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【中玉トマト栽培】品種別の栽培管理方法と、注目の産地化事例

【中玉トマト栽培】品種別の栽培管理方法と、注目の産地化事例
出典 : Ystudio / PIXTA(ピクスタ)

中玉トマトは、実つきがよく育てやすいという特徴があり、消費者の需要も高まっています。この記事では、中玉トマトの導入を考えている農家に向け、主な品種や安定生産のための基本的な栽培管理、付加価値を高めるための取り組み例などを紹介します。

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中玉トマト(ミディトマト)の市場動向

ミニトマト 中玉トマト 大玉トマト

mao / PIXTA(ピクスタ)

中玉トマトとは、大きさによる分類で大玉トマトとミニトマトの中間に当たるトマトの総称で、「ミディトマト」とも呼ばれています。1個当たりのサイズは一般的に30~60g前後、直径3cm前後とされています。

約10~30gのものがミニトマト、約100g以上のものが大玉トマトと分類されます。とはいえ、サイズに厳密な規格があるわけではなく、おおよその目安とされています。

一般的に、中玉トマトは大玉トマトと比較して生育が早く、生理障害が発生しにくいなど、栽培しやすい点も特長です。房どり収穫ができる品種もあり、収穫作業の省力化ができます。

出典:農林水産省 「トマトまるごとまるわかり!」

手頃なサイズで糖度も高く市場人気が上昇中

中玉トマトの特長は、食べきりサイズで使い勝手がよいことです。また、品種も多様で、特に糖度8~9度以上と果物並みの甘さが特長の「フルーツトマト」に分類される品種は、大型トマトよりも中型トマトのほうに多くあります。

糖度が高い品種だけでなく、ミニトマトよりもリコピンが多いなど、栄養価を高めた品種もあります。

トマトの収穫量・出荷量に関して、サイズ別の具体的な統計は存在しませんが、市場全体の動向として、手頃な大きさで食味のよい中玉トマトの需要は増えているとされています。

出典:大阪市中央卸売市場「トマト」

中玉トマトの代表的な産地とブランド例

中玉トマトは房出荷もできる

RewSite / PIXTA(ピクスタ)

中玉トマトの代表的な産地とブランド

中玉トマトの生産は全国で行われており、各地でブランド化も進んでいます。中玉トマト(ミディトマト)の代表的な産地とブランドしては、次の5つの例が挙げられます。

  • 福井県の「越のルビー」(品種名:同じ、福井県)
  • 静岡県・JA遠州夢咲の「トムトムトマト」(品種名:レッドオーレ、カネコ種苗株式会社)
  • 茨城県・佐賀県の「華クイン」(品種名:同じ、福井シード株式会社)
  • 山形県天童市の「メモリーハート」(品種名:シンディースイート、株式会社サカタのタネ)
  • 福岡県・JAふくおか八女の「はなひめ」(品種名:フルティカ、タキイ種苗株式会社)

以下に、各品種ごとの平均的な果実重と糖度を表にしています。ただし、果実重や糖度は土壌や天候、栽培方法などによって変わるので、あくまでも平均的な目安としてください。

品種名主な産地果実重糖度
越のルビー福井県30~40g8前後
レッドオーレ静岡県40~50g7以上
華クイン佐賀県、茨城県など20~30g7~9
シンディースイート新潟県、愛知県、山形県など35〜40g7~9
フルティカ福岡県、高知県など40~50g7~8

出典:
福井シード株式会社「越のルビー」
公益社団法人 福井県観光連盟 ふくいどっとコム「【美食福井】ミディトマト「越のルビー」は、甘みとみずみずしい食感が魅力」
カネコ種苗株式会社「レッドオーレ®」【美食福井】ミディトマト「越のルビー」は、甘みとみずみずしい食感が魅力
有限会社丸山ぶどう園「華クイン」
株式会社サカタのタネ 「中玉トマト シンディースイート®」
農研機構所収「山形県に適した夏秋どり中玉トマトの品種選定」
タキイ種苗株式会社「野菜品種カタログ フルティカ」

中玉トマトのおすすめ人気品種と、品種選びの考え方

中玉トマトのプロ農家向け定番人気品種としては、食味がよく需要が高い「シンディースイート」や「フルティカ」、フルーティな食味で丈夫な「レッドオーレ」、栽培しやすく果ぞろいが良好な「ルイ60」、世界的な人気品種の「カンパリ」、強い節水栽培をしなくても高糖度になる「Mr.浅野のけっさくⅡ」などがあります。

中玉トマトは、販売戦略を考慮した品種選びが重要

トマトの市場は、手頃な価格の一般商品と高付加価値商品の二極化が進んでいます。そのため、低価格で多収をめざすか、高価格で付加価値の高いトマトをめざすかで、販売戦略を立てたうえで、適した品種を選定することが重要です。

事前に地域で中玉トマトを扱っている農家や普及指導員、JAや自治体、地域の生産者団体などと連携を取り、相談しながら地域特性やほ場環境、設置できる設備、需要などに適する品種を選ぶとよいです。

栽培方法についても、地域の環境や気候を考慮しながら、露地か施設か、土耕か養液栽培か、どのような設備でどのような栽培技術を導入するか、コストや技術はどの程度必要かなどを事前に調べておくことが大切です。

特に施設園芸は、栽培方法によって初期投資が高額になることもあるので、十分に下調べをして中・長期的な計画を立てる必要があります。

販路と出荷のタイミングも重要です。せっかくコストと労力をかけて付加価値の高いトマトを生産しても、適正価格で販売できる販路がなければ、一般の市場でほかの産地と競合し安価で販売することになり、大幅な収益ダウンになる恐れもあります。

出典:公益財団法人東京都農林総合研究センター所収「ミディトマトの露地栽培における有望品種の選定」

【品種別】高品質な中玉トマトを作る栽培管理方法

中玉トマトのハウス栽培

Ystudio / PIXTA(ピクスタ)

プロ農家向けのおすすめ品種のうち、特に人気の高い「シンディースイート」と「フルティカ」の2種類をピックアップし、具体的な栽培管理のコツを解説します。

1. シンディースイート

「シンディースイート」は、中玉品種の代表格です。甘酸のバランスがよく、味が濃厚で、色まわりなどの外観も優れているのが特長です。

特性

萎凋病や斑点病、ToMV(Tm-2a型)への抵抗性、根腐萎凋病や葉かび病への耐病性、ネマトーダへの耐虫性があります。また、草勢は中程度で、節間はやや伸びます。裂果しにくく、上物率が高いのが特長です。

果実は35~40gで、1花房当たり10~15果ほど着果します。果色が鮮やかで、テリがあります。甘みと酸味のバランスがよく、食味は極良です。下段はシングル花房、上段からダブル花房となり、全体として多収です。

播種~定植・株間

セルトレイや育苗箱に播種します。 播種床は25〜28℃が適温です。

播種後2週間程度の本葉1.5枚時でポリ鉢へ移植し、葉が接触するようになったら、苗広げを行って十分な育苗面積を取るのがポイントです。

若苗定植が向いているため、基本的に第1花の開花前に定植します。定植は、基肥を施用したほ場に畝間180cm、株間50cmを目安に植え付けます。

なお、中玉トマト栽培に適した環境は、排水性が高く、日照や風通しのよいほ場です。特に排水対策は重要で、水はけの悪いほ場は高畝にする、施設の周囲に明きょを整備するなどの対策をしてから定植します。

整枝・誘引

シンディースイートは、生育初期に草勢がややおとなしく、早生で着果性がよいのも特長です。そのため、やや早めの灌水、追肥を行って草勢を維持します。長段栽培では、わき芽をすべて摘み取り、1本仕立ての斜め誘引で整枝を行うのが基本です。

施肥・灌水管理

灌水は、定植時に株元にたっぷり行ったあと、活着後は控えます。保水性の高いほ場であれば基本的に灌水は必要ありませんが、乾燥しやすいほ場では、様子を見ながら第3段開花頃から灌水を始めてください。

追肥は、1番果が肥大し始めた頃を目安に1回目を、その後は株の様子を見ながら20日おきを基本に行います。

収穫・出荷

裂果の発生が少ないため、ヘタ近くまで赤く色づいてから順次収穫します。個どりと房どり、どちらにも向いています。個どりは無駄なく収穫できるため多収につながり、房どりは省力化につながります。房のまま「つる付き」として出荷することで、差別化も図れます。

「シンディースイート」で高利益を上げるには、市場へのトマト出荷量が減り、高単価で納品できる時期に出荷を増やすことが大切です。夏期の草勢管理を調整すると、納品額が上がりやすくなります。

株式会社サカタのタネ「シンディースイート」

2. フルティカ

中玉トマト フルティカ

中玉トマト フルティカ
出典:株式会社PR TIMES(タキイ種苗株式会社 ニュースリリース 2015年10月8日)

「フルティカ」は、中玉トマトの中でもとても甘い品種です。

特性

葉かび病、斑点病への耐病性、トマトモザイクウイルスとサツマイモネコブ線虫への複合耐病虫性があります。

草勢が強く、成り疲れのあとも草勢が早く回復します。また、裂果が少ないことから、露地栽培でも栽培しやすいのが特長です。

中玉トマトの中でもとても甘い品種で、糖度は7~8度程度ですが、酸味が少なめで数値以上に甘味を感じます。果実の大きさは約40~50gと大きめで、皮は薄めで弾力性があり、トマト特有のプチッとする感覚は強くありません。

播種~定植・株間

「フルティカ」の発芽適温である25~30℃に播種床の地温を保ちます。ポットなどでがっちりとした苗に育苗し、第1花の開花時に定植します。

定植するほ場は「シンディースイート」同様、水はけや日照、風通しのよい場所を選び、排水対策もしっかり行います。畝幅180cmに40~50cmの株間で植え付けます。

整枝・誘引

「シンディースイート」と同様に、わき芽はすべて摘み取り、1本仕立てで斜め誘引を行うのが主流です。

「フルティカ」は、ショルダーグリーン(SG)という果実肩部の着色ムラが発生しやすいため注意が必要です。これを防ぐには、5~8月の日差しが強い時期に日中の遮光を行うか、葉の摘み取りを控えて果実に直接日光が当たらないようにするのがポイントです。

施肥・灌水管理

初期の草勢が強くなりやすく、分化した花芽が多くなると、花数過多により果実の肥大が抑えられ、小玉になります。それを防ぐためには、3~4段花房の開花時期までは灌水の量を抑えて初期の草勢を調整するとよいです。

また、前述のSGや異常主茎の発生を防ぐためには、基肥を控えめにして初期の窒素過多を防ぐことがポイントです。追肥は草勢を見ながら、4段花房開花時を目安に開始します。

灌水は一般的に朝昼が適していますが、この品種は特に時間帯を気にする必要はありません。少量多回数の灌水を基本とし、常に土壌水分を適切に保つことも重要です。

ただし、灌水回数が多すぎたり、長雨が続いたりすると裂果が起きやすくなります。水の与えすぎには注意してください。

収穫・出荷

「シンディースイート」と同様に裂果しにくいので、赤色に完熟した実から収穫します。収穫が遅れて過熟になると裂果しやすくなる上、実が柔らかくなって味が落ちるので注意してください。

収穫する前日から灌水量を少なくすると、甘みがより強くなります。なお、「フルティカ」も個どり、房どりのどちらもできます。

出典:タキイ種苗株式会社「フルティカ」

中玉トマトならでは! 収量増を狙う「2本仕立て」栽培も

トマト栽培では、わき芽をすべて摘み取って主枝1本だけを伸ばす、「1本仕立て」が基本です。しかし、大玉トマトと比較して生育が旺盛な中玉トマトは、主枝に加えてわき芽も1本伸ばす「2本仕立て」で収量アップを狙うことも可能です。

伸ばすわき芽は、根元に近く、第1花房または第2花房のついた節のすぐ下から出る強いわき芽が適しています。それ以外のわき芽はすべて取ります。

2本仕立てにする場合は、株間は広めの40〜50cm程度とします。主枝とわき芽が伸びてきたら、支柱を2本立てY字型に誘引します。1本仕立てと同様に、基肥は控えめにして、追肥も少量ずつ施用するのが管理のポイントです。

2本仕立てにすると葉が込み合いやすくなるため、日当たりや風通しが悪くならないように適宜摘葉します。病害虫も発生しやすくなるので、こまめに状態のチェックが必要です。

2本仕立てにすると収量が増える分、管理にも時間がかかる点に注意して、作業量に見合う仕立て方を選ぶようにしてください。

また、近年の気候変動や栽培管理が行き届かないことから、2本仕立て苗の生育が不安定となり、減収するケースも発生しています。そのリスクを低減するため、定植前に生育が安定し、収量性の高い2本仕立て苗を栽培する技術も各地で普及しています。

具体的には、購入した接ぎ木苗を、本葉2枚上の第2節で摘⼼し、その直下の本葉2葉を摘葉します。その後7〜10⽇ほど育苗し、側枝の本葉が2〜3枚出てから定植します。

この方法を試験した結果、山形県農業総合研究センターの実績では1本仕立てと同等の収量で、苗の生産コストが48%低減しました。

出典:
農研機構「トマト2本仕立てによる低コスト良質ポット苗の生産技術」

どんな取り組みがある?中玉トマト産地化の注目事例

中玉トマトの需要の高まりから産地化をめざす地域も増えています。これから産地化をめざす際の参考になる先進事例として、次の2例があります。

中玉トマト「越のルビー」のブランド化に取り組む福井県

福井県産の「越のルビー」

福井県産の「越のルビー」
出典:ソーシャルワイヤー株式会社(株式会社ハチバン プレスリリース 2021年8月2日)

「越のルビー」は、福井県で育種開発された人気の品種です。果実重が40~50g、糖度は7程度で、甘みが強いのが特長です。

「越のルビー」が誕生したのは1989年です。福井県立短期大学(現在の福井県立大学)でバイオテクノロジーを用いて開発され、試作を重ねて1992年にトマトの新品種として登録されました。

「越のルビー」という名前の名付け親は、福井県出身の芥川賞作家・津村節子さんです。真っ赤に完熟した様子を見て、「越の国(越前)で作られたルビーのようなトマトだ!」と思い、この名前を付けたそうです。

糖度が非常に高く、ビタミンCやリコピンは大玉トマトの約2倍もあります。

出典:福井県「旬の里ふくい 越のルビー」

企業の農業参入&大規模施設園芸で中玉トマトの産地となった北杜市

山梨県は遊休農地などの利活用のため、2000年代から、大型施設園芸への企業参入を推進してきました。特に参入企業が多いのが、県北西部の北杜市です。

参入企業は、セミクローズド型の大型施設を導入し、トマト、ミニトマト、パプリカなどを生産しています。また「北杜市農業企業コンソーシアム」を形成し、大型施設園芸における共通課題に連携して取り組んでいます。

出典:北杜市農業企業コンソーシアム

中でも特に注目されているのが、中玉トマトの反収の高さです。

例えば「北杜市農業企業コンソーシアム」の中心企業「有限会社アグリマインド」では、セミクローズド温室での精緻な環境制御によって、その収量は全国平均の約10倍、10a当たり65~75tに上ります。

出典:有限会社アグリマインド 明野菜園

施設園芸のハウス群とヒマワリ畑がひろがる北杜市明野町

shiryu01 - stock.adobe.com

中玉トマトは近年需要が伸びており、トマトの各産地でも中玉トマトの導入が進められています。

中玉トマトは大玉トマトに比べて栽培しやすく、糖度の高さや房どりできることから、差別化をして高価格での販売が可能です。栽培方法を工夫して、大幅なコストダウン・収益アップをめざしましょう。

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山崎 修

山崎 修

学習院大学理学部化学科卒、平凡社雑誌部勤務を経て独立し、現在は書籍・雑誌編集者、取材ライター。主戦場は書籍のゴーストライティングで常時5、6冊の仕事を抱えており、制作に関与した書籍・雑誌は合計で500冊を超える。ほかにもメルマガの書評連載から講演活動、1人出版社としての活動まで守備範囲は広い。

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