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【価格別】ネギ収穫機おすすめ3選!経営規模に合う“導入すべき機種”とは?

【価格別】ネギ収穫機おすすめ3選!経営規模に合う“導入すべき機種”とは?
出典 : 折茂宏明 / PIXTA(ピクスタ)

ネギは年間購入量が1.6kg前後で推移しており、安定した需要を見込める作物である一方、ネギ農家の現場では作業面での課題も見られます。本記事では、ネギ収穫機がそれら課題に対しどう寄与しうるのかに加え、失敗しない収穫機選びのポイントや導入事例を紹介します。

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ネギ経営の省力化・効率化を図るうえで、ネギ収穫機の導入は不可欠な要素です。価格帯別の収穫機の機能や作業能率、選び方のポイントなどに加え、なぜ収穫機の導入が必要になるのかという背景と、収穫機を導入したことによるメリットを事例も交えながら解説していきます。

チェックポイントは? 農家向け「ネギ収穫機」の選び方

ネギの機械収穫

川村恵司 / PIXTA(ピクスタ)

ネギ栽培に欠かせないネギ収穫機は、安いものでも100万円前後から、高額なものでは400万円以上にもなる高価な農機です。また、収穫機が活躍するためには畝の高さや幅など、ネギの栽培方法との整合性も重要となります。

ここでは、実際に導入を検討するうえで押さえておきたい、収穫機選びに失敗しないためのチェックすべきポイントを紹介します。

経営規模に応じた処理能力を備えているか

収穫機の導入によってネギ経営の効率化をめざすなら、経営規模に応じた機能を持つ製品を選ぶことが重要です。ネギ収穫機は製品によって作業能率や搭載している機能が異なるため、「作業能率が農地の規模に合っているか」という点を十分にチェックしてください。

また、近年の担い手の高齢化や都市化に伴い、農地の集積や効率化の必要性は今後も高まると予想されます。

現時点ですでに農地が分散している場合には、トラックによる運搬などの必要性も出てくるでしょう。特に大型の収穫機を導入する場合、重量や全長によっては、運搬のために2tトラックのような大型車も必要となります。

このように、現在のネギ経営の実態に即した収穫機を選ぶことが、作業の機械化と効率化を図るうえで重要です。

価格・機能のバランスは許容範囲内か

ネギ収穫機の価格は、作業能率や搭載している機能によって大きく変動します。そのため、製品の選定に当たっては、予算を考慮したうえで価格と機能のバランスに着目することが大切です。

参考までに、主要な3製品をピックアップし、それぞれの価格を比較してみましょう。

ねぎ収穫機 主要3製品の価格

メーカー製品名製品コード価格(税込み)
松山株式会社トラクタ牽引式ねぎ収穫機NK1011,354,100円
ヤンマーホールディングス株式会社ねぎ収穫機HL102,926,000円
小橋工業株式会社自走式・全自動ねぎ収穫機SOFYHGX1004,587,000円

松山株式会社「ねぎ収穫機 NK101」所収「希望小売価格表」

ヤンマーホールディングス株式会社「ねぎ収穫機HL10 価格」

小橋工業株式会社「標準価格表」所収「コバシ農業機械 希望小売価格表2022年1月~2022年12月度版希望小売価格表 北海道版」「同 都道府県版」

上記3製品を比べてみると、価格帯は約150万円から400万円を超えるものまで大きな開きがあります。

価格は、収穫機が畝に入る際の角度調整機能や、畝に入って以降の車体が傾いた際にバランスを取る水平調整機能など、ネギを傷つけずに効率を上げる機能で変わってきます。

必要な機能を備えた機種の価格が、どうしても予算が合わない場合は、期間を決めて、現行製品に近い性能を持つよい状態の製品を探してみるのもよいでしょう。

価格帯別! 「ネギ収穫機」おすすめ3選

ここでは、前項で取り上げた3種のおすすめネギ収穫機について紹介します。各製品の価格やサイズ、機能、作業能率、特徴などをよく比較し、購入の参考にしてください。なお、これらの収穫機はいずれも畝1条に対応した製品です。

【~200万円】ニプロ「トラクタ牽引式ねぎ収穫機 NK101」

松山株式会社 Youtube公式チャンネル「NK101」

価格:1,354,100円(税込み)
全長:1,940mm
全幅:1,850mm(作業台展開時2,330mm)
全高:1,315mm
質量:360kg
作業能率:7~14時間/10a(畝間1m・効率70%)

製品ページ: 松山株式会社「ねぎ収穫機 NK101」

「NK101」は、松山株式会社の「NIPLO(ニプロ)」ブランドのネギ収穫機です。トラクター後部に装着して使用するタイプです。

コンベアによって運ばれてくるネギは、収穫機後部に設置された作業台へと運ばれます。作業者はトラクターのあとを追うように、作業台へ運ばれてくるネギの集束作業を行います。

リモコンが標準装備されており、トラクターを運転しながら収穫機の操作が可能です。

【~300万円】ヤンマー「ねぎ収穫機 HL10」

ヤンマーホールディングス株式会社 Youtube公式チャンネル「ヤンマーねぎ収穫機HL10」

価格:2,926,000円(税込み)
全長:2,880mm(作業時3,700mm)
全幅:1,325mm(作業時1,705mm)
全高:1,430mm(作業時1,485mm)
質量:624kg
作業能率:900分/10a(畝間1m・畝長さ50m)

製品ページ:ヤンマーホールディングス株式会社「ねぎ収穫機 HL10」

乗車して運転する自走式で、ネギの収穫から集束までの一連の作業を1工程で行えます。「HL1」は、同じく自走型の機種「HL1」からモデルチェンジされた機体です。

モデルチェンジに際して、2015年に茨城県で「HL1」を用いて行われた自走式ネギ収穫機の性能実証・評価試験で、生産者から聞かれた要望が一部反映されています。その1つが、水平システムで、畝の脇の溝の深さが異なる場合にも機体の傾きを調整する「片側車高調節装置」が採用されることとなりました。

出典:公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会「新稲作研究会 活動報告」(平成27年度 )所収「根深ネギにおける新型自走式収穫機の作業性能実証・評価」

このほかにも、収穫機後部でネギがきれいに整列し搬送されるようにするため補助搬送装置がされたほか、全長を短くし1tクラスのトラックに積載可能になった、収穫したネギの土落としの性能向上、といった改良点が見られます。

【400万円~】コバシ「自走式・全自動ねぎ収穫機SOFY(ソフィ) HGX100」

価格:4,587,000円(税込み)
全長:2,660mm(作業時4,390mm)
全幅:1,360mm
全高:1,530mm(作業時1,830mm)
質量:715kg
作業能率:畝間1m、畝長さ50m
  610分/10a(1名作業時)
  250分/10a(2名作業時)

製品ページ:小橋工業株式会社「自走式・自動ねぎ収穫機SOFY(ソフィ)」

前項のヤンマーと同様、乗車して運転する自走式で、集束までの一連の作業を行えるタイプの収穫機です。2名作業時の作業能率は10a当たり250分と短く、作業能率が高いことが特徴です。

収穫機の後部には収獲したネギとネット、空コンテナを同時に積載できるコンテナ台が備え付けられており、集束作業を終えたネギを積載したまま収穫を進められます。ネギを1ヵ所にまとめて下ろせる分、運搬にかかる負担と時間が軽減できます。

所得が大幅増?! ネギ農家が収穫機を導入すべき理由

ネギは、指定野菜の1つで年間通じて需要があり、作型によっては長期間出荷できます。しかし、収獲・調整の作業負担が大きく、だからこそ、収獲・調整の省力化が求められているといえるでしょう。

この項では、農家がネギ収穫機を導入するメリットを整理します。

ネギの収穫・調整は、栽培時に最も負担のかかる作業の1つ

農林水産省の「品目別経営統計」(2007年)によれば、白ネギ栽培では収穫・調整・出荷の作業にかかる労働時間が最も長く、農家にとって負担の大きい工程です。1戸当たり・40aの自営労働時間1,338時間のうち、収穫・調整・出荷の作業時間は877時間で66%を占めています。

白ネギ栽培 1戸当たり・40aの自営労働時間 1,338時間の作業別内訳

出典:農林水産省 農業経営統計調査 品目別経営統計「分析指標・労働時間(1戸当たり)」よりminorasu編集部作成

「畝を崩してネギを掘り取る」ところまでは、掘取機を使ったとしても、「掘り取ったネギを集めて作業場に運ぶ」「根の土を落とす」「集束する」といった作業を人手で行う場合、身体的負担が大きく、時間と人手がかかります。

ネギ農家として収益性向上をめざし、大規模化を図るには、掘り取り後の調整・出荷作業を効率化することが重要です。

ネギの収獲・調整作業(掘り取ったネギを作業場まで運び、土落としと皮むきをしたあと、集束する)

tamu1500 / PIXTA(ピクスタ)

大規模化で増収をめざすなら、ネギ収穫機の導入は必須

管理機やトラクターへ装着する「ネギ掘取機」は既に慣行となっています。しかし、掘り取り後に、ほ場に寝かせたネギを集めて作業場まで運び、土を落とし集束する作業は、依然として大きな負担となっています。


オプションで運搬台を装着すれば、集めたネギをまとめて作業場まで運ぶことができます。しかし、集める作業は人手で、調整作業は別途行わなくてはなりません。

掘取機で掘り取り後に、ほ場に寝かせたネギ

tamu1500 / PIXTA(ピクスタ)

一方、自走式のネギ収穫機は、掘り取りから調整までの一連の作業を1工程でまとめて行えることが、掘取機との大きな違いです。ネギを集めて運搬する作業と、最も時間がかかる調整作業の大幅な効率化を期待できます。

以下に、収穫機の導入による効率化の事例と実証試験の結果を紹介します。

20〜30a規模|収穫機の導入で作業時間を短縮

慣行のトラクター体系から収穫機を導入した20〜30aのネギ農家の下記事例では、朝から夕方4時頃までかかっていた収穫~集束の作業が半日で済むようになったこと、さらに屈む必要がないため腰への負担が軽くなったことが語られています。

出典:ヤンマーホールディングス株式会社「お客様事例紹介 長谷川 清様〈ねぎ収穫機HL1〉」

50a規模|械化作業体系の確立で叶える規模拡大

栃木県では、収穫機導入による省力化・効率化の検証を行った結果、10a・900mの収穫作業が、約33時間から約12時間に短縮できたことが報告されています。

この報告では、収穫期を導入して、収獲にかかる時間を手作業の1/2に削減した場合の経費(労賃+減価償却費)の試算もしています。

10a当たりでは、収穫機の減価償却費が増え、経費は増加しますが、規模を50aまで拡大できれば、10aと同等の経費で済むという試算結果となっています。ただし、規模拡大にあたっては人を雇い入れることを前提としています。

人的リソースを確保したうえで、収穫機の導入を含む機械化が、規模拡大の要件となるといえるでしょう。

出典:栃木県「新技術導入経営改善実証展示ほ」「令和元(2019)年度成果情報」の項 所収「ねぎの収穫機導入による省力化、効率化の実証」

100a以上の規模|人的リソース確保と機械化で、水田裏作の秋冬ネギの規模拡大

千葉県では、水田裏作のネギの作付規模を段階的に拡大していく経営モデルを策定しました。臨時雇用や作業委託といった外部の人的リソースの活用と機械化を段階的に取り入れながら、大規模化と所得向上を図る経営モデルです。

この経営モデルでは、まず、育苗・定植の作業委託と臨時雇用、調整機を導入して、ネギの作付面積を68aを140aまで増やしたうえで、収穫機を導入することを想定しています。

収穫機導入後は、水稲の作付面積を縮小し、さらにネギを共同施設へのコンテナ出荷に切替え、最終段階ではにネギの作付面積が278aとなっています。このときの農業所得は、水稲とあわせて1,000万円を超える試算になっています。

千葉県の水稲の裏作で秋冬ネギを栽培する場合の経営モデル

出典:千葉県「平成28年度試験研究成果普及情報課題一覧」「経営」の項所収「 ネギ経営において規模を段階的に拡大し所得向上を目指す経営モデル」よりminorasu編集部作成

栃木県と千葉県の試算からは、人的リソースを確保したうえで、収穫機を導入して機械化作業体系を確立することが、大規模化と所得向上に寄与することがわかります。

ネギの作付規模が20~30aでも、自走式のネギ収穫機を導入することで、作業時間を削減し、身体的な負担を軽減することができます。また、大規模化を図る場合は、人的リソースを確保したうえで、収穫機を導入することで所得向上が期待できます。

価格帯により異なる機能や作業能率を鑑み、現在の経営実態に即した収穫機を選ぶことが大切です。

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大森雄貴

大森雄貴

三重県伊賀市生まれ。京都を拠点に企業・団体の組織運営支援に携わった後、2020年に家業の米農家を継ぐためにUターン。現在は米農家とライターの二足の草鞋を履きつつ、人と自然が共に豊かになる未来を願いながら、耕作放棄地の再生、農家体験プログラムの実施、暮らしを大切にする経営支援などに取り組んでいる。

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