【飼料用とうもろこし】省力化が肝! 規模拡大を叶える栽培方法

飼料用とうもろこし(青刈りとうもろこし)の収穫量は1990年をピークに減少し、ここ数年は480万t前後で横ばいです。飼料自給率の向上のために増産と生産効率の向上が望まれています。本記事では、飼料用とうもろこしの大規模栽培の基本を紹介します。
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目次
飼料用とうもろこしの作付面積と生産量の推移

Anesthesia / PIXTA(ピクスタ)
2023年産の国内の飼料用とうもろこしの生産量・作付面積・10a当たりの生産量は、以下の通りです。
- 生産量:494万t
- 作付面積:9万7,200ha
- 10a当たりの生産量:5,080kg
飼料用とうもろこしの生産量は、前年の2022年と比較して6万t増加しています。都道府県別の生産量の割合では、北海道が約7割を占めています。

出典:農林水産省「作物統計調査・作況調査」よりminorasu編集部作成
作付面積は9万7,200haと、前年に比べ900ha(1%)増加しました。主産地である北海道では2000年代後半から作付面積が増加しており、2023年の作付面積は6万400haで、2006年の3万5,900haと比較して約1.68倍に拡大しています。

出典:農林水産省「作物統計調査・作況調査」よりminorasu編集部作成
飼料用とうもろこしの作付面積拡大の背景には、適品種選定や省力化技術の発展による大規模化が大きく関係しています。また、飼料用とうもろこしの栽培では、国の補助金・助成金制度が活用できることも一因と推測されます。
▼具体的な内容は、以下の記事をご覧ください。
播種・収穫の時期は? 飼料用とうもろこしの栽培暦

shankoubo / PIXTA(ピクスタ)
飼料用とうもろこしの播種期は、地域や作型によって異なりますが、平均気温が10℃を超えた5月頃の播種が一般的です。
播種が遅れると、根に対して地上部の割合が高くなり、倒伏しやすくなります。平均気温が10℃を超えたら、できるだけ早く播種します。遅霜が懸念される場合は、マルチでの対策が有効です。
収穫の適期は、とうもろこしの実が硬く、色が濃い黄色になる黄熟期です。黄熟期に達するまでには、有効積算温度(10℃基準)1,200℃程度が必要とされています。
有効積算温度とは、播種以降の毎日の平均気温から基準の温度(この場合は10℃)を引いた数値を積算したもので、この数値が黄熟期の目安となります。
ただし、有効積算温度は黄熟期の判断材料の1つに過ぎません。子実の外観や品種の早晩性、気象条件など、さまざまな要素を考慮して見極めることが重要です。
また、関東以西の暖地では、11月頃まで平均気温が10℃を上回ることが多いため、二期作が可能です。ただし、二期作を行うためには、年間の有効積算温度が2,300℃以上必要です。
▼飼料用とうもろこしの播種時期については、以下の記事もご覧ください。
出典:
社団法人岡山県畜産協会「蒜山地域における飼料用トウモロコシ栽培利用の手引き」
雪印種苗株式会社「牧草と園芸2018年第66巻第1号」
所収「飼料用とうもろこしの安定栽培方法」
農研機構「気候変動に対応したサイレージ用トウモロコシの二期作栽培技術<関東地域版>」
大規模栽培に適した飼料用とうもろこし品種の例と選び方

YUMIK / PIXTA(ピクスタ)
飼料用とうもろこしの品種を選ぶ際は、まずは「早晩性」に着目します。
近年では、9月中旬に収穫が可能な早生気味の品種を選び、台風による倒伏被害を避けるという手法が増えてきています。また、二期作を行う場合は早生品種と晩生品種を組み合わせることが重要です。
ここからは、早晩性を表す指標である「RM (Relative Maturity)」の解説と、早生品種・晩生品種の違い、二期作に適した品種例を紹介します。
早晩性を表す指標「RM」
早晩性を表す代表的な指標は「RM」です。ほとんどの種苗メーカーでは品種ごとに「RM80日クラス」「RM100日クラス」のようにRMを表示しています。
RMとは、Relative Maturityの略で相対熟度と訳されます。本来のRMは、アメリカ中西部の基準品種の発芽から登熟までの日数(100日)に対して、どれだけ早生かあるいは晩生かを相対的に示す指標です。
日本では、この数値が発芽から収穫期までの有効積算温度とほぼ比例することから、その地域の有効積算温度を「基準となる1日当たりの温度量」で割ってRMを算出しています。RMの単位は「日」で、この数字が小さいほど早生、大きいほど晩生ということになります。
しかし、除数の「基準となる1日当たりの温度量」に何を採用するかは、地域や種苗メーカーによって異なります。そのため、RMはあくまで早晩性の目安として用います。
予定している栽培期間での自分の地域の有効積算温度がわかる場合は、多くの種苗メーカーでRMの除数としている10℃で割ってみます。この数値より大きいRMタイプの品種を選ぶようにするとよいでしょう。
ただし、前述したようにRMの除数は地域やメーカーごとに異なるため、都道府県の農政部署や試験場などでRMの考え方を確認することをおすすめします。
早生品種と晩生品種の違い
とうもろこしの早晩性の違いは、雄穂(ゆうすい)が出るまでの栄養生長期間の長短によって決まります。
晩生品種は、栄養生長期間が長い分、茎葉が大きくなるため収量が多く、また、病害や倒伏に強い傾向があります。しかし、冷涼な地域や夏が寒い年は、登熟が遅れでん粉含有量が低くなってしまいます。
早生品種は、栄養生長期間が短い分、茎葉の量は少なくなるため収量は少なくなりますが、短期間で登熟が進みよく実が入るのがメリットです。冷涼な地域や前作・後作があって栽培期間が限られる場合などの選択肢になります。
二期作に適したおすすめ品種例
二期作を行う場合は、“中生の晩”品種に属し、春播き~夏播きまで長く利用できる「スノーデントおとは(PI2008)」などが適しています。
寒地~寒冷地の単作・二毛作であれば、“早生の早”品種に属し、熟期が早いのに関わらず高い収量を期待できる「たちぴりか」などがおすすめです。
作型や栽培期間のほか、その地域に多い病害への耐性などを考慮した品種を推奨している場合もあります。都道府県の農政部署、JAなどで地域の特性に合った品種を確認しましょう。
出典:国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構「飼料作物の品種一覧」
飼料用とうもろこしの基本の栽培方法

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飼料用と飼料用とうもろこしの基本的な栽培管理について、収量を上げるポイントに触れながら順を追って解説します。
※ここで紹介する農薬は、2024年12月16日現在、とうもろこしの病害虫や雑草の防除に登録のあるものです。実際の使用に当たっては、使用時点での作物に対する農薬登録情報を確認し、ラベルをよく読み、使用方法や使用量を守ってください。
【ほ場の準備】とうもろこし栽培に適した土作りと施肥管理
とうもろこしは排水性のよい土壌を好みます。排水性が悪いと、根張りが弱く生育悪化の原因となるので、ほ場に傾斜を作ったり、明渠・暗渠(注)を設けたりして余剰水分が抜けるようにすることが大切です。
(注)明渠(めいきょ):ほ場の周囲に沿って掘る排水溝
(注)暗渠(あんきょ):ほ場内に透水管を敷設し、余剰水を排出する
播種前に堆肥を10a当たり2~3t散布します。よく発酵し熟成した堆肥は、緩効性で長期間効果が持続するため、生育期間中の追肥は必要ありません。
基肥は、10a当たり成分量で、窒素(N)10kg:リン酸(P2O5)12kg:カリウム(K2O)8kgを目安とし、土壌の状態に応じてそれぞれ10~12kgの範囲で調整して施肥します。
化学肥料の場合は10a当たり60~100kgの量になるので、肥料散布機の肥料ホッパは大容量のものが必要です。
出典:農業食料工学会誌 第76巻第5号「 飼料用トウモロコシの播種・収穫機械化作業技術」
施肥をしたら、プラウで地表から25~30cmの深さまで反転耕起します。深耕することで透水性・通気性がよくなり、土中の有機物の腐植も促進されます。
そのあと、プラウによってできた土塊を、ロータリーやハロー(砕土機)を使って整地します。根を張りやすくするために、丁寧に砕土することも収量アップのポイントです。
【播種】倒伏を防ぐ播種深度・間隔と播種量の目安
とうもろこしの播種深度は、一般的には3cm前後とされています。地域や営農指導者によって差があり、浅くても2.5~3cm、深いところでは5cmほどとしている場合もあります。深くする理由は、春播きの際に遅霜から守るためと、倒伏を防ぐためとされています。
北海道大学で2007年に行われた試験によると、2cmや5cmの場合と比べ、7cmの深植のほうが、節根の本数が多く径も太くなり、耐倒伏性が高くなったとされています。しかし、同じ北海道の石狩農業改良普及センターでは、播種深度は2.5~3cmと指導しています。
深く植えても、茎が作られ始める基部は地表2~2.5cmの深さの位置にできます。それより深く植えつけると、その位置まで無駄な伸長が必要となり、初期生育が悪くなるからとの理由です。
それぞれの理由を考慮し、ほ場の環境や気候とあわせ、最適な深度を見極めるのが大切です。
出典:
日本育種学会・日本作物学会北海道談話会 会報48「トウモロコシにおける施肥方法と播種深度が耐倒伏性に与える影響(北海道大学)」
収量を上げるために適した栽植密度は一般的に、条間は70~80cm、株間は18~20cmとされています。播種量の目安は、10a当たり早生種で8,000本、中生種で7,000本、晩生種では6,000本です。
栽植密度が低いと、株間への雑草の侵入などにより収量減につながります。逆に栽植密度が高すぎると、着雌穂高(注)が高く稈(かん)(注)が細くなるため倒伏のリスクが増大します。
(注)着雌穂高:地際から最上位の雌穂(しすい)着生節位までの高さを指します。
(注)稈(かん):茎にあたる部分。地際から雄穂(ゆうすい)の付け根までの長さを「稈長」といいます。
適切な深さ・間隔で播種したあと、ローラーで鎮圧すると発芽を揃えやすくなります。
【鳥害・獣害対策】忌避剤などを用いた被害防除

川村恵司 / PIXTA(ピクスタ)
大規模栽培が基本となる飼料用とうもろこしは、ほ場が広いため網やテープ、音などの一般的な防止策で鳥害・獣害を防ぐのは困難です。
鳥害対策
カラスやハトなどの鳥害対策として有効なのが、播種前の種子への忌避剤の利用です。2024年12月時点では、チウラム水和剤の「キヒゲン」「キヒゲンR-2フロアブル」などが飼料用とうもろこしの鳥害を忌避する農薬として登録されています。
「キヒゲン」:適用はカラス・キジ・ハト。使用方法は種子粉衣で識別剤が必要。
「キヒゲンR-2フロアブル」:適用はカラス・キジ・ハト・キジバト・ムクドリ・スズメ。使用方法は塗沫処理で識別剤は不要。
忌避剤の塗沫は、肥料袋など丈夫な袋に扱いやすい分量として5kgずつ種子を入れ、規定量の忌避剤を投入し、袋の中で混和してまんべんなくまぶします。
識別剤が必要な剤型の場合は、そのあとに識別剤を規定量投入し、再度まんべんなくまぶします。そのあと、ビニールやムシロなどの上に広げて1時間ほど乾かします。
大量に処理する場合は、種子コーティング機を使う方法もあります。種子コーティング機を回転させながら規定量を徐々に加えていきます。
獣害対策
イノシシやタヌキなどの獣害も年々深刻になっています。爆音機や防護柵、電気柵の設置など、物理的な防除策の検討も重要です。
▼獣害対策についてはこちらの記事をご覧ください。
【雑草対策】除草剤による土壌処理・茎葉処理

川村恵司 / PIXTA(ピクスタ)
とうもろこし栽培での農薬を用いた雑草対策は、「土壌処理」と「茎葉処理」に分かれます。
土壌処理では播種後すぐに農薬を散布して、土壌表面に薬層を形成し、発芽してくる雑草を枯死させます。茎葉処理では、雑草が生え揃ったら若いうちに農薬を直接散布して枯死させます。
なお、茎葉処理の農薬は、雑草の種類ごとに適した農薬を選択します。例えば、イチビやショクヨウガヤツリ(キハマスゲ)にはシャドー水和剤、アレチウリやオオナモミにはバサグラン液剤などです。
数年にわたって同じ系統の農薬ばかり使っていると、その農薬が効かない特定の雑草がはびこってしまう恐れもあります。雑草の種類をよく観察し、数年に一度は使用農薬を再検討しましょう。
【収穫】刈り取り適期の見極め方と倒伏害対策
青刈りの飼料用とうもろこしの収穫適期は黄熟期とされています。とうもろこしは乳熟期、糊熟期を経て黄熟期になりますが、黄熟期まで待ってから刈り取ります。
というのも、黄熟期にはでんぷんがより多く蓄積され栄養価も高まるからです。また、乳熟期では水分量が多く、サイレージ化の際、多くの水分とともに栄養も排汁として流れ出てしまいます。黄熟期なら水分量が低下し、サイレージ化に適した水分含有率になります。
収量を保って効率アップ! 規模拡大を叶える省力化技術

nobmin / PIXTA(ピクスタ)
飼料用とうもろこしの規模拡大には、播種や耕うん作業に伴う時間や労力をいかに削減できるかがポイントになります。ここでは、こうした作業の効率化を叶える省力栽培技術を紹介します。
播種の作業時間を半減する「耕うん同時播種」
「耕うん同時播種」は、夏作の飼料用とうもろこしと冬作の飼料作物イタリアンライグラスなどの二毛作において効力を発揮する栽培技術です。
この方法では、真空播種機(注)を用いて、これに耕起・砕土のための縦軸型ハローと整地のためのパッカーローラーを組み合わせます。これらの機器は、油圧で昇降するPTO中間軸付きヒッチ(注)に接続し、トラクターで牽引します。
(注)真空播種機:決められた列に設定した間隔で一粒ずつ播種できる播種機。穴があいている円盤に一粒ずつ種子を真空圧で吸い付け除去板にあてて種子を落とすしくみです。円盤の穴の数や回転数を変えることで種子を落とす間隔を調整します。
(注)PTO中間軸付きヒッチ:縦軸型ハローに真空播種機を取り付けるためのアーム。PTOとはPower take offの略で「動力取り出し装置」と訳されます。通常トラクターの後部にあり、トラクターに装着した作業機に動力を供給します。
耕うん同時播種では、慣行における反転耕・砕土・施肥・撹拌整地・播種・鎮圧の5工程を1工程で行うことが可能です。これにより作業時間は約58%、播種費用は約7%削減できます。
耕うん同時播種での栽培を連年行った場合でも、慣行と同等の収穫量を継続して得られることが試験結果として報告されています。
出典:国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構
「二毛作トウモロコシの播種作業時間を大幅に削減可能な耕うん同時播種技術」
「飼料用トウモロコシのは種作業時間を半減する技術を開発」
耕うん作業を圧縮できる「簡易耕・不耕起播種」
夏作の飼料用とうもろこしと冬作の飼料用麦類などとの二毛作における簡易耕や、飼料用とうもろこし単作または秋作えん麦との二毛作における不耕起播種による省力化実証されています。
どちらも、ディスクハロー(注)と不耕起播種機を走行するだけで、慣行の作業を大幅に省力化できます。
(注)ディスクハロー:皿状の円盤が一定の間隔で十数枚ならび、砕土を行う作業機
夏作と冬作の二毛作では、春先に冬作収穫後の集草作業と夏作用の耕うん・播種作業が重なり、多忙を極めます。この作業をまとめ、まず冬作収穫後にディスクハローを走行させて簡易耕することで、ほ場表面の撹拌・残根などの切断・砕土の代替とします。
そのあと、不耕起播種機で播種を行います。この作業によって、反転耕・撹拌耕・鎮圧の3工程が省略され、耕起播種より燃料消費を約75%、作業時間を60%削減可能です。
飼料用とうもろこし単作・夏秋の二毛作の場合は、ディスクハローによる簡易耕も省き、前作跡地にそのまま不耕起播種を行います。
このとき、非選択性除草剤を併用すれば、越年性雑草の防除も効率的にできます。この方法による翌年の飼料用とうもろこしの乾物収量は、慣行年と比べて差がないことが試験結果として報告されています。
出典:国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構「飼料二毛作におけるトウモロコシの簡易耕播種法」
【事例】飼料用とうもろこしを基幹とした周年省力栽培体系

川村恵司 / PIXTA(ピクスタ)
飼料用とうもろこしの栽培では、地域ごとに応じた周年省力栽培技術の研究・開発が進められています。
代表的な栽培体系は、以下の通りです。
- 飼料二毛作
- とうもろこし二期作
- 寒冷地・浅作土条件二毛作
- 暖地型2年5作体系
上記の栽培体系について、それぞれの概要を紹介します。
飼料二毛作
飼料二毛作とは、同一のほ場で異なる飼料作物を栽培する体系です。
具体的には、夏作に飼料用とうもろこし、冬作にイタリアングラスなどの飼料作物を栽培します。
プラウ耕を必要としない簡易耕・不耕起播種であれば、作業時間を約5割削減することが可能です。
また、慣行耕うんと簡易耕の出来高を比較した結果では、ほぼ同等の収量が得られていることが報告されています。
出典:「農研機構<2019年度版>飼料用トウモロコシの作付け拡大に向けた新しい栽培技術」
とうもろこし二期作
とうもろこし二期作は、関東南部で取り組まれている栽培体系です。1作目に極早生品種の飼料用とうもろこしを採用することで、2作目の播種を早め、安定した収量を実現できる体系となっています。
また、1作目に多収早生品種、2作目に中生~晩生品種を用いることで、年間の収量向上も期待できます。
出典:「農研機構<2019年度版>飼料用トウモロコシの作付け拡大に向けた新しい栽培技術」
寒冷地・浅作土条件二毛作
寒冷地・浅作土条件二毛作は「不耕起対応高速播種機」を活用した二毛作体系です。
飼料用とうもろこしは、以下のようなほ場では栽培が難しいとされていました。
- 作土が浅く礫が多い
- 傾斜地で土壌流亡が起こりやすい
- とうもろこし播種前後の作業が牧草の一番草収穫と重なる
しかし、上記のようなほ場でも不耕起対応高速播種機を導入することで、飼料用とうもろこしと飼料用麦の二毛作が、省力的かつ安定的にできるようになります。
この栽培体系では、GNSS(汎地球測位航法衛星システム)とトラクタ自動操舵装置を用いることで省力化を実現しています。
出典:「農研機構<2019年度版>飼料用トウモロコシの作付け拡大に向けた新しい栽培技術」
暖地型2年5作体系
暖地型2年5作体系は、とうもろこし不耕起播種機を活用した、西南暖地向けの栽培体系です。2年間のうち飼料用とうもろこしを3回、イタリアングラスおよび大麦を2回栽培する2年5作体系です。
慣行の二毛作と比較した場合には、次のようなメリットが示されています。
- TDN収量の増加:単位面積当たり15%以上増加
- 生産コストの削減:TDN収量当たり10%以上削減1
西南暖地において、収量と収益性を向上させることができる栽培体系です。
出典:「農研機構<2019年度版>飼料用トウモロコシの作付け拡大に向けた新しい栽培技術」
飼料用とうもろこしの栽培は、地域の気候や特性に適した播種期や収穫期を見極めることが重要です。品種選びでは早晩性に着目しつつ、栽培方法についても見直すことが推奨されます。
今後、飼料用とうもろこしの栽培規模を拡大しながら収益を高めるには、管理コストを減らす省力化技術の導入が鍵となるでしょう。
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大曾根三緒
ビジネス、ペット、美術関連など多分野の雑誌で編集者として携わる。 全国の農業協同組合の月刊誌で企画から取材執筆、校正まで携わり、農業経営にかかわるあらゆる記事を扱かった経験から、農業分野に詳しい。2019年からWebライターとして活動。経済、農業、教育分野からDIY、子育て情報など、さまざまなジャンルの記事を毎月10本以上執筆中。編集者として対象読者の異なるジャンルの記事を扱った経験を活かし、硬軟取り混ぜさまざまなタイプの記事を書き分けるのが得意。