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中耕除草作業を省力化するには? 機械化で効率的な中間管理を実現する方法
出典 : 川村恵司/ PIXTA(ピクスタ)
  • 農業経営

中耕除草作業を省力化するには? 機械化で効率的な中間管理を実現する方法

水稲や大豆をはじめとした穀類・豆類、また、多くの野菜類において中耕除草は生育を促し収量を上げる効果があるといわれます。中耕と同時に行われることの多い培土(土寄せ)についても触れながら、具体的な効果や中耕作業機についての情報をお伝えします。

ネギの中耕・培土

sasaki106 / PIXTA(ピクスタ)

作物の定植後に行われる中耕には、除草以外にも複数の意味や効果があります。それを理解したうえで作業を行えば、中耕の効率や効果の向上が期待できます。そのために必要な中耕の効果や作業のポイント、おすすめの中耕除草機について詳しく説明します。

生育途中に畑を耕す「中耕・培土」作業

中耕とは

中耕とは古くから水稲や大豆、野菜類など多くの作物の栽培で行われている作業です。作物の生育途中に、株間や畝間などの表土を浅く耕します。この作業は雑草を埋め込むことで除草にもなるため、「中耕除草」とも呼ばれます。

作物によっては、培土(土寄せ)を行う場合もあるでしょう。培土は株元に土を寄せて盛る作業で、中耕と時期や作業方法が似ていることから、中耕培土を一連の作業として一括りに扱われることがよくあります。

中耕の時期は、水稲なら田植え後1週間から10日ほどで1回目の作業をします。さらに、田植え後30日までの間に計2~3回行うとよいでしょう。大豆の場合は播種後25~35日までに1~2回、培土を兼ねて行います。

野菜類の場合は作物によって異なりますが、おおよそ本葉が3枚出そろうまでの間に終わらせます。いずれも、それ以降は側根が発達し、土を耕すことで根を傷める可能性が高いため、中耕・培土とも行わないことが望ましいでしょう。

中耕も土寄せも、鍬やショベルなどの道具を使って手作業で行うと時間もかかり、かなりの重労働です。夏野菜の中耕は暑さの厳しい時期になるので、無理はせず、耕うん機など機械を利用して効率的に作業しましょう。

中耕・培土を行うことで得られる効果

中耕除草と培土が済んだ小豆のほ場

川村恵司/ PIXTA(ピクスタ)

中耕の主な目的は、除草効果と土壌をふかふかにして通気性をよくすることです。培土の主な目的は、茎下部を土で覆うことで根を伸ばすスペースを増やし、根張りをよくすることです。

これ以外にも、中耕や培土には付随的にさまざまな効果が期待できます。

まず、柔らかい土に覆われることでより広く根を張り、その結果、地上部の生育がよくなります。

また、耕すことで、土壌の下層から地表まで水分を吸い上げる毛管現象が絶たれるため、下層の水分が保たれ、干ばつ対策として効果的です。追肥も同時に行えば作業の大幅な効率化となります。

作物別にみると、水稲では土を撹拌することで根に酸素が行きわたり、呼吸や肥料の吸収が促進されます。大根やニンジンなどの根菜類では培土により根の露出を防ぎ、大豆など倒伏しやすい作物では倒伏防止にも大きな効果を発揮します。

注意すべき点として、中耕には土壌に適度な湿度が必要です。

雨上がりの湿った土で行うと土をこねてしまい、却って土が固くなります。逆に乾燥した土で中耕すると、切れたり傷ついたりした根が再生できず、生育が妨げられてしまうため、適切な湿度調整が必要となります。

また、根域を制限したいトマトなどでは、根が広がらないよう中耕は行いません。

「中耕除草機」を活用! 機械の導入によって中耕・培土作業を効率化

歩行型羽タイプの中耕除草機

sasaki106 / PIXTA(ピクスタ)

中耕作業は、できるだけ作物を傷つけないようにしながら畝間や株間を耕すため、精神的・肉体的にも疲労度の高い労働といえます。そのため、中耕除草機などの機械を導入して効率化を図ることを推奨します。

一般的に中耕除草機は「管理機」や「テーラー」と呼ばれ、各農機メーカーからさまざまな製品が開発されています。ほとんどの製品で中耕除草・畝立てや追肥が同時に行え、作業効率が大幅にアップします。

中耕除草機には歩行型と乗用があります。羽タイプや爪タイプなどの形状があるロータリ式や、ディスク式といった型式も多様なため、作物の種類や大きさ、土壌条件によって、使いやすいものを選びましょう。

乗用管理機による小豆の中耕

川村恵司 / PIXTA(ピクスタ)

これから導入するなら? 大規模農家におすすめの「ディスク式中耕除草機」2選

ディスク型のインプルメント

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中耕機や中耕除草機にはさまざまな機種があり、アタッチメントも豊富なため、ほ場の特性に合った機種選びに悩む方も多いでしょう。

ディスク式は、ロータリ式と比較して作業能率が高く、土の練り込みが少ないので湿潤土壌や石・礫を含む土壌でも作業できる点が特長です。水田転換畑や輪作田での大豆栽培、梅雨期の湿潤土壌など、悪条件での中耕培土作業で大きな効果を発揮します。

ここでは、湿潤土壌にも強く作業能率も高いディスク式に注目し、おすすめの2つを紹介します。

乗用管理機用 「高精度畑用中耕除草機(エコ草取り君 H3-200)」(井関農機株式会社)

1つめは、井関農機株式会社の乗用管理機「愛さいか」シリーズです。大豆の中耕・培土には専用のインプルメント「高精度畑用中耕除草機(エコ草取り君 H3-200)」を装着します。

17馬力または23馬力の高馬力ディーゼルエンジンと前列300mm、後列348mmの大きなディスクが特徴です。湿田や湿潤土壌での中耕など重作業も粘り強くこなし、水田や畑作などさまざまなほ場に対応可能です。

作物の高さに合わせ、車体の最低地上高を550・650・700・720mmの4タイプから選べます。また、タイヤやリムを付け替えることで、畝幅に合わせて幅も調節可能なので、作物を傷めずに作業できます。

500~600Lの大容量タンクや10.2~16.2mのロングブームなどを備え、肥料や農薬の散布も短時間で行えるので、大区画ほ場での作業に適しています。

井関農機株式会社
「乗用管理機 愛さいか JKBシリーズ」のページ
JKBシリーズ インプルメント「高精度畑用中耕除草機」のページ

トラクター用「中耕ディスク」(小橋工業株式会社)

2つめのおすすめは、トラクターへ装着できる小橋工業株式会社製造の中耕ディスクです。

前方は平形、後方は花形の2対のディスクが走行時の土壌の抵抗によって回転し、水分の多いほ場でも土を練らずに素早く培土します。

作業位置をスライドすることで、条間はDC301・501シリーズでは65~85cm、DC201シリーズは60~85cmに対応可能です。

同じ小橋工業製の、ロータリ式の従来品に比べて作業速度が2倍以上も上がり、燃料消費量を軽減できる点も魅力です。

小橋工業株式会社
中耕ディスクの製品カタログはこちら

ジャガイモ(馬鈴薯)の中耕除草

ilixe48 / PIXTA(ピクスタ)

中耕・培土は多くの作物にとって生育や収量の向上につながる重要な作業です。作業適期を逃さず、作物やほ場の特徴に適した農機を導入して効率的に行いましょう。

大曾根三緒

大曾根三緒

ビジネス、ペット、美術関連など多分野の雑誌で編集者として携わる。 全国の農業協同組合の月刊誌で企画から取材執筆、校正まで携わり、農業経営にかかわるあらゆる記事を扱かった経験から、農業分野に詳しい。2019年からWebライターとして活動。経済、農業、教育分野からDIY、子育て情報など、さまざまなジャンルの記事を毎月10本以上執筆中。編集者として対象読者の異なるジャンルの記事を扱った経験を活かし、硬軟取り混ぜさまざまなタイプの記事を書き分けるのが得意。

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