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【空豆(そらまめ)の栽培方法】定植時期や施肥量は? プロ農家の栽培管理

【空豆(そらまめ)の栽培方法】定植時期や施肥量は? プロ農家の栽培管理
出典 : shimanto / PIXTA(ピクスタ)

空豆は、春から初夏にかけて旬の野菜として需要が高く、収益性も期待できる作物です。本記事では、空豆栽培の基本からプロ農家が実践する管理方法までを解説します。定植時期や越冬対策、また水田裏作としての栽培の可能性などの情報を参考にしてください。

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水田裏作で高収益化! 空豆栽培のススメ

ほ場で栽培されているそらまめ

KY / PIXTA(ピクスタ)

空豆は水田裏作に適した作物です。すでに水稲栽培を行っている農家は、空豆の「秋播き春どり」栽培を取り入れることで、水田の有効活用につながり、安定した収益を確保できる可能性があります。

空豆は乾燥に弱く、土壌中の水分を多く必要とします。耕土が深い土壌での栽培にも適しており、水田の土壌はこれらの条件を満たしていることも、水田裏作が推奨される理由の1つです。

また、空豆栽培は連作障害が発生しやすいという課題があり、通常は4〜5年の休栽期間が必要とされます。

しかし、水田で水稲を栽培している場合には、夏季に「湛水処理(たんすいしょり)」の状態となるため、連作障害が発生するリスクを軽減できるというメリットもあります。

水田の裏作として空豆の栽培を検討し、地域市場での需要を活かした販売戦略を立てることで、農家経営をさらに強化できる可能性が生まれます。

定植時期は? 空豆の主な作型と品種例

収穫期を迎えるそらまめ

蕎麦喰亭 / PIXTA(ピクスタ)

空豆は発芽適温が15〜20℃、生育適温が16〜20℃と適温の幅が狭く、暑さにも寒さにも弱い作物です。また、花芽分化には低温が必要であるため、栽培環境によって播種や収穫時期が制約されます。

栽培可能な北限は東北までで、寒冷地である北海道では適していません。一方で、暑すぎる環境でも育成が難しいため、適切な地域や気候条件での管理が重要です。

空豆の栽培には、主に「夏播き冬どり」「秋播き春どり」「春播き夏どり」の3つの作型があります。それぞれの定植時期と収穫時期の目安は以下のとおりです。

  • 夏播き冬どり
    • 9月頃に播種・定植を行い、11月〜翌年3月頃に収穫する作型です。年間の平均気温が18℃前後で、冬期の平均最低気温が5℃を下回らず霜が降りない暖地での露地栽培に適しています。ただし、霜に当たると枯れてしまうため、防寒対策が必要です。
  • 秋播き春どり
    • 10月〜11月頃に播種・定植し、翌年4月~6月頃に収穫する一般的な作型です。年間平均気温17℃以下の地域で広く行われ、露地・ハウス栽培に対応します。冬の低温で花芽分化を促し、春の暖かさで開花・結実します。この作型に合う地域は水田裏作に適しています。
  • 春播き夏どり
    • 2〜3月頃に播種・定植し、5〜6月に収穫する冷涼地向け作型です。苗の越冬が困難な、東北以南の冷涼地などで行われます。育苗はハウスで行い、低温による花芽分化を促すのが特徴です。

出典:
一般社団法人日本種苗協会 所収「ソラマメ」
鹿児島県 所収「栽培事例 B マメ類・果菜類」

秋播き春どり(露地栽培)に適した空豆品種例

空豆の一般的な作型である、「秋播き春どり」の露地栽培におすすめの品種は「仁徳一寸(にんとくいっすん)」、「三連(さんれん)」、「陵西一寸(りょうさいいっすん)」です。

いずれも育てやすく安定した収量が見込めるうえに、3粒以上の莢(さや)の発生比率も高いのが特徴です。

「仁徳一寸」は豆・莢とも鮮やかな濃緑色で色つやに優れ、「三連」は栽培しやすい多収種で3cmほどの大きな実がなりやすく、「陵西一寸」は食味が非常によく長期間にわたって多収穫できます。

変わった品種としては、鮮やかな小ぶりの赤い実のなる「越前赤(えちぜんあか)」も、「秋播き春どり」品種として人気があり、おすすめです。

参考:春どり空豆の平均流通単価

2021~2024年の4~7月の空豆の平均取引量と平均価格を東京都中央卸売市場のデータで見ると、以下のようになります。

参考:春どり空豆の平均流通単価

出典:東京都中央卸売市場「東京都中央卸売市場」よりminorasu編集部作成(対象:全市場、類別検索野菜>豆科野菜類>空豆)

このデータから、空豆は5月の取引量が最多となりやすく、暑くなる7月には流通量・価格とも下がること、毎年ピーク時から終盤まで500円前後の比較的安定した価格で取り引きされていることがわかります。

【秋播き春どり】高品質な空豆の栽培方法

そらまめの収穫風景

マハロ / PIXTA(ピクスタ)

空豆の「秋播き春どり」は、最も採用されている作型であり、水田裏作としても導入しやすい方法です。以下では、露地栽培を前提とした「秋播き春どり」の空豆栽培方法について、播種から収穫までの手順を解説します。

稲刈り後:土作りと基肥(元肥)の施用

空豆は、直播き(直播栽培)と移植栽培のどちらも可能です。水稲の収穫後、播種または定植の2週間前までにほ場全面に苦土石灰を散布して耕起し、1週間前までに基肥を施してよく耕し畝立てを行います。

施用量は、基肥として10a当たり、完熟堆肥3,000kg、苦土石灰100kg、BM熔リン20gを目安にします。そして、畝を作ったあとに窒素(N)・リン酸(P)・カリウム(K)の三要素を含む化成肥料40kgを散布してよく撹拌します。

空豆の生育には、日当たりがとても大切であるため、畝は広めに作ります。畝幅は少なくとも120cm、できれば150~180cmほどあるとよいでしょう。

10月頃:播種~育苗

ソラマメ 播種

tamu1500 / PIXTA(ピクスタ)

直播きの場合は、種子が腐敗するのを防ぐため雨天日を避けてください。株間35〜50cm・植え穴の直径5cm前後のシルバーマルチを施すとアブラムシ類の飛来を抑えることができます。

育苗する場合は、床播きかビニールポットで行います。床播きの場合、播種量は10a当たり10〜12L、約2,200〜2,400粒が目安です。

種子は一晩流水に浸し、オハグロ(空豆の黒い部分)を斜め下か横に向けて種の頭部が見えるくらいに浅播きします。灌水のあと、薄く土をかけるか、わらやもみ殻で被覆します。

11月頃:定植

播種後約2週間、草丈が5〜6cm、本葉が2〜3枚になった頃が定植の適期です。

定植に使用する苗は、第1本葉期(初生葉2枚、本葉1枚)が揃った健全な苗が適しています。畝は生育中期以降の中耕培土を考慮し、平畝に整えるとよいです。また、深植えは避けてください。

栽植条件としては、条間120cm、株間35cmを基準とし、10a当たり約2,380株が目安です。定植後は、株ごとに十分なかん水を行い、生育を促進してください。

12月~3月頃:追肥~摘芯・誘引

定植後、越冬前に1回目の除草、中耕、土寄せをして生育を促進します。2月頃に2回目の除草、中耕、土寄せを行います。このときに1回目の追肥を併せて行い、3月頃に2回目の追肥を行います。追肥は化成肥料を10a当たり10kgほどが目安です。

茎が伸びて混み合ってきたら、良好な茎を残して切り取り1株7〜8本立ちにします。茎を整理し日当たりが偏らないようにすることが、莢を大きくするコツです。

草丈が60〜70cmほどになったら、倒伏防止のため、伸びすぎた茎を、最初の着莢節位から15〜20節で摘芯します。その後、直径3cm、高さ150cmほどの支柱を畝の外側に4mごとに立て、紐で株を囲むようにまとめて縛ります。

4月~6月頃:収穫

空を向いていた莢が横向きまたは下を向き、光沢が出てきたら収穫適期です。11月半ば頃に定植したものであれば6月半ば頃が収穫期になります。

収穫後は冷暗所にむしろを敷き、重ならないように並べましょう。蒸れを防ぐため、出荷までは麻袋を利用するとよいです。

出典:
農林水産省「みやぎの野菜指導指針」所収「第4節そらまめ」

空豆の栽培管理で押さえておきたい4つのポイント

空豆栽培において、より高品質で多収をめざすためには、適切な栽培管理が欠かせません。特に重要なのは、生育環境の整備やタイミングを見極めた作業など、空豆の特性に合わせた管理を行うことです。

以下では、空豆栽培で押さえておきたい4つのポイントについて解説します。

1.病害虫防除

空豆に多い病害は、葉に淡黄色の斑が入って萎縮したりモザイク状に退色や黄化したりする「モザイク病」や、葉に黒い粉のようなものが発生する「すす病」などがあります。

それぞれ病害に適した農薬の散布が有効ですが、どちらの病害もアブラムシ類が媒介するので、アブラムシ類の防除が重要です。

育苗期にアブラムシ類から守るにはシルバーマルチを使いましょう。防虫シートの利用も有効です。また、ほ場周縁の雑草からの飛来を防ぐために周縁の除草も大切です。

ほかにも、「立枯病」や「さび病」など、カビが原因の病害にも要注意です。病変はできるだけ早く発見し、速やかに株ごと取り除いてほ場外に持ち出して処分します。

アブラムシ類の繁殖、病害の発生を認めたら、速やかに農薬を用いて防除しましょう。

※農薬の使用に当たっては、「そらまめ」と該当する病害・害虫に適用のある農薬を、製品ラベルに記載された使用方法に従って正しく散布してください。

2.越冬対策

空豆は寒さに弱く、本葉が5枚以上に生長すると寒害を受けやすくなり、-5℃で枯死することもあります。


一方で、幼苗期には低温に対する耐性があるため、越冬前に生長しすぎないよう、播種・定植のタイミングを調整することが重要です。
また、寒害を防ぐためには、防寒対策も欠かせません。越冬前には、不織布で覆う前に病害虫の防除を1回行います。また、冬から初春にかけて強風が吹く地域では、不織布を被覆する前に畝の北側や西側に風よけ用の土を盛って防風対策を行います。

越冬準備として不織布を被覆する際は、生長に合わせて株を押さえつけないよう、ゆとりを持たせて設置することがポイントです。不織布は越冬後の3月中旬を目安に除去し、寒害対策を完了させます。

3. 施肥量・施肥管理

基肥、追肥は施用の時期や回数、適量を守り、与えすぎに注意します。

肥料を与えすぎると枝葉が成長しすぎて実が付きづらくなる「つるボケ」になりやすく、栄養過多や不足によって「曲がり莢」になりやすくなります。日照不足も曲がり莢の原因となるので、枝を整理するなどして日当たりにも常に気をつけましょう。

4. 連作障害対策

豆類は、連作すると次第に生育が悪くなる「連作障害」が起きやすいのですが、特に空豆は連作に弱い作物で、栽培の失敗につながります。

できれば4〜5年、少なくとも1年は同じほ場での連作を避ける必要があります。ただし、前述したように水稲の裏作で、夏季に水を張った状態が1ヵ月以上あれば、連作障害のリスクは小さくなります。

出典:
農林水産省「みやぎの野菜指導指針」所収「第4節そらまめ」

▼連作障害について、より詳しい解説は以下の記事を参照してください

そらまめの収穫

株式会社うめ海鮮@フォト / PIXTA(ピクスタ)

空豆は、春から初夏にかけて人気のある収益性の高い作物で、適切な定植や越冬対策により安定した収穫が見込めます。特に水田裏作としての活用は、効率的な土地利用と収益向上に役立ちますが、連作障害や生育適温の管理を意識して高品質の実をめざすことが重要です。

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大曾根三緒

大曾根三緒

ビジネス、ペット、美術関連など多分野の雑誌で編集者として携わる。 全国の農業協同組合の月刊誌で企画から取材執筆、校正まで携わり、農業経営にかかわるあらゆる記事を扱かった経験から、農業分野に詳しい。2019年からWebライターとして活動。経済、農業、教育分野からDIY、子育て情報など、さまざまなジャンルの記事を毎月10本以上執筆中。編集者として対象読者の異なるジャンルの記事を扱った経験を活かし、硬軟取り混ぜさまざまなタイプの記事を書き分けるのが得意。

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