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【2024】農業簿記の勘定科目一覧|取引事例と仕訳の方法

【2024】農業簿記の勘定科目一覧|取引事例と仕訳の方法
出典 : bee / PIXTA(ピクスタ)

農産物を扱う農業経営の帳簿には独特の資産や支出・収入などがあり、取り扱う作目によっても経営管理方法は大きく異なります。本記事をはじめ、農業簿記の手引きや事例などから勘定科目の立て方を学び、自分の農業経営に適した帳簿作成に活かしてください。

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個人事業主と青色申告

makaron* / PIXTA(ピクスタ)

農業経営者が青色申告をするためには、農業経営に適した複式簿記である「農業簿記」での記帳が必要です。農業には特有の勘定科目も多く、記帳に慣れるまでは仕訳に悩むこともあるでしょう。そこで本記事では、具体的な取引例をもとに、仕訳のポイントについて解説します。

※本記事は2024年9月5日現在、国税庁「令和5年(2023年)分の確定申告に関する手引き等」および「令和3年(2021年)度 所得税の改正のあらまし」を基本に、一般社団法人 全国農業経営専門会計人協会など農業財務の専門サイトへ掲載された情報を参照し執筆しております。詳細はお近くの税務署や公認会計士、税理士にご確認ください。

そもそも農業簿記とは?

複式簿記の土台となる総勘定元帳

CORA / PIXTA(ピクスタ)

「農業簿記」とは農業経営者が利用する会計手法のことです。農業を経営する中で行った取引を勘定科目に仕訳して、その増減を記録します。

個人事業主として農業を経営し、青色申告をする場合、最高で55万円の控除(e-Taxによる電子申告または優良な電子帳簿に保存を行っている場合は、10万円を上乗せして65万円の控除)を受けられます。

ただし、上記の控除を受けるには、企業会計原則でいう「正規の簿記の原則」の要件を満たす複式簿記による記帳が必要です。農業経営においては、複式農業簿記での記帳が適しています。

農業簿記と一般的な商業簿記の基本的な記入の手順は同じです。ただし、使用する勘定科目や年度末に行う棚卸の方法などに違いがあります。

勘定科目とは取引内容を分類するための簿記上の科目のことで、仕訳する際の見出しのような役割を持っています。 農業簿記には、農業ならではの取引や独特な資産に対応するための農家専用の勘定科目があります。

また、一般的な商業簿記では年度末に「商品」という勘定科目を用いて棚卸をするのに対して、農業簿記では「農産物」「仕掛品」「原材料」「貯蔵品」という複数の勘定科目を用いて棚卸を行います。

そのほか、固定資産に「生物」という特有の勘定科目があったり、確定申告の際に専用の書式を用いたりする点も農業簿記ならではの特徴です。

農業簿記特有の主な勘定科目一覧

簿記 勘定科目

もとくん / PIXTA(ピクスタ)

農業経営では、特有の支出や取引が発生するため、勘定科目も農業に特化したものを用いる必要があります。こうした農業簿記特有の勘定科目を用いることで、農業の経費や収入を正確に管理し、適切な経営判断が可能になります。

ここでは、農業簿記特有の代表的な勘定科目について紹介します。

農地賃借料

農地賃借料とは、農地を借りる際に支払う費用のことです。

種苗費

種苗費とは、作物を栽培するための種や苗の購入費用のことです。

素畜費

素畜費とは、畜産業に置いて育成を目的とした家畜の購入費用のことです。家畜の種付料も含まれます。

肥料費

肥料費とは、作物の生育を促進するための肥料の購入費のことです。

飼料費

飼育費とは、家畜に与える飼料の購入費のことです。自給飼料の振替額も含みます。

農具費

農具費とは、農業で使用する道具や機械のうち、取得価額が10万円以下または耐用年数が1年未満のものの購入費のことです。取得価額が1点で10万円を超えるもの、または耐用年数が1年以上の農具は工具器具備品などの勘定科目を用いて、資産として計上します。

農薬衛生費

農薬衛生費とは、作物の病害虫対策や雑草防除を目的とした農薬の購入費用のことです。家畜用の薬剤費(予防目的)も含みます。

農業共済掛金

農業共済掛金とは、作物や農業用施設の共済掛金や保険料のことです。価格補塡負担金や収入保険の保険料も含みます。

土地改良費

土地改良費とは、農地の整備や改良にかかる費用のことです。具体的には、排水設備の整備や盛土、地盤改良などのうち、その年の必要経費となる部分です。客土の購入費用も土地改良費に含まれます。

作業委託費

委託費用とは、刈取などの農業作業を外部に委託した際に支払う費用のことです。賃耕料や農業協同組合などの共同施設の利用料も含まれます。

【仕訳事例】農家でよくある取引と、勘定科目の考え方

農業簿記の仕訳の考え方について、農業経営でよく見られる取引の事例に沿って解説します。なお、仕訳にはさまざまな方法があり、ここに挙げるものは一例にすぎません。あくまで迷ったときの参考として活用してください。

JA(農協)へ農産物の販売を委託した

米の集出荷施設

YUMIK / PIXTA(ピクスタ)

農産物をJAに委託販売している場合、先に契約金を受け取ったあと、実際に農産物を出荷した時点で契約金を相殺した残金が支払われる形の取引があります。このケースでは、売り上げの時期は代金の受け取り時期ではなく、実際に出荷した時点になります。

契約金と残金が口座に振り込まれたケースでは、以下のように仕訳します。

  • 支給額が決定した日付で、契約金額を借方「普通預金」、貸方「前受金」で仕訳
  • 農産物を出荷した日付で、残金額を借方「普通預金」として、「前受金」を借方に移動して相殺し、貸方は「売上」で処理

収穫した農産物を家族や親戚に配って消費した

自ら生産した米を親戚などにお裾分け

Graphs / PIXTA(ピクスタ)

自ら生産した農産物を家族で消費したり、親戚などに無償で配ったりした場合は、代金の受け取りがなくても、農産物を消費することで事業としての収益があったという扱いになります。したがって、以下のように仕訳します。

  • 農産物を消費した日付で、借方を「事業主貸」、貸方を「家事消費等」で仕訳
  • 金額は、その農産物を消費した時点の価額(時価に相当する金額)を記載

なお、棚卸資産を自家消費した場合の取り扱いについては、これとは異なります。詳しくは後述します。

持続化給付金など、助成金・補助金を受け取った

助成金・補助金

tsukat / PIXTA(ピクスタ)

新型コロナウイルスの感染拡大が問題となっていた2020年には、深刻な影響を受けた事業者に対し、経常収益の補填を目的に持続化給付金が支給されました。このような給付金や助成金・補助金は「雑収入」となるため、以下のように仕訳します。

  • 支給額が決定した日付で、借方を「未収入金」、貸方を「雑収入」として仕訳
  • 実際の振り込みがあった日付で、貸方を「普通預金」など、貸方を「未収入金」として処理

なお、助成金や補助金は「収入」となるため、法人には法人税、個人事業主の場合は所得税が課税されます。

減価償却の対象となるトラクターを購入した

トラクターを購入した新規就農者

mits / PIXTA(ピクスタ)

「減価償却」とは、建物や機械装置、器具備品、車両など、高額な固定資産を取得した場合の会計処理方法の1つです。

具体的には、取得金額全額を一度に経費計上せず、その資産の耐用年数期間にわたって、各年の必要経費に分配していきます。この費用を「減価償却費」といい、以下の計算式で算出します。

【減価償却費の額=取得価額×償却率×使用月数/12×事業専用割合(%)】

例えば、7月1日に100万円の農業用トラクターを新品で購入した場合、購入時とその後の決算で以下のような仕訳を行います。

  • トラクターを購入した日付で、借方を「農業用設備」、貸方を「普通預金」などで仕訳
  • 決算の際にその年の減価償却費の金額のみを費用として計上

農業用トラクターの耐用年数は7年、償却率は0.143となるため、減価償却費は以下の金額になります(事業専用割合は100%と仮定)。

  • 購入した年(7月1日〜12月31日):1,000,000×0.143×6/12=71,500円
  • 2年~7年目:1,000,000×0.143=143,000円(各年)

7年目の減価償却を行った時点で、未償却残高は70,500円です。その後も事業で使用する資産であることを証明するために、8年目は70,499円を減価償却して残存簿価が1円になるように処理します。

なお、減価償却の仕訳には「直接法」と「間接法」があります。直接法では「減価償却費」を「固定資産」から直接差し引きます。一方、間接法は「減価償却費」を「減価償却累計額」という資産のマイナスを表す勘定科目を用いて会計処理する方法です。

みかんなどの果樹やアスパラガスのような多年生植物を植えた

みかんの苗木は「育成仮勘定」に振り替え、成園し生産活動を開始した年に「生物」という固定資産に振り替え

pu- / PIXTA(ピクスタ)・nobmin / PIXTA(ピクスタ)

農業特有の資産として「生物」があります。経理上の資産としての生物には、牛・豚・馬・綿羊などの動物と、みかんやりんごなどの果樹、茶などの樹木、アスパラガス、パイナップルなどの多年生植物が含まれます。

これらの動植物が成熟し、生産活動を行っている状態の間に限り、「固定資産」として減価償却を行います。

生産活動ができるようになるまでの生育期間は、毎年度末に果樹などや家畜の育成に使った肥料・農薬・飼料などの費用総計を、まとめて「育成仮勘定」という固定資産に振り替えます。

その後、生産活動を開始した年に「育成仮勘定」から「生物」という固定資産に振り替え、同時に減価償却を始めます。

したがって、みかんやアスパラガスの苗を購入した場合は、その代金の勘定科目を「種苗費」とし、成熟するまで毎年その苗の育成にかかった肥料や農薬の代金を年末に割り出して、すべて合わせて「育成仮勘定」という資産に計上しましょう。

年度末の棚卸を行った

購入して未使用の肥料は「棚卸資産」

tamu1500 / PIXTA(ピクスタ)

「棚卸」とは、年度末に資材や商品の在庫を確認し、それぞれの金額を計算して帳簿に記載する作業のことです。農家における棚卸の対象は「棚卸資産」という勘定科目になり、主に以下のような項目が含まれます。

  • 原材料:購入した肥料や飼料、農薬、動物薬、農機などに使用した燃料、ビニール・敷料などの消耗品
  • 仕掛品:栽培中・生育中で未収穫の農産物や、飼育途中の未成熟の畜産などに用いた費用の科目別累積額
  • 農産品:収穫はしているものの未販売の玄米や野菜、果実、花卉(かき)、植木といった未販売分

上記の3分類は、棚卸資産の科目を分ける1例です。どの科目をどう分類するかは、市町村ごとに作成した帳簿の手引きや使用している会計ソフトによって異なります。

燃料や消耗品、収入印紙などを「貯蔵品」という括りにしたり、分類せずにすべてを「棚卸資産」として一括管理したりする方法もあります。

勘定科目の設定や細部の分類は、ある程度自由にでき「こうでなくてはならない」という法的な決まりはありません。例に当てはまらない資産があっても適切に分類できるよう、それぞれの科目の意味をきちんと理解することが大切です。

なお、農家が棚卸資産である農産物や消耗品を自家消費した場合は、その消費量に対し、使用した時点の時価を基準に、当該棚卸資産の仕入れ価格以上かつ通常販売価格のおよそ50%以上の金額を対価として、確定申告をします。

記帳開始時が肝!農業簿記における勘定科目設定の注意点

農家の経理

mapo / PIXTA(ピクスタ)

農家の経営内容は、扱う作目や経営方針などによって大きく異なり、一律の勘定科目に当てはめることは困難です。そのため、勘定科目は農家の実情に合わせて、ある程度自由に設定できます。

しかし、勘定科目の設定が不適切だと年度ごとの経営状況の比較が難しくなるため、記帳開始のタイミングで計画的に設定することが重要です。ここでは、勘定科目を設定する際の注意点を紹介します。

勘定科目を細分化しすぎない

勘定科目を細分化しすぎると、記帳作業や経営分析などの作業が煩雑化してしまいます。費用や収益が発生するたびに個別に科目を新設するのは控え、各勘定科目の意味を理解したうえで適切なものに振り分けます。

なお、勘定科目を設定する際は、費用と収益、債権と債務とを同一科目にしないなど、各科目の意味や用途を理解して適切に分けてください。

一度設定した勘定科目は変更しない

一度設定した勘定科目は、途中で変更しないのが原則です。事業成績の変化を見るためには、共通の勘定科目における年次間の比較が不可欠で、途中で勘定科目が変わると比較しにくくなります。

勘定科目を設定する際は、一時的な仮分類は避け、将来を見越して適切に設定しましょう。

税務署や税理士へ相談する

農家にとって信頼できる税理士がいると安心

Ushico / PIXTA(ピクスタ)

農家の経営内容がそれぞれ異なるように、使用する勘定科目や仕訳の内容も農家によって異なります。間違った仕訳を続けていると、確定申告の際に記帳をやり直したり、経営判断のミスにつながったりする可能性もあります。

農業簿記や勘定科目についてより詳しく学ぶためには、JAや市町村が公開している手引きなどを参考にするのもおすすめです。

ただし、税理士以外が会計処理や仕訳を含む税務などについて、個別具体的な相談に応じることは税理士法第52条で禁止されています。本記事で紹介している事例を参考に仕訳をした場合でも、最終的には最寄りの税務署や税理士に相談して判断してください。

農業簿記で正しく帳簿をつけるためには、信頼できる税理士を身近に見つけておくことが大切です。


農業簿記の勘定科目は、他業種に比べて非常に独特で複雑です。しかし、科目同士の関わりを確認しながら適切に分類することで、見やすくわかりやすい帳簿の作成が可能となります。

確定申告をスムーズに行い、効率的な経営分析を行うためにも、農業簿記の勘定科目や仕訳の考え方を理解しておくことをおすすめします。

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大曾根三緒

大曾根三緒

ビジネス、ペット、美術関連など多分野の雑誌で編集者として携わる。 全国の農業協同組合の月刊誌で企画から取材執筆、校正まで携わり、農業経営にかかわるあらゆる記事を扱かった経験から、農業分野に詳しい。2019年からWebライターとして活動。経済、農業、教育分野からDIY、子育て情報など、さまざまなジャンルの記事を毎月10本以上執筆中。編集者として対象読者の異なるジャンルの記事を扱った経験を活かし、硬軟取り混ぜさまざまなタイプの記事を書き分けるのが得意。

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