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埼玉県で農業を始めよう! 地域の特徴・課題と、使える支援制度

埼玉県で農業を始めよう! 地域の特徴・課題と、使える支援制度
出典 : K@zuTa/ PIXTA(ピクスタ)

埼玉県の農業の特徴や代表的な農作物と生産量、課題やその解決に向けた取り組みを解説します。併せて、埼玉県で新規就農する際に活用できる就農相談窓口や支援制度についても紹介します。都市近郊農業の可能性を検討している方も参考にしてください。

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都市近郊型!「彩の国」埼玉県農業の特徴

空撮パノラマさいたま新都心と見沼田んぼの夜景

さいたま新都心と見沼田んぼの夜景
K@zuTa/ PIXTA(ピクスタ)

埼玉県は関東平野のほぼ中央に位置する内陸県で、周囲は1都6県に囲まれています。全域が都心から100km圏内という地理的条件から、大消費地に農産物を安定供給する役割を担ってきました。

県内の農業地帯は、中央部・東部の平坦地帯と、西部の山間地帯の2つに大別され、このうち平坦地帯が県内農地の93%を占めています。

平坦地帯は、南部の都市化が進んでいる地域と、北部の比較的都市化が緩やかな田園地域とで構成されています。一方の山間地帯は、全域が秩父山系に覆われており、農地面積の割合が小さいものの、豊かな自然条件を活かした特産品作りや観光農業を推進しています。
埼玉県の気候特性は、大部分は温暖な内陸性太平洋岸気候で、秩父地方の山間地帯では盆地型の気候や山岳気候が現れます。

夏季は日中かなりの高温になり、雷の発生や降雹が多く見られます。冬季は北西の季節風「関東のからっ風」が強く吹きますが、晴天日が多いのが特徴です。

この地形と気候の多様性を活かし、埼玉県では彩な農業が展開されています。

農業産出額は、全都道府県のほぼ中央値

埼玉県の2022年度の農業産出額は1,542億円で、全国第21位です。生産農業所得は571億円で全国第20位であり、いずれも全都道府県のほぼ中央値にあたります。

農業産出額全国第3位の茨城県や第2位の千葉県のような、特に農業が盛んな地域が多い関東1都6県の中では、東京都と神奈川県を抑えた第5位にランクインしています。

出典:農林水産省 令和4年(2022年)農業産出額及び生産農業所得(都道府県別)

有名なのは? 埼玉県の代表的な農作物と生産量

埼玉県桶川市の田んぼ

埼玉県桶川市の田園風景
たけぽん/ PIXTA(ピクスタ)

埼玉県で最も農業産出額が多い農作物は、利根川や荒川の豊富な水を利用してつくられる米で、2022年度の農業産出額は266億円となっています。

そのほか、全国の生産量上位を誇る農作物が数多くあります。ここでは、埼玉県の代表的な農作物を紹介します。

出典:農林水産省「令和4年(2022年)農業産出額及び生産農業所得(都道府県別)」

全国ランキング上位を誇る野菜類

深谷ネギの畑

深谷ネギの産地
G-item/ PIXTA(ピクスタ)

埼玉県の2022年度の野菜における農業産出額は741億円で、全国9位を誇ります。全国の生産量上位を占める農作物としては、里芋・ネギ・ほうれん草・ブロッコリー・カブ・小松菜・きゅうり・白菜・枝豆が挙げられます。

上記の農作物の2023年度の生産量(収穫量)は、以下の通りです。

  • 里芋 16,600t(全国1位)
  • ネギ 48,500t(全国2位)
  • ほうれん草 20,500t(全国2位)
  • ブロッコリー 15,200t(全国2位)
  • カブ 14,600t(全国2位)
  • 小松菜 13,000t(全国2位)
  • きゅうり 43,300t(全国3位)
  • 白菜 23,400t(全国4位)
  • 枝豆 5,190t(全国4位)

全国生産量第1位の里芋は、昔から西部地域を中心に生産されています。落ち葉堆肥を活用した特有の土壌で栽培されており、他県産にはないぬめりやねばりがあるのが特徴です。​​京浜市場でも一級品の高い評価を得ています。

ネギは県を代表する野菜であり、県内で生産される野菜の中で最も大きな作付面積を占めています。中でも、深谷地方で生産される「深谷ネギ」は全国に知られるブランドです。

秋冬ネギは主に大里・児玉地域の利根川沿いで生産されています。一方、夏ネギは、吉川市や越谷市などの県東部が主な産地です。

また、埼玉県では大都市近郊の立地を活かし、小松菜やほうれん草などの軟弱野菜の生産も盛んに行われています。

出典:農林水産省 「令和5年(2023年)産指定野菜(秋冬野菜等)及び指定野菜に準ずる野菜の作付面積、収穫量及び出荷量」
農林水産省 「令和5年(2023年)産指定野菜(春野菜、夏秋野菜等)の作付面積、収穫量及び出荷量併載:令和5年(2023年)産きゅうり、なす、トマト及びピーマンの年間計」

花きなど、埼玉県ならではの農作物の生産も盛ん

埼玉県のパンジー

photo203/ PIXTA(ピクスタ)

埼玉県ではパンジーやゆりなどの花きの生産も盛んで、2022年度における花きの農業産出額は約150億円、全国5位です。

パンジーは県中央、東部、西部地域を中心に露地やハウスで周年栽培されており、出荷量は全国1位です(2022年度)。ゆりは北部地域を中心に切り花が盛んに生産されており、こちらも出荷量は全国1位で全国シェアの約2割を占めています(2022年度)。

また、埼玉県ならではの特徴として、一部地域でヨーロッパ野菜の生産に力を入れています。さいたま市では、若手農家が地元のシェフたちからの「ヨーロッパ野菜の入手が難しい」という声を受けて、2013年に「ヨーロッパ野菜研究会」を発足しました。

主な栽培品目は、ズッキーニ、フェンネル、スティッキオ、ゴルゴ、ビーツ、セルバーティカ、カリフローレラディッキオで、年間を通じて栽培し、地元のレストランや学校給食、宅配向けの出荷を増やしています。

出典:
農林水産省所収「埼玉県の農林水産業の概要」
埼玉県所収「R4 埼玉県の農業産出額の概要」
埼玉県「ヨーロッパ野菜」

埼玉県の農業が抱える現状の課題

埼玉県秩父の寺坂棚田

埼玉県秩父の寺坂棚田
Yoshitaka/ PIXTA(ピクスタ)

埼玉県の農業における課題として、全国的にも問題になっている次の点が挙げられます。

  • 農家の減少・高齢化
  • 経験豊富な熟練農業者の引退に伴う知識・技術・ノウハウの喪失
  • 水田整備率の低さ

農林水産省が2021年に公表した「2020年農林業センサス」によると、埼玉県の農業経営体数は28,376経営体で、2015年と比較すると5年間で24.3%減少しています。

このうち個人経営体の基幹的農業従事者は37,683人で、2015年と比較すると25.9%減少しています。年代別の構成割合では、60歳代が減少した一方で、70歳代と80歳以上は上昇傾向にあります。

農家の減少と高齢化に伴い、一戸当たりの経営規模は急激に拡大傾向にありながら、2019年度末の水田の整備率は57.4%で、2017年度末の全国平均値の65.9%よりも低い傾向にあります。

出典:埼玉県「2020年農林業センサス(確定値)」

地域農業の振興へ向けた、埼玉県の主な取り組み

ドローンの農薬散布

ソライロ / PIXTA(ピクスタ)

前項で触れた課題を解決し、県内農業を振興するために、埼玉県では現在、県全体で以下のような取り組みを行っています。

スマート農業技術の普及と実装を推進

埼玉県は、農業の担い手不足や高齢化に対応するため、2020年に「埼玉県スマート農業アクションプラン」を策定し、スマート農業技術の普及・実装を推進しています。

このプランでは、以下の6つの柱を中心に展開を図っています。

  1. 土地利用型作物の生産効率化にかかる展開
  2. 県が育成した米など品種の特性に対応した展開
  3. 露地野菜の産地の強化にかかる展開
  4. 未来型果樹園における省力化と経営安定
  5. 施設園芸の作業効率化と収量・品質の大幅向上
  6. 畜産における作業効率化と家畜の損耗防止

具体的な取り組みとして、RTK固定基地局の共同設置による自動操舵システムの導入や、ドローンを活用したセンシングと防除の組み合わせ、搾乳ロボットや分娩監視システムの導入などが挙げられます。

また、2023年には「埼玉県スマート農業普及推進プラットフォーム」を設置し、官民連携でスマート農業技術の導入を推進しています。

このプラットフォームを通じて、スマート農業技術の実演・展示会の開催や、導入プラン作成研修の実施など、農業者への支援を行っています。

さらに、スマート農業技術活用促進法に基づく支援制度を活用し、農業者などへの金融支援や税制優遇措置も実施しています。

これらの取り組みにより、埼玉県は効率的な生産による規模拡大、誰もが取り組みやすい農業の実現、持続可能で信頼性の高い農業経営の確立を目指しています。

デジタルツールも活用した県産農産物の販売促進

埼玉県では、地産地消や県産農産物の販売促進を目的として、デジタルツールも活用しながらさまざまな取り組みを行っています。

・埼玉県有機農業プラットフォーム
「有機の輪スタートアップ事業」の一環である、「埼玉県有機農業プラットフォーム」は2023年にFacebook上に開設されました。

参加者同士の有機農業の栽培から販売、購入までの情報共有や交流、イベント告知の場として利用できます。また、県からの研修会やイベントの情報も発信されています。

・埼玉県農産物ポータルサイト「SAITAMAわっしょい!」
埼玉県産の農産物や、販売所、イベント、県産農産物を使ったレシピなどのさまざまな情報が掲載されているポータルサイトです。XやFacebookなどのさまざまなSNSを活用しながら、幅広い情報発信を行っています。

出典:
埼玉県有機農業プラットフォーム 
埼玉県農産物ポータルサイト「SAITAMAわっしょい!」

安全で持続可能な農業経営をめざす「S-GAP」の取り組み拡大

埼玉県の「S-GAP(埼玉スマートGAP)」は、一般的なGAP(Good Agricultural Practice:よい農業のやり方)をもとに、県独自に策定した農業生産工程管理のしくみです。

GAPは食品安全、環境保全、労働安全などに配慮した持続可能な農業経営をめざすもので、国際的な基準に基づくものも含まれます。

一方、S-GAPは埼玉県内の農業者が取り組みやすいように、必要な項目を簡素化しつつ実践可能な内容にまとめられています。

S-GAPでは、食品安全や環境保全に加え、地域特有の課題にも対応できる柔軟性があります。また、埼玉県独自の「S-GAP農場評価制度」を通じて、県職員が農場を訪問し、約50項目にわたる基準の達成度を客観的に評価します。

この評価により認定を受けた農場は、「S-GAP実践農場」として信頼性の高い農産物を生産していることが証明されます。

この取り組みにより、埼玉県は安全で持続可能な農業経営を推進しつつ、地域内外からの信頼を得ることを目指しています。

埼玉県で農家になろう! 就農時に使える独自の支援制度・相談窓口

農業を行う男性

cba / PIXTA(ピクスタ)

埼玉県での新規就農時には、認定新規就農者制度に関連する青年等就農資金や就農準備資金・経営開始資金などの支援制度が活用できます。また、ほかにも新規就農時や就農後に活用できる独自の支援事業があります。

ここでは、埼玉県独自の支援事業をピックアップして紹介します。

明日の農業担い手育成塾推進事業

埼玉県の「明日の農業担い手育成塾推進事業」は、県内の新規就農者を確保・育成するための取り組みです。この事業で行う「明日の農業担い手育成塾」は、以下の3つのコースが設けられています。

・入門コース
農業の基礎知識や技術を学ぶ初心者向けのコースです。

・自立実践コース
一定レベルの農業知識を持つ人を対象に、実践的な研修を行います。指導農家のもとで、生産から販売まで実際の農業経営を学びます。

・農業法人研修コース
令和6年(2024年)度から新設されたコースで、県内の農業法人で働きながら生産技術や経営管理を学びます。主穀(米・小麦など)、施設園芸(トマト、イチゴなど)、果樹などの経営類型で独立就農をめざす人向けです。

研修生への支援が充実していることも、この事業の特徴です。例えば、研修指導費用の補助、農地の賃借料補助、機械・施設の導入支援などが行われています。また、就農準備資金として年間150万円を最長2年間受給できる制度もあります。

さらに、女性の就農を促進するため、農業法人における女性向けの環境整備(トイレ、休憩施設、更衣室など)も支援しています。

新規就農希望者にとっては、実践的な技術習得と円滑な就農への道筋を提供する重要な機会になっています。

埼玉県農業経営・就農支援センター

埼玉県農業経営・就農支援センターは、農業者の経営改善や新規就農者の支援を目的とした機関です。主な業務として、農業経営の法人化や事業継承などの経営課題に関する個別相談を行っています。

税理士、中小企業診断士、社会保険労務士などの専門家と連携し、農業者の抱える課題解決を支援しています。

同センターは埼玉県庁内に設置されており、各農林振興センターにもサテライト窓口が設けられています。就農希望者向けには、窓口のでの相談対応をはじめ、セミナーの開催、研修機会の提供など、多様な支援を行っています。

また、青年農業者の育成にも力を入れており、海外農業研修の支援や配偶者対策、組織活動の支援なども実施しています。


埼玉県は、首都圏に位置する地の利を活かし、新鮮な農産物を供給しています。全国生産量上位の農産物も数多くあり、県では農業における課題を解決するべくさまざまな取り組みを積極的に行っています。

埼玉県での新規就農を検討している方は、充実した支援制度を活用してみてはいかがでしょう。

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