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新規就農者がやるべきことリスト! 知っておきたい支援や認定について
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新規就農者がやるべきことリスト! 知っておきたい支援や認定について

これから農業を始める新規就農者に向けて、農業を始めるときに必要な準備や受けられる支援、サービスについて詳しく解説します。農地の権利取得までの流れや申請方法、農地の探し方、栽培ノウハウを学べる研修など、新規就農者に役立つ情報をたくさん取り上げました。

個人で農業に新規参入するためには、農地の取得、栽培技術の習得、資金の確保をはじめとした準備や手続きが必要です。この記事では、具体的な農地の探し方、申請の方法、受けられる支援、研修など新規就農を目指す方にすぐに役立つ情報を紹介します。

新規就農者がやるべきことのチェックリスト

新規就農にあたってやるべきことは数多くあります。その内容によって大きく5つに分けられます。
1.良好な農地の確保&農業委員会への申請
2.資金の調達
3.栽培技術やノウハウの取得
4.作業用機械・設備の調達
5.受けられる支援や認定制度の確認

それぞれの準備ができているかをチェックし、まだ整っていないものは記事を参考にしながら準備を進めましょう。

1.良好な農地の確保&農業委員会への申請

よい農地を見つける方法として最も手軽なのはインターネットの利用です。
農地検索サービスとして有名なものには、全国農業委員会ネットワーク機構が公開している「全国農地ナビ」があります。地図や所在地・地番から、または地目・面積から目的に合った土地を検索できます。

農地に関する事務を行う「農業委員会」に仲介を頼むのもおすすめです。農業委員会は全国の市町村に設置されており、自治体が窓口となっているので、役場の担当者に問い合わせてみるといいでしょう。

希望の農地を見つけたら、農地の権利を確保するための契約以外に農業委員会に申請を行い、許可を受ける必要があります。

個人が農地を取得するには、以下の要件を満たさなくてはなりません。
・農地の全てを効率的に利用すること
・農作業に常時従事すること
・経営面積の合計が原則50a(北海道は2ha)以上であること(これより低い場合もあるので、地域の農業委員会に確認すること)
・周辺の農地利用に悪影響を与えないこと

「農地中央管理機構」が行っている農地の公募に通れば、都道府県の許可を受けたことになるので、農業委員会へ申請する必要はありません。農地の受け手は定期的に公募しているので、これを利用するのもよいでしょう。

2.資金の調達

就農1年目に必要な費用の平均は569万円

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全国新規就農相談センターが2017年にまとめた「新規就農者への調査結果」によると、新規参入の場合、就農1年目に必要な費用の平均は569万円。内訳は機械・施設の確保に411万円、種苗・肥料・燃料などが158万円となっています。農地購入には平均171.5万円かかっており、1反当たりの平均購入額は73万円です。

売上が安定するまでに必要な生活費を考慮すると、1年目の資金は最低でも1,000万円は必要だといわれることがあります。これに対し、新規就農者の自己資金の平均は営農面で232万円、生活面では159万円と、いずれも大きく下回っています。

一方、資金借り入れの状況をみると、42.6%が借り入れを行っています。借り入れ先は、制度資金としては「青年等就農資金(就農支援資金)」が56.1%と半数以上で、「経営体育成強化資金」が4.7%、「スーパーL資金」が3.7%、「農業近代化資金」が4.1%、その他4.4%となっています。民間資金では農協が12.9%と最も多く、銀行が5.0%、その他9.0%です。

この調査の2年後、同じ調査対象者に対して、改めて経営資源の確保状況を調査した「新規参入者の経営資源の確保に関する調査結果」によると、自己資金のほかには「農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金)」の交付が37.7%、「国・都道府県・市町村等の補助金」が12.6%など、助成金を活用しているケースも多く見られました。受けられる支援については後で詳しく解説します。

出典:一般社団法人全国農業会議所全国新規就農相談センター「新規就農者の就農実態に関する調査結果(平成28年度)」

「新規参入者の経営資源の確保に関する調査結果(平成30年度)」

3.栽培技術やノウハウの取得

栽培技術やノウハウの取得も、一番よいのは自分が就農したい地域で農業の経験を積むことです。そうすることで、その地に合った栽培技術などが習得できます。自治体の研修やインターン制度などを利用するとよいでしょう。

4.作業用機械・設備の調達

就農にはトラクターや耕運機などの大きな農機、農具類、収穫コンテナなどさまざまな設備や資材が必要

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効率よく作業・生産・販売をするために、基本的な農機や出荷調整のための作業用機械、資材は必要不可欠です。トラクターや耕運機などの大きな農機から、スコップやクワ、収穫した作物を入れるコンテナ、出荷時に必要な段ボールやシールなど、さまざまな機械・設備・資材を調達しなくてはなりません。

どのような農機や資材が必要かは、農業研修のときに使用していた資材を参考にします。すべて新しいものを購入するのが理想ですが、予算を抑えるために中古の買い取り販売をしている業者を利用するのもおすすめです。

5.受けられる支援や認定制度の確認

就農後の経営を安定させるため、新規就農者には資金の支援や無利子の貸し付けをしてくれる制度があります。制度を受けるには条件があるので、まずはそれらを確認する必要があります。

新規就農時に使える支援や認定制度&便利なサービス

就農に向けてインターン研修制度などを利用しよう

Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)

新規就農者が受けられる支援や便利なサービスなどを、詳しく解説します。

初めの一歩が踏み出せる「就農相談会」

全国新規就農相談センターが開催している「就農相談会(新・農業人フェア)」では、現役農家の方や各自治体の相談員に直接質問できたり、国の支援制度に関する案内やセミナーが行われたりしています。参加費用は無料です。

全国新規就農相談センターでは、農家の方の話が聞ける「After5就農セミナー」を行ったり、インターンシップや支援に関する情報発信をしています。個別相談も行ってくれるので、新規就農者の方は利用してみるとよいでしょう。
一般社団法人全国農業会議所が運営する「全国新規就農相談センター」のホームページ「農業をはじめる.jp」はこちら

農地探しをサポートする「全国農地ナビ」

農地を自分で探す場合、農業委員会や市町村が整備している農地の情報を、インターネット上で公開している「全国農地ナビ」が活用できます。地図上だけでなく検索条件を入れた検索もでき、新規就農者が欲しい情報も多く掲載されています。

全国農業委員会ネットワーク機構(一般社団法人全国農業会議所)「全国農地ナビ」はこちら

資金面の支援が受けられる「青年等就農計画制度(認定新規就農者)」

「青年等就農計画制度」とは、これから農業を始める人が、「青年等就農計画」を市町村に提出し、認定されると支援が受けられる制度です。これを受けるためには「認定新規就農者」になる必要があります。

認定新規就農者になるためには
・18歳以上45歳未満
・農業経営を初めて5年経過していない
という条件があります。これを満たしたうえで就農計画が認められた人は、次の支援が受けられます。

・農業次世代人材投資資金
独立・自営就農時に49歳以下の認定新規就農者に、1年当たり最大150万円が最長5年間交付されます。農業を始めたときの経営確立を支援することが目的なので、前年所得が交付金以外で350万円を超えると給付は停止されます。(令和2年4月8日発表資料による)

・新規就農者向けの無利子資金制度
最大3,700万円を無利子無担保で借り入れでき、返済期間は12年以内(据置期間5年)という資金制度です。融資金は就農計画を達成するのに必要であれば、施設や機械を購入したり、農薬を購入したりとどんなものにも使用できます。

農林水産省「農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金)」のページはこちら

実際の業務経験を積める「短期就業体験(農業インターンシップ)」

農業を始めるには、実務経験を積むことが必要です。日本農業法人が運営している「短期就業体験(農業インターンシップ)」では、これから農業をはじめるのに必要なことは何か、自分に農業は向いているかなどを、現場の仕事を通して知ることができます。

体験期間は2日から6週間で、受け入れは通年行われています。参加費は無料で、体験中の食費や宿泊費は受け入れ先が負担してくれます。

公益社団法人日本農業法人のホームページはこちら

経営ノウハウを学べる「インターン研修」

農業には実務だけでなく、経営ノウハウも必要です。株式会社マイファームが行う「インターン研修」では、農業の経営を合宿型の研修で学べます(2020年9月現在、オンライン研修)。

インターン研修では、現場を視察したりグループワークを行ったりすることで、経営戦略を学んでいきます。研修費は無料で、受講開始時に18~39歳の方が対象です。研修は夏・秋・冬に行われています。

株式会社マイファーム「インターン研修」のホームページはこちら

新規就農者がするべきことや、無料で参加できる相談会、認定制度などを詳しく解説しました。
これらの制度や支援を上手に活用して、就農への準備を着実に進めましょう。

勅使川原恵美

勅使川原恵美

ブランドバッグのマーチャンダイジング業務や本格コーヒー店のフロア担当、編集アシスタントなどの実務経験を生かして、幅広い分野に対応可能なライターとして活躍中。夢はいつかコスタリカに行ってナマケモノの記事を書くこと。

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