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「JA東京アグリパーク」から農の魅力を発信! 都市部で農業活性化をめざす好事例

「JA東京アグリパーク」から農の魅力を発信! 都市部で農業活性化をめざす好事例
出典 : ソーシャルワイヤー株式会社(テスコム電機株式会社 ニュースリリース 2019年3月18日)

東京の中心部に位置する「JA東京アグリパーク」では、都市部で行われている農業の魅力を伝える活動が日々行われています。この記事では、実際にどのような取り組みが行われているのか、JA東京アグリパークの目的や活動内容について紹介します。

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「JA東京アグリパーク」では、日々、農業のPRを行うためにイベントやセミナー、体験学習を開催しています。この記事ではJA東京アグリパークの目的や活動内容、魅力についてお伝えします。

“持続可能な農業”は実現するか? いま都市農業が抱える課題

都市農業を推進!生活クラブ農園・あきる野

株式会社PR TIMES(生活クラブ生協連合会 ニュースリリース 2018年3月12日)

都市農業が抱える課題は、農家が経営する耕地面積が全国と比較して小さいこと、減少傾向にあることです。

2020年農林センサスによれば、1戸当たりの経営耕地面積の全国平均(北海道を除く)は2.22aでした。2010年が1.6ha、2015年が1.8haだったことから、全国的には農業の大規模化が進んでいるといえます。

出典:農林水産省「2020年農林業センサス結果の概要(確定値)」

一方で、練馬区が2020年に実施した農業経営実態調査によれば、1戸当たりの経営耕地面積の平均はわずか44.94aです。また、2016年の調査では46.19aだったことから、都市部の耕地面積は年々減少していることがわかります。

出典:
練馬区「農業経営実態調査による調査結果【令和2年】」
練馬区「農業経営実態調査による調査結果【平成28年】」

農家数や担い手の減少も進んでいることから、都市部で持続可能な農業を実現するためには、農業の魅力を地域住民にさらに広め、担い手を確保し、作物の地産地消を促進することが求められています。

課題解決の一手! 都心で農の魅力を発信する「JA東京アグリパーク」

JA東京アグリパーク1周年記念イベント

JA東京アグリパーク1周年記念イベント
出典:ソーシャルワイヤー株式会社(JA東京中央会 ニュースリリース 2018年3月29日)

「JA東京アグリパーク」とは、東京農業の振興を目的とする拠点として、JA東京南新宿ビルに開設された施設です。JAグループや農業関連団体、行政機関などが実施する作物の展示即売会や各種イベント、セミナーを通して農業などのPRを行っています。

コンセプトは農業や作物について知る、体験する、買う、食べることです。東京の中心部である新宿に立地していることから、多くの方に触れてもらい、コンセプトを実現しやすくしています。

施設の名称は、JA東京グループの役職員から応募されたものを採用しています。「何のお店だろう?」と覗いてみたくなるような名称を意図してつけられました。

他都市も真似できるかも? JA東京アグリパークによる取り組みの具体例

1周年記念イベント・JA東京アグリパーク外観

1周年記念イベント・JA東京アグリパーク外観
出典:ソーシャルワイヤー株式会社(JA東京中央会 ニュースリリース 2018年3月29日)

作物の販売以外で、JA東京アグリパークがどのような取り組みを行っているかを具体的に紹介しましょう。ほかの都市でも実施できる取り組みも多くありますので、ぜひ参考にしてください。

農業の魅力を伝えるさまざまなイベントを開催

現在、JA東京アグリパークでは年間約50回ほどのイベントを開催しています。東京の農業団体はもちろん、北海道から沖縄まで、日本全国のJAや各種農業団体もJA東京アグリパークでイベントを行うことが可能です。


過去に開催された例では、熊本県の「くまもとモンマルシェ」、沖縄県の「沖縄の観光と物産展」などです。また、過去には「小松菜収穫体験」として、プランターで栽培された小松菜を土から抜く作業を体験できるイベントを実施したこともあり、イベントの種類と幅は多岐にわたります。

2017年には年間で23万人以上、1日平均にすると900~1,000人もの来場があり、1週間の売上が320万円を超えたこともあるため、大きな集客効果や認知度のアップが期待できるでしょう。

「あぐりキッチン」で、全国の農産物を使った料理を販売

JA東京アグリパーク内にはカフェ「あぐりキッチン」が併設されています。作物を食べて知ってもらうことが目的で、週替わりで日本各地の食材によるランチメニュー(チキンカレーやサラダなど)を提供するほか、弁当の販売も行っています。

日によっては近隣のビジネスマンやOLがランチを目的に来場することもあり、リピーターになったり、立ち寄った即売会で野菜を購入したりなど、相乗効果も生まれています。

パーク内の「あぐりキッチン」では通常の炊飯器や冷蔵庫のほかにも、煮る、蒸す、焼く、炒めるなどさまざまな方法での加熱調理が1台でできるスチームコンベクションを完備しています。

このように調理設備が充実していることから、イベントによってはあぐりキッチンを利用して料理教室が開催されることもあります。

東京産の農畜産物を検索できるマッチングサービスも

東京アグリパークの公式サイトでは、東京産の畜産物や作物を検索できる「東京の農畜産物マッチング」というサービスが提供されています。

JA東京アグリパーク「東京の農畜産物マッチング」

東京都内にある約50ヵ所のJA直売所のデータが集められており、東京産の畜産物や作物が、どこでどのように販売されているかを検索できます。

現在は、主に飲食店の経営者などが、料理に使う食材を探すことを目的として利用することが多く見られます。しかし、一般の方でも気軽に利用できるサービスであるため、今後はさらなる展開にも期待できるといえるでしょう。

JA東京アグリパークは日本農業の発信拠点

1周年記念イベント・JA東京アグリパーク外観

ソーシャルワイヤー株式会社(JA東京中央会 ニュースリリース 2018年3月29日)

この記事では「JA東京アグリパーク」が作られた目的や、主な活動内容などについて紹介しました。JA東京アグリパークには「東京」という名前がついてはいるものの、全国各地のJAと協力して日本全体の農業の魅力を発信している中心的な拠点といえるでしょう。

日本農業には食料自給率の低さや、農業の担い手不足、農家の高齢化などさまざまな問題がありますが、JA東京アグリパークのように農業を活性化させる活動も多く行われています。ぜひ参考にしてください。

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百田胡桃

百田胡桃

県立農業高校を卒業し、国立大学農学部で畜産系の学科に進学。研究していた内容は食品加工だが、在学中に農業全般に関する知識を学び、実際に作物を育て収穫した経験もある。その後食品系の会社に就職したが夫の転勤に伴いライターに転身。現在は農業に限らず、幅広いジャンルで執筆活動を行っている。

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