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パワーアシストスーツで農作業の負担軽減! おすすめメーカー&導入価格目安

パワーアシストスーツで農作業の負担軽減! おすすめメーカー&導入価格目安
出典 : Ystudio / PIXTA(ピクスタ)・まめつん / PIXTA(ピクスタ)・Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)・tamu1500 / PIXTA(ピクスタ)

パワーアシストスーツは、農作業などの身体的負荷が大きい作業を実施する際に着用するアイテムです。小さな力で作業が行えるようになるため、人手不足で一人当たりの作業量が多いときや、年齢的に体力が衰えているときなどにも役立ちます。活用法やメーカー別の製品例について見ていきましょう。

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農作業などの身体的な負担が大きな作業を行うとき、パワーアシストスーツを着用することで負担を軽減できることがあります。また、作業効率が上がるため、農作業の時間を短縮することも可能です。メーカー別の製品や購入時に活用できる補助金制度について解説するので、ぜひ参考にしてください。

現代農業が抱える大きな課題「労働力不足」

農家の人口は年々減少し、労働力不足が問題になっています。実際に、2010年の農業就業人口は260.6万人でしたが、2015年には209.7万人、2019年には168.1万人と大幅に減少しています。

基幹的農業従事者数と65歳以上割合の推移

出典:農林水産省「農林業センサス」よりminorasu編集部作成

また、高齢化も現代の農業が抱える大きな問題です。ふだん仕事として主に自営農業に従事している「基幹的農業従事者の年齢構成を見ると、2010年の時点では65歳以上の人の割合は61.1%でしたが、2015年には64.9%、2019年には69.6%と年々高齢化が進んでいます。

今後も高齢化が進むと、農作業の担い手不足がより深刻になるでしょう。農業人口減少によって生じる影響について書かれた次の記事も、ぜひご覧ください。

課題解決の一手となる? 農業分野におけるパワーアシストスーツの活用

農業分野では、コンテナの上げ下ろしや腕を上げたままの作業などアシストスーツの活用が始まっている

Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)・まめつん / PIXTA(ピクスタ)・tamu1500 / PIXTA(ピクスタ)

パワーアシストスーツとは、モーターや人工筋肉などが内蔵されているアイテムのことです。着用することで荷重を分散でき、持ち上げや下ろす際に腕や腰などにかかる負荷を軽減します。

製品にもよりますが、例えば20kgのコンテナを持ち上げるときには、10~30%の力をパワーアシストスーツによって補助することが可能です。負荷が軽減されることで作業がスムーズに進み、作業時間の短縮も期待できるでしょう。

機能やメーカーによっても価格は異なります。例えば、腕に装着するパワーアシストスーツは2.5万~150万円、腰に装着するものは6万~12万円が相場です。さまざまなメーカーが農業分野に応用できるパワーアシストスーツを開発し、販売しています。

機能や価格は? ぜひ導入したい、メーカー別の製品例

具体的な製品を提示しながら、機能や価格について解説します。着用方法や軽減できる作業内容についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

【イノフィス】マッスルスーツ エブリィ

「マッスルスーツ エブリィ」を着用したイチゴの定植作業。中腰になる頻度が高い定植作業や収穫作業では身体負担が軽くなり、作業中の腰伸ばし動作の時間が大きく減少する

「マッスルスーツ エブリィ」を着用したイチゴの定植作業。中腰になる頻度が高い定植作業や収穫作業では身体負担が軽くなり、作業中の腰伸ばし動作の時間が大きく減少する
出典:株式会社PR TIMES(株式会社イノフィス ニュースリリース 2022年2月3日)

株式会社イノフィスの「マッスルスーツ エブリィ」は、空気の力を利用する人工筋肉を搭載したパワーアシストスーツです。電気やモーターなどは使われていないので、本体重量が3.8kgと軽く、一日中でも連続使用できるという特徴があります。水場や屋外の作業も可能です。

マッスルスーツ エブリィは、リュックサックのように背負ってベルトを締めるだけの着用方法なので、10秒もあれば簡単に装着できるでしょう。

マッスルスーツ エブリィには大腿部とパッドに隙間があって歩きやすい「ソフトフィット」と、かがんだ状態でも利用できる「タイトフィット」の2種類があります。

ソフトフィットは重いものを持ち運ぶ作業、例えば収穫作業や雪かきなどに適したタイプです。一方、タイトフィットは中腰で行う作業、例えば収穫物の仕分けなどに適しています。

株式会社イノフィス「製品について」

【イノフィス】マッスルスーツ エブリィの商品概要

【クボタ】クボタアシストスーツ ラクベスト

株式クボタ Youtube公式チャンネル「【ラクベスト】梨の摘蕾や花粉交配作業をしっかりアシスト!:三浦雅明さん」

株式会社クボタの「ラクベスト」は、腕を上げたままの作業をサポートするアシストスーツです。人間の腕は3~4kgほどの重量があるため、上げたままで作業をすると腕自体だけではなく、肩にも大きな負担がかかります。

ラクベストは肘を支えるので、腕や肩の負担を軽減することが可能です。ブドウや梨などの棚上げ作業など、長時間腕を上げる作業をするときに活躍するでしょう。また、リュックサック感覚で装着するタイプなので、高齢の方も一人で着用できます。

株式会社クボタ「クボタアシストスーツ(ARM-1D) ラクベストのご紹介ページ」

【クボタ】クボタアシストスーツ ラクベストの商品概要

【ダイドー】アシストスーツ TASK AR 3.0

腕を上げ続ける作業の負担を軽減する「TASK AR 3.0」。梨農家、ブドウ農家での使用事例

腕を上げ続ける作業の負担を軽減する「TASK AR 3.0」。梨農家、ブドウ農家での使用事例
出典:ソーシャルワイヤー株式会社(株式会社ダイドー ニュースリリース 2021年5月18日)

株式会社ダイドーのアシストスーツ 「TASK AR 3.0」は、腕を上げるとアシストが発動する仕様です。腕を上げたままの作業に適しており、棚上げ作業や収穫の際に活用できます。

肘と腰に取り付けて使用するので、フルハーネス状態でも無理なく着用可能です。また、電力を使わないため、雨天時や屋外でも安心して利用できます。

株式会社ダイドー「電力を使わず腕上げ作業の負担を軽減。アシストスーツ TASK AR」

【ダイドー】アシストスーツ TASK AR 3.0の商品概要

【パワーアシストインターナショナル】パワーアシストスーツ PAIS-M100

パワーアシストインターナショナル株式会社の「PAIS-M100」は、持ち上げる作業や中腰の作業、傾斜地や階段などの歩行サポートなどの多用途に用いることができるパワーアシストスーツです。

パワーアシストインターナショナル株式会社 Youtube公式チャンネル「パワーアシストスーツ建設」

農業の事例はこちら

出荷時や収穫時、棚上げ作業など幅広い用途で活用可能です。物を下ろすときにはブレーキサポートもあるので、腰に負担がかかりにくくなります。

リュックサックを背負うように肩ベルトに腕を通し、腹部のベルトを締め、肩ベルトの長さを調整し、大腿部のベルトを締めて着用します。

パワーアシストインターナショナル株式会社「PAIS-M100」

【パワーアシストインターナショナル】パワーアシストスーツ PAIS-M100の商品概要

【ユーピーアール】サポートジャケット Bb+PROⅡ

ユーピーアール株式会社のサポートジャケット「Bb+PROⅡ」

ユーピーアール株式会社のサポートジャケット「Bb+PROⅡ」
出典:PR TIMES株式会社(ユーピーアール株式会社 ニュースリリース 2020年9月1日)

ユーピーアール株式会社のサポートジャケット「Bb+PROⅡ」は、腰全体を包み込む形の腰ベルトで高い安定性を実現したパワーアシストスーツです。

姿勢を矯正する効果もあり、身体に負担がかかりにくい体勢維持にも活用できます。身長によって3つのサイズがあり、また、重量が軽いこともBb+PROⅡの特徴です。

肩ベルトに腕を通して腰ベルトと膝のサポーターを締め、肩ベルトの長さを調整したあとにチェストベルトを留めて着用します。慣れれば30秒程度で装着できるでしょう。

ユーピーアール株式会社「サポートジャケットBb+PROⅡ」

【ユーピーアール】サポートジャケット Bb+PROⅡの商品概要

参考にしたい! パワーアシストスーツで農業経営の課題を解決した好事例

パワーアシストスーツを導入することで農作業の負担を軽減することが可能です。また、農業経営の課題も解決できることがあります。実際の事例をいくつか見ていきましょう。

怪我を防いで経営安定! サツマイモ(甘藷)農家の導入事例

株式会社イノフィス Youtube公式チャンネル「【マッスルスーツ導入事例】さつまいも農家」

あるサツマイモ(甘藷)農家では、長年悩まされていた腰痛を改善することを目的として、イノフィスが開発したマッスルスーツ エブリィのソフトフィットタイプを導入しました。収穫時には30kgのコンテナを1日に約400回も上げ下ろししますが、負担が大幅に改善され、健康に対する不安も軽減したようです。

出典:株式会社イノフィス「農作業の省力化を実現。個人農家を支えるマッスルスーツのメリットとは?【さつまいも農家 飛田様】」

生活の安定には健康維持が欠かせません。いつまでも健康で働きたい方も導入を検討できるでしょう。

休憩時間が減って作業効率も向上?! ブドウ農家の事例

ブドウ農家での「TASK AR」活用事例

ブドウ農家での「TASK AR」活用事例
出典:ソーシャルワイヤー株式会社(株式会社ダイドー ニュースリリース 2021年1月28日)

あるブドウ農家では、腕や肩の負担軽減を目的としてダイドーのTASK ARを導入しました。ジベレリン処理と摘房・摘粒、袋がけ作業の際に用いたところ、腕がだるくなりにくいので休憩時間が減り、作業効率が向上したという結果を得られています。

出典:株式会社ダイドー「「TASK AR」は上腕を支え保持するアシストスーツ 腕を上げ続ける作業が多いぶどう農園で効果を検証!」

パワーアシストスーツの導入には補助金が使えることも

パワーアシストスーツ導入の際には、補助金が利用できるかどうかを確認してみましょう。例えば、国の「働き方改革推進支援助成金事業」では、労働能率の増進につながる機器を導入する際に、導入費用の最大5分の4を上限として補助金申請が可能です。

パワーアシストスーツを販売しているメーカーのホームページでは、利用できる補助金に関する情報も公開していることがあります。ぜひチェックしてみてください。

女性 農作業

Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)

パワーアシストスーツを導入することで、農作業時の身体的な負担を軽減するだけではなく、業務効率が向上し、作業時間を短縮できることもあります。

また、身体的な負担が軽減されると、健康を損ねて働けなくなるのではないかという不安が軽減される点もパワーアシストスーツのメリットといえるでしょう。条件によっては補助金を利用できることもあるので、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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林泉

林泉

医学部修士、看護学博士。医療や看護、介護を広く研究・執筆している。医療領域とは切っても切れないお金の問題に関心を持ち、ファイナンシャルプランナー2級とAFPを取得。

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