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「経営所得安定対策(ゲタ・ナラシ)」の概要と加入申請の方法を簡単に解説

「経営所得安定対策(ゲタ・ナラシ)」の概要と加入申請の方法を簡単に解説
出典 : artswai /PIXTA(ピクスタ)

「経営所得安定対策」で交付金や支援を受けるには、対象者や対象農産物の基準を満たす必要があります。本記事では、対策ごとの概要や対象となる条件などについて解説します。

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農家は安全な食料を生産するという重要な役割を担っているにもかかわらず、その収入は天候や需給バランス、世界情勢などさまざまな要因によって不安定になりがちです。それを補い、安定的な農業経営に資するために、国はゲタ対策・ナラシ対策などを含む「経営所得安定対策」を実施しています。

経営所得安定対策とは? わかりやすく解説!

経営所得安定対策 ゲタ対策、ナラシ対策の概念図

出典:農林水産省「経営所得安定対策」所収「令和4年(2022年)版経営所得安定対策等の概要」よりminorasu編集部作成

「経営所得安定対策」とは、農業における経営所得の安定性を確保することを目的に、農林水産省が実施するさまざまな対策です。

農業を取り巻く環境や需給バランスは目まぐるしく変わっているため、経営所得安定対策も状況に合わせて見直しが重ねられています。2024年10月現在、経営所得安定対策には以下の5つの対策があります。

  1. 畑作物の直接支払交付金(ゲタ対策)
  2. 米・畑作物の収入減少影響緩和交付金(ナラシ対策)
  3. 水田活用の直接支払交付金
  4. 畑地化促進事業
  5. 畑作物産地形成促進事業、コメ新市場開拓等促進事業

出典:農林水産省「経営所得安定対策」所収「経営所得安定対策等の概要(令和6年(2024年)度版)」

これらの対策によって、日本の主食である米や外国産との価格差により国産が不利になりやすい麦・大豆・てん菜など戦略作物の経営所得を安定させることで、需要に応じた生産を促進します。

各対策の交付金や支援を受けるには、対象としての条件を満たし、交付申請書や営農計画書などを農政局に提出する必要があります。

経営所得安定対策の内容

水田活用 大豆 転作

yoshi /PIXTA(ピクスタ)

ここでは、先に挙げた5つの経営所得安定対策について、具体的な内容をご紹介します。また、2023年度から変更されたゲタ対策の交付単価の内容についても解説します。

※この章の出典は以下に基づいて記述しています。
農林水産省「経営所得安定対策」所収「経営所得安定対策等の概要(令和6年(2024年)度版)」
「畑作物の直接支払交付金(ゲタ対策)」「米・畑作物の収入減少影響緩和交付金(ナラシ対策) 」

畑作物の直接支払交付金(ゲタ対策)

海外よりも生産条件が不利な畑作物は、外国産に押されて生産費割れを起こす場合があります。それを補うため、対象となる作物の生産・販売を行う農家に対して交付金を給付する制度が、「畑作物の直接支払交付金」です。

農作物の販売収入にゲタをはかせて生産費割れを防ぐという意味から、「ゲタ対策」と呼ばれています。

交付金の支払い方法は、「数量払」と「面積払」の2種類が用意されています。

数量払は、生産量と品質区分に応じて算出される支払い方法です。面積払いでは数量払いの先払いとして、当年の作付面積に応じて給付金が支払われます。

平均交付単価

対象作物小麦
(円/60kg)
二条大麦
(円/50kg)
六条大麦
(円/50kg)
はだか麦
(円/60kg)
大豆
(円/60kg)
てん菜
(円/t)
でん粉
原料用
ばれいしょ
(円/t)
そば
(円/45kg)
なたね
(円/60kg)
課税事業者 向け単価5,9305,8104,8508,6309,4305,07014,28016,7207,710
免税事業者 向け単価6,3406,1605,1509,1609,8405,29015,18017,5508,130

また、面積払を受けたあとに数量払いを受ける場合は、数量払の交付額から面積払の交付額が控除されます。

(1)畑作物の直接支払交付金(ゲタ対策)の対象者

ゲタ対策の交付対象者は、「認定農業者」「認定新規就農者」「集落営農」とされており、いずれも規模による要件はありません。

認定農業者ではない農家がゲタ対策への加入を希望する場合は、翌年産に向けて「農業経営改善計画」を作成して国や市町村などの認定庁に申請し、認定農業者になる必要があります。

新規就農者の場合は、「青年等就農計画」を作成して市町村に申請し、認定新規就農者になる必要があります。

集落営農として加入する場合は、「組織の規約を作成すること」「対象作物について共同販売経理を実施していること」という2つの要件を満たすことが条件です。具体的には、組織の規約を作成するとともに、集落営農の口座を設けて対象の農作物を組織名義で出荷し、販売代金は共同販売として経理処理をする体制を整えておきます。

畑作物の直接支払交付金(ゲタ対策)の対象農産物

ゲタ対策の対象作物は、麦・大豆・てん菜・でん粉原料用ジャガイモ(馬鈴薯)・そば・なたねです。

麦には小麦・二条大麦・六条大麦・はだか麦が含まれ、ビール用等麦芽の原料として使用される麦は対象外です。また、黒大豆や種子用の作物も対象外となっています。
てん菜・でん粉原料用ジャガイモ(馬鈴薯)は、北海道産で生産され、交付対象要件を満たすものが対象です。

(2)米・畑作物の収入減少影響緩和交付金(ナラシ対策)

米および畑作物を合わせた農業収入全体の減少による影響を緩和するための制度が、「米・畑作物の収入減少影響緩和交付金」です。農家の拠出を前提としたセーフティネットで、保険的な性質を持っています。

価格や収量が変動しやすく一定しない農業収入に対し、農家が積み立てた拠出金を備えておき、収入が大きく落ち込んだ場合に補てんすることで変動をならします。このため「ナラシ対策」と呼ばれます。

具体的には、対象農作物の「当年産収⼊額」が「標準的収⼊額」を下回った場合に、その差額の9割を補てんします。補てんの財源は農家の積立金と国が1:3の割合で担い、積立金の残額は翌年に繰り越されます。

補てん金は農業共済への加入を前提として減額調整されるため、ナラシ対策加入の際は農業共済にもセットで加入することが望まれます。

なお、経営所得安定対策のナラシ対策と類似の制度として、農業共済組合による「収入保険」の制度もあり、「ナラシ対策と農業共済」か「収入保険」のどちらか一方に加入できます。

▼「ナラシ対策と農業共済」と「収入保険」のどちらに加入すべきかについては、こちらの記事もご参考にしてください。

収入減少影響緩和交付金(ナラシ対策)の対象者

ナラシ対策の交付対象者は「認定農業者」「認定新規就農者」「集落営農」とされており、ゲタ対策の対象者と同様に規模要件はありません。また、各々の申請・加入についてもゲタ対策と同様です。

ただし、ナラシ対策では「その年の収入保険に加入していないこと」という条件が付されます。

収入減少影響緩和交付金(ナラシ対策)の対象農産物

ナラシ対策の対象農産物は、米および麦・大豆・てん菜・でん粉原料用ジャガイモ(馬鈴薯)です。

補てん対象となる米については、「農業者が事前に集出荷業者(JA等)と出荷契約を結んだもの等」とされているため、加入申請の際には「出荷・販売契約数量等報告書」の提出が必要です。

(3)水田活用の直接支払交付金

水田を活用し、食料自給率や自給力の向上が課題となっている麦や大豆、飼料用米、米粉用米などを転作作物として生産する農家を支援する制度が「水田活用の直接支払交付金」です。米余りを解消すると同時に、麦や大豆などの対象作物の自給率を上げることを目的としています。

この交付金には、以下の3つの支援が含まれます。

  • 戦略作物助成:水田を活用して対象作物を生産した農家に対し、作物ごとに設定された交付金を作付面積に応じて交付します。
  • 産地交付金:「水田収益力強化ビジョン」に基づいた、魅力的な産地づくりをめざす取り組みに対し、その地域を支援します。なお、「水田収益力強化ビジョン」とは、高収益作物を導入することなどで収益力を強化したり畑地化を含む水田の有効利用したりするなど、産地としての課題、対応などを明確にしたものです。
  • 都道府県連携型助成:水田転換作物を生産する農家を都道府県が独自に支援する場合、国が追加的に支援します。

水田活用の直接支払交付金の交付対象者は、販売を目的として、交付対象水田で対象作物を生産する販売農家や集落営農です。

(4)畑地化促進事業

水田の畑地化への円滑な移行を促し、畑作物の需要に応じた生産を促進するために、生産が安定するまでの一定期間の支援を行うとともに、畑作物の産地づくりに取り組む地域を支援するのが「畑地化促進事業」です。

この事業には「畑地化支援・定着促進支援」と「産地づくり体制構築等支援」の2つの支援があります。

畑地化支援では、水田を畑地化して高収益作物および畑作物の本作化に取り組むと、助成が受けられます。また、定着促進支援では、水田を畑地化して高収益作物や畑作物の定着等に取り組むと、5年間助成が受けられます。

産地づくり体制構築等支援では、畑作物の産地づくりに取り組む地域や畑作化に取り組むことを約束した農業者に対して、団地化やブロックローテーション体制構築のための調整費の支援および土地改良区の地区除外決済金などを支援します。

(5)畑作物産地形成促進事業、コメ新市場開拓等促進事業

需要拡大が期待される作物を生産する農業者へと転換するため、実需者との結びつきの下で、対象作物の低コスト生産などに取り組む農家を支援するのが「畑作物産地形成促進事業」と「コメ新市場開拓等促進事業」です。

「畑作物産地形成促進事業」は、産地・実需協働プランに参画する農家が、実需者ニーズに対応するための取り組みを行う場合に助成が受けられます。対象作物は、麦、大豆、高収益作物、子実用とうもろこしです。

「コメ新市場開拓等促進事業」は、産地・実需協働プランに参画する農家が、実需者ニーズに対応するための技術導入を行う場合に助成が受けられます。対象作物は、新市場開拓用米、加工用米、米粉用米です。

要注意! 令和5(2023)年度からのゲタ対策交付単価の変更点

ゲタ対策の交付金については、2023年産の畑作物から、交付単価が「免税事業者向け単価」と「課税事業者向け単価」の2種類に分かれています。

免税事業者向け単価のほうが、消費税負担分の金額が含まれる分だけ高額です。ただし、交付申請には2年前の確定申告書などを提出し、収入・売上が1,000万円以下であることを確認する必要があります。

確定申告をしていなかったり2年前の確定申告書類を紛失していたりするなど、免税事業者向け単価の適用要件を満たしていることが確認できない場合は、課税事業者向け単価が適用されます。具体的な単価については、以下の出典を参照してください。

出典:農林水産省「経営所得安定対策」所収「令和5年(2023年)産~7年(2025年)産 畑作物の直接支払交付金(ゲタ対策)の交付単価 」

経営所得安定対策の加入申請と交付までの流れ

小麦の新市場開拓 需要

yamoto kaoru / PIXTA(ピクスタ)

最後に、経営所得安定対策の交付手続きの流れを簡単に解説します。交付手続きの流れは次の通りです。なお、経営所得安定対策はオンライン申請(eMAFF)に対応しているため、パソコンやスマートフォンでも申請可能です。

  1. 交付申請に関する誓約事項・個人情報の取扱いを確認する
    交付申請書の作成に当たっては、重要事項を記載した「経営所得安定対策等交付金の交付申請に関する誓約事項」や「個人情報の取扱い」を確認してください。
  2. 交付申請書(表面)を記載する
    各交付金・事業について、申請をするかしないか、申請内容を記載します。また「環境と調和のとれた農業生産の実施状況に係る点検シート確認事項」および振込口座や個人情報の取り扱いについて確認します。
  3. 交付申請書(裏面)を記載する
    交付申請書の裏面は、ゲタ・ナラシ対策の申請者のみ記載します。ナラシの申請をする場合には、生産を予定している品目に面積などを記入します。ゲタの申請をする場合は、申請する単価を選択します。
  4. 交付申請書の添付書類を準備する
    交付対象者であることが確認できる書類(前年度と同様の場合は省略可)および、必要な場合のみ「経営所得安定対策等交付金振込口座届出書兼口座名義人に対する委任状」を添付します。
  5. 営農計画書を記載する
    ほ場ごとに作物別の作付面積や交付対象農地区分を記入します。ゲタ対策を申請する場合は、実際の作物ごとの作付面積の記入も必要です。また、水稲を作付けする人は、主食用などの用途別に、出荷・販売契約数量と生産予定面積を記入してください。
  6. 「交付申請書」「営農計画書」を提出する
    期日までに「交付申請書」「営農計画書」を市町村やJAなど最寄りの地域農業再生協議会、または地方農政局や県域拠点などに提出します。
  7. ナラシ対策の積立金を納付する
    ナラシ対策に加入される場合は、期日までに積立金を納付しなければなりません。
  8. 交付金が支給される
    申請が受理されれば、支援ごとに組まれたスケジュールに沿って、交付金が給付されます。交付を受ける際は、当年産の出荷・販売伝票の写しなど、対象作物ごとの出荷・販売状況がわかる書類と、農産物検査の結果がわかる書類が必要になるため、それぞれ準備しておいてください。

経営所得安定対策の交付手続きについて詳しくは、農林水産省「経営所得安定対策等の概要」をご覧ください。


経営所得安定対策は、農家の努力にかかわらず環境条件など外的要因により収入が安定しにくい農業経営を、安定的に継続させるために設けられた制度です。収入を安定させるための交付金だけでなく、新たな作物や事業への取り組みを支援する制度もあります。

経営基盤をしっかりと固め、さらなる収益の向上をめざすための活用をぜひ考えてみてください。

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大曾根三緒

大曾根三緒

ビジネス、ペット、美術関連など多分野の雑誌で編集者として携わる。 全国の農業協同組合の月刊誌で企画から取材執筆、校正まで携わり、農業経営にかかわるあらゆる記事を扱かった経験から、農業分野に詳しい。2019年からWebライターとして活動。経済、農業、教育分野からDIY、子育て情報など、さまざまなジャンルの記事を毎月10本以上執筆中。編集者として対象読者の異なるジャンルの記事を扱った経験を活かし、硬軟取り混ぜさまざまなタイプの記事を書き分けるのが得意。

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