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野菜の品目別反収一覧表! 農業で「儲ける」ために選ぶべき作物は?

野菜の品目別反収一覧表! 農業で「儲ける」ために選ぶべき作物は?
出典 : Princess Anmitsu / PIXTA(ピクスタ)

反収とは「作物の1反(およそ10a)当たりの収量」を意味する言葉です。最新の作物統計をみると、反収が最も高い野菜はきゅうり(冬春)となっています。今回は反収の高い野菜トップ10の詳細や、農業で利益を上げるためのポイントについて解説しています。

農業で利益を出すための要素の1つが、今ある農地での生産量を増やすこと、すなわち、反収を上げることです。もちろん、反収のほかに、販売単価や経費、労働生産性などを総合した結果が利益になるため、反収が高い作物が必ずしも儲かる作物であるという訳ではありません。

この記事では、反収の高い作物ベスト10を紹介するとともに、生産性を高めて利益を上げる経営のコツについて解説します。

そもそも「反収」とは?「単収」との違い

minorasu(ミノラス)の画像

反収とは、「作物の1反(およそ10a)当たりの収量」を指します。一般的には「大豆の反収を○○円上げよう」など、ほ場の面積1反当たりの売上または収入を表すことも多いようです。

似た単語に「単収」がありますが、これは、ある一定面積当たりの収量または収入を指すので、「10ha当たりの単収」などと、別途単位となる面積を示す必要があります。

【ランキング形式】主な野菜の反収一覧

いろいろな野菜

freeangle / PIXTA(ピクスタ)

この章では、農林水産省が発表した平成30年度の作物統計をもとに、反収が多い野菜ベスト10を解説します。あわせて取引価格の目安となる東京中央卸売市場の「品目別取扱実績の平均価格」についても紹介していきます。

【第1位(同)】きゅうり(冬春)

1反当たり売上:346万円(反収×取扱平均価格)
反収:10,800kg
取扱平均価格:320円/kg
12~6月に出荷され、主な品種は「エクセレント節成1号・2号・353」「トップラン」「フレスコ100」です。ほとんどが施設栽培で9~11月に播種し、12~6月に収穫します。

【第1位(同)】ナス(冬春)

1反当たり売上:481万円(反収×取扱平均価格)
反収:10,800kg
取扱平均価格:445円/kg
12~6月に出荷され、主な品種は「筑陽」「竜馬」「くろべえ」などです。高知県や九州で施設栽培により生産されます。

【第3位】トマト(冬春)

1反当たり売上:352万円(反収×取扱平均価格)
反収:10,300kg
取扱平均価格:342円/kg
12~6月に出荷され、主な品種は「ハウス桃太」「桃太郎ファイト」「麗妃」です。
施設での促成栽培あるいは抑制栽培が中心です。

【第4位】ピーマン(冬春)

1反当たり売上:503万円(反収×取扱平均価格)
反収:10,200kg
取扱平均価格:493円/kg
11~5月に出荷され、主な品種は緑ピーマンでは「さらら」、「京波」、「京ゆたか」、「エース」などです。促成栽培では7月頃に播種し、10〜5月に収穫します。

【第5位】白菜(夏)

1反当たり売上:78万円(反収×取扱平均価格)
反収:7,400kg
取扱平均価格:106円/kg
7~9月に出荷され、主な品種は「春の祭典」、「黄ごころ85」、「無双」などです。
主に露地栽培やトンネル栽培での「春播き」「夏播き」が中心です。

【第6位】セロリ(セルリー)

1反当たり売上:150万円(反収×取扱平均価格)
反収:5,430kg
取扱平均価格:276円/kg
主な品種は「トップセラー」「コーネル619」「ミニホワイト」などです。

【第7位】キャベツ(夏秋)

1反当たり売上:45万円(反収×取扱平均価格)
反収:4,900kg
取扱平均価格:91円/kg
7~10月に出荷され、主な品種は「金力」「若峰」「彩里」です。

【第8位】玉ねぎ

1反当たり売上:46万円(反収×取扱平均価格)
反収:4,410kg
取扱平均価格:105円/kg
主な品種は「マッハ」「ソニック」「パワー」などです。

【第9位】大根(春)

1反当たり売上:37万円(反収×取扱平均価格)
反収:4,230kg
取扱平均価格:88円/kg
4~6月に出荷され、主な品種は「耐病総太り」「藤風」「春ろまん」です。

【第10位】ニンジン(春夏)

1反当たり売上:54万円(反収×取扱平均価格)
反収:3,710kg
取扱平均価格:146円/kg
4~7月に出荷され、主な品種は「向陽二号」、「黒田五寸」、「恋ごころ」などです。

出典:
作物統計調査(農林水産省)
東京中央卸売市場データ検索

「儲かる」指標は反収だけじゃない! 合わせてチェックしたいポイント

農業 会計

buritora / PIXTA(ピクスタ)

儲かる農業の実現には、反収だけではなく重ねて対策すべきポイントがいくつかあります。代表的な3つのポイントについて解説します。

労働生産性の考え方

儲かるということは、「生産性が高い」ことといえます。生産性は、産出したもの(アウトプット)を、その生産のために投入した労働や原料、施設などの生産要素(インプット)で割ることで示されます。

このうち、分母を「労働」とした生産性が「労働生産性」です。たとえ収量がアップしたとしても、そのぶん必要とする労働力や労働時間が増えれば、労働力当たりの収入は低くなります。

例えば、あるほ場でキャベツの年間所得が10a当たり18万円、同じくきゅうりの年間所得が119万円だったとします。一見、きゅうりのほうが儲かっているようですが、それぞれ出荷までに費やした労働時間がそれぞれ90時間、932時間だとすると、キャベツの労働生産性は20%、きゅうりでは約13%となり、キャベツの方が生産性が高いことが分かります。

設備投資などの経費や悪天候による収量の減少も考慮する

同じ作物を露地栽培と施設栽培とで比較した場合、天候や病害虫などの影響が少なく作業効率のよい施設のほうが反収が高くなる傾向がありますが、そのぶん設備などの初期費用や施設自体のランニングコストがかかります。

一方で露地栽培では、設備などの初期費用が少なくてすみますが、天候などの影響を受けやすく収量や売上が不安定になりがちです。

反収だけにとらわれず、アウトプットである作物の収量と、インプットである設備投資・ランニングコストなどの両方の兼ね合いを考えながら営農方針を立てることが大切です。

農地面積に応じて参考にするべき指標は変わる

ほ場の面積や形状も生産性を左右します。広いほ場が確保できる場合は、機械を導入して作業を効率化・省力化できるため、反収の多い作物を育てればその分収益アップが期待できます。

ほ場が狭かったり、入り組んでいたりする場合、作業の省力化に限界があり、加えて量産ができないため、ある程度手間をかけることで単価が高くなる作物のほうが収益を上げやすい場合もあります。

棚田 秋

kuri / PIXTA(ピクスタ)

儲かる農業とは、ただ反収を上げるだけでなく、投入する生産コストをできるだけ小さくするなど、効率的な経営体制づくりが重要です。

年間を通して安定した需要が見込める作物と、農地の立地条件などを吟味したうえで、効率的に栽培できる営農プランを立て、真に儲かる農業をめざしましょう。

大曾根三緒

大曾根三緒

ビジネス、ペット、美術関連など多分野の雑誌で編集者として携わる。 全国の農業協同組合の月刊誌で企画から取材執筆、校正まで携わり、農業経営にかかわるあらゆる記事を扱かった経験から、農業分野に詳しい。2019年からWebライターとして活動。経済、農業、教育分野からDIY、子育て情報など、さまざまなジャンルの記事を毎月10本以上執筆中。編集者として対象読者の異なるジャンルの記事を扱った経験を活かし、硬軟取り混ぜさまざまなタイプの記事を書き分けるのが得意。

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