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【ほうれん草の害虫】種類と被害症状を一覧解説! 有効な農薬や防除対策は?

【ほうれん草の害虫】種類と被害症状を一覧解説! 有効な農薬や防除対策は?
出典 : HP埼玉の農作物病害虫写真集

ほうれん草の栽培では、重要害虫であるシロオビノメイガをはじめ、アブラムシ類やヨトウムシ類などの害虫が発生しやすいため、適切な防除対策が必要です。本記事では、ほうれん草に発生する主な害虫と、その防除対策・有効な農薬を写真付きで解説します。

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ほうれん草は、露地と施設栽培を組み合わせた周年栽培が可能です。どの作型や栽培方法においても、安定的な品質や収量を確保するためには、季節ごとの害虫防除が欠かせません。害虫の発生時期を把握して、予防対策や早期防除を行ってください。

【一覧】ほうれん草栽培で注意すべき主な害虫

ヒユ科のほうれん草は、一般的に害虫の被害を受けにくく、初心者にも栽培しやすいといわれます。とはいえ、ほうれん草を好む害虫もいるため、発生時期に合わせた防除対策が必要です。

ほうれん草に発生しやすい主な害虫には、ハスモンヨトウなどのヨトウムシ類やシロオビノメイガ、ホウレンソウケナガコナダニ、アブラムシ類、ネキリムシ類、アザミウマ類、タネバエなどが挙げられます。

特に春から夏にかけては多くの害虫が発生し、ヨトウムシ類やシロオビノメイガ、アブラムシ類は秋頃にも多発します。冬場も温かい施設栽培では、1年を通して害虫が発生するので注意が必要です。

なお、本記事で紹介する農薬はすべて、2024年4月現在、農薬登録情報提供システムでほうれん草に登録のあるものです。実際の使用に当たってはラベルの記載内容をよく読み、用法・用量を守って使用してください。また、地域に農薬の使用について決まりがある場合は必ず従ってください。

農薬の登録は、以下のサイトで確認できます。

農薬登録情報提供システム

ハスモンヨトウ(ヨトウムシ類):葉を食害、外観品質が著しく低下

ほうれん草 ハスモンヨトウ幼虫による被害葉

ほうれん草 ハスモンヨトウ幼虫による被害葉
写真提供:埼玉の農作物病害虫写真集

ハスモンヨトウは、ヨトウムシ類という夜行性の蛾の一種です。

ふ化直後の幼虫は頭部が黒っぽく、体は緑色で艶(つや)がありません。若齢幼虫の体色は緑色です。老齢幼虫の体色は暗褐色や灰緑色、黒色など多様で、体長は約40mmにもなります。

数十~数百個の塊の卵から産まれ、幼虫になると次第にほかの株に移って数頭から数十頭で行動します。

成長した幼虫は、日中は日陰や地際部などに隠れ、夜になると出てきて活動します。見つけにくいうえ、土中にいるため防除しにくい厄介な害虫です。

成虫は体長約15~20mmで、淡褐色の縞模様が斜めに交差しているのが特徴です。夜間に飛来し、葉裏などに数十~数百粒からなる卵塊を産み付けます。

広食性の虫で、キャベツ、白菜、ナス、トマト、ピーマン、ネギ、里芋、ニンジン、イチゴといった多くの作物に発生します。露地では5月頃から成虫が現れはじめ、8~10月頃にかけて多発します。

北日本よりも西日本で、より大きな被害が見られます。施設内では周年発生します。

ハスモンヨトウ(ヨトウムシ類)の被害の特徴・症状

幼虫は、はじめは集団で活動し、葉の裏から表皮を残して食害します。そのため、葉の表面からは食害された部分が透けて白っぽく見えます。成長とともに食害量が増え、葉は穴だらけでぼろぼろになります。

ハスモンヨトウの食害痕は、ほかのヨトウムシ類やシロオビノメイガと同様なので、それだけでは種類の特定が困難です。

(左)ハスモンヨトウの卵塊(右)ヨトウガの卵

(左)ハスモンヨトウの卵塊(右)ヨトウガの卵
写真提供:HP埼玉の農作物病害虫写真集

見分けるポイントは、ハスモンヨトウの卵塊は表面が成虫の薄茶色の鱗粉に覆われており、ヨトウガの卵は覆われていない点です。また、ハスモンヨトウの老齢幼虫は頭に2つの黒い紋があり、それによっても見分けられます。

シロオビノメイガとの見分け方は、幼齢の間、集団で活動していればハスモンヨトウ、単独で行動していればシロオビノメイガと区別できます。

ハスモンヨトウ(ヨトウムシ類)の防除対策と使える農薬例

施設栽培でのハスモンヨトウの防除対策は、開口部分を防虫ネットなどで覆う方法が基本です。夜間には黄色灯を点灯すると、交尾・産卵の阻害効果を発揮します。しかし、これだけでは侵入を許すことも多く、ほ場での繁殖を完全には防げません。

まずは、ほ場周囲の雑草を除草し、発生源を作らないことが重要です。ほ場ではこまめに葉裏をチェックし、卵塊や若齢幼虫の集団を見つけたら葉ごと取り除きます。

フェロモントラップなどを利用して成虫の発生をいち早くつかみ、農薬の効きやすい幼齢幼虫のうちに有効な農薬を散布することが重要です。

成長すると、薬剤感受性が低下して効果が出にくくなるうえ、分散して行動範囲が広がり、株元に潜むようになります。そのため、株元にかかるように農薬を散布しないと十分な効果が得られません。

多発すると、同時に各ステージの幼虫が混在するようになるため、5~10日おきの複数回散布が必要になります。

ハスモンヨトウに有効な農薬を3つ紹介します。

  • アファーム乳剤:エマメクチン安息香酸塩を有効成分とする。使用時期は収穫3日前まで。使用回数は2回以内。
  • カスケード乳剤:フルフェノクスロンを有効成分とする。使用時期は収穫3日前まで。使用回数は3回以内。
  • ディアナSC:スピネトラムを有効成分とする。使用時期は収穫前日まで。使用回数は2回以内。

いずれも決められた濃度に希釈して散布します。

シロオビノメイガ:露地栽培における葉の食害が深刻

シロオビノメイガ (左)老齢幼虫(右)成虫

シロオビノメイガ (左)老齢幼虫(右)成虫
写真提供:埼玉の農作物病害虫写真集

シロオビノメイガは蛾の一種で、幼虫が食害します。春から秋にかけて5~7回発生し、特に9月以降に被害が大きくなります。

成虫は体長20mmほどで、褐色の翅に、横にまっすぐ白い帯の模様が入っているのが、名前の由来にもなっている特徴です。老齢幼虫は体長が約20mm、体色は緑色でツヤがあり、幼齢の頃から単独で行動します。

シロオビノメイガの被害の特徴・症状

シロオビノメイガ 幼虫による被害葉 表皮だけが白く残っている

シロオビノメイガ 幼虫による被害葉 表皮だけが白く残っている
写真提供:埼玉の農作物病害虫写真集

シロオビノメイガの幼虫による食害痕は、初期には葉の表面の皮だけが残って白く見え、ハスモンヨトウなどのヨトウムシ類による被害に似ています。

成長すると、糸を吐いて葉をつづり合わせながらその中に生息し、食害します。

シロオビノメイガの防除対策と使える農薬例

シロオビノメイガの幼虫は、イヌビユやアカザなどヒユ科の雑草を好みます。これらの雑草が発生源となることが多いため、ほ場近隣の除草を徹底しましょう。

施設栽培の場合はシロオビノメイガの成虫を侵入させないよう、開口部分に防除ネットを張ります。

食害痕が見られた場合は、ハスモンヨトウなどとしっかり見分け、シロオビノメイガであることが確認できたら有効な農薬を散布しましょう。

シロオビノメイガに有効な農薬を3つ紹介します。

  • スピノエース顆粒水和剤:スピノサドを有効成分とする。使用時期は収穫前日まで。使用回数は2回以内。
  • カスケード乳剤:ハスモンヨトウと同時防除が可能。使用時期は収穫3日前まで。使用回数は2回以内。
  • ディアナSC:ハスモンヨトウと同時防除が可能。使用時期は収穫前日まで。使用回数は2回以内

ホウレンソウケナガコナダニ:奇形葉の原因となるコナダニ類

ほうれん草 ケナガコナダニによる奇形葉

写真提供:埼玉の農作物病害虫写真集

ホウレンソウケナガコナダニは体長0.3~0.7mmと、肉眼で見つけるのは困難なほど微小な害虫です。半透明の乳白色で、胴体の後部に長い毛が生えています。高温に弱いので夏場は密度が下がりますが、春と秋に多発し、施設栽培のほうれん草に深刻な被害をもたらします。

作物への被害が大きいダニといえばハダニ類が知られていますが、コナダニ類はハダニ類と異なる性質を持っています。

大きな違いは、コナダニには気門がないことです。そのため、ハダニ類を対象にした気門封鎖タイプの農薬は効果がありません。 また、ハダニは植物体上に寄生して生息しますが、コナダニは普段、土壌中の有機物に生息しています。

防除に当たってはこうした生態の違いに注意し、ハダニとは異なる対策を講じます。

ホウレンソウケナガコナダニの被害の特徴・症状

ホウレンソウケナガコナダニは、土壌中や有機質資材の中に生息し、わらやもみ殻などを主食とするダニです。

普段は土壌中に潜み、ほうれん草が植えられると地上に移動して新芽などを加害します。食害された新芽には穴が開き、展開すると葉が光沢を帯びて萎縮し奇形となります。

多発すると、新葉の展開が止まる「芯止まり」になることもあります。また、土壌中にホウレンソウケナガコナダニの密度が高いと、発芽障害を起こす恐れも生じます。

ホウレンソウケナガコナダニの防除対策と使える農薬例

ホウレンソウケナガコナダニは土壌中や有機質資材の中に生息するので、増殖源を増やさず、土壌中の密度を下げることが予防の基本です。

わらやもみ殻、家畜糞堆肥の未完熟な状態での投入は控え、腐熟の進んだ堆肥を利用するようにします。一度発生したほ場では、前作の残さは残さず取り除きましょう。

耕種的防除対策では、蒸気消毒や太陽熱による土壌消毒が有効です。ただし、土壌消毒から時間が経つと再び増殖するので、発生が予想される直前に行ってください。

農薬散布をする場合は、2葉期と4~6葉期に行うと効果的です。なお、ハダニ類に有効な「殺ダニ剤」では効果が低いので注意しましょう。

ホウレンソウケナガコナダニに有効な農薬を4つ紹介します。

  • フォース粒剤:播種前に全面土壌混和する。使用回数は1回。
  • コテツベイト:全面土壌散布する。使用時期は播種時〜収穫14日前まで。使用回数は1回。
  • カスケード乳剤:使用時期は生育期〜収穫3日前まで。使用回数は3回以内。
  • アファーム乳剤:使用時期は生育期〜収穫3日前まで。使用回数は2回以内。

効果を上げるためには、農薬散布と耕種的防除を組み合わせることがポイントです。

▼ホウレンソウケナガコナダニについて、詳しくは以下の記事も参照してください。

アブラムシ類:食害とウイルス病の媒介に注意

ほうれん草 ケナガコナダニによる奇形葉

写真提供:埼玉の農作物病害虫写真集

アブラムシ類は、国内だけでも非常に多くの種類がありますが、ほうれん草に寄生するのは主にモモアカアブラムシです。

名前が示すとおり赤褐色の個体のほか、緑~黄色がかった緑までさまざまな色の個体があり、体長は0.5~2mmです。葉裏などに集まって大きなコロニーを作ります。

卵を産まず直接幼虫を産むため、生育サイクルは短く、春から秋にかけて10回以上発生します。特に春と秋には多発するので、早めの防除が必要です。

アブラムシ類の被害の特徴・症状

アブラムシ類が多発し、モザイク病を併発したほうれん草

アブラムシ類が多発し、モザイク病を併発したほうれん草
写真提供:埼玉の農作物病害虫写真集

アブラシムは幼虫・成虫とも葉や茎から吸汁するので、多発するとほうれん草の生育が悪くなります。しかし、吸汁の被害よりも注意すべきは、排泄物によって発生する「すす病」や、アブラムシが媒介するウイルス病です。

ほうれん草では、主に「ホウレンソウえそ萎縮病」「モザイク病」などのウイルス病を媒介し、深刻な被害をもたらす場合があります。

アブラムシ類の防除対策と使える農薬例

アブラムシが増殖しないように、ほ場周囲の雑草の除草を徹底しましょう。施設栽培では1mm目程度以下の、目の細かい防虫ネットを使用すると効果的です。

発生を確認したら、個体数の少ないうちに農薬を散布します。アブラムシには多くの農薬がありますが、ほうれん草に登録のあるものを3つ紹介します。

  • マラソン乳剤:使用時期は収穫14日前まで。使用回数は4回以内。
  • アドマイヤーフロアブル:イミダクロプリドを有効成分とする。使用時期は収穫前日まで。使用回数は2回以内。
  • ウララDF:フロニカミドを有効成分とする。使用時期は収穫前日まで。使用回数は2回以内。

ネキリムシ類:生育初期の葉を食害、欠株の原因に

ネキリムシ類とは、生育初期の作物の葉を株元から切り取って食害する、ヤガ科に属する害虫の総称です。名前の由来は、被害株がまるで根を切り取られたように見えることからです。 主に、カブラヤガとタマナヤガの2種類が発生します。

広食性で、ほうれん草のほかにもさまざまな作物に被害を及ぼします。春から秋にかけて2~3回発生します。

老齢幼虫は暗褐色で、体長は40mm程度、ゴムのように弾力があるのが特徴です。幼虫は夜行性で、昼間は土の中に潜っているため発見が困難です。

ネキリムシ類の被害の特徴・症状

生育初期の苗や若い株の茎葉を株元から切り取って食害します。そのため、ほかの多くのイモムシのように、葉に食害の痕が残ることはなく、切り取られた葉は地面に落ち萎れます。

中齢の幼虫は食欲旺盛で、一晩で多くの若い苗が欠株となり、収益に深刻な影響を与えることもあります。 若い株だけを食害するので、株が大きくなるとネキリムシ類の被害は受けません。

ネキリムシ類の防除対策と使える農薬例

まずは、ほ場周囲の雑草を防除し、防虫ネットを張って成虫の飛来を防止します。産卵されても幼虫が発生しないように、播種時や苗の定植時に粒剤を施用するのも効果的です。


ネキリムシ類に有効な農薬を3つ紹介します。

  • ガードベイトA:合成ピレスロイドのペルメトリンを有効成分とする、ネキリムシ類の防除に特化した粒剤。生育初期に株元に散布します。 使用回数は2回以内。ミツバチに影響があるため、注意が必要です。
  • ネキリベイト:合成ピレスロイドのペルメトリンを有効成分とする、ネキリムシ類の防除に特化した粒剤。生育初期に株元に散布します。使用回数は2回以内。ミツバチに影響があるため、注意が必要です。
  • フォース粒剤:テフルトリンを有効成分とする。播種前に全面土壌混和します。 使用回数は1回。

▼ネキリムシ類の防除については、こちらの記事もご覧ください。

ミナミキイロアザミウマ(アザミウマ類):食害で外観に影響

ミナミキイロアザミウマ成虫(体長1mm)

ミナミキイロアザミウマ成虫(体長1mm)
写真提供:HP埼玉の農作物病害虫写真集

アザミウマ類は多くの作物に発生する代表的な広食性害虫ですが、その中でも、ほうれん草ではミナミキイロアザミウマがよく発生します。

ミナミキイロアザミウマの成虫は黄色で細長く、体長は約1mmです。幼虫は成虫よりも淡い黄色で、ウジ虫のような形をしており、体長は約0.5~1mmです。

春から秋にかけて7~8回発生し、特に5~6月と8~9月に多発します。

ミナミキイロアザミウマ(アザミウマ類)の被害の特徴・症状

ほうれん草 ミナミキイロアザミウマによる被害葉(葉表)

写真提供:埼玉の農作物病害虫写真集

ミナミキイロアザミウマは成虫・幼虫とも、やわらかい新葉を好んで吸汁します。それにより新葉が傷付いたり萎縮したり、一部がひきつって奇形葉になったりして、品質を損ないます。

大きな葉にはほとんど見られないので発見は困難ですが、新葉を開いてみると発見されます。

展開前の葉に寄生して、展開葉に被害が現れるため、ミナミキイロアザミウマが低密度でも被害が発生やすくなります。

ミナミキイロアザミウマ(アザミウマ類)の防除対策と使える農薬例

ミナミキイロアザミウマの防除の基本は、周辺の雑草の除草をこまめに行い、成虫の飛来を減らすことです。また多発する場合は、発生時期の前に施設開口部に防虫ネットを張って侵入を防ぎます。

発生が目立つ場合は、例えば以下の農薬を使用してください。

  • スピノエース顆粒水和剤:スピノサドが有効成分。使用時期は収穫前日まで。使用回数は2回以内。
  • パダンSG水溶剤:プロパン塩酸塩が有効成分。使用時期は収穫7日前まで。使用回数は2回以内。
  • アグロスリン乳剤:シペルメトリンが有効成分。ヨトウムシやアブラムシと同時防除できます。使用時期は収穫7日前まで。使用回数は5回以内。

▼アザミウマ類の防除については以下の記事も参照してください。

タネバエ:立枯れや発芽不良を引き起こす害虫

タネバエは、成虫の体長が5~6mmほどの小さなハエで、灰色や褐色などの個体があります。

春と秋に発生し、有機質肥料や未熟堆肥に誘引されて、ほ場や施設内に集まります。そして、湿り気のある土塊の間に卵を産み付けます。

幼虫は白いウジ虫で、土壌中に潜み有機物などを食べて成長します。幼虫は約2週間で蛹になり、さらに1~2週間で羽化しますが、それまでは地中にいるため発見が困難です。

タネバエの被害の特徴・症状

タネバエ老齢幼虫(体長5mm)

タネバエ老齢幼虫(体長5mm)
写真提供:埼玉の農作物病害虫写真集

幼虫は、基本的には土壌中の有機物などを食べますが、播種したばかりのやわらかい種子や幼苗の根、地際部も食害します。その結果、苗が不発芽や立枯れ症状を引き起こしたりします。

地中にいるため発見は困難ですが、不発芽や幼苗の立枯れが見られ、かつ株元にウジがいる場合は、タネバエが発生している可能性が高いといえます。

タネバエの防除対策と使える農薬例

タネバエの多発が予想される場合は、未熟堆肥や鶏糞など腐敗臭のする堆肥の投入を避けるとともに、前作の残渣はできるだけ取り除きます。堆肥を投入する場合は、播種の1ヵ月以上前に土壌にすき込むとよいでしょう。

タネバエが好む水分を多く含んだ土壌にしないよう、排水性に留意するなどの対策を行うと、防除効果が上がります。

前作までに被害に遭ったほ場では、播種時にイソキサチオンを有効成分とする「カルホス粉剤」や「ダイアジノン粒剤5」を用いて、1回防除します。どちらも土壌混和しますが、ダイアジノン粒剤5は土壌表面散布も可能です。

発芽直後のほうれん草

marosuke / PIXTA(ピクスタ)

ほうれん草は比較的害虫が発生しにくいとはいえ、特に生育初期には害虫被害に注意が必要です。

適切な堆肥の施用や周囲の除草など、栽培の基本を守れば防げるものも多いので、日頃から害虫が発生しにくい環境作りを心がけましょう。発生した場合の早期発見と早期防除も大切です。

この記事の主な参考文献:
ハスモンヨトウ:一般社団法人日本植物防疫協会「植物防疫 第73巻第8号 2019年8月号」所収「ヨトウムシ類の発生生態と防除(兵庫県立農林水産技術総合センター)」
ホウレンソウケナガコナダニ:愛知県「病害虫図鑑」所収「ホウレンソウケナガコナダニ」
タネバエ:岐阜県「病害虫図鑑」所収「ホウレンソウ タネバエについて」
タキイ種苗株式会社「野菜 病害虫・生理障害」掲載の各情報
アブラムシ類
ネキリムシ類
アザミウマ類

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大曾根三緒

大曾根三緒

ビジネス、ペット、美術関連など多分野の雑誌で編集者として携わる。 全国の農業協同組合の月刊誌で企画から取材執筆、校正まで携わり、農業経営にかかわるあらゆる記事を扱かった経験から、農業分野に詳しい。2019年からWebライターとして活動。経済、農業、教育分野からDIY、子育て情報など、さまざまなジャンルの記事を毎月10本以上執筆中。編集者として対象読者の異なるジャンルの記事を扱った経験を活かし、硬軟取り混ぜさまざまなタイプの記事を書き分けるのが得意。

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