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ブドウ剪定の時期とポイント! 品質のよい実をバランスよくつけるには?

ブドウ剪定の時期とポイント! 品質のよい実をバランスよくつけるには?
出典 : MomijiMac / PIXTA(ピクスタ)

全体にバランスよく果実をつけ、品質のよいブドウを収穫するために重要な「剪定」作業。どの枝を切ってどの枝を残すかで、その年の収穫量やブドウの味に大きな影響があるといわれています。最適なブドウの剪定時期や、剪定方法によるメリットとデメリット、剪定のポイントなどを整理しました。

収穫期のブドウ園地

zun / PIXTA(ピクスタ)

高品質なブドウを栽培するために重要な「剪定」作業

ブドウの栽培には多くの工程があり、その中でも品質のよいブドウを収穫するために欠かすことのできない重要な作業が「剪定」です。

「剪定」とは、樹木全体のバランスを考えて枝を切ることです。のちの母枝となる種枝を整理しながら、樹形を整える作業も含み、熟練の技が必要とされます。

適切な剪定作業を行うことで、日当たりや風通しをよくし、実のなりすぎも防ぐことができるため、効率よく高品質のブドウが栽培できるのです。

ブドウの剪定に最適な時期はいつ?

剪定・藁囲い作業中のブドウの園地(シャインマスカット)

POPO / PIXTA(ピクスタ)

効果的な剪定を行うためには、最適な時期を見極めることが重要です。

剪定時期は、その年のブドウの収穫が終わり、落葉した後の冬季間がベストです。

落葉後でもあまり早すぎると、貯蔵養分として貯えられるはずの養分を枝と一緒に廃棄してしまうことになり、次の年の生育に悪影響をおよぼすので、落葉した後はしばらく置いてから剪定するのがよいとされています。

あまり時期が遅くなってしまうのも好ましくありません。温暖な冬だと2月下旬には樹液が動き出します。3月に枝を切ると樹液が出てしまうので、それをさけるために、2月中旬までには剪定が終わるようにします。

ブドウの枝の切り口と樹液

sakuraki / PIXTA(ピクスタ)

品質のよい実を効率よくつける! 剪定のポイントとは?

ブドウの剪定作業を行う時のポイントは、まずじっくりと樹や枝の状態を観察することです。

枝の伸長状態や日当たり具合を確認し、どの枝を残すべきなのかを判断します。来年やその先までの伸長状態を見越して、将来的なイメージをしっかりと描きましょう。

剪定方法によっても異なりますが、基本的には主枝を長く伸ばし、横枝をゆったりと広げて、主枝を棚の四方に伸ばすようにします。重なった枝は間引き、側枝は生育のよい新芽のところで切り返し、大きくならないようにします。

ハサミを入れる時には、枝の先端をよく見て、枝の太さや色ツヤ、生えている向きや角度、芽の形や数をしっかり見極めることも重要です。

切り残しや巻きひげは、病原菌の越冬場所になってしまうので、剪定の時に確実に取り除きます。

ブドウの樹は維管束が太く、切り口の乾きが早いため、そのままだとその部分から枯れてしまうこともあります。剪定したらすぐにボンドなどの癒合剤を塗っておきましょう。

剪定後のブドウの枝

sakuraki/ PIXTA(ピクスタ)

剪定量は全体の30~35%程度にとどめます。50%以上の剪定量は強すぎて、樹形を乱してしまいます。

すべての作業において、豊富な経験とそれに基づいた勘がかなり必要になります。都道府県の営農部署などが監修した指導書や栽培マニュアルを入手したり、JAなどで行われる剪定講習会に積極的に参加したりして、スキルアップを目指すことをおすすめします。

主な剪定方法とメリット・デメリット

X型長梢剪定

donguri / PIXTA(ピクスタ)

ブドウの剪定方法は、大きく分けると「長梢剪定」と「短梢剪定」の2種類があります。傾向としては、東日本で「長梢剪定」、西日本では「短梢剪定」が多いとされます。

それぞれの方法には、メリット・デメリットがあり、品種の特性や土壌条件、自身の栽培スタイルに適したものを選択することが大切です。

長梢剪定

剪定時に種枝を5~12芽残して切り落とす剪定法で、自然形仕立てで使用されます。

メリット

樹勢や枝の状態、枝の太さなどによって残す芽の数を調節できるため、あらゆる品種に適応できるのがメリットです。

中間部分の充実した芽が利用でき、初期の生長が活発になります。太い枝をかなり短くしたり、多くの枝や芽を切り落としたりするような「強剪定」にならないため、樹への負担が比較的少なく、樹齢を長く維持できる点もメリットです。

デメリット

H型仕立てのブドウ園地(シャインマスカット)

POPO / PIXTA(ピクスタ)

短梢剪定

画一的に種枝の2~3芽のみを残して切り落とす剪定法です。一文字仕立て、H型仕立て、WH仕立てなどの平行整枝に使用されます。

短梢剪定は長梢剪定に比べ省力・軽労化が可能なので、現在はこちらの方法の方が広く採用されつつあります。

メリット

剪定法がわかりやすく簡単に剪定できることがまずメリットとして挙げられます。芽かき、誘引などの管理作業も均一に行うことができ、樹形の乱れが少ない点もメリットです。

デメリット

デメリットは、新芽の伸びを調節するために摘心や生育抑制剤の散布などが必要な点です。土壌が肥沃で新芽が伸びやすい場所では適用が難しいといえます。

強剪定となるため、木への負担が大きく、樹齢が短いのもデメリットといえます。

便利な作業補助器具を使って省力化

ブドウの剪定作業では、両手を高く上げ続けたり、長時間中腰で行ったりするため、体に大きな負担がかかります。

少しでも省力化・軽労カを実現するために、便利な剪定バサミや作業補助器具を採用することも有効です。

剪定バサミにもさまざまな種類がありますが、中には通常の半分の力で枝を切ることが可能なものなどがあります。刃をスライドしながら切る仕組みで、力を逃がさずスムーズに切断できます。

座面に補助棒がついた作業用補助イスは、身長や作業に合わせて座面の高さを変えられ、中腰作業の身体負担を軽減します。

アルミ製の作業用踏み台や装着したまま移動できる作業用ゲタは、高所での作業で無理に背伸びする必要がなく、軽労化が期待できます。

果樹用の剪定バサミ

fotogigi85/ PIXTA(ピクスタ)

ブドウの味や収穫量を左右する「剪定作業」。栽培品種や土壌の特性に合わせ、最適な剪定方法を選び、ポイントを押さえて適切な時期に行うのが重要です。

豊富な経験や高い技術も必要となる作業のため、講習会に参加したり熟練者のアドバイスを受けたりするなどして、日々スキル向上に取り組み、品質のよいブドウの収穫量アップを目指しましょう。

ブドウ栽培の基礎知識についてはこちらの記事もご覧ください。

酒井恭子

酒井恭子

テレビ番組制作会社、タウン情報誌出版社での取材・編集・ライティング業務などを経て、2018年からライターとして活動。農業、グルメ、教育、ビジネス、子育て情報など、幅広いジャンルの記事を執筆している。特に、食べることに興味があり、グルメ情報を自身のメディアでも発信中。美味しい料理の素材となる野菜や果物についても関心を持ち、農家とつながる飲食店で取材するなど、日々知識を深めている。「自分の文章で感動を多くの人と共有したい」が信条。

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