【2021年度最新】就農フェアは新規就農の第一歩!主要イベントの概要や日程
最近ではインターネットで多くの農業求人が見つかりますが、新規就農者としてはもっと詳しい情報を知りたいというケースも少なくないでしょう。そのようなときにおすすめなのが、全国各地で行われている就農フェアへの参加です。この記事では新規就農を検討している方に向けて、就農フェアの概要を解説します。
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就活や転職活動はオンラインで行うことが一般的になり、特定業界を専門に扱うものもあります。農業の世界でも農業専門の求人サイトやアプリが登場しています。
しかし、これから初めて農業の世界に飛び込もうとする人の中には、やはり現場の生の声を聴く機会が欲しいと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、就農に役立つさまざまな情報を得られる就農フェアのメリットや概要を紹介します。
就農フェアとは? 参加のメリット
クリモト / PIXTA(ピクスタ)
就農フェアは、農業を仕事にしたい人たちが、就農に役立つ情報を集めるために参加するイベントです。一般企業に就職をめざす人が参加する合同企業説明会をイメージするとわかりやすいでしょう。
基本的には、就農したい人が、求人を行っている農家・農業法人や地域農業の担い手を探す自治体と直接話をして相互理解を深めるための場です。さまざまな疑問に答えてくれる相談コーナーなどを設けているフェアもあります。
まずは、新規就農を志している人が就農フェアに参加することで得られるメリットを詳しく解説します。
就農に役立つ情報をまとめて収集できる
就農フェアに参加するのは、従業員や研修生を募集している農業法人だけではありません。地域農業の担い手となる人材を探している自治体や就農支援機関など、農業に関わる幅広い団体が参加しています。
そのため、自分に合った就農先を探すだけでなく、就農に関わる国の補助金・助成金や自治体独自の就農サポート、独立支援などの情報を入手することも可能です。
通常、求人に関する情報は求人元の農家や農業法人へ、就農サポートや独立支援などの制度については自治体や専門機関へそれぞれ相談しなければなりません。
就農フェアは、就農を検討するために必要な情報を一度に幅広く得られるよい機会です。
先輩農家から直接話を聞ける
クリモト / PIXTA(ピクスタ)
就農フェアの大きなメリットとして挙げられるのが、「農家の生の声を聴ける」という点です。就農フェアではブースを出展している農家・農業法人の担当者から直接話を聞けるほか、先輩農家によるセミナーや講演会が行われていることがあります。
現場の雰囲気を肌で感じることで、自分が就農に抱いていたイメージと実際の現場とのギャップを埋める機会になり得ます。
インターネット上にも就農した人の声を紹介しているサイトはありますが、農業の現場の雰囲気や農家の生活の実際は直接話を聞かないとわからない部分もあります。セミナーや講演会が開催されている場合はぜひ参加してみましょう。
その場で就農の相談ができる
実家や近しい親族が農家であれば、就農について、まずは両親や親族に相談することができます。また、実家や親族への相談を起点に自治体や就農支援機関につながることもあるでしょう。
しかし、農業と接点がない場合、就農に関する相談を誰にしたらいいかわからないという人も多いのではないでしょうか。
就農フェアなら農業に関心がある人から具体的に就農先を探したい人、将来の独立を考えている人まで、どのような立場の人でも気軽に相談できる体制が整えられています。
例えば、まだ「農業に少し関心がある」程度の人であれば、まずはセミナーや農家・農業法人のブースで先輩農家に具体的な話しを聞いてイメージをつかむだけでもよいでしょう。
すでに具体的な展望があり、将来的な独立を考えている人は独立就農支援を目的としたブースで相談することもできます。
その場で自分の状況にあった具体的な相談ができる点は、オンライン求人サイトにはないメリットです。
就農を考えている人と情報交換できる
studiolaut / PIXTA(ピクスタ)
就農フェアに参加しているのは、就農を選択肢の1つに入れている人がほとんどです。そのため、就農に関して不安や悩みを感じている人は、同じような気持ちを抱えている人と出会えるチャンスでもあります。
就農フェアで新しく交友関係を築き、お互いの悩みを相談したり、就農に役立つ情報を共有したりすれば、新たな知見を得られることもあるでしょう。
また、就農フェアで築いた交友関係は、後に自分が独立したときの農家仲間になるかもしれません。農家・農業法人の担当者や先輩農家へ相談するだけでなく、可能であれば同じように参加している人に声をかけてみるとよいでしょう。
【2021年度】就農フェアの概要と日程
makaron* / PIXTA(ピクスタ)
就農フェアにはさまざまな農家・農業法人や関係団体が参加しているので、日頃から農業に関する情報収集が満足にできていないと感じている人ほど大きなメリットを得られるでしょう。
ここからは実際に開催されている3つの就農フェアの概要と記事執筆時点(2021年12月時点)でわかっているスケジュールについて紹介しますので、参加について前向きに検討してみてください。
新・農業人フェア
「新・農業人フェア」ホームぺージ
出典:株式会社PR TIMES(株式会社カヤック ニュースリリース 2021年6月23日)
法人全国農業会議所や株式会社日本政策金融公庫など、公的な関わりが強い機関が多く名を連ねています。
来場者のニーズに合わせたイベントを開催している点が特徴で、具体的には農業未経験者から独立希望者まで幅広い情報が収集できる「農業EXPO」、農業法人が中心となって農業へ就職および転職をめざす学生や社会人をターゲットにした「農業就職・転職LIVE」があります。
まず手始めに農業に関する知識を深めたい場合は農業EXPO、農業を就職先として前向きに考えている場合は農業就職・転職LIVEに参加するとよいでしょう。農業EXPOはファミリーでの参加も可能なので、気軽に利用できます。
なお、2021年に開催されたイベントでは、新型コロナウイルス感染防止策の一環として、入場は原則予約制となりました。もし入場制限で予約できなかった場合は、主催者が独自に配信している「Remobiz(リモビズ)」でオンライン面談を受けたり、ライブ配信を見たりすることもできます。
「Remobiz(リモビズ)」の画面
出典:株式会社PR TIMES(株式会社カヤック ニュースリリース 2021年6月23日)
今後の開催予定は、新・農業人フェアのホームぺージをご確認ください。
2021年度は、6月から2月まで8回、農業EXPOと農業就職・転職LIVEが交互に予定されました。
年度内には、2022年1月29日(土)の農業EXPO(東京開催・池袋サンシャインシティ)、2022年2月26日(土)農業就職・転職LIVE(東京開催・TKPガーデンシティPREMIUM池袋)が開催予定です。
マイナビ農林水産FEST
「マイナビ農林水産FEST(旧・就農FEST、株式会社マイナビ)」は、「自然と生きる。自然と働く」をコンセプトに、農業だけでなく林業や水産業も含めた一次産業全体の就職および転職を支援するイベントです。
先輩農家や自治体が参加しているので実際の仕事内容はもちろん、農業の現場で働くまでの具体的な流れを聞くこともできます。事前予約は必要ですが、入場無料かつ服装も自由なうえ個別相談にも対応しているので、気軽に訪れてみるとよいでしょう。
当日来場できない人のためにWEB就農座談会や農業法人および自治体、就職支援機関による動画をオンラインで無料視聴できるように配慮されているので、都合が合わない方はそちらの利用も検討してみてください。
一次産業に特化した求人サイト「マイナビ農林水産ジョブアス」
出典:株式会社PR TIMES(株式会社マイナビ ニュースリリース 2021年10月20日)
今後の開催予定は、マイナビ農林水産FESTのホームぺージ内「イベント日程・会場・出展企業のご紹介」をご覧ください。
2021年は、新宿・大阪を中心に9都市で27回開催されました。2022年の2月・3月の開催予定は以下の通りです(2021年12月)
2022年2月13日(日)福岡
2022年2月26日(土)大阪
2022年3月5日(土)新宿
2022年3月12日(土)名古屋
食品・農業就活サミット
農林水産業を中心とした求人を掲載している「農業ジョブ(株式会社シンクロ・フード)」が主催する新卒者向けの合同企業説明会です。
2021年2月に開催された際には、農業だけでなく食品やアグリビジネスを展開する企業も参加し、合計72社が出展しました。
このイベントは合同企業説明会だけあって、一般企業が出展する合同就職説明会に近いイメージで、主にそれぞれの企業の詳しい説明を受けられるのが魅力です。
ブースによっては代表者や採用担当者と直接コミュニケーションを取れることもあるので、新卒で農業関係への就職を具体的に検討している人に特に向いています。
また、国会議員や農業ジャーナリストが参加する豪華な特別講演や業界研究セミナーも実施しており、ここでしか得られない貴重な情報も多くあります。
2022年(2023年春卒業予定の人対象)は、2022年2月26日(土曜日)に東京国際フォーラムで開催予定です。
最新の開催概要は、農業ジョブ内のこちらのページをご覧ください。
kawamura_lucy / PIXTA(ピクスタ)
各都道府県でも就農フェアが開催されている
ここまで、全国を対象とした大規模な就農フェアを紹介してきましたが、自治体によっては独自に県内の農家・農業法人が出展する大規模な就農フェアを行っているケースもあります。
その地域の先輩農家や農業関係者に直接相談できるコーナーもあり、地域内で就農したい人は有意義な情報を得られるでしょう。
また、東京や大阪など、大都市圏で就農フェアを実施している自治体もあります。地方への移住を前提とした就農に興味を持っている人は、参加してみるのもよいのではないでしょうか。
また、大規模な就農フェアが開催されていない場合でも、オンラインで就農相談を受け付けている場合もあります。就農したい具体的な地域が決まっている場合は、自治体のホームページなどをチェックしてみるとよいでしょう。
こぷ / PIXTA(ピクスタ)
就農フェアに参加することで、インターネットでは聞けない現場の生の声を聞くことができます。農家・農業法人の経営者や採用担当者から得られる知識は、新規就農を検討している人にとって有用な判断材料になるでしょう。
大規模な就農フェアは全国各地で開催されているので、農業への知識が十分でないと感じる方は気軽に参加してみてはいかがでしょうか。就農に関する幅広い情報を手に入れて、自分に合った働き方を探してみてください。
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中原尚樹
4年生大学を卒業後、農業関係の団体職員として11年勤務。主に施設栽培を担当し、果菜類や葉菜類、花き類など、農作物全般に携わった経験を持つ。2016年からは実家の不動産経営を引き継ぐ傍ら、webライターとして活動中。実務経験を活かして不動産に関する記事を中心に執筆。また、ファイナンシャルプランナー(AFP)の資格も所持しており、税金やライフスタイルといったジャンルの記事も得意にしている。