新規会員登録
BASF We create chemistry

農家さま限定キャンペーン開催告知

ご登録いただくと随時開催の
10万円以上相当の農機等が当たる
限定キャンペーン開始時に、
メッセージでお知らせします。

電話番号の形式に誤りがあります11桁で入力してくださいすでに登録済みの電話番号です。無効な電話番号です。

※プレゼントは変更になることがあります。BASFは、登録番号へキャンペーン情報や製品・サービスに関するご案内(お電話を含む)を行う場合があります。ボタン押下で上記内容および minorasu利用規約に同意したものとみなします。

続けてご自身の農園の栽培面積を教えてください
※今後のキャンペーン企画のプレゼント選定の参考にさせていただきます。

【ラスト1問】ご自身の農園の栽培作物を全て教えてください
※今後のキャンペーン企画のプレゼント選定の参考にさせていただきます。

この項目は必須です

回答いただいた農家さま限定

収量15%アップを実現した作業効率アップの秘訣 を取材した独自インタビュー
コンテンツを限定公開!

いちじくの収穫時期はいつ?品種ごとのタイミングと収穫量の目安を解説

いちじくの収穫時期はいつ?品種ごとのタイミングと収穫量の目安を解説
出典 : Cybister/ PIXTA(ピクスタ)

生食やジャムなどに使われるいちじくは、需要が高く価格や収益が安定しています。比較的少ない初期投資で始められ、約3年で安定した収量が確保できることから、水田転作などとして新規導入しやすい作物です。本記事では、夏果・秋果で異なる収穫時期や、栽培方法のポイントを解説します。

  • 公開日:
  • 更新日:

記事をお気に入り登録する

いちじくの収穫時期と栽培歴

いちじくは、収穫時期の違いによって、夏果専用品種・秋果専用品種・夏秋兼用品種の3つに大別され、目的や地域に応じた品種選びが重要です。

まず、夏果専用品種は前年に伸びた枝についた実を翌年の初夏に収穫するタイプです。代表的な品種には「ビオレードーフィン」があり、6月中旬〜7月頃にかけて収穫されます。果実は大ぶりで甘みが強く、生食にも適しています。

次に、秋果専用品種は、その年に伸びた枝に実がつき、8月〜10月頃に収穫します。代表的なのが「蓬莱柿(ほうらいし)」です。果皮は赤紫色で、甘味の中にほどよい酸味があり、古くから日本で親しまれてきたいちじくです。

夏秋兼用品種は、夏果と秋果の両方が収穫できる品種で、栽培管理によって収穫の幅を広げることができます。日本で最も流通量が多い「桝井ドーフィン」もその1つです。スーパーに並んでいるものの多くは、輸送と日持ち性の都合で完熟間際の状態で収穫されているため比較的あっさりとしていますが、完全に熟してから収穫されたものは、ねっとりと舌にからんで甘みがしっかり、後口はさっぱりとしているのが特徴です。夏は6月〜7月、秋は8月下旬〜10月中旬頃まで収穫できます。

参考までに、最初の2年間の栽培歴を以下で紹介します。

いちじくの栽培暦

出典:奈良県食と農の振興部、姫路市、千葉 県農林水産技術会議の資料よりminorasu編集部作成

いちじく栽培:1年目

いちじく栽培の1年目は収穫せず、しっかりと園地に定着させます。前年の秋から園地の土作りをして準備を整えましょう。苗は購入しても、挿し木をして養成してもよいでしょう。苗木の定植または挿し木は3月下旬に行います。

いちじくの植え付けには、主に一文字整枝と盃状形の2種類があります。盃状形の場合は畝幅3~4mで10a当たり約82本、一文字整枝は畝幅2.5mで10a当たり100本程度を目安に植え付けます。

いちじくは水分要求量が多く乾燥に弱いので、十分な灌水も必要です。梅雨明け1週間後くらいからは乾燥させないように灌水を行いましょう。ただし、湛水にすると根腐れを起こしやすいので、排水対策も欠かせません。

苗木は40~50cmで先端を切り返し、支柱を立てて結束します。敷き藁や黒マルチで乾燥や雑草を防ぎながら、生長に合わせて枝の誘引や芽かき、追肥を行います。

いちじく栽培:2年目以降

2年目以降は1年目の作業に加え、6~8月の間に、病害虫防除のため必要に応じて数回農薬を散布します。7月に入ったら、果実の肥大や着色をよくするため、15~20段を目安として摘芯を行いましょう。

栽培中、労力の大半を占めるのは収穫期の収穫作業と出荷調整のための処理作業です。
収穫後、冬の間は土作りをしながら、寒い地域では樹を藁で巻くなどの防寒対策をしましょう。

いちじくの収穫量と流通価格の目安

一文字仕立て前のいちじく苗木

一文字仕立て前のいちじく苗木
写真提供:HP埼玉の農作物病害虫写真集

いちじくは初期投資が比較的少なく、安定した収益が見込める点が大きな魅力です。いちじくの栽培でどの程度の収量が見込めるのか、販売価格の目安とあわせて解説します。

いちじくの収穫が安定するのは何年目?収穫量の目安は?

いちじくは生長が早く、定植2年目から結実を開始し、少しずつ収穫できるようになります。3~4年目にはほぼ成園に近い収量が期待できるでしょう。

例えば、JA・全農にいがたによる試算では、成園の収量を10a当たり2,100kgとし、定植2年目に3分の1弱ほどの630kg、3年目で1,580kg、4年目には2,000kgの収量を見込んでいます。そのほかの産地のJAなどでも、4年目以降は10a当たり2,000kg前後の収量を目安にしています。

なお、いちじくの経済樹齢は何年ほどかというと、水田転換園の場合は浅根となりやすいため10~15年程度が目安とされています。状態がよければ20年収穫が可能とするJAもあります。

いちじくの参考流通価格

市場出荷のいちじくの荷姿

blackie0335 / PIXTA(ピクスタ)

2022年の特産果樹生産動態等調査において、いちじくの収穫量・出荷量は和歌山県が1位、2位は愛知県です。これらの主要産地をはじめ、ほとんどの産地で仕向け先は市場出荷が主流です。


出典:農林水産省「令和4年産特産果樹生産動態等調査」かんきつ類以外の果樹【落葉果樹】の項

東京都中央卸売市場の「市場統計情報」では、2024年6~2025年5月のいちじくの平均価格は1kg当たり1,615円、最高単価は2025年3月の4,428円、最低単価は2024年9月の1,054円でした。出荷量が著しく少ない時期を除くと、概ね1,000円台で推移していることから、いちじくは市場においても比較的価格が安定していることがわかります。

いちじくの取扱数量と1kg当たり平均価格(東京都中央卸売り市場)

出典:東京都中央卸売市場 市場統計(月報)よりminorasu編集部作成

高品質ないちじくを収穫するための栽培ポイント

いちじくは単位面積当たりの所得が高いのが特長ですが、より品質の高いいちじくを収穫するための栽培ポイントを紹介します。

栽培ポイント1:ほ場整備と防除方法

いちじくのネコブセンチュウ被害株 早期に葉が黄化する

いちじくのネコブセンチュウ被害株 早期に葉が黄化する
写真提供:HP埼玉の農作物病害虫写真集

いちじくは低温や過湿に弱いので、冬場に-8℃以下になる場所や冷気の溜まるくぼ地などを避け、よく日の当たる排水のよい土地を選びます。また、根の酸素要求量が多く根腐れを起こしやすいので、畝を高めにして排水路を準備し、明渠・暗渠も整備しましょう。

特に水田転換園では浅根になりやすく倒木することがあります。それを防ぐためには、秋に30cm程度深耕したり、10a当たり20t程度の客土を2~3年おきに実施したりして根の伸長を促すとよいでしょう。

このとき、土壌中に生息するセンチュウ類の被害を避けるため、管理機やトラクターを使用前に十分に洗浄することが大切です。センチュウ類が増加し全体に樹勢が衰えた場合は、一度水田に戻してから、その後、苗木を植え付けるのが有効です。

また、葉が大きく風を受けて実を傷つけるとスレによる品質低下を招くので、防風網を用いたり、杭を打って主幹を固定するなど、防風対策・台風対策も慎重にしましょう。

いちじくの風害

いちじくの風害
写真提供:HP埼玉の農作物病害虫写真集

栽培ポイント2:土作りと施肥方法

いちじくは中性から弱アルカリ性の土壌を好むため、定植前にpH7.0を目安に苦土石灰などを施用し調整します。合わせて、完熟堆肥を10a当たり2t程度施用し、土作りを行います。

ただし水田転作園や排水の悪い園では浅根になり、多量の施肥によって根が濃度障害を起こしやすい傾向があります。そのため基肥は控え、追肥を数回に分けて行うのがよいでしょう。水田転作園では特に、はじめの1、2年は乾田効果で肥効が高まるので、過肥に注意し、様子を見ながら少しずつ施肥しましょう。

いちじく栽培で収益性を確保するためのポイント

計画的な収穫と、作業の効率化を叶える「出荷調整」

いちじくの実は収穫後に日持ちがしないことから、計画的かつ効率的に収穫するために出荷調整が必須です。うまく収穫時期を調整できれば少ない人数でより多くの収穫作業が可能になるため、ほ場の大規模化による収益増も狙えます。

収穫時期の異なる複数の品種を栽培すれば、さまざまな品種を試しながら出荷時期をずらすこともできます。また、同じ品種でもホルモン剤を導入することで生育を調整し、収穫時期をずらす方法も有効です。

貯蔵性という弱点を克服する「加工品化」

埼玉県川島町「KJ(かわじま)ブランド」の「いちじくジャム」

埼玉県川島町「KJ(かわじま)ブランド」の「いちじくジャム」
出典:株式会社 PR TIMES (凸版印刷株式会社 ニュースリリース 2020年7月1日)

生食のいちじくは日持ちがしませんが、生食用の品種でも、加工品に活用することができます。愛媛県では、いちじくをピューレとして冷凍保存し、加工原料とする場合は、0℃で10日間程度の保管が可能です。

さらに剥皮してピューレとすることで、果肉の風味や色調を損なわず食品素材として通年利用できる加工技術を開発しています。保存したピューレは、ジャムやゼリー、シャーベットや羊羹などの商品に加工が可能です。

出典:愛媛県工業技術センター・加工品室「ビワ及びイチジク利用した加工品の開発」

いちじくのゼリー

hungryworks / PIXTA(ピクスタ)

収益化のためにあらかじめ具体的な売り方を検討しておく

いちじくは収穫期間中、毎日収穫があるうえに日持ちがしないので選果・袋詰めを急がなければならず、個人での出荷は非常に困難です。そのため、共同選果場を活用したり出荷組織に加入したりすることで効率的に出荷できます。

市場出荷以外にも、加工に向くいちじくは契約販売で一定の販売先を確保することも可能です。例えば地元のレストランや洋菓子店と直接契約するなど、ブランディングや販路開拓の工夫次第で、販売先は広げやすいといえるでしょう。自ら加工・販売も視野に入れた生産も可能です。

いちじく栽培を始めるなら、販売方法や販路についてもあらかじめ検討しておくことで品種や収穫時期も決まり、収益化の成功につながりやすくなります。


「カフェコムサ」の福岡県内店舗で供される、福岡県産いちじく「とよみつひめ」と博多ピオーネのケーキ

「カフェコムサ」の福岡県内店舗で供される、福岡県産いちじく「とよみつひめ」と博多ピオーネのケーキ
出典:株式会社 PR TIMES(株式会社ファイブフォックス ニュースリリース 2018年9月10日)

いちじくは生食用としてだけでなく飲食店などからの需要もあり、安定した収益が見込めます。しかも、初期投資も抑えることができ、作業も軽微で収穫以外に比較的負担がかからず、収益性も高い優秀な作物です。

貯蔵性の低さや果肉の傷つきやすさ、根腐れや倒木のリスクなどいくつかの注意点に気を付け、機会があればぜひ栽培に挑戦してみましょう。

記事をお気に入り登録する

minorasuをご覧いただきありがとうございます。

簡単なアンケートにご協力ください。(全1問)

あなたの農業に対しての関わり方を教えてください。

※法人農家の従業員は専業/兼業農家の項目をお選びください。

ご回答ありがとうございました。

お客様のご回答をminorasuのサービス向上のためにご利用させていただきます。

大曾根三緒

大曾根三緒

ビジネス、ペット、美術関連など多分野の雑誌で編集者として携わる。 全国の農業協同組合の月刊誌で企画から取材執筆、校正まで携わり、農業経営にかかわるあらゆる記事を扱かった経験から、農業分野に詳しい。2019年からWebライターとして活動。経済、農業、教育分野からDIY、子育て情報など、さまざまなジャンルの記事を毎月10本以上執筆中。編集者として対象読者の異なるジャンルの記事を扱った経験を活かし、硬軟取り混ぜさまざまなタイプの記事を書き分けるのが得意。

おすすめ