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F1種とは? 固定種との違いや品種の特徴、危険かどうかを解説

F1種とは? 固定種との違いや品種の特徴、危険かどうかを解説
出典 : MakZin - stock.adobe.com

現在の農業では、安定した品質を期待できるF1種の種苗が主流となっています。この記事では、異なる固定種を交配したF1種の特徴やメリット・デメリット、固定種との違いを紹介するとともに「F1種は危険?」といわれる背景についても解説します。

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F1種とは? 固定種との違い  

F!種のトマト「桃太郎」

yasu / PIXTA(ピクスタ)

F1種(Filial 1 hybrid)は、異なる固定種を両親に持つ一代目の雑種のことで、「雑種第一代」や「一代雑種」と呼ばれています。販売されている種子のパッケージには「〇〇交配」と表記されているのが一般的です。

F1種のように、形質の異なる系統を交配すると、顕性の形質だけが子世代に発現する「顕性の法則」と、親よりも優れた性質を示す「雑種強勢」という遺伝学的な現象が生じます。そのため、F1種は形質が均一で生育旺盛になるという特徴があります。さらに、収量や病害への耐性も向上するため、育種に幅広く活用されています。

F1種の親系統は、ある特性をもつ系統を選びだし、母本選抜を繰り返して作られています。ただし、孫の代以降の形質は一定にはなりません。

一方で、「F1種」に相対するのが「固定種」です。

固定種は、固定化した形質が親から子に、代々引き継がれる品種です。自然淘汰や優良な母本(採種用の株)の選抜を繰り返す人為的な淘汰によって、一定の形質が保たれています。

F1種の成り立ちと特徴

F1種の形質がよく揃う理由

F1種の形質がよく揃うのは、メンデルの法則のうち「顕性の法則」(優性の法則)と「分離の法則」が関係しています。

顕性の法則とは、対立する形質を持つ父親と母親を交配すると、子にはどちらか一方の形質だけが現れることを指します。この子世代に現れる形質を「顕性の形質」(優性)といい、隠れてしまう形質を「潜性の形質」(劣性)といいます。

分離の法則は、対立する形質を支配する遺伝子(対立遺伝子)は、子のそれぞれに排他的に分配されるというものです。

メンデルの法則とF1種

LuckySoul - stock.adobe.com

よく使われる例はメンデルが実際に実験に用いたエンドウで、種子の形と表面の特性を支配する遺伝子についてです。

一方の親が「種子が丸くて表面が滑らか」という形質でその遺伝子をP、もう一方の親は「種子が角張ってシワが寄っている」という形質でその遺伝子をpとします。さらに、遺伝子型はいずれもホモ接合でそれぞれPP、ppで、大文字のPの形質を顕性(優性)とします。

この親を掛け合わせると、分離の法則によって子世代の遺伝子型は全てヘテロ接合のPpとなり、顕性の法則によって、顕性であるPの形質が発現します。つまり、子世代は全て「種子が丸くて表面が滑らか」なエンドウになります。

F1種同士を掛けわせると形質がばらけてしまう理由

前述した通り、F1種同士を掛け合わせた孫世代の形質はばらけてしまいます。

先ほどの例でいうと、F1種の遺伝子型は全てヘテロ接合のPpです。このF1種同士を掛け合わせてできる孫世代の遺伝子型は、PP、Pp、pP、ppになります。そのため、「種子が丸くて表面が滑らか」なものが3、「種子が角張ってシワが寄っている」が1の割合で現れます。

メンデルの法則とF2世代

LuckySoul - stock.adobe.com

F1種が生育旺盛になる理由

メンデルの法則では、F1種の形質は親に依るものです。しかし、実際には親より優れた形質を示すことがあります。この現象を「雑種強勢」(ヘテロシス)といい、そのアルゴリズムはいまだ明確にされていません。

よく知られているのはとうもろこしの例で、20世紀初頭に、近親交配の度合いが低いほど生育が旺盛で収量が高まることが明らかにされています。

その後、雄性不稔を利用したF1種の作成手法が開発されたこともあり(後述)、雑種強勢を利用した育種がひろまりました。

F1種のメリット・デメリット

トマトの選果場 揃いのよいトマトの出荷

kurimama / PIXTA(ピクスタ)

F1種のメリットは、農家にとって栽培しやすい品種を選択でき、安定した品質と収量を確保できることです。

具体的には、形や食味、早晩性や耐寒性・耐暑性、多収性、病害への耐性などの特性持たせた品種がさまざまあるので、作型や実需先のニーズ、自園の病害発生の状況などにあわせて選択することができます。

長期的な栽培計画を立てやすくなり、農業経営の安定にも貢献するでしょう。

一方、デメリットとしては、種苗会社から種子を毎回購入しなくてはならないことが挙げられます。固定種を自家採種する場合に比べて種子にかかるコストが高くなる場合があります。

但し、自家採種には相応の負担がかかります。種子を購入するコストと自家採種する負担のバランスはどうか?、固定種としての付加価値があるか?、といった要素を勘案して判断することになるでしょう。

固定種のメリット・デメリット

玉ねぎの自家採種

kikisorasido / PIXTA(ピクスタ)

固定種のメリットは、自家採種が可能な点と、その地域で継承されてきた在来種の場合はブランド化が可能な点です。反面、F1種に比べると形質が揃いにくく、収量が少なくなることがデメリットといえるでしょう、

自家採種が可能な点はコスト上のメリットといえますが、自家採種には負担がかかることに留意してください。農家自身が自家採種するとなると、形質を維持するための母本選抜や交雑しにくい採種ほ場の確保など負担がかかります。そのため、固定種の種子も種苗会社などから購入するのが一般的です。

一方、近年では固定種のうち、その地域で長年受け継がれてきた在来種については、そのユニークさを活かし、ブランド化をめざす事例も増えてきました。例えば、京野菜として知られる、丸い形が特徴の加茂ナスや、根の先端が枝分かれするような形状の堀川ゴボウなどです。

これらの野菜はスーパーでよく見かける、細長いナスやまっすぐ伸びるゴボウとはまったく違う形をしています。しかし、それが「古くから受け継がれている地域独特の野菜である」という付加価値を生み出しています。

また、もともとその土地で栽培されていた在来種は地域の環境に合っており、栽培しやすいともいわれています。

京野菜

Katsu / PIXTA(ピクスタ)

F1種はなぜ「危険」と言われるのか? 誤解される理由

F1種は長年にわたって農業の現場で使用されてきましたが、近年では人体や環境に悪影響を及ぼすのではないかと懸念する声もあります。

また、一部では自社の収益のためにあえてF1種ばかりを取り扱う種苗会社が多いのではないかと考える人もいるようです。

人体や環境に悪影響を及ぼす? F1種取りと雄性不稔のしくみを知ろう

F1種のニンジン イメージ

ろじ / PIXTA(ピクスタ)

F1種の採種では、自家受粉による偶発的な受粉を避ける必要があります。そのため、母親系統の雄しべを取り除く「除雄」という方法や、アブラナ科の場合は自分の花粉を受粉しない性質(自家不和合性)を利用した方法が用いられてきました。

除雄や自家不和合性の検定は手作業で行われることが多く、採種コストを押し上げる一因となっていました。

そこで開発された手法が、花粉を作らない変異株を母親系統として用いることです。花粉を作らない遺伝的な性質を「雄性不稔」といいます。

▼雄性不稔のしくみについては、京都産業大学の総合生命科学部 生命資源環境学科 山岸博 教授が、わかりやすく解説しておられるので、興味のある方は是非ご覧ください。

京都産業大学「花粉を作らない雄性不稔のメカニズム—核とミトコンドリアの不思議な共生—」(サイエンス&テクノロジー VOL.17)

この雄性不稔という言葉から、健康や環境に害があるのではないかと懸念する人もいるようです。しかし、雄性不稔自体が自然界に起きている変異の1つであり、これらの懸念については言い過ぎ、あるいは根拠がないというのが一般的な評価のようです。

但し、遺伝子組み換えを利用した雄性不稔については議論が分かれるところではあります。

実際に、雄性不稔遺伝子や稔性回復遺伝子を組み込む技術を活用したF1種の育種技術が開発され、とうもろこしやセイヨウナタネで実用化されています。

日本では厳格な審査のうえで一部の品種の使用が承認されており、安全性は担保されているといえるのではないでしょうか。

また、野菜類の種子については、遺伝子組み換え技術を利用して育種されたものは流通していません。

▼承認状況の詳細は、農林水産省「カルタヘナ法に基づく生物多様性の保全に向けた取組」のページ所収の「カルタヘナ法に基づき第一種使用規程を承認した遺伝子組換え農作物一覧(作物別、承認順)」をご確認ください。

種苗会社による搾取?種子の生産過程を知ろう

誠文堂新光社は、種苗会社各社の登録品種がわかる「蔬菜の新品種」をおよそ3年ごとに発行してきた

誠文堂新光社は、種苗会社各社の登録品種がわかる「蔬菜の新品種」をおよそ3年ごとに発行してきた
株式会社PR TIMES(株式会社誠文堂新光社 プレスリリース 2019年11月26日)

F1種は自家採取できず、毎回種苗会社から種子を購入しなければなりません。先述した通り、孫世代以降になると形質が不揃いになるからです。

しかし、登録品種でなければF1種であっても自家採取が禁止されているわけではありません。

F1種はもともと「農家や消費者にとってメリットがあるから生まれたもの」です。F1種が身近になったことで農家は安定した品質の作物を効率的に出荷でき、消費者も見た目や味に優れた作物を、いつスーパーに行っても購入できるようになっています。

F1種の育種では、まず、特定の遺伝子を持った両親を探索して選び出し、選抜を繰り返して形質を固定化して親系統を作ります。

そして、この親系統をさまざまな組み合わせで交配し、栽培試験や採種試験を繰り返したうえで、製品化されていきます。販売する種子を生産する過程では、交雑が起きにくい採種ほ場を確保し、開花期を合わせるなどのきめ細かな管理が必要になります。

F1種の研究開発には作業量とコストがかかるのです。

自家採取ができないながらメリットの多いF1種を、相応の対価を支払って購入しているのといえるでしょう。

もちろん、農家にはF1種を使わずに固定種や在来種を使う選択肢もあります。

▼自家採種についてはこちらの記事もご覧ください。

F1種は固定種に比べて品質が安定しやすいことから、多くの農家で栽培されています。中にはF1種の健康リスクについて懸念する声もありますが、言い過ぎ、あるいは、根拠がないというのが一般的な評価です。

また、F1種が「一代雑種」であることから、種苗会社による搾取があるという声がありますが、F1種の研究・開発には相当な時間とコストがかかっており、正当な対価だといえるでしょう、

一方、近年では固定種の評価を見直す風潮もあり、その独自性を活かしてブランディングを図る事例もあります。

それぞれのメリット・デメリットを確認したうえで、地域の特性や消費者のニーズに応じた選択が必要といえるでしょう。

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中原尚樹

中原尚樹

4年生大学を卒業後、農業関係の団体職員として11年勤務。主に施設栽培を担当し、果菜類や葉菜類、花き類など、農作物全般に携わった経験を持つ。2016年からは実家の不動産経営を引き継ぐ傍ら、webライターとして活動中。実務経験を活かして不動産に関する記事を中心に執筆。また、ファイナンシャルプランナー(AFP)の資格も所持しており、税金やライフスタイルといったジャンルの記事も得意にしている。

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