全国初のJA DX⁉︎ 管内全域の収量アップを実現したJA北新潟(旧:JAにいがた岩船)の営農指導
高齢化が進む中、担い手への技術継承に悩むJA様は多いのではないでしょうか。JA北新潟では、ザルビオの一括導入をきっかけに、収量向上という目に見える効果と、若い営農指導員と農家とのつながりを造る効果を実感されています。実際に指導に当たった農指導員3氏に、営農指導の様子とその効果を伺いました。
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目次
JA北新潟(旧:JAにいがた岩船)の概要
左から時田さん、山田さん、近さん
撮影:minorasu編集部
JA北新潟(旧:JAにいがた岩船)の管轄する地域は、新潟県の北部にあります。荒川と三面川からの豊かな水、朝日連峰・飯豊連峰に囲まれた寒暖差のある気候がおいしいお米を生むといわれ、岩船産のコシヒカリは「岩船米」としてブランドを確立しています。
今回は、TACの山田さん、荒川地区担当の近さん、関川地区担当の時田さんにお話をうかがいました。
- 山田 薫さんプロフィール
- 役職:係長 TAC 荒川・関川地区担当
- 略歴:2006年 JA入組、営農指導歴11年、TAC歴6年
- 担い手訪問時に注力していること:TACとして、とにかく担い手との会話が重要だと思っているので、最新の営農情報は常に取り入れて訪問しています。
- 役職:係長 TAC 荒川・関川地区担当
- 近 直人さんプロフィール
- 役職:南部営農センター 営農指導員 荒川地区担当
- 略歴:2016年 JA入組、営農指導歴7年
- 担い手訪問時に注力していること:農家の収量と品質の向上を特に力を入れています。
- 役職:南部営農センター 営農指導員 荒川地区担当
- 時田 翔太さんプロフィール
- 役職:南部営農センター 営農指導員 関川地区担当
- 略歴:2013年 JA入会、営農指導歴13年
- 担い手訪問時に注力していること:生産者の収入向上に向けて頑張ります。
- 役職:南部営農センター 営農指導員 関川地区担当
【新しい発想】営農管理ツールを使って地域全体を底上げしたい
最先端の営農管理ツール「ザルビオ フィールドマネージャー」
画像提供:BASFジャパン株式会社
ザルビオの一括導入を始めとする「JAとしての新しい取り組み」はどこから生まれてくるのでしょうか。
━━━スマート農業を推進するにあたり、新たなシステムやアイディアはどこで見つけているのでしょうか。
山田さん:基本的には、先進的な取り組みをしている農家さんから教えていただきます。ザルビオは、上関ファームさんを訪問した際に代表の伊藤さんから「おもしろいものがあるよ」と声をかけていただき、初めて知りました。実際に見せてもらうと、これはすごいなと私自身も関心を持ちました。
━━━それがザルビオ導入の第1歩となったわけですね。
山田さん:はい。当初は私が担当しているTAC(Team for Agricultural Coordination)のみで推進しようと考えていました。ただ、ザルビオ導入について課長に提言した際、「こんなによいシステムなら管内全域で取り入れよう」という話になり、地域全体の底上げを目的にザルビオを一括導入することとなりました。
先進的な農家さんが利用しているシステムを、管内全体で活用していこうという流れになったのですね。
▼先進的な農家「上関ふぁーむ」の取り組みについては、こちらのインタビューをご覧ください。
【岩船の農業のために】若い営農指導員を早く育てたい!
高齢化とともに、1人の担い手が「担う」面積が増えていくという状況は、JA北新潟(旧:JAにいがた岩船)でも生じています。そのなかで農業への意欲自体が落ちていることに危機感を感じていたそうです。
地域農業の意欲低下を防ぎ、活性化するためには、若い指導員の早期育成が欠かせない要素だと捉えています。
━━━ザルビオの一括導入を決めた理由教えてください。広い管内で地区によっても、個々の農家さんによって抱えている課題はそれぞれですし、どのようにお考えになったのでしょうか?
山田さん:具体的な課題はそれぞれですが、全ての農家さんに共通する課題として意欲の低下が挙げられます。JAが開催する研修会や指導会の参加率は年々低下しているのですが、意欲の低下が原因だと考えています。
━━━「JAさんの言う収量だけ確保できていればいいかな」と考える方が多くなっているということでしょうか。
山田さん:そうだと思います。この状態を打開するには、きめ細やかかつ的確な指導をして、農家さん自身に「ここ改善してみようかな」と思ってもらう必要がありますね。
━━━農家さんの意欲を高めるためには、これまで以上に高度な指導が必要になるのですね。
山田さん:はい。例えば、生育期間中の葉色診断をよく依頼されるのですが、「自分では全てを見ることができないから、JAさんに何とかしてほしい」ということなんですね。
全てのところを巡回できるわけではないので、より困っているところから行くようにしたいのですが、中核的な指導員がやめてしまって、新人に担当せざるを得ない場所がでてきます。
ところが知見が未熟なうちは、年上のベテラン農家さんに新人が的確な指導をするのがなかなか難しいのです。
時田さん:私は、農業と関係ない分野からJAに入ったので、最初は全く分からなかったです。すぐに的確な指導をするのはかなり難しいと思います。
山田さん:営農指導員がちゃんと指導できるようになるまで、肌勘として5年くらいかかると思います。まず農家さんに顔を覚えてもらって、そこから信頼関係を築いていかなければならないので、長い期間を要します。
農業への意欲低下を防ぐためにも若い指導員の育成期間を短くしたいというのが喫緊の重要な課題です。
【岩船の農業のために】地区によって異なる課題にしっかり向き合う指導がしたい!
おいしいコシヒカリとしてブランドを確立している「岩船産コシヒカリ」。
画像提供:JA北新潟(旧:JAにいがた岩船)(公式Facebook 2022年10月4日)
一人前の営農指導員になるまで5年もかかるというお話がありました。これだけ長い期間を要するのは、一般的な農業の知識に加えて、地域特有の課題にもきめ細かく対応できる知見を蓄えなければならないからだそうです。
【荒川地区】砂地という条件のなかで、いかに肥料効率をあげていくのか?
村上市の最南端にある荒川地区は、砂質土壌でいかに肥料切れを起こさせない施肥管理をしていくかが大きな課題です。強風に耐える健苗づくりとともに、追肥のタイミングや量が指導のポイントとなっているそうです。
基盤整備事業で田の1枚の面積が大きく、スマート農業の導入効果があらわれやすいというポテンシャルがあることもよくわかります。
━━━同じJA北新潟(旧:JAにいがた岩船)の管区内でも、地区によって指導内容は変わるのでしょうか。
近さん:変わります。私が担当している荒川地区は、特に砂地が多いです。砂地は肥料が流出しすいので、肥料の量や種類、追肥のタイミングの適切な判断が非常に難しいです。肥料を適切に利用できるようになれば、収量や品質は向上していくと思います。
━━━肥料切れを起こしやすいことが一番の課題なのですね。
近さん:そうですね。それに加えて、田植えの後に「だしの風」という強風が吹く地域でもあるので、生育が停滞してしまうことがあります。風に負けない苗づくりが必要です。
━━━健苗というと、短苗に仕立てるといったことでしょうか?
近さん:健苗については規格があるのですが、いまだに「長くて大きい品種の方が元気に育つ」という概念を持っている農家さんが多いのが実際のところです。その中で小さい苗の方が元気がある、健苗だというものを推奨していくのが大事だと考えています。
━━━これからスマート農業を推進していくにあたり、ほ場一枚の面積が小さいとか、大きい農機が入らないなどの課題はありますか?
近さん:荒川地区は基盤整備が実施されたのが近年で、ほ場1枚当たりの面積は50aほどあります。1枚が10a、20aという地域より、作業の効率化やスマート農業の導入効果は出やすいと思います。
【関川地区】山間地の狭い田が多く、収量がどうしても上がらない!
ほ場の集約・大規模化が進んでいる荒川地区に対し、関川地区は、山間地・中山間地が多く、1米の田が小さく効率化が難しい地域です。
担当の時田さんが一番の課題と捉えているのは、米価が低落する中、なんとしても収量を上げる手を打たなければいけないという点です。
━━━時田さんが担当している関川地区も同じような課題を抱えているのでしょうか。
時田さん:共通する大きな課題は、高齢化率が高いことくらいかもしれません。関川地区は山間部に位置しているので、1枚当たりのほ場が小さく、効率が上がりにくいということがあります。
それよりも、もともと収量が上がりにくい土地柄でそこを解消していかないといけない。ずっとやってきて、それが一番の課題だと認識しています。
米価が高かった頃は収量が低くてもやっていけたのですが、米価が低下している現在は、どうしても収量を上げなければなりません。関川地区でいま最も必要なのは、収量の向上につながる施策を打つことです。
━━━関川地区は、収量の改善が急務ということですね。しばしば収量と品質はトレードオフの関係にあると言われますが、それでも収量を取っていかなければならないということですか?
時田さん:確かに、そのような考え方もありますが、一定のラインまでは収量と品質はリンクしています。関川地区では後期の栄養不足が、収量が上がらない大きな原因で、この後期の栄養不足が品質に悪影響を招いているということだと思います。逆にいえば、収量の問題を解決すれば品質もついてくるということですね。
ザルビオ導入インサイト【1】「全体が見える」ことで指導力がレベルアップ
JA北新潟(旧:JAにいがた岩船)の大きな課題の1つは「指導力の向上」です。ザルビオ導入は指導力向上にどのように寄与しているのでしょうか。
昨年、穂肥の営農指導からザルビオを導入しましたが、ザルビオのデータで客観的に示せるようになったことが指導の説得力を増しているといいます。
全国で初めてJAとしてザルビオ・フィールドマネージャーを導入したJA北新潟(旧:JAにいがた岩船)。その活用状況を視察したBASFアグロソリューション事業本部のリビオ・テデスキ氏は「ザルビオによってほ場の具体的な状況を把握しやすくなることで、多数のほ場を幅広く営農指導できる。JAの営農指導の高度化に貢献できてうれしい」とコメント。
画像提供:JA北新潟(旧:JAにいがた岩船)(公式Facebook 2023年8月1日)
━━━それぞれの地区に多くの課題があるのですね。いくつかの課題は的確な指導で解決可能だと伺いましたが、2023年にザルビオを導入して改善できたことはありましたか?
山田さん:ザルビオを管轄地域全体で導入するに当たって、一番強いところは、生育予測機能を使って経営全体の管理をするということだと認識しています。可変施肥機能の活用は、地域個別に対応していくことかなと。
時田さん:ザルビオは主に穂肥の少し前から活用し始めたのですが、ザルビオのマップを見せながら指導すると、これまで穂肥に否定的だった農家さんが話を聞いてくれるようになりました。
どの農家さんも、地力マップなどのデータを初めて見たときは「これ本当?」「当たっているの?」と半信半疑なのですが、実際に見ると「ちょっとそうかなと思っていた」とか「ここいつも生育が悪いと思っていた」と段々納得してくださる。
ほ場1枚の中のムラも見えるので「じゃあここに追肥してみましょうか」という話につなげられました。
━━━可視化されたデータを用いて説明することで、指導の説得力が増したのですね。
近さん:ほ場全体が見えるから説得力は高いですね。これまでほ場の状態を計る際にはSPAD(葉緑素計)を使っていました。ただしSPADだと、ほ場の中の1ヵ所の状態しか見られないので、結果は計測する場所に左右されてしまいます。
山田さん:SPADで計測する際には、営農指導員の感覚でほ場の平均的なところに入るのですが、農家さんが結果を気に入らなければ「もう一回計ってこい」って言われることもあります。ザルビオだとその心配がなくなりますね。
近さん:今まで勘や感覚に頼っていた部分をデータで判断できるようになっているので、指導のレベルは上がっていると思います。来年(2024年)は春からザルビオを使っていく予定ですが、タイミングがシビアな中干しを含めた全てのステージで活用していきたいと考えています。
ザルビオ導入インサイト【2】実際に収量が大幅アップ
JA北新潟(旧:JAにいがた岩船)では、2023年の穂肥の指導からザルビオを導入しました。その結果として実際に収量向上の効果が見えてきています。
━━━指導のレベルが上がったことで、収量や品質が向上したなどの成果はありましたか?
時田さん:ザルビオを積極的に活用した荒川・関川地区担い手(中心経営体)の2023年の実出荷数量は、2020年の122%となり、大幅な増収となりました。
出典:農林水産省 北陸農政局「令和3年産水稲の収穫量(北陸)」「令和4年産水稲の収穫量(北陸)」「令和5年産水稲の収穫量(北陸)」、JA北新潟(旧:JAにいがた岩船)提供データよりminorasu編集部作成
時田さん:実は2020年以降は気候や災害の影響で追肥指導の方向性が定まっていませんでした。2020年は高温の影響で追肥を推進した年だったのですが、2021年はその流れで多肥になり倒伏が多くなってしまいました。2022は水害の影響で指導どころではなく、十分な追肥を行えていませんでした。
そして2023年からは、ザルビオを活用して営農指導を行いました。2023年の作況指数は95で2020年以降の最低値を記録したにも関らず、ザルビオを積極的に活用した荒川・関川地区の担い手の出荷量が大幅に増えていますから、収量向上につながったということです。
━━━地域の平均収量と作況指数が低下している中で、ザルビオを活用した荒川・関川地区の担い手は収量を伸ばしたということですね。
時田さん:2023年から変えた点は、一発肥料の種類とザルビオ活用の2点です。個人的にはザルビオが大きかったのではないかと考えています。
これまではSPADを使っても、ほ場の一部の状態しかわかりませんでした。それが2023年からは、ザルビオの地力マップや生育マップを見れば全体がわかるようになりました。さらに、追肥の適期を判断できた点も、増収に寄与したのではないかと考えています。
━━━ほ場全体の状態と追肥の時期が適切に掴めたからこそ、収量が改善したのですね。
時田さん:そうですね。また、くず米が少なくなったことも、収量が増加した要因だと考えています。これまで荒川地区では、粒厚が1.9mmの米が最も多かったのですが、今年(2023年)は2.0mmとか2.1mmの米が最も多くなっていました。
2023年は夏に雨が降らなくて渇水状態になりましたから品質が悪くなるのは仕方がない。確かに心白が入ってしまったところもあります。
でも、生育ステージの丁度のポイントで穂肥ができたことで、くず米が少なくなって粒厚が厚くなり、収量向上という結果につながったと思います。
ザルビオ導入インサイト【3】ザルビオのマップが新人営農指導員とベテラン農家をつなぐ
新人の営農指導員が年上のベテラン農家さんから信頼してもらうには時間がかかるもの。実は、ザルビオ導入が、経験の浅い指導員と新人の営農指導員がつながるきっかけになるという意外な効果も生んでいます。
ザルビオの地力マップ・生育マップがベテラン農家さんの判断と合っていることが新人の営農指導員と農家さんをつなぐ契機になり、営農指導が実のあるものにするベースとなるのではないでしょうか。
━━━さきほど、生育マップ・地力マップを見せることで穂肥の指導の説得力が増したと聞きました。新人の指導員さんがベテラン農家さんに話を聞いてもらえるということもありますか?
山田さん:新人でもザルビオを使って指導すれば、早い段階で農家さんとの信頼関係を構築できるのではないかと考えています。
実際、新人の営農指導員に指導にきたとき、あまり話を聞いてもらえないことがあります。しかし、ザルビオの地力マップや生育マップを見せると、問題の箇所と原因がピンポイントでわかるので、それがきっかけで話ができるようになります。
そうなれば、営農指導の内容も聞いてもらえ、農家さんとの信頼関係も得られやすくなると思います。
すでに地力マップの精度を認めてくださっている農家さんも多くいるので、新人の営農指導員は「ザルビオの地力マップ、おおよそ当たっているね」から信頼を築いていければよいのではないかと考えています。
ザルビオ導入インサイト【4】高齢・小規模の農家さんが、「稲作にもう一度意欲を持つ」きっかけに!
━━━地力マップの精度を認めてくださっている農家さんが多いとのことですが、ザルビオのデータに対してどのような反応が多かったですか?
山田さん:実際にご覧になると衝撃的という感じではないでしょうか!
今まではSPADでピンポイントのデータしか見られなかったのが、ザルビオだとほ場全体のデータが一度に見られるので、衝撃的なのだと思います。特に小規模農家さんほど、興味を持ってデータを見てくださる方が多かった印象です。
ザルビオの生育マップ。荒川地区全体の生育状況を俯瞰できる。
画像提供:JA北新潟(旧:JAにいがた岩船)(公式Facebook 2023年8月1日)
━━━スマート農業というと大規模農家さんのほうが興味を持たれるかと思ったのですが、小規模農家さんのほうが反応は良かったのですね。
山田さん:おそらく、小規模になればなるほど、実際に自分の目で追えているほ場が多いからではないでしょうか。全てのほ場を熟知しているからこそ、ザルビオの正確性がわかるのだと思います。「結構当たっているから他も見せてよ」と言われることもありました。
━━━農家さん自身が培ってきた経験や勘が、実際にデジタルで証明されると農家さんご自身の自信にもつながりそうですね。
山田さん:個人的に、ザルビオのデータを見ることで、農家さんの意欲は向上していると思います。
近年、おそらく意欲の低下が原因で、農協が開催している研修会や指導会の参加率は年々減少しています。
ただ今回新たにザルビオを導入した結果、これまでしていなかった追肥をしたり、自分のほ場に興味を持ち直した農家さんが増えたという実感があります。
━━━ザルビオが、稲作にもう一度意欲を持つきっかけになったということですね。
山田さん:意欲的な農家さんが増えないと、岩船米を維持することも難しくなります。ザルビオの導入が農家さんのやる気につながってくれると嬉しいです。
大規模生産者も高齢の方も!営農指導員が一緒に取り組む地域に
━━━ザルビオを導入することで、収量や品質などの数値を改善しただけでなく、農家さんの意欲を引き出すことにもつながったのですね。今後はどのようにザルビオを活用していく予定ですか?
山田さん:まず、大規模な農家さんや法人化している農家さんは、自分たちでザルビオを積極的に活用している状態にしていきたいです。
基本的にはご自身で活用しながら、アドバイスを受けたいときは営農指導員に連絡していただくようなイメージです。実はこの取り組みはすでに進めていて、関川地区2,000haのうち300ha程度は有料ユーザーになる予定です。
━━━大規模で法人化されているようなところには、ご自身で積極的に活用してもらいたいということですね。小規模な農家さんはどうでしょうか?
山田さん:管内には、スマートフォンやPCを持っていない方もいます。そういった方は、JAで一括導入したザルビオを営農指導員と一緒に利用していければと考えています。
また、ザルビオを全てのグリーンセンターに配置できれば良いのではないかと考えています。実現すれば、生産者さんが来店した際に、生育状況に応じて最適な肥料や農薬を提案できるようになります。農家さんがより効率的に、楽しく農業ができるよう、ザルビオを活用していければと思っています。
岩船産米の検査風景。今後は、ザルビオ導入をきっかけに、指導力の向上とさらなる収量向上・品質向上が期待される
画像提供:JA北新潟(旧:JAにいがた岩船)(公式Facebook 2022年9月9日 )
今回は、全国で初めてJAとしてザルビオを一括導入された、JA北新潟(旧:JAにいがた岩船)に、ザルビオを活用した営農指導方法や、管内全域の収量改善に向けた取り組みを教えていただきました。
データの信頼性に加え、信頼している営農指導員が勧めるツールだからこそ、農家さんも安心してザルビオを利用できていることがわかりました。
その結果、地域の平均収量が落ちる中、担い手農家の大幅な増収を実現しました。これは、ザルビオのデータを有効活用したことに加え、真摯な営農指導があったからだと考えられます。
普段から築き上げた信頼関係を活かして、データに基づいた確実な農業を実行する。説得力のある活きた営農指導をすることで、地域農業の活性化につなげることができたのですね。
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minorasuをご覧いただきありがとうございます。
簡単なアンケートにご協力ください。(全1問)
あなたの農業に対しての関わり方を教えてください。
ご回答ありがとうございました。
お客様のご回答をminorasuのサービス向上のためにご利用させていただきます。
宇佐美匠也
高等専門学校を卒業後、国立大学の農学部に編入。化学・農学を専攻し、食の安全について学ぶ。学生時代には、十勝で2年にわたり農場でのアルバイトを経験。農作業の手伝いを通じて農業のリアルを知る。現在はライター・編集者として、主に食や農業分野の記事制作に携わる。AI開発会社やDXコンサルファームのWebメディア制作に携わった経験から、農業DXにも詳しい。