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米農家必須の「米選機」とは? しくみや価格&メーカー別おすすめ製品をご紹介

米農家必須の「米選機」とは? しくみや価格&メーカー別おすすめ製品をご紹介
出典 : mits / PIXTA(ピクスタ)

水稲栽培には、収穫後の調整作業に使う特有の農機がたくさんあります。この記事ではその中から玄米とくず米を選別するための米選機(ライスグレーダー・選別計量機)について、機械のしくみや購入参考価格、製品概要などを詳しく解説します。

高品質米に仕上げるための工程に、米選機(ライスグレーダー・選別計量機)は欠かせません。この記事では、米選機について、しくみと構造を解説し、価格帯と主要メーカーのおすすめ製品を紹介します。

米農家の必需品、米選機(ライスグレーダー)とは?

籾は籾摺りを経て玄米となる

interemit / PIXTA(ピクスタ)

収穫した籾はまず乾燥し、籾摺りをして玄米を取り出します。

その後、ゴミを取り除いたり、籾と玄米を分けたり、玄米から未熟米などのくず米を取り除いたりなど、さまざまな選別をしながら質のよい玄米だけを選り分けていきます。

これらの選別にはそれぞれ別の機械を使いますが、その中で玄米とくず米を選別する機械が「米選機(ライスグレーダー)」です。

米の粒を揃えるための農具として、1960年代頃まではピアノ線や金網を並行に並べた縦線米選機、いわゆる万石通しや千石通しが使われていました。

1971年に初めて、機械としての選別機が株式会社サタケにより開発されました。

さらに近年になって、選別後の玄米の重量を図る計量機と米選機が一体になった「選別計量機」が登場しました。計量機と選別機を別々に買うコストや別々に行う作業負担が減り、設置場所もコンパクトに済むため、主流となっています。

籾摺り機(左側)・選別計量機(右側)

籾摺り機(左側)・選別計量機(右側)
東北の山親父 / PIXTA(ピクスタ)

しくみを解説! 米選機の基本構造

現在主流となっている回転式米選機のしくみ・構造は、ホッパーから投入された玄米が回転している筒状の選別網に入り、整粒排出口に到達するまでに選別網に開いた穴よりも小さいくず米が取り除かれ、整粒だけが選り分けられるというものです。


技術が発達した現在でも、基本的なしくみは変わらない回転式の米選機が主に使われています。

選別のしくみには、玄米の大きさ、長さ、幅、厚さ、重さ、磁気性や色味などの特徴のうち、いずれかを利用しています。

回転式米選機では、米の厚さを利用しています。回転する選別網の中で米の向きを揃え、厚さによって選別網の穴を通過するかどうかに分かれます。

整粒の状態を見る

整粒の状態を見る
mits / PIXTA(ピクスタ)

近年主流となっている選別計量機の構造は、内部で選別部と計量部に分かれています。

選別部は縦型で、自然流下方式または揚穀方式によって選別します。

自然流下方式は、上方にある投入口から入った玄米が、重量によって選別網とスパイラルの隙間を通って流れ落ちます。スパイラルによって網に押し付けられることで小さなくず米を取り除きながら落下し、下まで落ちた玄米は揚穀装置によって計量機タンクに移動します。

揚穀方式の場合は、下方の投入口から入れられた玄米が、回転するスパイラルと選別網の隙間を通って上方へ押し上げられ、そのときに選別網に押し付けられることでくず米が取り除かれます。上方に溜まった玄米は、そのまま計量の行程に入ります。

選り分けられたくず米

選り分けられたくず米
mits / PIXTA(ピクスタ)

米選機(選別計量機)の計量部

mits / PIXTA(ピクスタ)

計量部では、シャッターを開けて玄米を排出し、重量を図りながら紙袋に整粒を受けます。設定量に達したところでシャッターが閉じて完了します。

シャッターは2段になっており、設定量が近くなると1段目のシャッターを閉めて玄米の流量を減らし、正確な重量は2段目のシャッターで調節します。

買ったらいくら? 米選機の新品・中古販売価格の目安

米選機(選別計量機)

ururu / PIXTA(ピクスタ)

米選機の価格は、主に1時間当たりの処理能力で決まります。1時間当たり18俵程度のものから45俵程度のものまであり、処理能力が高いほど、サイズは大きく価格は高くなります。

グレードごとの新品販売価格の例を挙げると、YANMARの自動選別計量機AZシリーズでは、1時間当たり18俵のAZ18Pが網付きで220,000円(税抜き・以下同)、20俵のAZ20Pが網付きで280,000円、35俵のAZ35Pが網の有無や、機能の少ないタイプからインバータやおしゃべり機能などの機能がフルについているタイプなど性能の多寡ごとに、241,000~380,000円の価格帯です。

TIGERの自動選別計量機「パックメイト」シリーズでは、18俵までのスタンダードタイプが258,000円(税抜き・以下同)、32俵までのインバータータイプが、機能によって350,000~410,000円、45俵までのタイプが530,000円です。秤がないタイプでは、32俵までが290,000円、45俵までが410,000円です。

中古の米選機は、状態や機種のグレードにもよりますが、だいたい5~10万円で購入が可能なようです。近くに中古農機を扱う店舗がない場合は、インターネット上の中古農機市場をチェックしてみるとよいでしょう。

参考:有限会社マシーンコーポレーション「農機具ひろば」

米選機を製造・販売している主なメーカーと、米農家におすすめの機種一覧

米選機(選別計量機)

ururu / PIXTA(ピクスタ)

1926年創立という農機の老舗メーカーである井関農機株式会社は、国内初のコンバインを開発したことで知られています。

「『食と農と大地』のソリューションカンパニー」というメッセージを掲げ、「需要家に喜ばれる製品の提供」を経営の基本理念として農業を多角的にサポートしています。比較的価格帯が低いことも人気の理由です。

自動計量選別機には、「ポリメイトLTK・LTBシリーズ」があります。その中で普及型の「ポリメイトLTB35」について紹介します。

全長105cm、全高171cmとやや大きく、最大処理能力は1時間当たり35俵です。

選別機が声で操作の手順を教えてくれたり、光とメロディで進み具合を教えたりと、親切でわかりやすいサポート機能が特徴的です。

また、玄米が投入しやすいサイドホッパー、取り外ししやすい袋キャッチャー、自走シャッターなど操作を楽にする機能も充実しています。付属品の収納もしやすく、掃除も簡単など、使いやすさにこだわっています。

井関農機株式会社「ポリメイトLTK・LTBシリーズ」

機械としての米選機を最初に開発した「サタケ」

株式会社サタケは、創業1896年という古い歴史を持つ企業で、食品産業総合機械やプラント設備を扱っています。

農機としては、乾燥機や籾摺機、保冷庫など穀物乾燥調製機械に特化して取り扱っており、初めて米選機を開発した企業でもあります。

おすすめ製品は、選別計量機「ネオグレードパッカー(NPA16A)」です。

全長102.5cm、全高147.5cmと比較的コンパクトで、最大処理能力は1時間当たり16俵です。玄米だけでなく、大麦や小麦にも対応します。

機能は十分かつシンプルで、簡単操作パネルや、ワンタッチで機内の残留米を排出できるなどの使いやすさが特長です。投入口は後部で93.5cmの高さにあり、扱いやすいのもポイントです。

株式会社サタケ「ネオグレードパッカー」

技術力の高さに定評のある「タイガーカワシマ」

株式会社タイガーカワシマは、1940年創業当時から農機製造を行っている群馬県の企業です。タイにも支社があり、海外へも意欲的に進出しています。米の収穫後に必要な選別機や計量器、フレコン投入機などの機器が充実し、米選機も複数の品揃えがあります。

その中から、おすすめする製品は「パックメイト(自動選別計量機)XRV-E32A」です。

全長102.5cm、全高166cm、投入口の高さは96cmと扱いやすいサイズで、最大処理能力は32俵です。高い選別機能、ライスタンク清掃窓による掃除のしやすさ、光と音を使った操作サポート機能、といった3つの機能がアピールポイントです。

また、米選機業界初の機能として、「計量履歴出力ポート」を取り付けることで、1袋ずつの計量値や良米の合計重量など、計量履歴をデータとして残せます。

また、米袋を自動搬送できるコンベアなどの付属機器が充実している点も特長です。

株式会社タイガーカワシマ「パックメイト(自動選別計量機)」

農機具の国内シェア第2位の「ヤンマー」

ヤンマーホールディングス株式会社は、創業1912年の大手農機メーカーで、国内で高いシェアを持ちます。高い品質を矜持としており、ヤンマーの農機具は故障が少ないという定評があります。

小型の農機から大型の施設まで、さまざまな農機を扱っており、アグリテックの導入にも積極的です。

米選計量機としては、「自動選別計量機AZ-Pシリーズ」を展開しています。その中から「AZ45P-A」を紹介します。

機体は全長105cm、全高171cmとやや大きめで、投入口の高さは97.5cm、最大処理能力は45俵です。

自動シャッターやワンモーションで袋を取り外せるクイック袋キャッチャー、選別制度の調節が簡単にできるレバーなど、操作のしやすい機能が行き届いています。ホッパーを組み替えることで、本体の左・右・うしろのどこからでも投入できるのでレイアウトの自由度が高い点も特長です。

ヤンマーホールディングス株式会社「自動選別計量機AZ-Pシリーズ」

米選機を通り整った玄米粒

samuraki / PIXTA(ピクスタ)

米選機は水稲農家にとって、最終的な米の品質を左右する大切な機器です。コストを考えつつ、できるだけ質のよい製品を入手しましょう。米選機を効果的に使うことで、くず米の少ない良品の出荷が可能になります。

米選機は水稲農家にとって、最終的な米の品質を左右する大切な機器です。コストを考えつつ、できるだけ質のよい製品を入手しましょう。米選機を効果的に使うことで、くず米の少ない良品の出荷が可能になります。

大曾根三緒

大曾根三緒

ビジネス、ペット、美術関連など多分野の雑誌で編集者として携わる。 全国の農業協同組合の月刊誌で企画から取材執筆、校正まで携わり、農業経営にかかわるあらゆる記事を扱かった経験から、農業分野に詳しい。2019年からWebライターとして活動。経済、農業、教育分野からDIY、子育て情報など、さまざまなジャンルの記事を毎月10本以上執筆中。編集者として対象読者の異なるジャンルの記事を扱った経験を活かし、硬軟取り混ぜさまざまなタイプの記事を書き分けるのが得意。

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