AgriBus-NAVI(アグリバスナビ)でトラクター作業を効率化! メリットや使い方
「AgriBus-NAVI(アグリバスナビ)」は、GPS衛星を利用した「トラクター運転支援アプリ」です。ITを活用した、農作業における生産性の向上や経営コスト削減に役立つ機器が登場する中で、世界的に評価されています。そこで、AgriBus-NAVI(アグリバスナビ)について詳しく紹介します。
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ネットワーク環境やIT技術の進歩は、農業の世界にも大きな影響を与えています。従来では空想に過ぎなかった機能が、現実のものになってきました。例えば、自動操舵トラクターもそうした機械の1つで、作付面積の大きい農家を中心として注目を集めています。
とはいうものの、自動操舵トラクターは価格が高いものが多く、購入を躊躇する方もいることでしょう。そこで、比較的安価に、効率よくトラクター作業をこなせると評判のAgriBus-NAVI(アグリバスナビ)の特徴やメリット、利用方法などについて詳しく紹介していきます。
AgriBus-NAVI(アグリバスナビ)とは?
トラクター運転支援アプリ「AgriBus-NAVI(アグリバスナビ)」は手持ちのトラクターに設置することができる
出典:株式会社PR TIMES(株式会社農業情報設計社 ニュースリリース 2022年2月9日)
アグリバスナビは「シンプルで安価に利用できるトラクター運転支援アプリ」です。同サービスは2015年に発表されて以降、ユーザー数は増加の一途をたどり、2020年9月には総インストール数100万超えを達成しました。
GPSガイダンスアプリとしてはトップクラスの人気を誇ります。9割以上が海外ユーザーという事実からもわかるように、世界的に評価されているアプリです。
アグリバスナビの最大の特徴は、手持ちのトラクターに後付けできる点です。従来の自動操舵トラクターは、トラクター本体に自動操舵するための機器が最初から搭載されています。そのため、作業効率アップに貢献するものの、どうしても購入価格が高くなってしまいます。
その点、アグリバスナビは、GPSやBluetoothなどが搭載されたandroid端末にアプリをインストールし、手持ちのトラクターに設置するだけで、基本機能を無料で利用できます。
また、後付けという利点を活かして、コンバインや自走式スプレーヤーに搭載することも可能です。イメージとしては、普通乗用車に後付けできるポータブルカーナビに近いといえます。
一般的なトラクターでも低コストでGPS機能を使えるようになる点は、従来の自動操舵トラクターにはなかった魅力といえるでしょう。
株式会社農業情報設計社 youtube公式チャンネル「AgriBus-NAVIはトラクター用GPS/GNSSガイダンスシステム。農作業を効率化し収益UPも見込めます。」
農作業の効率化やコスト削減につながる
トラクター運転支援アプリであるアグリバスナビを利用すれば、農作業の効率化はもちろん、コスト低減にもつながります。
トラクターを運転すること自体は、それほど難しいものではありません。しかし、道路における白線のような目印がないほ場において、まっすぐ走るというのは意外と難しいものです。また、作業中にうっかり重複した箇所を走ってしまい、無駄が生じてしまうこともあるでしょう。
アグリバスナビは、ほ場のどこを走っているかがリアルタイムで、ディスプレイに表示されます。位置情報を確認しながら運転できるので、作業重複を防ぐだけでなく、作業忘れの防止にも効果的です。
また、正確な位置情報をもとにしたGPSガイダンスによって、まっすぐ等間隔の運行も可能です。作業時間の短縮と施肥や農薬散布のコスト削減に貢献する点は、アグリバスナビを利用するうえでの大きなメリットだといえます。
オプション機器を導入すれば自動操舵も可能
トラクターに後付け可能な自動操舵パッケージ「AgriBus-AutoSteer/K」
株式会社PR TIMES(株式会社農業情報設計社 ニュースリリース 2021年12月15日)
アグリバスナビは、別途純正オプションを導入することで、さらなる利便性向上を図れます。
オプション機器には、単体でRKT基準局として利用できるAgriBus-GMiniR、超高精度スマートデバイスのAgriBus-G2などがあり、それぞれガイダンスの精度向上に役立つ機能が備わっています。
純正オプションの中でも特に注目なのが、AgriBus-AutoSteerです。AgriBus-AutoSteerとは自動操舵を可能にするハンドルのことです。手持ちのトラクターに後付けでセットし、AgriBus-G2と併用すれば、低コストで自動操舵が可能になります。
最初から自動操舵機能が搭載されているトラクターは、購入に数千万円程度かかることも珍しくありません。しかし、AgriBus-AutoSteerとAgriBus-G2のセットなら、オプション費用として100万円程度支払うだけで済みます。
このように、オプションの多様性や汎用性の高さも、アグリバスナビが多くのユーザーから高く評価されている理由の1つです。
AgriBus-NAVI(アグリバスナビ)の使い方のポイント
アグリバスナビは、無料プランでも基本機能が利用できる使い勝手のよいアプリです。しかし、料金プランや各種オプションがいくつかあるので、せっかく利用するなら利用目的に適したものを選んだほうがよいでしょう。そのため、アグリバスナビの有料プランで使える便利な機能や使い方のポイントを紹介します。
有料プランならより便利な機能を利用可能
「AgriBus-NAVI」スタンダードプラン加入で、圃場の高低差マップ機能を使うことが可能に
出典:株式会社PR TIMES(株式会社農業情報設計社 ニュースリリース 2022年2月9日)
アグリバスナビは、無料プランでも以下のような機能を利用できます。
・走行基準線の設定
・作業軌跡の塗りつぶし
・作業履歴(2日間)
・ほ場の管理機能
など
そのため、トラクターでの作業や栽培管理が楽になるでしょう。しかし、無料プラン以外にも有料プランがあり、利用することで以下のように、より便利な機能を使えるようになります。
・無期限の作業履歴管理
・過去に適用した走行基準線の保存と次回作業への適用
など
また、「ほ場の高低差や傾斜、走行速度などの情報を色分け表示する情報表示トレイ」によって、より詳細な走行情報を把握しやすくなります。
そのほかにも、「表計算ソフトなどで閲覧できる形式での作業履歴データの書き出し」や「組織内におけるほ場の作業履歴の閲覧・管理(法人プラン)」といった機能も利用できます。そのため、経営管理という面でも役立ちます。
気になる利用料金は、一般向けのスタンダードプラン、法人向けのエンタープライズプランともに月額1,200円です。効率性を重視したいという方は、有料プランの利用も検討してみてください。
外付けGNSS機器の使用を推奨
hiro / PIXTA(ピクスタ)
アグリバスナビは、スマホやタブレットにアプリをインストールするだけで利用できます。しかし、それらの機器に内蔵されているGPS/GNSSでは精度が十分ではなく、作業の効率化にあまり結びつかない場合もあります。
そのため、利用にあたっては、Bluetooth/USB接続に対応する外付けのGPS/GNSSの使用が推奨されています。対応する純正機器も用意されているので利用してみるとよいでしょう。
特に有料プランで利用できるRTK-GNSSの補正情報転送サービス「アグリバスキャスター(AgriBus-Caster)」の精度は非常に高いのが特徴です。
通常、衛星から発信される電波は、上空の大気などの影響を受けて、地上に到達するまでに微妙な誤差が生じてしまいます。しかし、アグリバスキャスターが採用しているRTKという測位方法は、誤差を修正するしくみが備わっています。
具体的には、あらかじめ衛星からの距離がわかっている基地局と、受信する端末に対する電波の到達状況を比較します。それによって数cm単位で誤差の測定が可能になり、より高度な作業ができるようになっています。
困ったときは「AgriBus-NAVI友の会」を活用しよう
アグリバスナビの利用にあたってわからないことがあった場合、有志が情報交換のために作成したFacebookグループの「AgriBus-NAVI友の会」を活用することができます。このFacebookグループでは、アグリバス製品に関する悩みに対して、具体的な解決方法を写真付きで教えてくれます。
「AgriBus-NAVI友の会」Facebookページ
ホームページには、よくある質問というページが設けられています。アカウント管理から操作に関する悩みまで、幅広く質問に答えています。また、有料プランに加入するとオンラインサポートに相談することも可能です。
AgriBus製品ヘルプセンター「よくある質問」
アグリバスナビを導入すれば、低コストで大幅な作業効率向上が期待できます。特に手持ちのトラクターに後付けで装備できる利便性の高さは魅力です。オプションも利用すればかなり手軽にトラクターの自動操舵ができる点は大きなメリットでしょう。
より精度の高い作業をするには、各種オプションと有料プランの利用が必要になる場合もあります。しかし、基本料金は無料なので、まずはお試しで導入してみるのも悪くありません。生産性アップに役立つ便利なツールを探している方は、アグリバスナビを検討してみてはいかがでしょうか。
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中原尚樹
4年生大学を卒業後、農業関係の団体職員として11年勤務。主に施設栽培を担当し、果菜類や葉菜類、花き類など、農作物全般に携わった経験を持つ。2016年からは実家の不動産経営を引き継ぐ傍ら、webライターとして活動中。実務経験を活かして不動産に関する記事を中心に執筆。また、ファイナンシャルプランナー(AFP)の資格も所持しており、税金やライフスタイルといったジャンルの記事も得意にしている。