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RTK基地局は自分で設置できる? 導入方法と価格の目安

RTK基地局は自分で設置できる? 導入方法と価格の目安
出典 : gyomepome / PIXTA(ピクスタ)

RTKは、GNSSによる測位に補正情報を加えることで、高精度な位置情報を取得できるシステムです。近年、RTKを導入することで、作業効率を向上させた農家が増えています。本記事では、農業でRTKを活用する意味や導入方法、活用事例を解説します。

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RTKとは?測位方式の種類とGPSとの違い

RTK-GNSSのしくみ

RTK-GNSSのしくみ
出典:株式会社PR TIMES(ヤンマーホールディングス株式会社 ニュースリリース 2018年11月29日)

RTK(Real Time Kinematic)とは、固定局と移動局の受信機で複数の衛星から電波を受信して位置情報を得る技術です。

リアルタイムで固定局と移動局との間で位置情報のズレを補正するため、誤差が数cm以内に抑えられ、得られる位置情報の精度がGPS測位より高いのが特徴です。近年では、測量・ドローンの自動飛行や農業分野での活用が進んでいます。

一方、GPS(Global Positioning System)はアメリカが開発・運営する衛星測位システムで、単独の受信機で複数の衛星から電波を受信して位置情報を得るしくみです。

同様のシステムが日本や欧州・中国などでも運用されており、測位情報を補強する衛星と総称してGNSS(Global Navigation Satellite System)と呼ばれることもあります。

RTKを用いた測位方式は、主に以下の3方式です。

RTKを用いた主な測位方式

測位方式固定基地局
インターネット
(Ntrip)方式
ネットワーク型
RTK(VRS)方式
移動基地局
デジタル無線方式
特徴固定基地局からの位置補正データをスマートフォンで受信国土地理院の電子基準点をもとにした補正データを専用端末で受信移動基地局からの補正データを無線で受信
通信距離基地局から
半径約20km(注1)
電子基準点のサポート範囲による(注2)最長3~5km
通信方式インターネットインターネットデジタル無線

注1:サービス事業者によって対応通信事業者は異なる
注2:サービス事業者によって異なる


出典:株式会社トプコン「製品情報 > カテゴリ別 > 精密農業」 所収「補正情報カタログ」よりminorasu編集部まとめ

最近では、農家単位で導入できる低価格のRTK基地局が登場しています。また、一部の自治体では固定基地局を運営して、地域の農家にRTKを普及させる動きも見られます。

農業でRTKを活用する意味

RTKを活用することでスマート農業を推進でき、省力化につながります。地力や生育状況などのデータと連携すれば、作業の均質化も実現可能です。農業でRTKを活用する意義について解説します。

地力や生育の見える化

地力解析の例

地力解析の例
出典:株式会社PR TIMES(ドローン・ジャパン株式会社 ニュースリリース 2022年4月14日)

カメラやセンサーなどで収集したほ場の情報にRTKで得た位置情報を加えることで、地力や作物の生育状況を見える化できます。これまで熟練者の勘に頼ってきた判断をデータという客観的な指標で行えるようになり、農作業の効率化にも有効です。

最近では、作物の生育状況やほ場の温度・湿度・照度などを分析して、色別に表しマッピングする「センシング」という技術も登場しています。

例えば、マルチスペクトルカメラを搭載したドローンでほ場を撮影し、作物の生育状態をNDVI値(注)として見える化したうえで農作業の計画に活用する方法が実用化されています。人による巡回の作業が省けるうえに、短時間でほ場全体の状態を一覧できるのが特徴です。

注)NDVI値:Normalized Difference Vegetation Index 正規化植生指標

また、土壌の画像をシステムで解析してほ場内の肥沃土を把握し、可変施肥(後述)による地力の底上げを実施する農家もみられます。

出典:農林水産省「農業用ドローンの普及拡大に向けた官民協議会」のページ所収「令和3年度農業分野におけるドローンの活用状況(農林⽔産省農産局技術普及課 令和3年8⽉)」

蓄積されたデータは翌年度以降の栽培にも活用できるので、熟練者のノウハウやほ場の特性など営農技術の継承にも有効です。農業の大規模化や担い手対策にも効果を発揮するでしょう。

ロボット農機によるスマート農業の実現

RTKの位置情報をもとにロボット農機を自動運転させて、スマート農業を実現できます。農機によっては自動操舵装置を後付けして、自動運転に対応させることができる場合もあります。位置情報の誤差は数cm程度なので、経験に左右されずに精密な作業が可能です。

精密な可変施肥が可能に

ヤンマーは、施肥マップデータに基づいて適正量を肥料散布できる可変施肥仕様の直進アシスト田植機を発売している

ヤンマーは、施肥マップデータに基づいて適正量を肥料散布できる可変施肥仕様の直進アシスト田植機を発売している
出典:株式会社PR TIMES(ヤンマーホールディングス株式会社 ニュースリリース 2020年10月14日)

肥料の散布では、センシングによって把握したほ場データをもとに施肥量をピンポイントで調整する「可変施肥」に対応した農機が実用化されています。

生育状況やほ場の形状に応じて散布量を適正化することで、収量・品質の向上とコストダウンを両立できるのが特徴です。施肥量はデータとして記録され、次期以降の栽培に活用できます。また、可変施肥技術は農薬散布の場面にも応用されています。

トラクター自動運転

トラクターの運転では有人監視による自動運転が実用化されており、協調運転機能により1人でトラクターを2台運転することも可能です。将来的には一定の条件で、ほ場間の移動や農道上での自動運転にも対応できる見込みです。

▼トラクターの自動運転については下記記事をご覧ください。

ドローンによる農産物や資材の運搬

また、ドローンによる農業用資材や農産物の運搬の実証実験も行われています。RTKの位置情報と組み合わせることで作業の省力化や人手不足の解消にも効果を発揮するでしょう。

▼北海道当別町でのドローンによる農産物運搬の実証実験については、以下のサイトをご覧ください。
農林水産省「スマート農業」 所収「農業分野におけるドローン活用の事例」  
株式会社SkyDrive「CARGO DRONE 実証実験|農作物運搬|農作物運搬による作業負担軽減」

RTK基地局は個人購入設置も可能

RTK 基地局 設置例

キャプテンフック / PIXTA(ピクスタ)

RTKの基地局には固定式と移動式がありますが、いずれも個人で購入して設置できます。測位方式別の導入方法と価格の目安を紹介します。

RTK基地局の導入方法と価格の目安

前述したように、RTKの測位方式は「移動基地局デジタル無線方式」「固定基地局インターネット(Ntrip)方式」「ネットワーク型RTK(VRS)方式」の3つです。

このうち移動基地局デジタル無線方式・固定基地局インターネット方式は初期導入費が数百万円と高額なため、農家が単独で基地局を設置する場合はネットワーク型RTK(VRS)方式が主流とされています。

ただし、自治体や営農団体が固定基地局を運用している場合は、固定基地局インターネット(Ntrip)方式も選択肢の1つです。

ネットワーク型RTKを導入する場合は、位置情報を受信するための通信端末を農業用機械に搭載されたGNSSアンテナと接続します。固定局を設置する必要はありませんが、近年では10万円台で固定局を購入することも可能です。

固定局の設置有無にかかわらず、位置情報を配信するサービス会社との契約が必要です。初期導入費は通信端末代を含めて約30万円前後、年間の維持費はデータ配信費と通信費を合わせて10~15万円前後かかります。

また、固定基地局インターネット方式を導入する場合は、基地局の設置者と契約を結べば市販のスマートフォンで位置情報を受信できます。

スマートフォンとGNSSアンテナとはBluetoothで通信するため、Bluetooth-シリアル変換アダプターの取り付けが必要です。初期導入費はアダプター台を含めて約4~10万円、年間の維持費は2~3万円前後です。

RTK固定基地局設置を推進する自治体も

RTK-GNSS 電子基準点

キャプテンフック / PIXTA(ピクスタ)

スマート農業の推進に向けて、RTKの固定基地局を整備する自治体が近年各地で増えています。

例えば、宮城県では2023年度に県内7か所へRTK固定基地局の整備を完了し、農業者がロボットトラクターなどを導入する際の費用を補助する制度を設けました。国の「デジタル田園都市国家構想推進交付金」を活用し、整備費用の負担を軽減しています。

出典:宮城県 農業振興課「『宮城県RTKシステム』の利用申込案内について」所収「デジタル田園実装拡大事業概要」

山形県では、2024年に南東北クボタと連携して県内をカバーするRTK基地局網を開設し、農業者向けに補正情報を無償配信する体制を構築しました。自動操舵機能付き農機やドローンの高精度な作業を支援しています。

出典:株式会社南東北クボタ「山形県内全域にRTK基地局を開局しました!」

さらに青森市では、2025年に市内4か所へ固定型RTK基地局を設置し、GNSS補正情報を無料で配信するサービスを開始しました。あわせて、RTK対応機器の導入を支援する補助金制度も設けられています。

出典:青森市「RTK-GNSS基地局が利用できます(無料)」
「青森市RTK-GNSS基地局利用促進事業」

このように、地域単位での基地局整備と補助制度の整備が進み、RTKを活用したスマート農業の基盤が着実に広がりつつあります。


RTKで得た位置情報を活用することで、農業用機械を自動運転する精度が高まり、農作業の省力化に効果を発揮します。

ドローンの空撮写真などで得た情報を解析したうえでRTKの位置情報をマッチングさせれば、作物の生育状況や地力が見える化できます。施肥量や農薬の散布量をピンポイントで調整できるので、営農のコストダウンにも効果的です。

最近ではRTKの固定基地局を設置する自治体が増えており、低コストでRTKを導入できる環境も整いつつあります。

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舟根大

舟根大

医療・福祉業界を中心に「人を大切にする人事・労務サポート」を幅広く提供する社会保険労務士。起業・経営・6次産業化をはじめ、執筆分野は多岐にわたる。座右の銘は「道なき道を切り拓く」。

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