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【剤型別】除草剤の効果的な使い方一覧! 雑草を枯らす散布のコツ

【剤型別】除草剤の効果的な使い方一覧! 雑草を枯らす散布のコツ
出典 : mofukun / PIXTA(ピクスタ)

農作物の品質や収量を安定的に高めるためには、雑草の適切な防除が欠かせません。雑草の防除に使う除草剤には、液剤・粒剤・乳剤などの剤型があり、ほ場の環境や雑草の発生状況に適したものを選ぶことで高い効果が得られます。本記事では、除草剤の選び方、剤型ごとの散布方法や効果的な使い方を解説します。

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除草剤にはさまざまな種類があり、特に液剤・粒剤・乳剤などの「剤型」別に散布時期や効果を高めるポイントが異なります。剤型ごとの特徴を理解することで、環境と目的に合った適切な時期やタイミングで、効果的に除草剤を利用することができます。

農地の雑草を枯らす! 除草剤の種類と選び方

除草剤には「農薬登録のある除草剤」と「農薬登録されていない除草剤」があります。一般的に前者を「農耕地用除草剤」、後者を「非農耕地用除草剤」と呼び、農作地に使用できるのは農耕地用除草剤です。

また、農耕地用除草剤の中でも、雑草が生えてこないようにするための「土壌処理型除草剤」と、すでに生えている雑草を枯らすための「茎葉処理型除草剤」の2種類があります。

この代表的な2種類のほかに、粒剤・乳剤・液剤などの「剤型」の分類があり、剤型は農薬の登録情報にも明記されています。選ぶ剤型によって、適切な散布時期・散布方法、注意すべきポイントが異なります。

除草剤を効果的に使うためには、目的と環境に合った剤型別の除草剤選びが欠かせません。

例えば、近隣ほ場で他作物を栽培しているならドリフトしにくい粒剤を選ぶ、または所持している散布機が液剤用であれば液剤の中から選ぶなど、ほ場の環境や所持している散布機に合わせて適切な剤型を選ぶ必要があります。

また、除草剤ごとに適用できる作物と防除する雑草の種類が異なるため、除草剤の購入時にはラベルをしっかり確認し、用途に合った商品を選ぶことも重要です。

▼除草剤の選び方について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

除草剤の効果的な使い方1:粒剤

ドローンによる農薬散布

nichi / PIXTA(ピクスタ)

粒剤の多くは、雑草の発芽を抑える有効成分を土壌に浸透させる「土壌処理型除草剤」です。これから生える雑草を防ぐことが目的のため、すでに生育しきった雑草には効果が期待できず、雑草が生えていない状態での使用が前提となります。

同じ粒剤の中にも分類があり、商品名としては、粒剤、1キロ粒剤・500グラム粒剤・250グラム粒剤、ジャンボ剤の3種類に分かれます。

このうちの粒剤は、粒径は297~1,680マイクロメートルの細粒状の農薬です。製造方法に応じて円柱状や細かい砂状などの形状があり、粉剤や液剤に比べてドリフトしにくいという特長があります。

散布の時期と方法

粒剤の除草剤は、雑草が根から有効成分を吸収することで効果を発揮するため、雑草の発生前や発生直後に散布することが重要です。

すでに雑草が育っているほ場で使用する際には、草丈が大きくなった雑草をあらかじめ刈り取ったり、茎葉処理型除草剤を散布して枯らした状態で使用することが必要です。

効果を高めるポイント

粒剤の除草剤の効果を十分に発揮するために重要な3つのポイントについて解説します。

決められた散布量を守りジグザグに散布する
パッケージに記載された量よりも散布量が少ないと、十分な除草効果を得られない可能性があるため、決められた散布量を守ることが重要です。粒剤の土壌処理型除草剤は、ほ場全体に均一に散布することが求められます。

均一に散布するためには、ほ場全体の散布量を計算・準備したうえで、2日間に分けて散布します。1日目は縦まき、2日目は横まきでジグザグに散布することにより、ほ場全体に均一に除草剤を行き渡らせることが可能です。

土壌が適度に湿っているときに散布する
粒剤の土壌処理型除草剤は、土壌の水分に有効成分が溶け出し、土壌に吸収されることで効果が発揮されることから、土壌が湿っているときに散布します。散布したときの土壌が乾燥していると、除草剤が飛散する可能性があります。

強風の日と雨の日を避けて散布する
粒剤の除草剤を散布するときは「強風の日」と「雨の日」は避けなければなりません。強風の日に散布すると、除草剤の飛散リスクが高まります。また、雨が降る日は散布後に除草剤が流出してしまう可能性があるため、散布日としては適していません。

粒剤の除草剤の例と効果範囲

水田用に用いられる1キロ粒剤については、komeney内記事「効果的な水稲用除草剤の使い方を解説! 有効成分一覧&おすすめ商品も紹介」「おすすめの水稲除草剤」の章をご覧ください。初期・初中期一発・中後期に分けて紹介しています。

中後期除草剤の中から、ドローンなどの無人航空機で散布できる剤を紹介します。

バサグラン・エアー1キロ粒剤

「バサグラン・エアー1キロ粒剤」は、ベンタゾンナトリウム塩(ベンタゾン)を有効成分とする1キロ粒剤で、「移植水稲」にのみ使用可能です。イネ科雑草を除く、一年生広葉雑草・カヤツリグサ科雑草・多年生雑草など幅広い種類の雑草を防除できます。

生育期処理での防除効果が高いので、水田での雑草発生を確認してから散布しても十分な除草効果が期待できます。

バサグラン・エアー1キロ粒剤は、水田を落水またはごく浅く湛水した状態にしたうえで散布します。一般的な散布機に加えて、無人航空機による散布も可能です。

バサグラン・エアー1キロ粒剤を散布する際には、使用する前にラベルの記載内容をよく確認し、使用方法を守って正しく散布してください。


製品ページ:BASFジャパン株式会社「バサグラン・エアー1キロ粒剤」

除草剤の効果的な使い方2: 乳剤

畑作の防除作業 

川村恵司 / PIXTA(ピクスタ)

農薬登録上の剤型としての乳剤は、商品名としては「乳剤」と「EW剤」の2種類があります。

このうちの乳剤は水に溶けにくい性質の有効成分を有機溶媒で溶かし、乳化剤を加えて安定させた農薬で、散布時には水で希釈して使用します。一方、EW剤は有効成分を溶かす有機溶媒がほとんど水に置き換えられている農薬です。

乳剤を希釈すると、有効成分の分解が始まります。除草効果を高めるために、希釈した除草剤はその日のうちに散布を終わらせる必要があります。

また、乳剤の散布時には周囲の土地に飛散する可能性があるので、風のない日に散布することや、散布量は必要最小限にすること、適切なノズルと圧力で散布することが大切です。

散布の時期と方法

乳剤の除草剤を使用する際に気を付けたいのは、散布するタイミングです。乳剤には土壌処理型除草剤と茎葉処理型除草剤があります。土壌処理型除草剤の場合は、雑草が発生する前に散布することが必要です。

水田で使用する乳剤の除草剤の場合には、湛水状態の水田に散布するものと、落水した水田に散布するものがあるので、散布するタイミングに加えて水管理にも注意が必要です。

除草剤の購入時・散布時には、商品ラベルをしっかりと確認し、目的に合った除草剤を適切なタイミング・方法で散布しましょう。

効果を高めるポイント

乳剤の除草剤の散布効果を高めるために欠かせない注意点を3つ紹介します。

丁寧に準備したほ場で適切な土壌水分のときに散布する
土壌処理型除草剤の場合、土壌表面に薬剤処理層を形成して雑草の発生を抑えることから、均一な処理層形成を促すために、耕起・整地を十分に行ったほ場を準備することが重要です。準備が不十分なほ場では、思うような除草効果が得られない可能性があります。

適度に湿った土壌に散布することも欠かせません。適切な土壌の目安は、軽く握ると塊ができ、簡単に崩せる程度に水分を含んだ状態です。

適切な天候状態のときに散布する
乳剤の除草剤を散布した直後に雨が降ると、農作物に薬害が出たり、十分な除草効果が出なかったりするので、降雨が予想されるときには除草剤の散布を控えましょう。

乳剤を強い日光の炎天下で散布すると、除草剤の付着した箇所が葉焼けする可能性があるので、炎天下での散布も控えてください。

適切な量を均一に散布する
他の農薬と同様に乳剤の除草剤も、散布時には商品ラベルをしっかりと確認し、適切な希釈率で準備した除草剤を適切な量だけ散布することが重要です。

散布時にはムラができないよう均一に散布することも欠かせません。しっかり除草しようと過剰な量を散布すると薬害発生リスクが高まります。

乳剤の除草剤の例と効果範囲

乳剤の除草剤の中から、代表的な2種類について、有効成分・適応している作物・防除できる雑草の種類などについて解説します。

ゴーゴーサン(R)乳剤

「ゴーゴーサン(R)乳剤」は、ペンディメタリンを有効成分とする土壌処理型の除草剤です。

「陸稲」「小麦」「とうもろこし」などの穀類、「ばれいしょ」「かんしょ」「さといも」などのいも類、「キャベツ」「にんじん」「たまねぎ」などさまざまな作物に適応しており、一年生イネ科雑草・一年生広葉雑草・カヤツリグサ科など幅広い雑草に効果があります。

雑草発生前にゴーゴーサン(R)乳剤を土壌処理することで、45~60日の間と長期間にわたり雑草の発生を抑制します。ゴーゴーサン乳剤の散布時には、使用する前にラベルの記載内容をよく確認し、使用方法を守って正しく散布してください。

製品ページ:BASFジャパン株式会社「ゴーゴーサン(R)乳剤」

フィールドスター(R)P乳剤

「フィールドスター(R)P乳剤」は、ジメテナミドPを有効成分とする野菜・畑作用土壌処理型除草剤です。「キャベツ」「ブロッコリー」「たまねぎ」「だいず」「とうもろこし」などに適応しており、ノビエなどの一年生イネ科雑草やカヤツリグサ・ヒユ類などに除草効果を発揮します。

散布後は40日以上の長期間にわたり除草効果を発揮します。フィールドスター(R)®P乳剤の散布時には、使用する前にラベルの記載内容をよく確認し、使用方法を守って正しく散布してください。


製品ページ:BASFジャパン株式会社「フィールドスター(R)P乳剤」

除草剤の効果的な使い方3:液剤

水田畦畔の除草剤散布

天空のジュピター/ PIXTA(ピクスタ)

一般的に、水に希釈して液体状で使用する農薬を液剤と総称することもありますが、商品名としては液剤とME液剤に分かれます。このうちの液剤は、水溶性の有効成分を液状に製剤したもので、原液のまま、または希釈して散布します。

液剤の農薬を希釈すると、有効成分の分解が始まります。十分な防除効果を発揮するために、除草剤の希釈液は、希釈した日のうちに散布を完了させましょう。

液剤の除草剤散布する際には、周囲に飛散する可能性があるので、風のない日の散布・必要最小限の散布量・適切なノズルと圧力での散布などの注意が必要です。

散布の時期と方法

液剤は基本的に茎葉処理型除草剤なので、雑草が発生した状態でほ場に散布します。ただし、雑草が生長し生い茂った状態になると、散布ムラが発生する可能性があるので、雑草が小さいうちに散布してください。

効果を高めるためのポイント

液剤の除草剤の防除効果を十分に発揮するための注意点を3つ紹介します。

適量を適切な割合で希釈する
ラベルに記載された希釈倍数・散布液量を守って使用します。製品ごとに決められた条件を守らないと十分な除草効果を発揮しない可能性があります。

作物ごとの適正な時期に散布する
同じ液剤の除草剤を使う場合でも、作物によって散布時期が異なります。十分に防除効果を発揮するためには、作物ごとの適切な時期に除草剤を散布する必要があります。

例えば、液剤の除草剤である「バサグラン液剤 (ナトリウム塩)」の場合、とうもろこし・小麦などは雑草の3~6葉期、玉ねぎは雑草の3~4葉期、いんげん豆は雑草の2~3葉期と、作物ごとに細かく適切な散布時期の指定があります。

雨が降る前の散布は避ける
雨が降る前のタイミングで、液剤の除草剤を散布することは控えます。散布後の雨で除草剤が流れてしまい、期待した効果が得られなくなったり、作物に薬害がでるリスクがあります。

液剤の除草剤の例と効果範囲

液剤の除草剤の中から、幅広い作物に利用できる2種類の除草剤を紹介します。

BASFバサグラン(R)液剤 (ナトリウム塩)

「BASFバサグラン(R)液剤」は、ベンタゾンナトリウム塩(ベンタゾン)を有効成分とする茎葉処理型の液剤の除草剤です。「移植水稲」「たまねぎ」「いんげんまめ」「とうもろこし」「小麦」など、さまざまな作物に使用可能です。

一年生広葉雑草・カヤツリグサ・多年生雑草になど幅広い雑草を防除できますが、イネ科雑草への防除効果は劣るので注意が必要です。イネ科を防除するためには、土壌処理型除草剤など他の防除方法と組合わせた対応が求められます。

製品ページ:BASFジャパン株式会社「BASFバサグラン(R)液剤 (ナトリウム塩)」

バスタ(R)液剤

「バスタ(R)液剤」は、グルホシネートを有効成分とする非選択性の「茎葉処理型」の液剤雑草剤です。「小麦」「りんご」「キャベツ」「なす」「だいこん」など幅広い作物に使用可能です。非選択性の除草剤で、イネ科・広葉・一年生・多年生に関係なく、ほとんどの雑草に対して高い防除効果を発揮します。

バスタ(R)液剤は散布後2~5日後には効果を発揮する即効性と、散布後7~14日後に効果が完成する効果の持続性の両方を兼ね備えている除草剤です。

散布時には、使用する前にラベルの記載内容をよく確認し、使用方法を守って正しく散布してください。


製品ページ:BASFジャパン株式会社「バスタ(R)液剤」

除草剤の効果的な使い方4:水和剤

乗用管理機 除草剤散布

田舎の写真屋 / PIXTA(ピクスタ)

水和剤は、商品名としては、水和剤、フロアブル・ゾル・SC、顆粒水和剤、ドライフロアブルの4種類に分かれます。このうちの水和剤は粉末状製剤で水に懸濁させた状態で散布します。

散布の時期と方法

水和剤の除草剤にも土壌処理型除草剤と茎葉処理型除草剤の2種類があり、土壌処理型除草剤は、雑草が生える前に散布します。

商品名としての剤型名が「水和剤」の除草剤は、粉末状の商品を水に懸濁させて散布しますが、剤型名が「フロアブル」の除草剤の中には、原液のまま散布するものもあります。散布時期・散布方法は同じ水和剤でも異なるため、商品ラベルの記載内容を確認してください。

効果を高めるためのポイント

水和剤の除草剤をほ場・水田に散布する際の注意点を3つ紹介します。

雨予想が出ているときは散布を避ける
水和剤の除草剤を使用する際には、天気予報を確認し雨予報の前の散布は避けましょう。液剤と同様に、散布後に雨が降ると成分が流れ出て十分な防除効果が得られなかったり、作物への薬害がでることがあります。

適切な圧力で噴霧する
「水和剤」の除草剤を水に懸濁して使用する際には、散布機の圧力に注意が必要です。特に土壌処理型除草剤の場合は、薬液が霧状にならないような低圧力での散布が必須です。苗を定植後に高圧で噴霧処理してしまうと、苗に付着した薬液によって薬害が発生する可能性があります。

水田では水管理も重要になる
水田では、除草剤を使用することを見越して、代かきの段階から凹凸の少ない田面にしてください。フロアブルや顆粒水和剤の除草剤を水田で使用する際には、商品ラベルの指定に基づいて、所定の水深を一定期間保持するなど、除草剤の特性に合わせた水管理も欠かせません。

【技術情報】効率的な除草剤散布を可能にする最新システム

最新システムを導入することで、除草剤を効果的に散布することができます。例えば、大手化学メーカーBASFが開発した「ザルビオ」は、衛星画像とAI分析を組み合わせた最先端の栽培管理システムで、ほ場の状況をリアルタイムで把握できます。

ザルビオには、「生育ステージ予測」や「雑草管理プログラム」などの機能が備わっており、「雑草管理プログラム」では、ほ場の天候や気象状況をAIが分析し、対象雑草が発生するリスクや防除作業の推奨時期をアラートで知らせてくれるので、適切な雑草防除が可能になります。

実際に、「雑草管理プログラム」を活用し栃木県の大豆農家は、ほ場の雑草発生状況を確認する頻度が半分になり、除草剤の散布回数が3回から2回に減少し、80%の増収を達成しています。

除草剤は種類が多く、さまざまな分類があります。分類の意味を正しく理解したうえで、自身のほ場環境や雑草の発生状況、手持ちの散布機器などを考慮し、適切な除草剤を選択して効果的に除草しましょう。

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大曾根三緒

大曾根三緒

ビジネス、ペット、美術関連など多分野の雑誌で編集者として携わる。 全国の農業協同組合の月刊誌で企画から取材執筆、校正まで携わり、農業経営にかかわるあらゆる記事を扱かった経験から、農業分野に詳しい。2019年からWebライターとして活動。経済、農業、教育分野からDIY、子育て情報など、さまざまなジャンルの記事を毎月10本以上執筆中。編集者として対象読者の異なるジャンルの記事を扱った経験を活かし、硬軟取り混ぜさまざまなタイプの記事を書き分けるのが得意。

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