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スマート農業を支援する補助金制度について知ろう!

スマート農業を支援する補助金制度について知ろう!
出典 : Scharfsinn/PIXTA(ピクスタ)

労働力の省力化や農作業の効率化の観点から、AIやICTを取り入れたスマート農業への注目度は年々高まっています。この記事では、スマート農業の導入を検討している農家の方へ向け、スマート農業を支援する補助金制度について詳しく紹介していきます。

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先端技術を活用することで日本の農業現場が抱える課題を解決すべく、農林水産省はスマート農業の導入を強く推進しています。

サービスやシステム、関連機器も次々開発されており、省力化・効率化、作業負担の軽減のためにスマート農業の導入を具体的に検討している農家の方は多いのではないでしょうか。

しかし、スマート農業の導入には資金がかかるのも事実です。そこで今回は、資金準備の一助となり得る、スマート農業を支援する補助金制度について、2020年度の実績をベースに解説します。

スマート農業とは?

スマート農業 ハウス栽培

Scharfsinn/PIXTA(ピクスタ)

まずはスマート農業について、簡単に説明しておきましょう。

スマート農業は、ロボット技術やICT(情報通信技術)、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット化)などの最先端技術を活用する新たな農業のかたちです。自動走行トラクターや、農業用アシストスーツ、ドローンによる農薬散布、農作業記録のデータ化など、農業の現場で幅広く活用されています。

また、スマート農業の導入により、下記のように、日本の農業が抱えるさまざまな課題の解決が見込まれています。

・体力的に厳しい農作業の負担を軽減し、年齢・性別を問わず誰でも農業に取り組みやすくなる
・農作業を省力化することで、担い手不足の解消につながる
・作物が持つ能力を引き出し、高品質化・収穫量アップにつなげる
・長年の農作業記録のデータ化により、熟練の農業技術を次世代に継承できる

スマート農業を支援する補助金【国の補助金編】

トラクター スマート農業

Scharfsinn/PIXTA(ピクスタ)

それでは、2020年度に実施された農林水産省の補助金制度を見ていきましょう。下記の制度はすでに募集が終了していますが、今後、補助金制度を利用する際の検討材料として活用してください。

スマート農業総合推進対策事業:農林水産業におけるロボット技術安全確保検討事業に係る公募

概要:農業機械の自動走行など、生産性の飛躍的な向上につながる先端ロボットを農業現場へ導入するための安全性確保策のルールづくりを推進する事業です。次の1.か2.に該当する取り組みを支援します。

1.ドローン等小型の無人航空機による空中散布に関する安全性確保策の検討
2.ロボット農機に関する安全性確保策の検討・遠隔監視によるロボット農機の自動走行の実現に向けた検証

対象経費:直接経費(備品費、事業費、旅費、謝金、人件費、委託費、役務費、雑役務費)および一般管理費

上限金額・助成額:
1. 1,500万1,000円
2. 5,053万4,000円

補助率:定額

出典:農林水産省「令和2年度スマート農業総合推進対策事業のうち農林水産業におけるロボット技術安全性確保策検討事業に係る公募について」

次世代につなぐ営農体系確立支援事業:データ駆動型農業(スマートグリーンハウス展開推進)

概要:データ駆動型農業を実践した施設園芸(スマートグリーンハウス)への転換の促進を目的とした事業です。転換に取り組んだ産地でノウハウを取りまとめ、全国的に波及させるための取り組みを支援します。

対象経費:備品費、賃金など、事業費、旅費、謝金、委託費、役務費、雑役務費

上限金額・助成額:7,000万円

補助率:定額

出典:農林水産省「令和2年度次世代につなぐ営農体系確立支援事業のうちデータ駆動型農業(スマートグリーンハウス展開推進)の公募について」

スマート農業総合推進対策事業:データ駆動型土づくり(土づくりイノベーションの実装加速化)

概要:農地土壌の劣化が農業生産の持続性向上にとって喫緊の課題となっていることを踏まえ、科学的データに基づく土づくりを推進する環境を整備するため、土づくりのイノベーションの実装を加速化する取り組みを支援する事業です。

対象経費:備品費、事業費、旅費、謝金、人件費・委託費・役務費・雑役務費

上限金額・助成額:500万円

補助率:1/2

出典:農林水産省「令和2年度における「スマート農業総合推進対策事業のうちデータ駆動型土づくり推進事業」の公募について」

スマート農業を支援する補助金【地方自治体の補助金編】

ドローン 畑

amosfal/PIXTA(ピクスタ)

国が実施する補助金制度のほかに、地方自治体が実施するスマート農業向けの補助金制度もあります。地方自治体によってさまざまな制度があるため、お住まいの地方自治体のホームページを確認してみましょう。

宮崎県「スマート農業による働き方改革産地実証事業」

概要:労働時間削減や労働負荷軽減を目的としたスマート農業機械等の産地実証及び円滑な実証実施に向けたスマート農業技術習得の取り組みを支援します。

対象経費:機器購入費、報償費、委託費、使用料及び賃借料、研修費、報償費

上限金額・助成額:
産地実証に対する支援/労働時間削減等の就業環境改善の実証に要する経費…1/3以内
技術習得に対する支援…スマート農業技術習得に要する経費:定額

補助率:1/3以内

出典:宮城県「令和2年度スマート農業による働き方改革産地実証事業の第3回公募について」

兵庫県神戸市「スマート農業導入支援事業」

概要:町単位で広域化した集落営農組合やその構成団体が、広大な農地を管理する場合にスマート農業を導入することで、農作業を省力化するとともに効率化することにより、農業のさらなる振興と農地の適切な管理につなげる事業です。

対象経費:1. リモコン式自走草刈機等の導入 2. 水管理システムの導入

上限金額・助成額:300万円

補助率:事業に要する経費の50%以内

出典:神戸市「令和2年度スマート農業導入支援事業の募集を行います」

静岡県浜松市「浜松市スマート農業推進事業費補助金」

概要:浜松市におけるスマート農業の普及促進と農家の所得向上や農業産出額の向上を図り、「もうかる農業」を実現させるため、認定農業者による先進的栽培技術設備などの購入に補助金を支給します。

対象経費:
1. 高度な環境制御による栽培施設システムの導入補助
2. 環境測定装置の導入補助、ロボット技術を活用した機械の導入補助
3. 検証提案型技術の導入補助
4. 国県等で開発又は検証している技術の導入補助
5. その他の先進栽培技術等の導入補助(先進性が認められるもの)
※原則、農林水産省の「スマート農業技術カタログ」に掲載されている機器は補助対象。

上限金額・助成額:600万円

補助率:1/2以内

出典:浜松市「【令和2年度】浜松市スマート農業推進事業費補助金の募集について」

福島県白河市「農業の未来をつくるスマート農業推進事業補助金」

概要:白河市内在住の認定農業者や認定新規就農者などを対象に、農作業の効率化や負担軽減のために、ICT機器及びロボット技術の導入にかかる費用に対して、その一部を補助します。

対象経費:
1. 農業技術の向上や生産の効率化に資するICT機器・ロボット技術導入に要する経費
2. ICT機器及びロボット技術利用に要する経費(通信費は除く)
※該当する機器は農林水産省「スマート農業技術カタログ」を参照してください。

上限金額・助成額:100万円

補助率:事業費の1/2

出典:白河市「農業の未来をつくるスマート農業推進事業補助金」

スマート農業にも活用可能な補助金

農業 資金

ilixe48/PIXTA(ピクスタ)

スマート農業の支援に特化した補助金制度ではありませんが、機械導入や設備投資を対象としており、スマート農業の導入にも活用できる補助金制度を紹介します。

経営継続補助金

概要:新型コロナウイルス感染症の影響を克服するため、感染拡大防止対策を行いつつ販路の回復・開拓、生産・販売方式の確立・転換などの経営継続に向けた農林漁業者の取り組みを支援する制度です。
「接触機会を減らす生産・販売への転換」の一環として、自動選別機やドローンといった、省力化機械の導入に活用することもできます。

対象経費:
1. 経営継続に関する取組に要する経費(補助対象経費の1/6以上を業種別ガイドライン等に則した「接触機会を減らす生産・販売への転換」または「感染時の業務継続体制の構築」にあてること)
2. 感染拡大防止の取組に要する経費

上限金額・助成額:
 1. 100万円
 2. 50万円

補助率:
 1. 3/4
 2. 定額

出典:農林水産省「経営継続補助金」

強い農業・担い手づくり総合支援交付金:地域担い手育成支援タイプ

概要:農業者の経営基盤の確立やさらなる発展に向けた農業用機械・施設の導入を支援します。特に、労働力不足などの課題に対応するロボット技術・ICT機械等の導入については優先されます。

対象経費:農業用機械・施設(ロボット技術、ICT機械等の導入は優先)

上限金額・助成額:300万円(融資を活用すること)

補助率:融資残額(事業費の3/10以内)など

出典:農林水産省「強い農業・担い手づくり総合支援交付金(先進的農業経営確立支援タイプ・地域担い手育成支援タイプ)」

強い農業・担い手づくり総合支援交付金:先進的農業経営確立支援タイプ

概要:広域に展開する農業法人などが、創意工夫と経営判断により経営の高度化に取り組む場合、必要な農業用機械・施設の導入を支援します。

対象経費:農業用機械・施設(耐用年数5~20年)

上限金額・助成額:個人1,000万円、法人1,500万円

補助率:融資残額(事業費の3/10以内)など

出典:農林水産省「強い農業・担い手づくり総合支援交付金(先進的農業経営確立支援タイプ・地域担い手育成支援タイプ)

IT導入補助金

概要:農業に限らずさまざまな業種を対象に、生産性の向上につながるIT活用を行った事業者に対し、その経費の一部を補助する制度です。
顧客情報や売上管理に必要なパソコンやタブレットの購入費などに活用できます。農業においては、生産管理や作業管理など付加価値の向上につながるITツールも対象となります。

対象経費:ITツール導入費(ソフトウェア費、導入関連費など)
※IT導入支援事業者によりあらかじめ事務局に登録されたもの

上限金額・助成額:30万~450万円

補助率:1/2

出典:一般社団法人 サービスデザイン推進協議会「IT導入補助金について」

毎年度の補助金の情報はいつ頃公開される?

農業 タブレット

Graphs/PIXTA(ピクスタ)

国の補助金は、各省庁が8月ごろに来年度の概算要求を提出し、9月末ごろに次年度の補助金について発表される傾向にあります。

なお、補助金情報は概算のため、その後、変更されることもあるので注意が必要です。補正予算で補助金が設けられる場合もあるので、農林水産省のホームページを定期的に確認しておきましょう。

出典:農林水産省生産局技術普及課スマート農業推進班への問合せによる(2020年9月)

補助金の情報収集に役立つサイト

補助金の情報収集に便利な検索サイトとして、農林水産省の「逆引き事典」、「補助金ポータル」について解説します。

農林水産省「逆引き事典」

農林水産省のホームページより、活用したい補助金について、利用者や利用目的から対象の補助金を検索することができます。該当の補助金を複数比較することも可能です。最新の情報が更新されるので、定期的にチェックしておくとよいでしょう。

農林水産省「逆引き事典」

「補助金ポータル」

農業をはじめとする、さまざまな補助金情報を検索できるポータルサイトです。申請したい場合は、専門家に相談することも可能です。

株式会社補助金ポータル「補助金ポータル」

スマート農業の導入を検討している農家にとって、導入にかかる資金の準備は大きな課題ではないでしょうか。今回紹介した主な補助金の種類や概要、補助金を調べるツールなどを利用して資金計画の一助としてください。

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上澤明子

上澤明子

ブドウ・梨生産を営む農家に生まれ、幼少から農業に親しむ。大学卒業後は求人広告代理店、広告制作会社での制作経験を経て、現在フリーランスのコピーライターとして活動中。広告・販促ツールの企画立案からコピーライティング、取材原稿の執筆などを行う。農業専門誌の制作経験があり、6次産業化や農商工連携を推進する、全国の先進農家・農業法人、食品会社の経営者の取材から原稿執筆、校正まで携わったことから農業分野のライティングを得意とする。そのほか、食育、子育て、介護、健康、美容、ファッションなど執筆ジャンルは多岐にわたる。

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