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枝豆の新品種6選!収益アップを実現できるおすすめは?

枝豆の新品種6選!収益アップを実現できるおすすめは?
出典 : years / PIXTA(ピクスタ)

枝豆栽培の収益性アップには、品種の選定が重要です。とはいえ、枝豆には400以上もの品種があるといわれており、どれが自身のほ場に適しているかの判断に迷う方もいるでしょう。本記事では、新たに開発された枝豆の新品種6つに焦点を当てて紹介します。

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枝豆の荷姿 枝付き出荷 袋詰め出荷

たけちゃん / PIXTA(ピクスタ)・Ystudio / PIXTA(ピクスタ)

枝豆は全国的に栽培が可能な品目であることから各地域で新品種の開発が進められており、現在では400以上もの品種があるといわれています。品種によって収量や品質が異なり、枝豆栽培で安定した経営を営むためにも、自身のほ場に適した品種を選ぶことが重要です。

本記事では、6つの新品種を紹介するので、収益性アップやほかの農家との差別化を図る際の参考にしてください。

枝豆は大きく分けて3種類ある

枝豆には大きく分けて、青豆(白毛豆)、茶豆、黒豆の3種類があります。種類によって栽培地域や収穫時期などが異なるため、新品種を紹介する前にまずはそれらの特徴について理解しておきましょう。

青豆

青豆(白毛豆)の代表的品種 サッポロミドリ

gobou3 / PIXTA(ピクスタ)

青豆は癖のないさっぱりした味が特徴で、万人受けしやすく国内で最もポピュラーな枝豆です。主な産地は関東地方ですが全国各地で栽培されており、緑色の莢に生える白色のうぶ毛から「白毛豆」と呼ばれることもあります。

莢に入っている粒の数やうぶ毛の色、早晩性は品種によって大きく異なるので、品種の選定が収益性に結びつきやすい枝豆です。

茶豆

薄皮が茶色い茶豆

MIKO / PIXTA(ピクスタ)

茶豆は外見こそ青豆と同じ緑色をしていますが、莢の中にある豆が薄茶色の皮に覆われていることから名付けられています。茶豆も全国各地で栽培されていますが、特に東北地方で多く生産されています。

癖がない青豆に対して茶豆は甘みが強く、茹でるとまるでスイートコーンのような独特の香りがすることから、一部の消費者に根強い人気があります。

また、青豆に比べると、収穫時期がやや遅い(一般的に8月上旬から9月中旬頃)のも特徴です。だだちゃ豆や黒埼茶豆が有名なブランド枝豆として知られています。

新潟県の「食と花の銘産品」に選ばれている「くろさき茶豆」の試食宣伝会。地理的表示(GI)保護制度にも登録されている。

新潟県の「食と花の銘産品」に選ばれている「くろさき茶豆」の試食宣伝会。地理的表示(GI)保護制度にも登録されている。
出典:株式会社PR TIMES(新潟市 ニュースリリース 2019年7月29日)

黒豆

主に関西地方で栽培されている枝豆で、京都の丹波篠山の黒豆がブランド品種として有名です。青豆や茶豆に比べて豆の粒が大きく、コクと甘みがバランスよく両立しているのが特徴です、完熟した乾燥豆はお節料理の黒豆によく使われています。

ただし、枝豆としての収穫時期は遅めの9月下旬から10月中旬頃であるうえ、全国的な生産量はそれほど多くないことから、市場に出回るケースはまれです。

丹波篠山黒枝豆

白熊 / PIXTA(ピクスタ)

枝豆の新品種6選!

枝豆は日本で栽培しやすい作物であることから、各地域の農業試験場等で新品種の開発が活発に行われています。

新しく開発された品種は、「見た目が美しくなった」「大粒化した」「高温化で品質が安定した」など、どれも枝豆栽培が抱えてきた課題の解決に役立つものばかりです。

ここからは近年開発された品種を紹介するので、自身の理想に近い枝豆があるかどうかチェックしてみてください。

ひかり姫

兵庫県立農林水産技術総合センター Youtube公式チャンネル「R2-001-莢が美しい枝豆新品種 ひかり姫」

収益性の高い枝豆を求める方に向く新品種です。枝豆の単価は、一般的に出荷量がピークになる7月を中心に下がり、その後出荷量の減少とともに上がりやすくなります。ひかり姫は単価が上がってくる10月どりにも対応しているので、高収益を期待できるでしょう。

また、茶色いシミがつくことで見た目が悪くなり、品質低下を招く要因となるダイズモザイクウイルス(SMV)に抵抗性がある点も魅力です。

※種子は兵庫県内の生産者に限り、JAなどを通じて販売されます。

品種紹介文献:兵庫県「ひょうごの農林水産技術 農業編-No.214」所収「莢が美しい枝豆専用黒大豆新品種「ひかり姫」の特徴を活かした生産振興」

つきみ娘

8月下旬から10月上旬まで収穫可能な中晩生品種です。粒が大きいうえに甘みが強く、食味に優れていることで定評があります。

また、「立性草姿で倒伏に強い」「不稔莢が少ない」といった点もメリットで、収穫や選別など枝豆栽培で負担の大きい作業の省力化にもつながります。

経営規模の拡大や収穫作業の機械化を進める予定の方は導入を検討してみましょう。

製品ページ:カネコ種苗株式会社「つきみ娘」

神風香

2019年に豊洲市場で開かれた枝豆の新品種見本市で注目された「神風香」

2019年に豊洲市場で開かれた枝豆の新品種見本市で注目された「神風香」
出典:株式会社PR TIMES(株式会社食文化 ニュースリリース 2021年7月8日)

収量のアップを図りたい人におすすめの極早生品種です。茶豆風味で食味に優れるのはもちろん、莢が大きく、従来品種に比べて3粒莢や4粒莢が多いため収量アップが期待できます。

また、主茎が短く草勢がおとなしいので、収穫時もかさばりにくく作業効率も高いでしょう。分枝が少ないことから、密植気味に植え付ければさらなる収量増加も狙えます。

製品ページ:雪印種苗株式会社「エダマメ 極早生 神風香」

とびきり

6月中旬から8月下旬にかけて収穫できる中早生品種です。冷涼地のハウス栽培から一般地および暖地での露地栽培まで幅広い作型に対応しています。

収穫適期は酷暑の時期になりますが、高温化でも安定して着莢するので収量の減少に悩むことは少ないでしょう。3粒莢の割合が高く、小葉で薬剤散布の効率がよいのも特徴です。

製品ページ:株式会社サカタのタネ「エダマメ とびきり」

青祭

雪印種苗株式会社 Youtube公式チャンネル「品種紹介 エダマメ 青祭」

露地栽培では5月上旬から6月上旬にかけて播種、7月下旬から9月上旬に収穫する中早生品種です。収穫適期が比較的長いのがメリットで、大規模な作付けを行っている方でも導入しやすいでしょう。

「とびきり」と同じく高温下でも問題なく着莢するうえ、莢も大きいので安定した収量を期待できます。

製品ページ:雪印種苗株式会社「エダマメ 中早生 青祭」

岡山SYB1号

ダイズモザイクウイルス(SMV)に抵抗性を持つ品種で、莢に茶しみが出にくいことから高い秀品率を誇ります。従来品種の岡山系統1号は収穫時期がやや遅い点が課題でしたが、こちらはおよそ11日程度早く収穫できるように改善されています。

※岡山SYB1号の生産地域は岡山県内に限定されています。

品種紹介文献:岡山県農林水産総合センター 農業研究所「令和3年度試験研究主要成果」のページ所収「黒大豆「岡山SYB1号」及び「岡山系統1号」の枝豆の食感の特長」

また、出荷が終わった後は同じく岡山県で栽培されている作州黒枝豆とのリレー栽培も可能です。

作州黒枝豆

作州黒枝豆
shuya / PIXTA(ピクスタ)

枝豆には大きく分けて青豆・茶豆・黒豆の3種類があり、それぞれに多くの品種があります。品種を選ぶときは収量や品質、作型などから総合的に判断することが重要です。今回の記事を参考に自分にあった枝豆の品種について考えてみてください。

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中原尚樹

中原尚樹

4年生大学を卒業後、農業関係の団体職員として11年勤務。主に施設栽培を担当し、果菜類や葉菜類、花き類など、農作物全般に携わった経験を持つ。2016年からは実家の不動産経営を引き継ぐ傍ら、webライターとして活動中。実務経験を活かして不動産に関する記事を中心に執筆。また、ファイナンシャルプランナー(AFP)の資格も所持しており、税金やライフスタイルといったジャンルの記事も得意にしている。

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