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長野県の農業の特徴は? 主要作物の生産量と、農家の経営状況

長野県の農業の特徴は? 主要作物の生産量と、農家の経営状況
出典 : kikisorasido/PIXTA(ピクスタ)

長野県は日本で4番目に広い県土と標高差を活かし、多様な農産物を生産しています。2023年の農業産出額は3,443億円に達する一方、担い手不足などの課題に直面しています。本記事では、長野県農業の特徴と課題、就農支援などの役立つ情報を紹介します。

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恵まれた自然環境を生かす、長野県農業の特徴

長野県 安曇野市 水田

ライダー写真家はじめ/PIXTA(ピクスタ)

長野県は、日本で第4位の広い県土(1万3,562平方km)を持ち、東西約120km・南北約212kmと南北に長い地形が特徴です。日本アルプスなどの2,000〜3,000m級の山々に囲まれていることから、昼と夜の温度差が大きく、一年を通じて気温の変化が激しい内陸性の気候となっています。

この寒暖差により、作物は甘みと旨みを蓄えやすく、高品質な農産物の生産を実現しています。一方で、地形が複雑なため、平均気温や降水量、日照時間は地域によって大きく異なります。

耕地の約8割が標高500〜1,500mに位置しており、長野県ではこの標高差を活かし、多様な作物を栽培しています。特に夏場でも涼しい高原を利用した野菜栽培で有名で、代表的な作物としては、レタスや白菜、セロリなどが挙げられます。

このように長野県は、特徴的な地形と気候を最大限に活用することで、全国有数の農業県としての地位を確立しています。

出典:農林水産省「都道府県の農林水産業の概要(令和6年(2024年)版)」所収「長野県の農林水産業の概要」

耕種農業の産出額、国内ランキングは堂々の4位

2022年の長野県の農業産出額は全国10位であり、耕種農業(米、麦類、雑穀、豆類、いも類、野菜、果実、花き、工芸農産物、茶、その他作物)に限定した産出額は全国4位を誇ります。

中でも、雑穀と果実の産出額は全国2位とトップクラスで、花きは5位に入っています。

耕種(全体)雑穀果実花き
1位北海道北海道青森県愛知県
2位茨城県長野県長野県千葉県
3位千葉県栃木県山梨県福岡県
4位長野県茨城県山形県静岡県
5位青森県山形県和歌山県長野県

出典:e-Stat「令和4年(2022年)生産農業所得統計」よりminorasu編集部作成

生産量1位の品目は? 長野県の代表的な作物

長野県 塩尻市 夏のレタス畑

長野県塩尻市のレタス畑
ふるさと探訪倶楽部/PIXTA(ピクスタ)

長野県を主産地とする作物は、以下のとおりです。

作物名収穫量全国順位
レタス182,000t1位
白菜233,500t2位
セロリ12,200t1位
ブドウ31,400t2位
りんご106,900t2位
カーネーション41,900千本1位
アルストロメリア21,400千本1位

出典:農林水産省「都道府県の農林水産業の概要(令和6年(2024年)版)」所収「長野県の農林水産業の概要」よりminorasu編集部作成

長野県は冷涼な気候であることから、レタスや白菜、セロリなどの高原野菜の栽培が盛んです。

水稲栽培にも力を入れており、主食用の収穫量は全国13位であるものの、米の栽培に適した気候・風土や技術水準の高さから、1等米の比率は9割超え、10a当たりの平均収量は全国1位の生産力を誇ります。

独自の認定制度を設けた、伝統野菜の生産も盛ん

長野県は、古くから伝統野菜を多く栽培してきた地域であり、それを守るための生産活動にも注力しています。

伝統野菜は戦後の経済発展に伴い、栽培の省力化や規格の統一化などを重視する傾向が強まったことで、需要と作り手が減少しました。

このままでは伝統野菜を失ってしまうと危惧した長野県は、2006年に「信州伝統野菜認定制度」を独自に設け、復興と継承に積極的に取り組む体制を築きました。現在、伝統野菜として認定されている品種は84種類にのぼります(2023年12月31日時点)。

栽培されている伝統野菜は、明治時代から作られている長野市松代町の「松代一本ねぎ」や、強い辛味ながら甘い後味もある坂城町の「ねずみ大根」などが挙げられます。

参考:長野県「信州の伝統野菜」

災害からの復興でシステムも刷新! 長野県農業に関する近年のトピック

千曲川の氾濫による被害

2019年東日本台風による千曲川氾濫の被害の様子
じろきち/PIXTA(ピクスタ)

2019年に発生した東日本台風(台風第19号)によって、長野県は農業分野も甚大な被害に遭いました。日本一の長流である千曲川の堤防が決壊して氾濫し、農地や農業施設、さらに収穫間近の農産物の多くが浸水被害に遭いました。

このような歴史的な災害に見舞われながらも、約8,000人を超える農業ボランティアによる復旧作業をはじめ、国庫補助による災害復旧事業が迅速に行われた結果、農地の復旧は2020年7月に完了しています。

また、被災した農業施設の復旧においては、自動箱詰機やAIを搭載したりんごの選別システムなどの最新技術を導入しました。これにより、品質維持を図りながら省力化・付加価値の向上も実現しています。

この長野県の取り組みは、単に被災前の状態に戻すだけでなく、最新技術を積極的に取り入れることで、県内農業の維持・発展をめざす先進的な姿勢を示した事例といえます。

出典:農林水産省「都道府県の農林水産業の概要(令和3年(2021年)版)」所収「長野県の農林水産業の概要」

長野県の農業が抱える3つの課題と、解決へ向けた取り組み例

男女農家 腕組

マハロ/PIXTA(ピクスタ)

長野県はほかの都道府県と同様に、担い手不足と高齢化、国内市場の縮小や需要の変化、そして持続可能な農業の実現などの課題に直面しています。

これらの課題に対し、長野県では以下のような独自の取り組みを展開しています。

1.担い手の減少・高齢化

長野県では、「長野県食と農業農村振興計画」を策定し、地域を担う農家の確保や新規就農者の育成、農地の集積などに力を入れています。

施策の1つ「ニーズ・習熟度に応じたきめ細かな就農支援」では、就農を検討する段階から就農後も含め、1人ひとりに寄り添ったきめ細やかなサポート体制を整備しています。

就農前に農業体験できるプログラムや、プロ農家のもとで研修を受けられる里親制度など、就農希望者を手厚く迎え入れています。

また、長野県が運営するポータルサイト「デジタル農活信州」では、地域の農業情報や最新の支援情報などが発信されています。

出典:長野県「第4期長野県食と農業農村振興計画」所収「新規就農者の安定的な確保」

2.国内市場の縮小や需要の変化

日本国内の市場は、人口減少や新型コロナウイルスなどの影響を受けて縮小しており、消費者の需要も大きく変化しています。こうした市場の動きに対応するため、長野県では、果樹の産地力向上と信州農畜産物の輸出拡大にも取り組んでいます。

具体的には、海外ニーズへ対応するために、品種や相手国の求める輸入条件への対応を考慮し、鮮度保持技術を活用して出荷時期の拡大を図るといった施策です。

ほかにも、信州ブランドの確立をめざして、「おいしい信州ふーど」の大使によるPRや、2024年10月にリニューアルオープンしたアンテナショップ「銀座NAGANO」を拠点に県外への情報発信にも注力しています。

出典:農林水産省「都道府県の農林水産業の概要(令和6年(2024年)版)」所収「長野県の農林水産業の概要」

3.持続可能な農業の実現

近年の気候変動の影響により農作物への被害は深刻化しており、環境に配慮した農業への転換が急務となっています。

これらの状況を踏まえ、長野県では、化学合成農薬や化学肥料の使用量を減らす「環境にやさしい農業」を推進しています。具体的には、化学合成農薬・化学肥料を原則50%以上削減した有機農業に取り組む面積を、2027年度までに3,700haに拡大することをめざしています。

施策の一部では、果樹の剪定枝やもみ殻の活用による「脱炭素化」や、食の地産地消をはじめとする「エシカル消費」などが挙げられます。

また、学校給食での県産食材の活用も進め、県内40%の学校で有機農産物を使用することを目標に地域一丸となって取り組んでいます。

出典:長野県「第4期長野県食と農業農村振興計画」所収「信州の農業・農村と食」

儲かる? 長野県で農家になった場合の経営指標の例

農地に停車するトラクター

農地に佇むトラクター
αR/PIXTA(ピクスタ)

ここでは、長野県が公表している「作目別経営指標」をもとに、水稲・野菜・果樹・花きの経営指標を紹介します。具体的な生産量や農業所得、労働時間などについて解説します。

※ここで紹介する経営指標の例は、あくまでも「効率的・安定的な経営体育成」の観点で想定した経営モデルです。実際の経営では地域特性や個々の条件によって、利益や経営費は異なる可能性があります。

水稲(7ha)を作付けした場合

作物水稲
作型等個人・7ha
指標単位10a
生産量619kg
単価251円
粗利155,269円
経営費126,503円
農業所得28,766円
労働時間13.7時間
1時間当たり所得2,100円

出典:長野県「農業経営指標」所収「作目別経営指標一覧表」よりminorasu編集部作成

個人による7haの水稲栽培における10a当たりの経営指標を分析すると、生産量と単価から算出される粗収益は155,269円となっています。これに対し、経営費126,503円が必要となるため、期待される農業所得は28,766円です。

労働時間については、10a当たり13.7時間が必要とされ、1時間当たりの所得は2,100円となっています。

野菜(白菜・レタス・セロリ)を作付けした場合

作物白菜レタスセロリセロリ
作型等--露地半促成・加湿
指標単位10a10a10a10a
生産量9,000kg4,000kg5,000kg5,500kg
単価80円145円266円307円
粗利720,000円580,000円1,330,000円1,690,150円
経営費601,772円471,252円653,108円1,354,744円
農業所得118,228円108,748円676,892円335,406円
労働時間100.6時間103.1時間343時間347時間
1時間当たり所得1,274円1,176円1,982円967円

出典:長野県「農業経営指標」所収「作目別経営指標一覧表」からminorasu編集部作成

長野県を主産地とする白菜・レタス・セロリの経営指標では、各作物で特徴的な差が見られます。

10a当たりの農業所得を比較すると、セロリ(露地)が676,892円と最も高く、白菜やレタスと比較して約6倍の収益性を示しています。

ただし、セロリの農業所得は343時間という労働時間の投入が前提となり、白菜やレタスの3倍以上の時間が必要です。

セロリは高収益が期待できる一方で、労働時間の制約から作付面積をよく検討することが求められます。

果樹栽培(ブドウ)に取り組んだ場合

作物巨峰巨峰シャインマスカットシャインマスカット
作型等露地無核露地3月加温
指標単位10a10a10a10a
生産量1,600kg1,700kg1,600kg1,600kg
単価780円955円1,587円3,422円
粗利1,248,000円1,623,500円2,539,200円5,475,200円
経営費907,786円965,936円1,077,958円3,130,703円
農業所得340,215円657,565円1,461,243円2,344,497円
労働時間311時間342時間307時間387時間
1時間当たり所得1,094円1,923円4,760円6,058円

出典:長野県「農業経営指標」所収「作目別経営指標一覧表」からminorasu編集部作成

長野県のブドウ栽培の経営指標では、シャインマスカットと巨峰の収益に明確な差が見られます。

単価はシャインマスカットが高く、露地栽培で1,587円、3月加温栽培で3,422円となり、巨峰(露地780円、無核955円)の単価を大きく上回ります。

農業所得は、シャインマスカット(3月加温)の2,344,497円に対して、巨峰(露地)は340,215円と、7倍以上の差が生まれています。

ただし、シャインマスカット(3月加湿)の経営費は、ほかと比較して3倍前後高くなっています。

1時間当たりの所得は、巨峰(露地)の1,094円に対してシャインマスカット(3月加温)が6,058円と、約5.5倍の差があります。

このように、シャインマスカット(3月加湿)は経営費が比較的高いものの、高単価であることから収益性が期待できる品目といえます。

花き栽培(アルストロメリア、カーネーション)に取り組んだ場合

作物カーネーションアルストロメリアアルストロメリア
作型等--夏秋出荷
指標単位10a10a10a
生産量130,000本115,000本51,000本
単価54円82円82円
粗利7,020,000円9,430,000円4,182,000円
経営費6,054,103円8,646,906円3,378,045円
農業所得965,897円783,094円803,955円
労働時間2,048時間1,635時間669時間
1時間当たり所得709円777円1,391円

出典:長野県「農業経営指標」所収「作目別経営指標一覧表」からminorasu編集部作成

長野県の花き栽培において主流の品目は、カーネーションとアルストロメリアです。10a当たりの生産本数は、カーネーションが13万本と最多で、アルストロメリアは通常栽培で11.5万本、夏秋出荷で5.1万本となっています。

労働時間を比較すると、カーネーションが2,048時間必要な一方、アルストロメリアの夏秋出荷は669時間と約3分の1と算出されています。

1時間当たりの所得においても、カーネーションが709円に対して、夏秋出荷のアルストロメリアが1,391円と高い収益性を示しています。

農業所得では、カーネーションが約97万円と最も高く、アルストロメリアは約78万円となっています。アルストロメリアの夏秋出荷は、カーネーションと比較して労働時間の削減と1時間当たりの所得向上を両立できる品目として検討できます。

「日本一就農しやすい長野県」をめざし、独自の支援制度も

長野県長野市にある長野県庁

長野県庁
PIXSTAR/PIXTA(ピクスタ)

長野県は、新規就農者向けに独自の支援制度を用意しています。

例えば、長野県の支援制度の1つに「新規就農里親制度」があります。新規就農里親制度は、長野県農業大学校研修部と里親(農業者)のもとで実施する、おおむね2年間の研修制度です。

長野県での就農希望者と県で登録された里親をマッチングし、基本的な栽培技術から農機具の取り扱い、経営に関することなどまで幅広く学べます。加えて、農地や住宅に関する情報も斡旋してくれるので、就農後の生活拠点も確保できます。

また、新規就農里親制度では、里親とは別に専任の就農コーディネーターが付き、就農前から就農後まで一貫してサポートしてくれます。農業経営にまつわる不安や悩みを相談することも可能です。

出典:長野県「新規就農・担い手支援」所収「新規就農里親支援制度紹介」


長野県は変化に富んだ自然環境を活かし、多様な農産物の生産地として知られています。地域固有の伝統野菜の保護にも取り組み、持続可能な農業を推進しています。

加えて、長野県はさまざまな支援制度を設けており、就農を検討している方にとって始めやすい地域といえます。

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相馬はじめ

相馬はじめ

農業×SEOに特化した専業Webライター。農業法人に正社員として8年間勤めた経歴を持つ。これまでに携わった作物は「キャベツ・白菜・レタス・長ネギ・馬鈴薯・米・麦・そば」。得意な執筆ジャンルは農業・音楽・転職など多岐にわたる。強みはコミュニケーション力の高さと、誰とでも打ち解けられること。minorasuでの執筆以外では、農業初心者に向けたブログ『農業はじめるなら見るブログ』を運営中。https://hajimete-hirogaru.com/

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