刈払機おすすめ4種類をピックアップ!動力、ハンドル、刃の特徴からの選び方
刈り払い機の選び方について、種類や用途に応じた選択ポイントを解説します。エンジン式・電動式の動力タイプやハンドル形状、刃のタイプによる特徴の違いを知ることで、効率的な除草が可能です。広範囲や斜面、障害物が多い場所に適した機種の特徴も紹介しています。
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除草は農家にとって負担の大きい作業の1つです。需要が大きい分、定期的に新しい刈り払い機が発売されていて、その種類も豊富です。そこで、刈り払い機の買い替えを検討している方に向けて、刈り払い機の種類とその最適な選び方を紹介します。
刈り払い機(刈払機・草刈機)とは
刈り払い機とは、取り付けた刃を高速回転させて雑草や山林の下草を刈り取る機械のことで、形状や刃などに多様な種類があります。
一般的なイメージとして、肩掛け式または背負い式で比較的狭い場所で使うものを刈り払い機、自走式や乗用で広い場所で使うものを草刈機と呼ぶ傾向があります。メーカーによって「刈払機」や「草刈機」と名称が異なりますが、大まかには同じ用途で利用されます。
状況に応じて除草剤(茎葉処理型・土壌処理型)との併用も
刈り払い機は、ほ場周辺の狭いエリアや石など硬いものが多い場所の除草作業には向きません。刈り払い機での除草作業が困難な場所では、除草剤との併用がおすすめです。
例えば、すでに伸びてしまった雑草の処理には葉や茎を枯らす茎葉処理型の除草剤、新たな雑草が生えるのを防ぐためには土壌処理型の除草剤が効果を発揮します。
刈り払い機の選び方
shimanto / PIXTA(ピクスタ)
刈り払い機には動力、ハンドル、刃といった違いがあり、使用する規模や目的によって最適なものを選ぶことが大切です。ここでは刈り払い機を選ぶポイントを用途や特徴別に紹介します。
動力のタイプで選ぶ【エンジン式/電動式(コード式・充電式)】
動力にはエンジン式と電動式があります。それぞれの特徴を確認していきましょう。
・エンジン式
エンジン式の刈り払い機は電動式に比べてパワフルで可動域に制限がないため、大規模農家向けです。構造と燃料の違いによって「2サイクルエンジン」と「4サイクルエンジン」に分けられます。
2サイクルエンジンは故障が少なくパワーも大きいので、プロに根強い人気がありますが、燃費が悪く音がうるさい傾向があります。一方、4サイクルエンジンは燃費がよく安定して稼働します。音も比較的静かですが、重量が大きいという難点があります。
・電動式
電動式の刈り払い機はスイッチ1つで簡単に起動でき、静音かつ軽量で扱いやすい点が特長です。大規模農家には向きませんが、騒音や排気が気になる場合には便利です。
コード式の刈り払い機は、充電式よりもパワーがあり、軽くて燃料切れを気にすることなく使えますが、コードによって動きが制限される点には注意が必要です。充電式はバッテリーが搭載されているので少し重いものの、コードを気にせず自由に動いて使用できます。ただし、フルパワーで使うと数十分程度しか稼働しないので、広い場所の除草には向きません。
ハンドルの違いで選ぶ【Uハンドル/ループハンドル/ツーグリップ/背負い式】
sasaki106 / PIXTA(ピクスタ)
最も一般的な「Uハンドル」は、クワガタのように左右に伸びたハンドル部を持って使用するタイプで、安定性・安全性ともに高く、広い平地で左右に振りながらの使用に向いています。ただし、縦の動きは苦手です。
SoutaBank / PIXTA(ピクスタ)
「ループハンドル」は本体の棒軸の途中に付いている輪っか状のハンドルを持ち、もう片方の手で棒軸を持って使用するタイプです。「ツーグリップハンドル」は突出したハンドルがなく、軸に取り付けられているグリップを握って使います。どちらも縦横の動きに対応でき、なおかつ小回りが利くので傾斜地や入り組んだ場所での使用に便利です。ただし、姿勢が安定しにくいので長時間の使用には向きません。
「背負い式」は排気量の大きいエンジン式の刈り払い機の一種で、重いエンジン部分を背負うことでエンジンの重さに振り回されることなく使用できます。馬力がありながら腕の負担が少ないので、広い場所の除草作業に向いています。
刃の種類で選ぶ【チップソー/金属刃/ナイロンカッター】
最適な刃は、刈る植物の特性や除草する面積、障害物の有無などによって変化します。ここでは代表的な3つの刃について解説します。
・チップソー
のこぎり状になった金属製の円盤型の刃が回転しながら雑草を刈り払います。茎の太い丈夫な草も刈ることができます。刈った草の飛散も少なく、一般的な庭の雑草などを刈るのに向いています。ただし、刃先が脆く、石やレンガなど硬いものにあたるとチップが折れたり刃先が曲がったりする可能性があるので、あらかじめ石などを取り除いてから使いましょう。
・金属刃
放射状に並べた2~8枚の金属製の刃で、枚数が多い金属刃は大型の雑草や細い木の枝も刈ることができます。チップソーよりも固く耐久性があり、多少の衝撃には耐えられます。刃を研ぐことで繰り返し使えるので、使用頻度が高く広範囲を除草する農家に好まれます。
・ナイロンカッター
ナイロン製のコードを高速回転させて雑草を刈ります。柔らかくて短い雑草を刈るのに適していて、石に当たっても衝撃が少なく刃がかける心配もありません。軽量で扱いやすく、障害物の多い狭い場所でも気軽に使えます。ただし、太くて丈夫な雑草には向きません。
プロ農家におすすめの人気刈り払い機4選
これまでに見てきた特徴を踏まえたうえで、排気量や刃の種類、ハンドルの種類、重量にも触れながらおすすめの刈り払い機を4つ紹介します。買い替えを検討している方はぜひ参考にしてください。
【エンジン式】ゼノア BC4410DW1
排気量41.5ccのハイパワー設計で、しぶとい雑草も強靭に刈り取ります。本体乾燥質量は7.6kg。Uハンドルで安定して使用でき、クラッチハウジングとハンドルブラケットが振動を最小限に抑えるので長時間の使用でも体への負担が比較的少なく、広い平地での作業に向いています。付属刃はチップソーですが、ナイロンカッターも使用できます。
公式サイトはこちら
【エンジン式】新ダイワ RA3026-PT
今は新機種が少なくなってきた2サイクルエンジンタイプの刈り払い機で、レギュラーガソリンと2サイクルエンジンオイルの混合燃料を使用します。排気量は25.4cc、本体乾燥質量は4.3kgと長時間に亘って使用しても負担は軽いでしょう。ループハンドルで操作性が高く、大型クラッチを搭載することで出力を効率よくチップソーに伝達できるように設計されています。
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【エンジン式】共立 SRE3600UT
こちらも2サイクルエンジンで、レギュラーガソリンと2サイクルエンジンオイルの混合燃料を使用します。排気量34ccのハイパワーで本体乾燥質量は6.6kgです。安定性の高いUハンドルや付属のダブルバンドで長時間の使用を支えます。
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【充電式】マキタ MUR369WDG2
使いやすさと耐久性の高さが多くのプロに愛されるマキタの充電式ツーグリップ刈り払い機です。18Vリチウムイオンバッテリーが2本、2口急速充電器DC18RDが付属しています。2本同時に充電すると約55分で充電が完了します。金属刃使用時の連続時間は高速運転で約25分です。
本体乾燥質量は5.4kgと軽量ながらもエンジン式に劣らないプロ品質のパワーが売りです。広大なほ場の除草には向きませんが、ちょっとした除草作業であれば十分対応できます。
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gootaro / PIXTA(ピクスタ)
広大な面積を除草するのであれば、エンジン式で安定した操作性のあるUハンドルを搭載した刈り払い機がおすすめです。
斜面の除草や障害物の多いエリアの除草作業も予定しているのであれば、用途に応じて使い分けるとよいでしょう。状況に応じて、除草剤を併用することも有効です。ここで紹介した内容を参考に、自身のほ場に最適な刈り払い機を探してみてください。
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大曾根三緒
ビジネス、ペット、美術関連など多分野の雑誌で編集者として携わる。 全国の農業協同組合の月刊誌で企画から取材執筆、校正まで携わり、農業経営にかかわるあらゆる記事を扱かった経験から、農業分野に詳しい。2019年からWebライターとして活動。経済、農業、教育分野からDIY、子育て情報など、さまざまなジャンルの記事を毎月10本以上執筆中。編集者として対象読者の異なるジャンルの記事を扱った経験を活かし、硬軟取り混ぜさまざまなタイプの記事を書き分けるのが得意。