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可変施肥で収量15%UP!スマート農機をフル活用する方法を紹介

可変施肥で収量15%UP!スマート農機をフル活用する方法を紹介
出典 : amosfal / PIXTA(ピクスタ)

スマート農機やアプリを活用して手軽に可変施肥ができる時代になりました。すでに多くの生産者が可変施肥を実施していると聞きます。しかし、スマート農機で可変施肥を行うには、地力・生育データの収集や施肥マップの作成など、準備が大変です。本記事では、スマート農機をフルに活用して簡単に可変施肥を行う方法をご紹介します。

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手軽に可変施肥ができる時代に

可変施肥とは、「ほ場1枚ごと、さらにもっと細かく、ほ場内の地点ごとに、地力にあわせた施肥をすることで、生育ムラを解消して収量を上げる技術」です。

これまでは、地力や生育ムラを考慮し、水管理や肥培管理を細かに調整していくには、ベテランの経験と知見が必要でした。

しかし昨今では、可変施肥ができるアプリやスマート農機が開発され、データを駆使して簡単にほ場内の地力・生育ムラを把握できるようになりました。

でも、スマート農機を活用した可変施肥は準備が大変?

可変施肥で大幅な収量アップを実現するためには、スマート農機の利用が不可欠です。

しかし残念なことに、スマート農機での可変施肥は以下のものが必要となり、準備は大変です。

  • 地力や生育ムラをもとに作成した地力・生育マップ
  • 地力・生育マップをもとに設計した可変施肥マップ
  • 可変施肥マップをもとに施肥量を調整できる農機

そのため、農機メーカーでは、可変施肥に対応した農機や、データを連携するためのアプリケーションなどをリリースしています。

可変施肥システムはメーカーごとに違う!?個性はあるがデメリットも

代表的な農機メーカーがリリースしている可変施肥システムを見ていきましょう。

クボタ:営農・サービス支援システム「KSAS」&同社の可変施肥農機を利用

クボタの可変施肥

出典:株式会社クボタ「KSASトップ|機能紹介|可変施肥マップ」及び「食味・収量メッシュマップ」」よりminorasu編集部作成

クボタの可変施肥は、同社の収量コンバインが記録した収量や食味などのデータを基にPC上で可変施肥マップを作成し、スマートフォンの「KSAS」から同社の可変施肥対応農機(田植機、ドローンなど)に読み込ませる仕組みです。

フル活用できれば大きな効果が期待できますが同社のメッシュマップセンサ搭載コンバインや最新の可変施肥対応スマート農機が必要です

井関農機:土壌センサ搭載の可変施肥田植機「PRJ8、PRJ8-FS」を利用

井関農機の可変施肥

出典:井関農機株式会社「可変施肥|スマート田植え」よりminorasu編集部作成

井関農機の可変施肥田植機は、アプリケーションを使用せずとも可変施肥ができます。超音波センサで作土深を、電極センサで土壌の肥沃度を、リアルタイムセンシングし、システムが地点ごとの減肥率をはじき出してくれます。

可変施肥の前にPCでの施肥設計などを必要としないところが魅力ですがセンサ搭載の可変施肥田植機を購入することが必要です

ヤンマー:独自の施肥設計システム&各社の可変施肥農機を利用

ヤンマーの可変施肥

出典:ヤンマーホールディングス株式会社「ヤンマーテクニカルレビュー|ヤンマーの可変施肥の紹介~熟練者レベルの肥料散布を、誰でも簡単に~」よりminorasu編集部作成

ヤンマーホールディングスの可変施肥では、同社提供のセンシングデータや各地の営農情報をもとに、PC上の「施肥設計システム」で施肥量を細かに指定した「施肥マップファイル」を作ります。

それをUSBに落として、可変施肥対応農機(田植機、ブロードキャスターなど)に読み込ませることで可変施肥ができる仕組みです。

データを組み合わせた施肥マップの作成は必要ですが同社提供の営農APIに対応する農機であればヤンマー製品以外でも使えることが特徴です

以上、大手農機メーカーが提供する可変施肥システムをご紹介しました。

各社の可変施肥システムは、フル活用すれば大幅な収量アップは見込めますが、手間やコストがかかる一面もあります。

そこで次は、手軽かつ低コストに可変施肥ができるシステムとして「ザルビオ フィールドマネージャー」(通称:ザルビオ)をご紹介します。

可変施肥マップがたった1分で!?スマート農機をフル活用できる「ザルビオ」とは?

ザルビオとは、大手化学メーカーBASFが開発した最先端の栽培管理支援システムで、可変施肥を手軽にはじめられるツールとなります。

ここでは、ザルビオの特徴を3つご紹介します。

特徴1:国内外のスマート農機を連携してフル活用できる

スマート農業支援ツール ザルビオ BASF 農機連携

出典:PRTIMES「BASF、『第13回農業WEEK』にて、スマート農業支援ツール、xarvio® FIELD MANAGERの成功事例と、拡大するパートナーシップを紹介(BASFジャパン株式会社)」(2023年10月10日)

ザルビオは、世界中の国や地域で導入されているシステムのため、世界標準の設計が採用されており、国内外のスマート農機と連携できます。

国内メーカー

メーカー農業機械型式
クボタ田植機NW8SA-PF
NW8S-PF-GS
井関農機田植機PRJ8-FS
井関農機トラクタ(作業機)BFシリーズ(Z型)
ヤンマー田植機YR8DA
YR6DA(DPO)
IHIアグリテックブロードキャスターGPSナビキャスタ
NTT e-Drone TechnologyドローンAC101

※クボタ、NTT e-Drone Technologyとの連携機能は2024年リリース予定

国外メーカー

メーカー農業機械型式
AmazoneブロードキャスターZA-Vシリーズ
ZA-TSシリーズ など
BogballeブロードキャスターM35Wなど
KUHNブロードキャスターAXISシリーズ など
ビコンジャパンワイドスプレッダーROM-EWシリーズ
ROEDWシリーズ
ROM-GEOSPEADシリーズ
ROEDW-GEOSPREADシリーズ
ROXXL-GEOSPREADシリーズ
ビコンジャパンブームスプレーヤーiXterシリーズ
iXtrackシリーズ

※作業機およびガイダンスシステムともにセクションコントロール付に限る

連携方法は簡単で、USBなら、作成した可変施肥マップをダウンロードして農機に読み込ませるだけです。

また、前述したクボタ、井関農機、ヤンマーの可変施肥システムなら、データ通信による連携もできます。

ザルビオと各社の可変施肥システムを連携することで、地力・生育データの収集や施肥マップの作成を効率化したり、可変施肥の効果をさらに高めることが可能です。

▼データ通信による農機連携の詳細はこちら
日本で可変施肥が実現する?日本の3大農機メーカーが世界標準の農業アプリと連携開始

特徴2:可変施肥マップが1分で作れる

ザルビオは、肥料の種類や使用量を入力するだけで、地力に最適な施肥量が自動計算されるので、可変施肥マップが簡単に作れます。

ザルビオの施肥マップ作成画面

画像提供:BASFジャパン株式会社「ザルビオの可変施肥マップ作成画面」

ザルビオの可変施肥マップ

画像提供:BASFジャパン株式会社「ザルビオの可変施肥マップ」

肥料の使用量は、基準の量を入力するだけなので、特別な知識は必要ありません。

また、農薬や散布情報を入力すれば、可変散布マップも作成できます。

特徴3:収量の大幅アップが実現できる

ザルビオの可変施肥マップは、地力や生育ムラを細かく正確に分析した地力や生育マップをもとに作られるため、スマート農機と連携すれば精密な可変施肥が可能になり、大幅な収量アップが見込めます。

ザルビオ 地力マップ

画像提供:BASFジャパン株式会社「ザルビオの地力マップ。過去の衛星画像をAIが解析。地力ムラが正確にわかる。」

ザルビオ 生育マップ

画像提供:BASFジャパン株式会社「ザルビオの生育マップ。日々更新される衛星画像を元にほ場内の生育状況を可視化。」

実際、スマート農機だけで可変施肥するよりも、ザルビオと組み合わせることで収量が大幅に上がった事例もあります。

月額最低550円から低コストで導入できるため、収量アップがそのまま売上に直結することも嬉しいポイントです。

マップ作成は1分!スマート農機をフル活用ザルビオの可変施肥マップ機能を見る

費用対効果は絶大!ザルビオ効果とは?

では、実際にどのように活用されているのでしょうか?

ザルビオで可変施肥を行う農家の事例を見ていきましょう。

水稲にザルビオの可変施肥で収量アップを実現した 株式会社ヤマザキライス 山崎代表

画像提供:BASFジャパン株式会社「ザルビオを活用した可変施肥で収量アップ!株式会社ヤマザキライス」

埼玉県でおよそ100haのほ場で米を栽培しているヤマザキライスでは、コストカットを徹底しつつ良質で安定した米の生産を行っています。

山崎代表は、稲作の重要ポイントを3つ挙げています。

  • 質の高い苗を作ること
  • 最適な水のコントロール
  • 精密な肥料のコントロール

その中でも「肥料のコントロールは収量、すなわち売上に直結するため重要」と考えています。

ザルビオ導入前から、約340枚のほ場の1枚1枚について最適な窒素量を導き出し、田植機の設定と実際の施肥量をチェックするなど、細やかな施肥管理を行っていました。

しかし、施肥管理の重要性を認識している山崎代表は、施肥の精度をさらに上げるため、2022年にヤンマー社製GPS可変施肥田植機「YR8DA」を購入。それに合わせてザルビオも導入したそうです。

可変施肥田植機のモニター画面。施肥量を「可変」していることが確認できる。

画像提供:BASFジャパン株式会社「ザルビオを活用した可変施肥で収量アップ!株式会社ヤマザキライス」

その結果、ほ場内を細分化して施肥量を調節できるようになり、同社の収量は約15%アップ。元々、細かな施肥管理を行っていたため、期待以上の効果に驚いています。

山崎代表は、ザルビオの費用対効果について次のように語られています。

「340圃場を管理する私にとって、ザルビオの年間コストは1圃場当たりにするとわずかな金額です。そして、可変施肥で収量がアップすると、その分はほとんどが利益となりますので、ザルビオの費用対効果は絶大です。まずは是非試してみてください!」

費用対効果は絶大!収量15%アップもザルビオで可変施肥を始める

簡単!スマート農機で可変施肥を始める方法

スマート農機で可変施肥を始めるために必要なステップは、大まかに3ステップだけです。

  1. ザルビオで無料会員登録
  2. ほ場や作物情報の登録
  3. 可変施肥マップの作成

まずは、ザルビオ会員に登録します。

ザルビオの会員登録画面

ザルビオの会員登録画面

次に、ほ場登録や作物を登録します。

ザルビオ ほ場登録

ほ場登録画面。このあと作物を登録する

あとは、対象のほ場を選択、施肥タスクを作成、施肥マップをダウンロードの順に進めると、可変施肥の準備が整います。

▼可変施肥マップの作成手順はこちら
ザルビオ フィールドマネージャー「活用コンテンツ」内「上級者向けガイド(PC版)可変施肥マップの作成」

ダウンロードしたマップを農機に読み込ませて可変施肥をスタートしましょう。

可変施肥のアプリや農機を迷われている方だけでなく、すでに可変施肥農機を所有されている方にもおすすめのザルビオ。

さらなる収量アップを目指してさせるアプリとして、導入してみてはいかがでしょうか?

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福馬ネキ

福馬ネキ

株式会社ジオコス所属。「人の心を動かす情報発信」という理念のもと、採用広告を中心にさまざまな媒体で情報発信を手がける株式会社ジオコスにてライターを務める。

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