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キャベツに適用のある除草剤は? 大規模栽培でも実行可能な雑草対策まとめ

キャベツに適用のある除草剤は? 大規模栽培でも実行可能な雑草対策まとめ
出典 : KY / PIXTA(ピクスタ)

露地栽培・トンネル栽培が主流のキャベツ栽培においては、雑草防除が欠かせません。この記事では、キャベツの生育ステージごとに効果的な除草剤と耕種的防除の方法を解説します。

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キャベツの収量を確保するためには、生育初期の雑草防除が重要です。直播栽培のケースも含め、生育初期にはどのような雑草対策が有効なのかを紹介。生育ステージごとに効果の高い除草剤と、併せて活用したい耕種的防除についても紹介していきます。

適切な防除が重要! キャベツ栽培における雑草対策

作期をずらしたキャベツ栽培

Tony / PIXTA(ピクスタ)

キャベツは年間を通して需要が高く、周年生産が求められる野菜の1つで、寒冷地から暖地まで多くの産地があります。作型は主に春播き、夏播き、秋播きに大別されますが、産地によって作期は違います。


作期によって発生する雑草の種類も異なりますが、雑草の特性を知れば、どの作型であっても雑草防除のポイントは共通しています。雑草の種類を正確に把握し、適切な防除方法をとることが大切です。

雑草は種類によってさまざまな分類方法があります。キャベツの栽培に当たって注意したい主な雑草を、特徴ごとに3つに分類してみましょう。

1:一年生雑草か多年生雑草か

スベリヒユ(スベリヒユ科、一年生雑草)

スベリヒユ(スベリヒユ科、一年生雑草)
ひろし58 / PIXTA(ピクスタ)

一年生雑草

一年生雑草は、一年のサイクルの中で発芽し、種を残して枯れてしまうものです。

オヒシバ、メヒシバ、カヤツリグサ、スベリヒユなど、春に発芽し冬に枯れる夏草と、スズメノテッポウ、ハコベ、ナズナなど、秋に発芽し冬を越して春に花が咲いて種をつけて枯れる冬草があります。どちらの場合も、種をつける前に防除することが大切です。

多年生雑草

多年生雑草は、冬に地上の葉や茎は枯れても根や地下茎が残り、春に再び芽を出す雑草です。スギナ、チガヤ、ギシギシ、ヨモギなどがあり、種子や胞子でも繁殖しますが、根や地下茎を伸ばして増えるので防除は非常に困難です。

チガヤ(イネ科、多年生雑草)の群落

チガヤ(イネ科、多年生雑草)の群落
写真提供:HP埼玉の農作物病害虫写真集

2:イネ科雑草か広葉雑草か

除草剤によっては、イネ科雑草にのみ効果があるものと、広葉雑草にのみ効果があるものがあります。そのため、イネ科雑草かどうかは除草剤を選ぶ際に重要なポイントです。

イネ科雑草

イヌビエ(イネ科雑草)

イヌビエ(イネ科雑草)
taka15611 / PIXTA(ピクスタ)

イネ科雑草の特徴は、イネのように細長く葉脈が平行な葉を持つことです。代表的な例は、イヌビエ、スズメノテッポウ、スズメノカタビラ、オヒシバ、メヒシバ、エノコログサなどがあります。

広葉雑草

イネ科雑草以外で 葉の形が広い雑草は広葉雑草と呼ばれます。代表的なものは、ハコベ、ナズナ、シロザ、イヌダテなどです。

ハコベ(ナデシコ科、広葉雑草)

ハコベ(ナデシコ科、広葉雑草)
写真提供:HP埼玉の農作物病害虫写真集

3:外来種か

注意すべきもう1つの点は「外来種かどうか」です。

外来種は本来そこにない植物が人の手によって広まったものです。防除方法が変わるわけではありませんが、外来植物は一度侵入を許すとあっという間に繁殖してしまいます。

周りの生態系を壊す場合もあるので、見慣れない植物が繁殖していたら放置せず、調べて繁殖させないよう早期に防除することが大切です。

生育段階別! キャベツに適用のある除草剤

キャベツの雑草防除は、キャベツの生育が雑草の生育より優勢な初期段階で行うのが基本です。

キャベツ栽培での除草に効果がある主な除草剤を紹介します。なお、ここで紹介する農薬は、2021年10月現在登録されており、キャベツに適用があることを確認しています。実際の使用に当たっては、ラベルの記載内容をよく読んで使用方法を守り、地域の決まりに従ってください。

キャベツの定植作業

キャベツの定植作業
川村恵司 / PIXTA(ピクスタ)

【定植前・定植後】「ゴーゴーサン乳剤」「ゴーゴーサン細粒剤F」

「ゴーゴーサン乳剤」「ゴーゴーサン細粒剤F」の有効成分は、長い歴史を持つペンディメタリンです。
定植前に土壌処理しますが、土壌表面に安定した処理層が形成されるため、長期間雑草の発生を抑制します。

イネ科雑草・広葉雑草を同時に防除でき、トリフルラリン乳剤・トリフルラリン粒剤がカバーできないカヤツリグサ科を含む幅広い雑草に効果を発揮します。ただし、キク科の雑草とツユクサには効果がやや劣ります。

「ゴーゴーサン乳剤」は移植栽培の定植前のみの適用ですが、「ゴーゴーサン細粒剤F」は移植栽培の定植直後~定植翌日にも使えます。

「ゴーゴーサン細粒剤F」の剤型は黄色細粒及び微粒状で、見かけ比重が大きいため散布時の飛散(ドリフト)も防げ、均一に散布できます。

両剤とも、セル成形苗(プラグ苗)では薬害発生の恐れがあるため、使用を避けてください。

【定植前・定植後】「トレファノサイド乳剤」「トレファノサイド粒剤2.5」

有効成分はトリフルラリンで、両剤とも定植前に全面土壌散布をすることによって雑草の発生を抑制します。特にイネ科雑草に対する効果に優れます。

「トレファノサイド粒剤2.5」は移植栽培の定植前のみの適用ですが、「トレファノサイド乳剤」は直播栽培の播種直後、移植栽培の定植直後にも使えます。

【定植後】「フィールドスターP乳剤」

定植後 葉が展開し始めたキャベツ

定植後 葉が展開し始めたキャベツ
川村恵司 / PIXTA(ピクスタ)

「フィールドスターP乳剤」は、ジメテナミドPを有効成分とする乳剤です。定植後10日までに全面土壌散布し、アカザ科・アブラナ科・タデ科を除く一年生雑草に効果を発揮します。

ただし、適用外の広葉雑草が多発するほ場ではアカザ科・アブラナ科・タデ科に有効な除草剤との体系処理を行うとよいでしょう。

なお、長野県の野菜花き試験場の研究によると、フィールドスターP乳剤を10a当たり50~75ml全面土壌散布したところ、一年生雑草に対する高い防除効果が得られ、さらにキャベツに対する収量減などの副反応が見られなかったとの結果が出ています。

出典:長野県「平成 26 年度 普及に移す農業技術(第1回)」

【定植後】「ラッソー乳剤」

「ラッソー乳剤」は、アラクロールが有効成分の暗赤紫色可乳化油状液体の農薬です。

定植8日後までに既定の量を希釈し土壌に全面散布します。夕方以降や雨の日の散布は避け、乾きの早い日中に行いましょう。

畑地のノビエ、メヒシバ、スズメノテッポウなどのイネ科一年生雑草によく効果を発揮しますが、シロザやタデなどの広葉雑草には十分な効果が得られない場合があります。

【生育期】「シアノット」

結球前 生育期のキャベツ

結球前 生育期のキャベツ
川村恵司 / PIXTA(ピクスタ)

「シアノット」は、有効成分シアン酸ナトリウムを80.0%含む類白色水溶性粉末の農薬です。

定植後、畦間処理の際に茎葉散布すると、有効成分が速やかに二酸化炭素とアンモニアに分解され、速効性を示します。

草丈5cm以下の畑地一年生雑草に効果があります。草丈が大きい場合は、適宜薬量や散布量を増やしてください。

幼苗期の使用は避け、蚕に影響があるので桑の葉にかからないように注意しましょう。また、降雨時や降雨前後の使用は避けてください。

【生育期】「バスタ液剤」

「バスタ液剤」の有効成分はグルホシネートで、幅広い雑草に高い効果があります。また、速効性があり、抑草効果が長いのも特徴です。

キャベツについては、一年生雑草に適用があり、生育期には畦間処理を行います。非選択性なので作物にかからないように十分注意してください。

大規模栽培でも実行できる、キャベツの効率的な除草方法

スカシタゴボウ(アブラナ科)

スカシタゴボウ(アブラナ科)
髙橋義雄/PIXTA(ピクスタ)

農薬以外の耕種的防除について、有効な3つの方法を紹介します。

畝立てと施肥の同時作業により、雑草発生の抑制と効率化を実現

キャベツ栽培においては、畝立てをしながら畝内のみに施肥を行う「畝立て同時局所施肥機」が一般に普及しています。この畝立て同時施肥によって畝内にのみ局所的に施肥をすることで、雑草の発生量を抑えられるという試験結果が得られています。

畝立て後のキャベツほ場

Cybister / PIXTA(ピクスタ)

試験は、秋田県農業試験場において2012年の秋冬キャベツの栽培で行われました。畝内条施肥を行ったほ場で、面積当たり雑草発生本数、乾物重、個体当たり乾物重を調べたところ、いずれも特に株間で顕著に減少したとの結果になりました。

原因としては、畝内条施肥と肥効調節型肥料を併用したことで、土壌表面の肥料成分が少なくなり、雑草の発生が抑えられたと考えられています。

出典:秋田県農業試験場研究時報 第53号(平成26年3月)所収「秋冬キャベツにおける畝内条施肥の雑草発生抑制効果」

1~2週間ごとでOK! 定植後の中耕も、キャベツ畑の除草に効果大

定植後、苗が活着する2週間目から行える土壌表面攪拌(中耕)も、初期除草としてとても有効です。

長崎県農林技術開発センター・干拓営農研究部門で2016年から2019年に行われた「キャベツ、ブロッコリーにおける土壌表面攪拌による初期除草の効果」試験では、定植後40日ほどまでは土壌表面攪拌で除草剤と同程度の効果を得られることがわかりました。

また、キャベツの生育量は、土壌表面攪拌を1週間ごとに行うと、2週間ごとに行うよりも良好な結果を得られたと報告されています。

なお、雑草の種類はハコベ、ナズナ、ホトケノザなど一年生広葉雑草が中心です。同条件であれば、1週間ごとの中耕で、かなり高い除草効果が得られることがわかります。

出典:長崎県農林技術開発センター「ながさき普及技術情報第38号」所収「キャベツ、ブロッコリにおける土壌表面攪拌による初期除草の効果」

除草装置を装着した乗用管理機

除草装置を装着した乗用管理機
出典:株式会社PR TIMES(ヤンマーホールディングス株式会社 ニュースリリース 2019年12月10日)

キャベツは生長すれば外葉がほ場を覆うので、雑草の被害は比較的少なく済みますが、生育初期には農薬による防除と耕種的防除を組み合わせ、あらゆる種類の雑草の繁殖を抑える対策が必要です。

キャベツには除草剤を適用できないアブラナ科の雑草も多いので、除草剤が使えない雑草については耕種的防除を活用してキャベツの生育量を確保しましょう。

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大曾根三緒

大曾根三緒

ビジネス、ペット、美術関連など多分野の雑誌で編集者として携わる。 全国の農業協同組合の月刊誌で企画から取材執筆、校正まで携わり、農業経営にかかわるあらゆる記事を扱かった経験から、農業分野に詳しい。2019年からWebライターとして活動。経済、農業、教育分野からDIY、子育て情報など、さまざまなジャンルの記事を毎月10本以上執筆中。編集者として対象読者の異なるジャンルの記事を扱った経験を活かし、硬軟取り混ぜさまざまなタイプの記事を書き分けるのが得意。

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