田植機の選び方は? 失敗を防ぐ4つのポイント&最新おすすめ機種情報
田植機は、苗の植え付け可能な条数や付加機能によって、価格が大きく変動する農業機械です。本記事では、失敗しない田植機の選び方や新品・中古の田植機の価格目安のほか、国内主要メーカーの最新モデルの中からおすすめの機種を紹介します。
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目次
小規模農家の高齢化と農地集約に伴うニーズに応える形で、国内の主要農機具メーカーは、さまざまな機能を搭載した田植機を提供しています。本記事では、乗用型田植機を中心に、寿命の見極め方や新しい機体選びのポイント、主要メーカーの特徴とおすすめの最新モデルを紹介します。
見るべきポイントはここ! 失敗しない田植機の選び方
Ystudio / PIXTA(ピクスタ)
国内の各農機具メーカーは、農家のさまざまなニーズや条件に応えるため、多様な機能を搭載した田植機を製造・販売しています。以下では、数ある選択肢の中から、田植機を選ぶに当たって着目すべき4つのポイントを紹介します。
基礎知識|田植機の種類
田植機 歩行型2条(左上)、乗用型4条(右上)、乗用型6条(左下)、乗用型8条(右下)
KY / PIXTA(ピクスタ)・SA555ND / PIXTA(ピクスタ)・amosfal / PIXTA(ピクスタ)・sammy_55 / PIXTA(ピクスタ)
田植機の種類には、条数のほかに、歩行型/乗用型、ロータリー式/クランク式という分け方があります。
乗用型・歩行型
一般社団法人日本農業機械工業会の2021年の統計で国内出荷実績をみると、17,399台のうち、乗用型が98.2%、歩行型が1.8%で乗用型がほとんどであることがみてとれます。
出典:一般社団法人日本農業機械工業会「日農工統計(生産・出荷台数、生産・出荷金額) 」
ロータリー式・クランク式
田植機の植え付け方式は、大きく分けて「ロータリー式」と「クランク式」があります。
クランク式は、苗を植え付ける際に人の手の動きを再現した装置で、1回の動きで1株を植え付けます。
一方、ロータリー式は1回の動きで2株を植え付けることが可能で作業が早く進む一方、クランク式に比べて価格が高くなります。
2004年の古いデータなので参考ですが、4~5条では約6割、6条以上の田植機はほとんどがロータリー式になっています。
条数別のロータリー式・クランク式の割合
ロータリー式 | クランク式 | |
---|---|---|
4~5条 | 57% | 43% |
6~7条 | 97% | 3.5% |
8条以上 | 100% | ー |
小計 | 67% | 33% |
出典:一般社団法人日本農業機械化協会「平成16年度主要農業機械の出荷状況について|乗用型田植機(土付き苗用)」(農業機械化広報メールマガジン 平成16年10月号)よりminorasu編集部作成
ポイント1|ほ場の広さと条数
条数については、2017年までの出荷実績データですが、4条型の割合が減り、6条以上の割合が増えていることが分かります。
出典:一般社団法人農業食料工学会「農業食料工学会誌 80巻6号」 所収「田植・直播機(井関農機株式会社 加藤 哲)」よりminorasu編集部作成
条数が多いほど田植えにかかる時間を短縮することができるので、ほ場面積が広い場合は条数の多い田植機を選ぶのが一般的です。
一般には、3反歩(約30a)以下の狭いほ場の場合は、4条植えの機種で十分に作業をこなせるといわれています。
同じ県内でも地域によって条数とその下限面積の関係はすこしずつ変わります。自治体の農政部署が「農業機械の導入に関する指針」「農業機械導入ガイドライン」といった文書で、条数と利用面積の下限目安を示していますので確認してください。
※「利用面積の下限目安」は、作業効率だけではなく、経済性も考慮した指標なので、この面積以上なければ、高い条数の田植機が不適ということではありません。
一例として、福島県、新潟県、兵庫県の資料から抜粋した「利用面面積の下限目安」を掲載します。
田植機の条数と利用面積の下限目安(例)
4~5条 | 6条 | 8条 | 10条 | |
---|---|---|---|---|
福島県・中通り | 7ha | 10ha | 13ha | 17ha |
福島県・会津 | 6ha | 9ha | 12ha | 13ha |
福島県・浜通り | 7ha | 10ha | 13ha | 17ha |
新潟県・少雪地域 | 6ha | 10ha | 13ha | 16ha |
新潟県・多雪地域 | 5ha | 9ha | 12ha | 14ha |
兵庫県 | 6ha | 9ha | 11ha | 14ha |
出典:下記資料よりminorasu編集部まとめ
福島県「福島県特定高性能農業機械導入計画」
新潟県「新潟県 農業機械の適正導入に係る指針」所収「新潟県 農業機械の適正導入に係る指針(平成31年4月)」
兵庫県「兵庫県農業機械導入ガイドラインについて」所収「兵庫県農業機械導入ガイドライン(令和2年3月)」
狭いほ場の場合、条数の多すぎる機体では小回りが利かず、むしろ作業効率が落ちてしまいます。この場合には、コンパクトで軽量な歩行型田植機の利用を検討してみてもよいでしょう。
ポイント2|ほ場の広さに合わせた作業能力
田植機を選ぶ際には、作業を想定するほ場の条件と、田植機の作業能力を比較する必要があります。
まず、田植機を用いて作業するほ場一面ごとの面積を把握し、作業可能日数と1日の作業時間から「作業可能時間」を確認します。
作業可能時間=作業可能日数×1日の作業可能時間
作業可能日数は、収獲適期の日数から、雨天などで作業できない日数を引いて割り出します。1日の作業可能時間は「1日当たり作業時間×実作業率」で割り出します。
実作業率は、ほ場が分散している場合に効率が低くなることを反映するための指標です。ほ場間の距離が離れている場合の移動時間と、ほ場毎にかかる機械の装着や調整、清掃などにかかる時間を考慮した割引率といえます。
「実作業率」は、70%前後を標準として示している自治体が多いようです。ご自分の地域の標準的な実作業率は、自治体の農政部署などで確認してください。
次にこれらから、必要作業能率(1ha当たりに必要な作業時間)を計算します。
必要作業能率=作業可能時間÷計画作業面積
実際の田植機の「機械作業能率」(その機械が1ha当たりの作業に要する時間)とを比べ、
「必要作業能率>=機械作業能率」
となるかを確認します。必要作業能率より機械作業能率が小さく、かつ、最も近い機械が効率よいということになります。
機械作業能率は、一般にはカタログに記載されている作業能率や。自治体が示している機械作業能率を用います。ただし、土質などの条件によって変わってくるので、JAや自治体の農政部署に相談してみてください。
参考:田植機の標準的な指標が示されている自治体資料の例
北海道「北海道における特定高性能農業機械の導入に関する計画」所収「農業機械導入計画策定の手引き」
新潟県「新潟県 農業機械の適正導入に係る指針」 所収「新潟県 農業機械の適正導入に係る指針(平成31年4月)」
愛知県「大豆・麦等生産体制緊急整備事業について」 所収「<参考資料>作業能率及び実作業率」
兵庫県「兵庫県農業機械導入ガイドラインについて」所収「兵庫県農業機械導入ガイドライン(令和2年3月)」
広島県「集落法人育成の手引」所収「3. 経営計画の作成」の項所収「機械選定の考え方」
ポイント3| 採用している育苗方法への対応可否
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田植機を選ぶ際は、育苗方法に合っているかもポイントです。
田植機の多くが1条当たり約30cmの規格を採用しています。育苗箱の多くも約30cm×約60cmの規格が採用されていますが、念のため、規格を確認しておきましょう。
また、寒冷地などでは、一般に普及している「マット式」ではなく、成苗になってから移植する「ポット式」の育苗が採用されているところもあります。ポット式の場合は専用の田植機が必要です。
ポイント4.|作業体系、栽培方法に応じた付加機能の有無
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田植機を選ぶ際は、作業体系や栽培方法に応じた付加機能にも注目してください。作業効率を向上させるための付加機能には、さまざまなものがあります。
例えば、苗の植え付けと同時に施肥を行う「側条施肥機」はその1つです。側条施肥機とは、植えた苗の横に溝を作りながら、肥料をまいていく装置です。
植え付けと同時に苗の近くに肥料を投入することで、使用する肥料の節約につながり、苗の活着直後から肥料の効果が期待できます。
また、「密苗移植栽培システム」(注)の導入で省力化や低コスト化を実現するなら、密苗仕様の田植機を使用する必要があります。ほかにも、湿田や凹凸の激しいほ場での走行に対応した水平走行性能や、自動直進アシストなどの付加機能を備えた田植機もあります。
注:「密苗移植栽培システム」は生産者・石川県農林総合研究センター・ヤンマー株式会社の共同研究により開発された。「密苗」および「高密度育苗」はヤンマーホールディングス株式会社の登録商標
これらの付加機能を活用することで、田植えの作業効率を向上させられるため、予算とも相談しながら要不要を判断していってください。
▼「デジタルツールの活用で、作業効率化や収量減・品質低下のリスクを低減」についてはこちらをご覧ください
田植機の値段はいくら? 新品・中古価格の目安
sammy_55 / PIXTA(ピクスタ)
田植機の価格は、植え付けが可能な条数や搭載されている機能によってさまざまです。以下では、新品価格の大まかな目安と中古を購入する場合の注意点を説明します。
新品の田植機、メーカー希望小売価格の目安は「100万~500万円」
田植機の価格は、対応している条数によって大まかな目安を把握することができます。4条植えであれば税込81万円〜140万円程度、6条以上に対応した機体では税込180万円以上、8・10条植えの機体は500万円台が目安となります。
とはいえ、同じ条数でも性能によって価格に大きな差があるため一概にはいえません。例えば、4条植えなど小区画対応の機体でも、作業効率を向上させるロータリーや、ガソリンより馬力の出るディーゼルエンジンを搭載している場合、さらに価格は高くなります。
また、10条植えに対応する機体の中には、税込価格で800万円以上する製品もあります。
出典:
株式会社クボタ「農業ソリューション製品」
ヤンマーホールディングス株式会社「田植機 シリーズ別ラインアップ」
株式会社クボタ「Agri Robo NW10SA」
使用頻度が少なく寿命の長い田植機は、中古での入手も
田植機は年間の使用日数・使用時間が少ない農機具のため、中古で購入することも選択肢の1つです。中古農機の販売店や中古農機ECで探ぜば、新品購入より安く買い換えができるかもしれません。
その際に注意したいのが「アワーメーター」です。田植機をはじめ、多くの農機具には使用時間を計測するアワーメーターが設置されています。このアワーメーターで計測された使用時間で消耗具合がわかり、おおよその寿命を推測することができます。
田植機の寿命の目安は、300~500時間程度といわれています。使用時間が500時間に迫るような機体の場合は、価格が安くでも故障リスクが高く、作業が遅れたり修理代がかかったりするので、気をつけてください。
選ぶならどこ? 田植機を製造・販売する各メーカーの特徴
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現在、田植機を製造・販売している国内主要メーカーは、信頼性の高い機能や安心のアフターサービスを備えています。田植機の購入に当たっては、機種の機能を考慮し、自分に合った田植機を選ぶとよいでしょう。
国内の代表的なメーカーとしては、「イセキ」「クボタ」「三菱」「ヤンマー」の4ブランドがあります。以下では、各メーカーの歴史や特徴などを紹介します。
井関農機株式会社(イセキ)
1926年に創業した井関農機株式会社(イセキ)は、国内初の自走自脱型田植機を開発した農機具国内大手メーカーです。
2000年から現在に至るまで、その他の特殊機械分野(分野編成変更前は農水産分野)における特許公開数は通算で20年近く1位を獲得しているなど、技術力と開発力に定評がある企業です。
また、高い専門性が伴う特殊な農業機械を比較的廉価で販売していることも特徴です。
出典:井関農機株式会社「私たちの誇り 認められた確かな技術」
株式会社クボタ
株式会社クボタは1890年創業の老舗メーカーで、現在では世界120ヵ国以上に拠点を持つグローバル企業として知られています。
国内最大手の農機具メーカーであるクボタグループの農機販売会社は、全国15拠点を数えます。さらに、これら15拠点が各エリアの営業所を配置しているため、円滑にサポートを受けることが可能です。(拠点数は2022年1月現在)
出典:
株式会社クボタ「会社概要」
株式会社クボタ「クボタのお店」
三菱マヒンドラ農機株式会社(三菱農業機械)
三菱マヒンドラ農機株式会社は、三菱重工業株式会社の系列企業です。2015年、インドの自動車メーカーであるマヒンドラ&マヒンドラ社が資本参加し、現在の社名に変更した経緯があります。
トラクターやコンバイン、田植機など主要な農業機械へのメンテナンスサービスが充実しています。特に部品供給サービスは10年以上と、長期にわたってサポートを受けることが可能です。
出典:三菱マヒンドラ農機株式会社
「会社概要」
「部品供給年限延長サービス」
ヤンマーホールディングス株式会社(ヤンマー)
1912年に山岡発動機工作所として創業したヤンマーホールディングス株式会社(は、農機具の国内シェア2位を誇る大手メーカーです。エンジンおよび動力系の開発に定評があり、農機具以外では船舶や建設機械も手掛けています。
故障の少なさや運転のしやすさが高く評価され、中古市場においても高額で取引されています。
出典:ヤンマーホールディングス株式会社「ヤンマーについて」所収「ヤンマーグループ会社案内」
【メーカー別】 田植機の“プロ向け”おすすめ最新機種4選!
最後に、上記4ブランドの最新機種のうち、おすすめの田植機を紹介します。
イセキ 「さなえ RPQ3シリーズ(4・5条植え)」
井関農機株式会社 Youtube公式チャンネル「【公式PV】ISEKI 田植機 さなえRPQ3シリーズ」
「さなえ RPQ3」シリーズは、2022年6月にイセキより発売された田植機です。
4・5条植え対応の小型機にロータリーを搭載したRPQシリーズの新モデルで、運転席の居住性に重点をおいた設計が特徴です。機体前方と側方に広いステップが設置されており、運転者の移動や機械上での作業をしやすくします。
セルモータ・リコイルスターター兼用の新エンジンが搭載されているため、バッテリー上がりの際の始動もスムーズです。
そのほか、空苗箱を5枚収納することが可能な「よくばりトラック」やドリンクホルダを備えたことで、より快適な作業を実現しています。
製品ページ:井関農機株式会社「さなえ RPQ3シリーズ」
<価格・仕様>
RPQ43(4条)
・価格:1,450,900円~1,909,600円(税込)
・全長:2,620mm
・全幅:1,425mm〜1,470mm
・全高:1,580mm〜1,590mm
・質量:395kg〜470kg
・作業能率:18〜23min/10a
RPQ53(5条)
・価格:1,711,600円~2,136,200円(税込)
・全長:2,710mm
・全幅:1,790mm
・全高:1,590mm
・質量:460kg〜505kg
・作業能率:15〜17min/10a
出典:
井関農機株式会社「さなえ RPQ3シリーズ」 所収「主要諸元」
井関農機株式会社「新着情報」 所収「2022 年下期 新商品 発表しました 」(新着情報 2022年6月14日)
クボタ 「乗用形田植機 WORLD(6・8条植え)」
株式会社クボタ Youtube公式チャンネル「クボタ田植機 WD<ワールドシリーズ>WD6/WD8」
「WORLD」は、2022年10月にクボタより発売された田植機で、6条植え対応の「WD6」、8条植え対応の「WD8」の2種類がラインアップされています。
クボタが2013年に発表した「シンプル&低価格」をコンセプトとしたWORLDシリーズの新モデルとして発表されました。市場投入前の2022年6月時点で、6条植え・8条植え対応のディーゼルエンジン搭載田植機としては、業界最安値(クボタ調べ)のモデルでもあります。
運転者から見て左側方にレール式の予備苗台が備えられており、レールをスライドさせることで苗の受け渡しをスムーズに行えます。
施肥機の機能向上も当シリーズの特徴であり、運転中に施肥量を調節できるほか、残肥の一括排出も可能です。さらに密播苗にも対応しており、作業の省力化および低コスト化を実現できます。
製品ページ:株式会社クボタ「農業ソリューション製品サイト|田植機|WORLD WD6/WD8」
出典:
株式会社クボタ「クボタ営農ナビFacebook」 2022年11月30日
株式会社国際農業社「今のニーズ捉えた3機種5シリーズ 低価格でも使い易く 農地の大規模化に対応 クボタ2022下期新製品」(農村ニュース 2022年6月21日)
<価格・仕様>
WD6(6条)
・価格:2,321,000円(税込)
・全長:3,160mm
・全幅:2,080mm
・全高:1,800mm
・質量:715kg(750kg:施肥機付仕様)
・作業能率:10〜 min/10a
WD8(8条・粒状側条施肥仕様)
・価格:3,707,000円(税込)
・全長:3,350mm
・全幅:2,220mm
・全高:1,800mm
・質量:840kg(905kg:施肥機付仕様)
・作業能率:8〜 min/10a
出典:株式会社クボタ「農業ソリューション製品サイト|田植機|WORLD WD6/WD8」所収「主要諸元」「カタログ」
三菱マヒンドラ農機 「田植機 LD5(5条植え)」
写真提供:三菱マヒンドラ農機株式会社
「LD5」は、2022年11月に三菱マヒンドラより発売された田植機で、操作性に関連する機能が多く搭載されているのが特徴です。
ハンドル操作のみで植え付け部の昇降と植え付けクラッチのON/OFFを行えるほか、植え付け部を水平に保つための水平自動制御装置や、機体を軽量化し前重心にすることでほ場内の走行性を向上させる機能が取り入れられています。
バッテリーは軽トラと互換性のある端子・規格が採用されており、メンテナンス性に優れている点も特徴です。
製品ページ:三菱マヒンドラ農機株式会社「田植機」 所収「三菱田植機 LD5」
<価格・仕様>
・価格:1,622,500円~2,021,800円(税込)
・全長:2,665mm(2,615mm:作業時)
・全幅:1,780mm(1,950mm:作業時)
・全高:1,725mm(1,400mm:作業時)
・質量:355kg(400kg:施肥機付仕様)
・作業能率:16〜 min/10a
出典:
三菱マヒンドラ農機株式会社「田植機」所収「三菱田植機 LD5」
株式会社国際農業社「MAM2022下期新商品 軽量な5条田植機 小規模農家応援バインダー」(農村ニュース 2022年7月19日)
ヤンマー 「乗用田植機 YR4SA(4条植え)」
写真提供:ヤンマーアグリ株式会社
「乗用田植機 YR4SA」は、2022年7月にヤンマーより発売された田植機です。小規模ほ場に対応した機体の最新モデルですが、より安価なクランク式も併せてラインアップされました。
オプション機能には、後輪が独立して稼働することでほ場の凹凸に対応して4輪が接地する「後輪独立スイング(Z仕様)」や、専用の施肥機を搭載した「ミッドマウント施肥機(F仕様)」があります。
最も基本的な機種である「YR4SA,K」および「YR4SA,R」は、軽トラに積載して移動することが可能で、山間部や都市近郊のほ場での作業にも対応できます。
製品ページ:ヤンマーホールディングス株式会社「乗用田植機 YR4SA」
<価格・仕様>
・価格:819,500円~1,398,100円(税込)
・全長:2,240mm〜2,520mm
・全幅:1,350mm
・全高:1,300mm
・質量:260kg〜385kg
・作業能率:28〜42min/10a
出典:
ヤンマーホールディングス株式会社「乗用田植機 YR4SA」所収「カタログ」
ヤンマーアグリ株式会社「安心・簡単操作・省力作業」を実現する乗用田植機「YR4SA」を発売」(2022年6月14日 ニュースリリース)
株式会社国際農業社「「YAG 新製品2機種 安心・省力機能充実 乗用田植機YR4SA」(農村ニュース 2022年6月21日)
国内の主要な農機メーカーは、それぞれの特色を活かしながら、さまざまな農家のニーズに応えるべく多様な田植機を開発・販売しています。
田植機を選ぶ際は、各メーカーの最新モデルの動向もチェックしつつ、自身のほ場の条件や作業計画、予算などを考慮し、最適な機能を有した機体を検討しましょう。
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ご回答ありがとうございました。
お客様のご回答をminorasuのサービス向上のためにご利用させていただきます。
大森雄貴
三重県伊賀市生まれ。京都を拠点に企業・団体の組織運営支援に携わった後、2020年に家業の米農家を継ぐためにUターン。現在は米農家とライターの二足の草鞋を履きつつ、人と自然が共に豊かになる未来を願いながら、耕作放棄地の再生、農家体験プログラムの実施、暮らしを大切にする経営支援などに取り組んでいる。