高需要な「クリーン白米」にも対応! クボタの精米機「米伯楽」の特長と価格
農家が自ら精米をするニーズの高まりを受け、各メーカーからさまざまな機能を持つ精米機が販売されています。ここでは、購入を検討している方へ向けて、クボタの精米機「米伯楽」の特長や、購入を判断する際のポイントについてわかりやすく説明します。
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目次
米を販売する方法の選択肢が広がり、JAへの出荷以外にも販路を持つ米農家が増えてきました。そうなると必要になってくるのが精米機です。
そこで、精米機を選ぶ際のポイントを解説し、数ある精米機の中でもとりわけ使い勝手がよいと評判のクボタの精米機「米伯楽」を紹介します。
流通経路の多様化に伴い拡大する、自社精米のニーズ
freeangle/PIXTA(ピクスタ)
一般的な米の流通経路では、米は農家からJAに玄米のまま出荷されます。精米は精米工場で行われるため、全量をJAに出荷する場合は精米機を所持する必要はありません。
しかし、改正食糧法で米の流通が原則自由化されて以来、米農家が自由な販売ルートを持つケースが少しずつ増加しています。そうした中で、農家から直接、小売業者や消費者へ米を販売する例も増えてきました。
出典:農林水産省「米をめぐる関係資料 令和3年7月」よりminorasu編集部作成
出典:農林水産省「米をめぐる関係資料 令和3年7月」よりminorasu編集部作成
流通経路の多様化に伴って、米の売り方もさまざまに変化しています。
販売先によっては、一般的な精米だけではなく分搗き米や無洗米などを求められることもあるでしょう。
複数の販路に対して個別に対応する場合、毎回少量ずつ精米工場に持ち込むのは非効率です。そのため、販路の開拓や拡大をめざして、自社で精米できるように精米機を導入する農家も増えています。
消費者の米に対するニーズも多様化している今、精米機は米農家にとって重要なアイテムになりつつあります。
あったほうがよい機能は? 精米機の役割と選び方
これまで玄米でしか出荷していなかった米農家の方は、精米機のしくみをよく知らないかもしれません。ひと言でいえば、「玄米からぬかと胚芽を取り除くための機械」が精米機です。
りんご / PIXTA(ピクスタ)
現在主流となっている精米方法には「摩擦精米」と「研削精米」の2種類があります。どちらも基本的なしくみはほぼ同じで、精米機に投入されたお米が筒状の「ロール」部分を回転しながら進むうちにぬかや胚芽が取り除かれます。
摩擦精米は、米粒同士の摩擦によって研削して精米します。対して研削精米は、ロールの内側を金剛砂などの硬い鉱物で覆っており、それによって米を研削する方式です。
基本的には、研削精米は深く削れるため酒米の精米に適し、主食用の米のためには摩擦精米が向いています。
各メーカーから販売されている業務用精米機には、ぬかを取り除くだけでなく、精米白度を細かく設定することや、胴割れを防ぎ食味を損なわない低温精米機能を備えたもの、加えて歩留まりを高くするために米にかかる圧力を抑えられるものなど、こだわりの性能を持つものも多くあります。
精米出荷では、手がかかっている分、玄米よりも高い価格で販売できます。より高性能な精米機を使うことで、米の持つうまみを最大限に引き出せるため、販売時に「精米へのこだわり」といった付加価値をつけることにもつながります。
ただし、機能が多ければ価格も高くなるので、売り先や販売方法と併せて考え、使用目的に合ったものを選びましょう。
また、生産・販売量にあった処理能力の製品を選ぶことも重要なポイントです。
例えば「JAに出荷しなかった残りを直接販売する」などの用途を見込んで手頃な精米機を求めるなら、処理能力が1時間当たり160kg前後のもので十分だと考えられます。
逆に本格的に自社精米・直接販売を行うなら処理能力が1時間当たり300kg以上のものを選んだほうがよいでしょう。
長兵衛 / PIXTA(ピクスタ)
米農家におすすめ! クボタの業務用縦型精米機「米伯楽」3つの特長
最近は業務用精米機にも高性能で導入しやすい機種が多く出ています。
クボタといえば、重厚な農機メーカーというイメージが強いかもしれませんが、比較的小規模のスリムな精米機も販売しています。
ここでは、株式会社クボタの手頃な業務用縦型精米機「米伯楽(VM-30C/VM-30N)」を取り上げて紹介します。
それでは、農機具メーカーとして米の栽培にも深く関わるクボタの米伯楽について、具体的な特長を3つ解説します。
白度設定は16段階。ニーズの高い“クリーン白米”にも対応
たかきち / PIXTA(ピクスタ)
米伯楽は普通の上白米まで精米できるVM-30Nと、人気のクリーン白米も精米できるVM-30Cの2種類のモデルがあります。
クリーン白米とは、無洗米基準である濁度40ppm以下で、ぬか切れのよさが特長の白米です。軽く洗うだけで炊飯に移れるため、ニーズが高まっています。
VM-30Cでは、このクリーン白米だけでも5段階の白度を調整できるので、標準の11段階と合わせて16段階の調整が可能です。
VM-30Nはクリーン白米には対応していませんが、上白米までの白度設定が同じく16段階あり、健康志向の消費者に人気が高い「分づき米」にもきめ細やかな対応ができます。
複数品種の販売もOK! 縦型構造だから、残留米が出にくい
いずれのモデルも、クボタ独自の白度コントロール機構によって電源電圧に影響されず、ムラのない安定した白度で精米できるため、販売時の付加価値にもなり得るでしょう。
複数品種の米を精米して販売する場合、残留米(残米)が出るタイプの精米機だと、精米機内の残留米が次の精米に混ざってしまうというデメリットがあります。
米伯楽は残留米の出にくい縦型精米機のため、複数品種の栽培・販売を考えている米農家に特におすすめです。
また、処理能力は1時間当たり160~180kgと手頃なので、品種や白度の異なる精米を少量ずつ販売する場合に向いています。
高いメンテナンス性。万が一のときにも部品の長期供給が期待できる
米伯楽のもう1つの特長はメンテナンス性の高さです。点検や掃除がしやすいように、ホッパーや前扉が工具なしでも簡単に開けられるのはとても便利です。
ホッパーや前扉が開いているときには機械が動かないしくみで、安全性にも配慮されています。
付属部品や修理用部品が手に入りやすい点もクボタ製品の特長です。万が一、長年使った機械に故障などのトラブルがあっても、必要な部品の長期供給により手に入る可能性が高く、修理して長く使い続けられる強みがあります。
新品・中古の値段はいくら? 「米伯楽」の販売価格目安
新品の米伯楽(VM-30C)は、サイクロンボックス付きでメーカー希望小売価格1,078,000円(税込み)です。
クリーン精米機能などが付かない廉価モデル(VM-30N/NB)は、本体のみで税込み682,000円、ぬか箱付きで税込み737,000円で購入できます。カタログには石ぬき機ユニットや選別機ユニット、その他オプション品の価格も明記してあるので予算も立てやすいでしょう。
VM-30CおよびVM-30Nの中古販売価格は、状態や需給バランスによって変化しますが、故障しておらず使用可能なVM-30Cで15万~30万円程が大まかな目安です。
精米機は、米の流通経路の多様化や直接販売の増加に伴って需要が伸びています。各メーカーもそれに応えて多様な製品を開発しています。
color /PIXTA(ピクスタ)
この記事では、比較的少量で多品種を扱う場合におすすめのクボタの米伯楽を紹介しました。廉価モデル・クリーン白米対応モデルや各種オプション品などがあり、機能に違いがあるため、目的や予算に合わせて最適な製品を選びましょう。
クボタといえば、重厚な農機メーカーというイメージが強いかもしれませんが、比較的小規模のスリムな精米機も販売しています。
それでは、農機具メーカーとして米の栽培にも深く関わるクボタの米伯楽について、具体的な特長を3つ解説します。
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大曾根三緒
ビジネス、ペット、美術関連など多分野の雑誌で編集者として携わる。 全国の農業協同組合の月刊誌で企画から取材執筆、校正まで携わり、農業経営にかかわるあらゆる記事を扱かった経験から、農業分野に詳しい。2019年からWebライターとして活動。経済、農業、教育分野からDIY、子育て情報など、さまざまなジャンルの記事を毎月10本以上執筆中。編集者として対象読者の異なるジャンルの記事を扱った経験を活かし、硬軟取り混ぜさまざまなタイプの記事を書き分けるのが得意。