」は、和歌山県でみかんやばんかん、梅を栽培している農家、藏光農園ばぁどさん(藏光綾子さん)が運営しているブログです。農作業だけではなく、掃除や料理など家事の話題、家族とのやり取り、近所の人々との付き合いなどを紹介しています。アットホームな雰囲気が魅力といえるでしょう。

また、ブログから移動できる藏光農園のホームページでは、農園で採れるみかんなどの直接販売も行っています。こちらもファンづくりと販路拡大をめざすブログの好事例です。

藏光農園ブログ「農家の嫁 修行日記@和歌山」
藏光農園 公式ホームぺージ

藏光農園 藏光俊輔さん・藏光綾子さん

藏光農園 藏光俊輔さん・藏光綾子さん
出典:株式会社PR TIMES(株式会社ポケットマルシェ ニュースリリース 2020年5月11日)

練馬区農業体験農園 イガさんの畑 (東京都 練馬区農業体験農園)

「練馬区農業体験農園 イガさんの畑」は、東京都で農業体験農園を運営している五十嵐透さんのブログです。栽培する大根やブロッコリーなどのさまざまな農産物の写真や、栽培のコツ、豆知識などをブログで公開しています。

地域の行事にも積極的に参加し、季節ごとのイベントも豊富な写真を添えて紹介している点も魅力です。また、体験農園や講習会を開催し、ブログを通して集客しています。

練馬区農業体験農園 イガさんの畑

東京23区の農地のうち約4割が集中する練馬区は、農産物マルシェや農作業を体験できる区民農園や農業体験農園を積極的に推移審している

東京23区の農地のうち約4割が集中する練馬区は、農産物マルシェや農作業を体験できる区民農園や農業体験農園を積極的に推移審している
出典:株式会社PR TIMES(練馬区 広聴広報課 ニュースリリース 2021年11月8日)

ピーマン農家のヨメ日記 in オキナワ (沖縄県 ピーマン農家)

「ピーマン農家のヨメ日記 in オキナワ」は、沖縄県八重瀬町でビッグピーマン(ちぐさ)を栽培している農家の*みーつーさんのブログです。家族との日常や作物の生育状況などを豊富な写真で紹介しています。

また、ビッグピーマン(ちぐさ)についての詳細な情報を紹介することで、認知度の向上をめざしている点も特徴です。八重瀬町の農業全体のPR活動にもつなげ、販売促進にも寄与しています。

ピーマン農家のヨメ日記 in オキナワ
八重瀬町具志頭ピーマン産地協議会・JA具志頭支店野菜生産部会 ホームぺージ

沖縄県八重瀬町は、ビッグピーマンをはじめ、紅芋、オクラ、マンゴー、ドラゴンフルーツなどの特産品の全国PRに力をいれている

沖縄県八重瀬町は、ビッグピーマンをはじめ、紅芋、オクラ、マンゴー、ドラゴンフルーツなどの特産品の全国PRに力をいれている
出典:株式会社PR TIMESU(八重瀬町 観光振興課 ニュースリリース 2015年10月21日)

人気農業ブログから学ぶ、「農家が発信すべき内容」とは?

人気の農業ブログから、農家が発信すべき内容として以下の3点が挙げられるでしょう。

作物の生育状況
栽培時のこだわり
人柄が伝わってくる農業以外の投稿

それぞれの内容をどう発信すればよいのか、詳しく解説します。

「作物の生育状況」や「栽培時のこだわり」に関する情報発信が基本

栽培時のこだわりを写真で伝える

vvoevale / PIXTA(ピクスタ)

上記で紹介した「日本一のアスパラガス農家になる」
「農家の嫁 修行日記@和歌山」「練馬区農業体験農園 イガさんの畑」のように、日ごろの栽培の様子や工夫しているポイントなど、できるだけ頻繁に紹介することが農業ブログの基本です。

また、様子がよくわかる写真なども複数交えると、より魅力ある農業ブログになるでしょう。

消費者やレストランなどの閲覧者は、作物がどのように栽培されているのか、おいしくするためにどんなこだわりがあるのかを知りたいと思っています。生育状況やこだわりをブログでわかりやすく紹介し、作物への期待、農家への安心感を醸成していきましょう。

生産者の人柄がわかる、農業以外の投稿も大切

「からちゃん|島旅農園『ほとり』」「ピーマン農家のヨメ日記 in オキナワ」などでは、子供の話題や日常生活に関する話題など、農業以外の話題もときおり投稿されています。気軽な話題を挿入することで、農家の人間性を知り、親しみが湧き、ファンの獲得にもつながるでしょう。

ただし、農業に関係ない投稿ばかりになってしまうと、既存ファンに向けた発信となり、新規ファンの獲得が難しくなります。農業や農産物に興味を持ってアクセスした新規ファンのためにも、農業以外の投稿頻度は考慮する必要があるでしょう。

ポイントは「ターゲットを明確にする」こと

発信内容を検討するときは、ターゲット(誰に情報を届けたいか)を明確にするのがポイントです。これは農業ブログに限らず、人気ブログに共通している特徴です。

なぜなら、ターゲットを明確にすることで、自然と発信内容も定まるからです。例えば、ブログの目的がファン獲得による売り上げの増加であれば、どんな層が自分の商品を購入しようと思うのか、その層の人が求めている情報は何なのかを具体的に考えることができます。

その結果、ファンが増え、人気のブログに育っていきます。

これから始めるなら? 農業ブログ開設におすすめのサービス

農業ブログを始める第一歩は、適したプラットフォームを選ぶことです。農業ブログに適した3つのプラットフォームについて、導入や運用にかかる費用、初期設定の難易度などを紹介しますので、参考にしてください。

初心者でも簡単! 無料で手軽に始められる「note(ノート)」

メディアプラットフォーム「note」

メディアプラットフォーム「note」
出典:株式会社PR TIMES(株式会社ピースオブケイク ニュースリリース 2019年5月22日)

「note」はユーザー数が多く、note公式サイトからの流入を見込めるため、比較的読者を集めやすいプラットフォームです。ユーザー同士で気軽に交流できるので、ほかの農家やレストランともつながりやすいでしょう。

有料記事や有料マガジンとして利用できますが、無料でも活用できます。広告が入らず、初心者も利用しやすいように工夫されているため、まずはnoteからブログ運営を始めてみるとよいかもしれません。

「note ――つくる、つながる、とどける。」

独自ドメインの取得も可能な「はてなブログ」

株式会社はてなは、ソーシャルブックマークサービス「はてなブックマーク」やブログサービス「はてなブログ」などを運営している

株式会社はてなは、ソーシャルブックマークサービス「はてなブックマーク」やブログサービス「はてなブログ」などを運営している
出典:株式会社PR TIMES(株式会社はてな ニュースリリース 2021年7月15日)

「はてなブログ」も無料で簡単に始められるプラットフォームです。利用者が多くてランキング表示もあるので、頻繁に更新してファン獲得をめざしたい方に向いています。ただし広告が入ったり、容量が少ないなどのデメリットもあります。

また、有料プランならば独自ドメインの利用が可能です。農園名をドメインにしたい方にも適しているといえるでしょう。

はてなブログ

より本格的に運用するなら「WordPress(ワードプレス) 」

サイト構築サービス「WordPress」

サイト構築サービス「WordPress」
出典:株式会社PR TIMES(株式会社プレスマン ニュースリリース 2020年3月12日)

「WordPress」は、本格的な運用をめざす方に適したプラットフォームです。別途サーバーを契約する必要がありますが、無料で利用できるプラグインも多く、ネットショップや問い合わせページなども構築できます。

ブログ開設と合わせて、ネットショップも始めたいのであれば、WordPressで挑戦してみるのがおすすめです。ただしパソコン初心者には難しい部分もあるため、場合により使い方をネット検索しながら、試行錯誤する必要も出てきます。

WordPress

農業ブログで情報を発信することで、ファン獲得や販路拡大、ネットショップへの集客などのさまざまな効果を期待できます。農家ならではの気づきやこだわりを紹介し、魅力的なブログを作成していきましょう。

SNSを含めたインターネットの活用について、具体的な収益化の事例などさらに詳しく知りたい場合は、こちらの記事もご覧ください。

林泉

林泉

医学部修士、看護学博士。医療や看護、介護を広く研究・執筆している。医療領域とは切っても切れないお金の問題に関心を持ち、ファイナンシャルプランナー2級とAFPを取得。

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